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反り腰でお腹が出て見えるニット|裾リブの締めと前後の丈の差で選ぶ

メグラシ編集部//読了 14分
前だけパンツに軽く入れた、後ろ丈が少し長いミドルゲージのニットを着た女性の胸元から膝まで

**反り腰でニットを着るとお腹が出て見えるなら、まず裾の位置を変えてください。**下腹のいちばん前に出た点(ここでは頂点と呼びます)を測り、裾をその上3cmから下5cmの帯に置かない。これだけで、同じお腹のままでも横からの見え方が変わります。

次に見るのは、裾リブの締まり方と、前後の丈の差です。強く締まる裾リブは避け、前より後ろが2〜4cm長いニットを選びます。この3つで、反り腰の人のニット選びはほとんど決まります。

反り腰の人の服全般、とくに後ろ裾の上がりと腰のすき間の話は反り腰に似合う服にまとめてあります。この記事は、秋冬にいちばん着る回数の多いニットで「お腹が出て見える」ことだけを扱います。

結論:裾を「下腹の頂点の帯」に置かず、前後の丈差で前を逃がす

反り腰の人は、骨盤が前に傾きやすく、そのぶん下腹が前に押し出され、腰の後ろにくぼみができます。この形のところにニットを着ると、前の布は下腹の頂点に乗って持ち上がり、後ろの布は腰のくぼみに落ちて浮きます。

結果として、横から見ると、お腹の位置に布の山ができ、後ろは背中から布が離れて落ちます。お腹そのものより、この布の山のほうが「お腹が出て見える」原因です。

見る場所お腹が出て見える状態目立たない状態
裾の位置頂点の上3cmから下5cmの間頂点の3cm以上上、または5cm以上下
裾リブ強く締まって戻りが速い締めが弱く、戻りがゆっくり
前後の丈前と後ろが同じ長さ後ろが2〜4cm長い
編み地厚く張りがあり、面になる中くらいの厚さで、縦に落ちる

表は、比べる場所を示すためのものです。どれを優先するかは、このあと自分の数字を入れて決めます。

お腹が出て見える仕組みを、横から確かめる

鏡の正面からだけ見ていると、お腹がどこで出て見えているのか分かりません。反り腰のニットの問題は、ほとんどが横から見たときに起きています。

手持ちのニットを1枚着て、スマートフォンで真横から全身を撮ってください。カメラは腰の高さに置き、2mほど離れます。上から撮ると上半身が大きく、下から撮ると下半身が大きく写るので、腰の高さでそろえることが大事です。

写真を見て、次の3点を確かめます。

1つ目は、前の布がどこでいちばん前に出ているかです。その点が下腹の頂点と同じ高さなら、布が頂点に乗っています。

2つ目は、後ろの裾が腰から何cm浮いているかです。背中の線から裾までのすき間が指2本分以上あるなら、腰のくぼみに布が落ちず、宙に浮いています。

3つ目は、裾の線が水平かどうかです。前が上がって後ろが下がっていれば、裾が斜めになっています。反り腰の人のニットは、平らに置いたときは水平でも、着ると前上がりに傾くことが多いです。

この3つのうち2つ以上が当てはまるなら、お腹が出て見えるのは体よりもニットの裾の置き方の問題です。ここから先の選び方で、かなり変わります。

自分の数字を3つ測る

ニットを選ぶ前に、3つの数字を測っておきます。

1つ目は、下腹の頂点の高さです。横から鏡で見て、おへそより下で、いちばん前に出ているところを指で押さえます。そこからおへそまでの長さを測ってください。多くの人は、おへその下3cmから8cmの間にあります。

2つ目は、首の付け根から頂点までの長さです。首の後ろの骨の出っ張りから、体の前を通らずに背中側を下へ、頂点と同じ高さまで測ります。ニットの丈は首の後ろから測ることが多いので、この数字があると、売り場の表示で頂点との関係が分かります。

3つ目は、腰のくぼみの深さです。壁に背中をつけて立ち、腰と壁の間に手を差し込みます。手のひらが1枚すっと入るか、拳が入るかを見てください。拳が入るほど空いている人は、後ろの裾が浮きやすいので、前後の丈差を大きめにとる必要があります。

2つ目の数字から3cm引いた長さと、5cm足した長さ。この間に後ろ丈が収まるニットが、避けたい帯です。売り場でニットの丈の表示を見たとき、この範囲に入るものは、試着する前に候補から外して構いません。

測るときは、ふだんニットを着るときと同じ下着とボトムで立ってください。ボトムのウエストが下腹を押さえる位置によって、頂点の高さは1〜2cm変わります。股上の浅いボトムを履いたときと深いボトムを履いたときで、頂点の位置が違う人も少なくありません。よく履くボトムが2種類あるなら、両方で測っておくと、ニットを選ぶときにどちらのボトムに合わせるかで迷わずに済みます。

もう一つ、朝と夕方で測った数字が違うこともあります。食事のあとや夕方は、下腹の頂点が少し前に出たり、位置がわずかに下がったりします。気になる人は、夕方に測った数字を基準にしてください。一日のうちでいちばん頂点が出ている時間に合わせておけば、朝にちょうどよかったニットが夕方に合わなくなる、ということが起きにくくなります。

数字は、体を評価するためのものではありません。ニットの裾をどこに置けばいいかを、売り場で判断するための目印です。一度測ってスマートフォンのメモに残しておけば、ネットでニットを買うときにも、表示された丈と比べるだけで候補を絞れます。

裾の位置|頂点の上3cmから下5cmの帯を避ける

裾が下腹の頂点の近くで止まると、裾のふちが頂点に引っかかって、前が持ち上がります。持ち上がった裾は、頂点を支点にしてまっすぐ下に落ちるので、横から見ると、お腹の位置から布が垂れているように見えます。

この「引っかかる帯」が、頂点の上3cmから下5cmです。上側が狭く、下側が広いのは、裾が頂点を越えたあとも、しばらく布が下腹に沿って前に出るからです。

避け方は2つあります。

1つは、裾を帯より上に置くことです。頂点の3cm以上上、だいたいおへその高さ前後で止まる丈のニットを選び、股上の深いボトムと合わせます。ニットの裾がボトムのウエストに重なるので、下腹の頂点には布の端が来ません。

もう1つは、裾を帯より下に置くことです。頂点の5cm以上下、太ももの付け根近くまである丈のニットなら、前の布は頂点を越えたあと、下腹から離れて縦に落ちます。布が離れて落ちるので、横から見ても山になりません。

どちらがいいかは、身長とボトムで変わります。短い丈は脚が長く見え、長い丈はお腹とお尻を両方覆えます。迷ったら、手持ちのボトムでいちばんよく履くものに合わせて決めてください。

注意したいのは、売り場の表示の丈と、着たときの裾の位置がずれることです。反り腰の人は前が持ち上がるので、表示の丈どおりに裾が来るのは後ろだけで、前は1〜3cm上がります。表示の丈が帯のすぐ外にあるニットでも、着ると前の裾が帯の中に入ってくることがあります。表示の丈で選ぶときは、帯の上側に置きたいなら表示より2cm短め、下側に置きたいなら表示より2cm長めを目安にしてください。

ワンピースのように長いニットも、考え方は同じです。ニットのワンピースは裾が膝の近くにあるので、頂点の帯とは関係ないように思えますが、実際には下腹の頂点で布が前に押し出され、そこから裾まで布が斜めに落ちます。横から見ると、お腹の位置を起点に布が前に傾いて見えます。ニットのワンピースを着る日は、頂点より上にベルトやリボンを一本通して、布が頂点から離れて落ちるきっかけを作ってください。ベルトの位置は、頂点の5cm以上上、おへそより上が目安です。

裾リブ|締まるリブは、下腹の下で止まって上がふくらむ

ニットの裾には、多くの場合、ゴム編み(リブ)が付いています。このリブがどのくらい締まるかで、反り腰の人の見え方は大きく変わります。

強く締まるリブは、着たときに体に巻きつきます。反り腰の人がこのリブを頂点より下に置くと、リブが下腹の下で体を締め、その上の布がふくらんで、頂点を強調します。風船の口を縛ったような形になるからです。

売り場で確かめる方法があります。裾のリブを両手の指2本ずつでつまみ、横に10cmほど広げてから、ぱっと離してください。すぐに元に戻るなら、締まりが強いリブです。ゆっくり戻る、あるいは少し広がったまま残るなら、締まりが弱いリブです。

反り腰の人に向くのは、締まりが弱いほうです。体に巻きつかないので、裾が頂点の下に来ても、布が下腹の形を拾わずに落ちます。

リブの幅も見てください。幅が3cm以上ある太いリブは、締まりが弱くても、それ自体が横の帯になって、裾の位置を目立たせます。帯の高さが頂点に近いと、そこに目が行きます。リブの幅は2cm以下か、リブがなく裾を折り返しただけの始末のほうが、反り腰の人には扱いやすいです。

前後の丈差|後ろが長いニットを選ぶ理由

反り腰の人がニットを着ると、前は下腹に押されて上がり、後ろは腰のくぼみに落ちて下がる、と書きました。実際には、後ろの布は腰のくぼみに沿わずに浮くので、着たときの後ろ丈は、平らに置いたときより短く見えます。

前と後ろが同じ長さのニットを着ると、前が上がり、後ろも浮いて短く見えるので、全体が持ち上がった印象になります。

後ろが前より2〜4cm長いニットなら、この持ち上がりを吸収できます。前が上がったぶん、後ろの長さで裾の線が水平に近づきます。後ろの長さが腰のくぼみを越えてお尻にかかるので、後ろの浮きも目立たなくなります。

前後の丈差は、売り場で平らに置いて確かめるのが確実です。ニットの肩をつまんで台の上に置き、前と後ろの裾をそろえずに、肩の位置をそろえてください。後ろの裾が前より何cm下に出ているかを見ます。

腰のくぼみが深く、壁の前で拳が入った人は、丈差を4cm以上とってください。手のひら1枚程度の人は、2cmあれば足ります。丈差が6cmを超えると、前から見たときに後ろの裾が脇から見えて、裾の線が乱れるので、それより大きいものは避けます。

編み地の厚さ|ローゲージは、下腹の上で面になる

ニットの編み地の厚さも、お腹の見え方に関わります。

太い糸でざっくり編んだローゲージのニットは、布に張りがあり、体の形に沿わずに一枚の面として立ちます。反り腰の人がこれを着ると、下腹の頂点から裾まで、厚い面が前に張り出します。横から見ると、お腹の前に板を一枚立てたような形になります。

細い糸で目の詰んだハイゲージのニットは、体に沿って落ちます。下腹の形をそのまま拾うので、頂点の高さが分かりやすくなります。

反り腰の人がいちばん扱いやすいのは、その中間、ミドルゲージです。指で編み地をつまんで、厚さが3〜5mmくらいのものを目安にしてください。体に張りつかず、かといって面として立ちすぎず、縦に落ちます。

どうしてもローゲージのざっくりしたニットを着たい日は、丈を短くして、頂点の3cm以上上で止めてください。厚い面が下腹にかからなければ、張り出しは起きません。ハイゲージの薄いニットを着る日は、裾を頂点の5cm以上下まで長くして、布が離れて落ちる距離をとります。

編み方の柄も見ておきます。縦に走るケーブル編みやうねのあるニットは、目線を縦に運ぶので、前の布の山が目立ちにくくなります。横に段が入るボーダーや、腹の高さに横の模様があるニットは、頂点の高さに目が止まります。

前だけ入れる・横だけ入れる|タックの位置で裾の線を変える

手持ちのニットの丈が「引っかかる帯」に入っているなら、ボトムに裾を入れて、裾の位置を変える手があります。

全部入れると、ウエストの位置がはっきり出て、その下の下腹がボトムの中で前に出ます。反り腰の人は、全部入れるより、前だけ入れるほうが向いています。

前だけ入れるときは、へその前から左右に指3本分ずつ、合わせて手のひら1枚分くらいの幅を入れます。入れたあと、上から布を少し引き出して、ウエストの上に1〜2cmたるませてください。たるみがウエストの線を隠し、下腹の頂点から目をそらします。

後ろは入れずに出したままにします。後ろの裾が腰のくぼみの上から垂れて、浮きを隠してくれます。

脇だけ入れるやり方もあります。前から見て左右どちらか一方の脇の裾を入れ、もう一方と前は出したままにします。裾の線が斜めになるので、下腹の頂点の高さで横の線ができません。前だけ入れると子どもっぽく見えると感じる人は、こちらを試してください。

どちらのやり方でも、入れる裾の量を少なくすることが大事です。ボトムの中に布をたくさん入れると、ウエストの前にふくらみができて、かえって下腹が前に出て見えます。

入れた裾が一日のうちに抜けてくる人は、ボトムのウエストの内側に、裾の端を2cmだけ折り込んでおくと持ちます。深く入れるほど抜けにくいと思いがちですが、深く入れると下腹の前に布がたまり、座ったり立ったりするたびにふくらみが動きます。浅く入れて、上のたるみで線を隠す、という順番で考えてください。

前だけ入れる組み方は、ボトムのウエストにベルト通しがあると安定します。ベルト通しの内側に裾の端を引っかけるように入れると、前の裾が中央に寄らず、左右に均等に広がったまま止まります。ベルトを締める場合は、太さ2〜3cmの細めのものにして、バックルが下腹の頂点より上に来ることを確かめてください。

下に合わせるボトム|股上の深さと、前のタック

ニットの見え方は、下に合わせるボトムでも変わります。

股上の浅いボトムは、ウエストの位置が下腹の頂点に近いか、それより下に来ます。ニットの裾が頂点の帯に入りやすく、さらにウエストの縁が下腹の下を横切るので、頂点が強調されます。

股上の深いボトムは、ウエストがおへその高さ前後に来ます。ニットの裾を頂点より上で止めたいときは、この深さが必要です。目安は、ボトムのウエストの上端が、下腹の頂点より5cm以上上にあることです。

前にタック(ひだ)の入ったパンツやスカートは、下腹のところに布のゆとりがあるので、頂点の形を拾いにくくなります。タックが外向きに2本入っているものは、ひだが下腹から脚に向かって縦に落ちて、前の布の山を縦の線に変えます。タックのないボトムは、生地が下腹に沿うので、頂点がそのまま出ます。

素材は、張りのあるウールや厚手の綿より、少し落ち感のあるものが向きます。張りのある素材は、下腹の頂点から前に張り出して、ニットの裾の下にもう一つ山を作ります。

スカートなら、腰から裾に向かって広がるAラインより、ウエストから縦にまっすぐ落ちるものを選びます。Aラインは、反り腰で後ろが上がる分、前が下がって見え、下腹の前に裾の広がりの頂点が来やすくなります。

どちらとも取れるとき① 反り腰なのか、下腹が出ているだけなのか

お腹が出て見えるのは反り腰のせいなのか、下腹そのものが出ているだけなのか、自分では区別しにくいことがあります。どちらなのかによって、ニットの選び方の優先順位が変わります。

確かめ方は、横からの写真の、後ろの裾です。前の布が頂点に乗っていて、なおかつ後ろの裾が腰から浮いているなら、反り腰の影響が大きいと考えます。この場合は、前後の丈差を最優先にしてください。後ろが長いニットを選ぶだけで、前も後ろも整います。

前の布は頂点に乗っているけれど、後ろの裾は背中に沿って落ちているなら、下腹の影響のほうが大きいと考えます。この場合は、前後の丈差より、裾の位置と裾リブのほうが効きます。裾を帯の上か下に置き、締まらないリブのものを選んでください。下腹が目立たない服の考え方はお腹が目立たない服に広くまとめてあります。

両方当てはまる、あるいは判断がつかないときは、前後の丈差が2cm程度あって、裾リブが弱く、丈が頂点の5cm以上下まであるニットを選んでください。この3つがそろったニットなら、どちらの原因でも裾が頂点に引っかかりません。

体の状態そのものが気になる人は、服の工夫とは別に、専門家に相談してください。この記事は、いまの体の形のままで、ニットの見え方を変える話です。

どちらとも取れるとき② お尻も出ていて、後ろ丈をどこまで長くするか迷う

反り腰の人は、腰が反ったぶんお尻が後ろに出て見えることがあります。お腹もお尻も気になる場合、後ろ丈を長くすればお尻は隠れますが、長くしすぎると今度は全身が重く見えます。

ここで分かれ目になるのは、お尻のいちばん後ろに出ている点の高さです。横からの写真で、お尻のいちばん出ているところを確かめてください。

後ろの裾がこの点より上で止まると、裾のふちがお尻の上に乗って、お尻の丸みの上に布が水平に広がります。前の下腹と同じく、布の山ができます。

後ろの裾がこの点より5cm以上下まであると、布がお尻から離れて縦に落ちるので、丸みが目立ちません。

その間、お尻の頂点のあたりで裾が止まるのがいちばん避けたい長さです。前の「引っかかる帯」と同じ考え方で、後ろにも引っかかる帯があります。

前後の丈差でいうと、前の裾を下腹の頂点の5cm以上下に置き、後ろの裾をお尻の頂点の5cm以上下に置くと、前後の差は4cmから6cmになることが多いです。6cmを超えると前から見て脇に後ろの裾が見えるので、それ以上に差が必要な場合は、前だけボトムに入れて前の裾を上げる組み方に切り替えてください。

どちらとも取れるとき③ 小柄で、ニットが長すぎてしまう

身長が低めの人は、頂点の5cm以上下まである長い丈のニットを着ると、脚が短く見えて全体が重くなることがあります。かといって短い丈にすると、頂点の3cm以上上で止まるものがなかなか見つかりません。

小柄な人は、裾を帯の上に置く組み方を優先してください。目安として、首の後ろの骨から裾までが55cm前後のニットから探すと、多くの場合おへそのあたりで止まります。そこに股上の深いボトムを合わせて、ウエストの上にニットの裾を重ねます。

それでも短い丈が見つからない場合は、長めのニットを前だけ入れる組み方を使います。前を入れれば、前の裾は頂点より上に上がり、後ろは出したままなので腰のくぼみも隠れます。後ろの裾がお尻の頂点より上で止まるか、5cm以上下まであるかだけ確かめてください。

肩の位置が落ちる、いわゆるドロップショルダーのニットは、小柄な人が着ると袖とあわせて全体が大きく見え、丈も長く感じます。肩の縫い目が肩の先から2cm以内にあるものを選ぶと、上半身の大きさが抑えられ、丈が同じでも短く見えます。

小柄な人がお腹とお尻を両方気にしている場合は、ニットで全部を隠そうとせず、ボトムの側で受け止める考え方も持っておくと楽です。前にタックの入ったボトムで下腹を、落ち感のある素材でお尻を、それぞれ受けて、ニットは短めでウエストに重ねるだけにします。

秋冬の重ね方|ベスト・カーディガン・コートと重なる日

秋冬は、ニットの上にさらに何かを重ねる日が多くなります。重ねるものの裾の位置も、ニットと同じく下腹の頂点との関係で決まります。

ニットベストを重ねる日は、ベストの裾が頂点の帯に入らないかを見てください。ベストはニットより丈が短いものが多く、ちょうど頂点の高さで止まりがちです。ベストの裾が頂点に乗ると、下のニットと合わせて布が二重に前に出ます。ベストの丈は、頂点の3cm以上上で止まるものを選ぶか、前を開けて着られる形にしてください。

カーディガンを羽織る日は、前を開けて着るのが基本です。前を開けると、カーディガンの前端が縦に2本の線を作り、その間に下のニットが細長く見えます。前を閉じると、カーディガンの裾も頂点の帯に入る可能性があり、ニットと同じ問題が二重に起きます。開けて着る日は、カーディガンの丈を下のニットより長くすると、縦の線がさらに長くなります。

コートを着る日は、コートの前を開けるか閉めるかで変わります。前を閉めるなら、コートの中のニットは見えないので、コートのボタンの位置に気をつけます。いちばん下のボタンが頂点の高さにあると、そこに布が引っぱられて横のしわができます。いちばん下のボタンは留めずに開けておくと、コートが下腹の前で開いて縦に落ちます。

前を開けて着るなら、コートの前端がカーディガンと同じく縦の線を作ってくれるので、中のニットの裾の位置はそれほど目立ちません。風の強い日に前を閉めるかどうかで、合わせるニットを変えておくと、一日の中で印象が崩れにくくなります。

マフラーや大判のストールを長く垂らす日は、垂らした先端が下腹の頂点より下に来るようにします。頂点の高さで先端が止まると、そこに房や厚みが集まって、お腹の前に量が足されます。

首元の形で、目線を下腹から上へ移す

裾の位置を整えたうえで、もう一つ効くのが首元の形です。人の目線は、服の中でいちばん目立つ場所に止まります。首元に目立つ形があると、目線はそこに集まり、下腹の高さまで下りてきません。

Vネックのニットは、首元から胸に向かって縦の線を作ります。目線が首元から胸の中央へ下りて、そこで止まるので、下腹まで行きません。Vの深さは、鎖骨のくぼみから指3〜4本分下までが扱いやすいです。それより深いと、中に何かを着る必要が出て、首元に横の線が増えます。

タートルネックやハイネックは、首元に量が集まるので、目線を上に引き上げる力が強い形です。ただし、首から裾までが一枚の面としてつながるので、裾が頂点の帯に入っていると、首から下腹までが一続きの筒に見えます。タートルネックの日は、裾の位置の決まりをいつもより厳しく守ってください。

丸首のニットは、首元に目立つ形がないので、目線が全身を上から下まで流れます。裾の位置が整っていれば問題はありませんが、整っていないときにいちばん下腹が目立つのも丸首です。丸首を着る日は、ネックレスやスカーフを首元に一つ足して、目線の止まる場所を作っておくと安心です。

首元に置くものの高さは、鎖骨の下から胸の中央までの間にしてください。ネックレスが長すぎて先端が下腹の近くまで下りると、目線をわざわざ頂点の高さへ運ぶことになります。

試着室での確かめ方

ニットの試着は、正面の鏡だけで決めないでください。次の順で確かめると、家に帰ってから「お腹が出て見える」と気づくことが減ります。

まず、ふだん合わせるボトムを履いて試着します。試着室で履いているボトムと股上が違うと、裾と頂点の関係が変わります。手持ちのボトムで来られない日は、股上の深さがいちばん近いものを店で借りてください。

次に、横を向いて、スマートフォンで腰の高さから全身を撮ります。試着室が狭い場合は、鏡に映った横向きの自分を撮っても構いません。前の布が頂点に乗っていないか、後ろの裾が浮いていないかを見ます。

それから、裾リブを指でつまんで、締まり方を確かめます。着た状態でつまんで、少し引いてから離し、裾が元の位置に戻るか、下腹の下に巻きつくかを見てください。

最後に、その場で前だけ入れてみます。丈が帯に入っているニットでも、前だけ入れて裾の位置が変わるなら、手持ちのボトム次第で使えます。前を入れた状態でも、後ろの裾がお尻の頂点に引っかかっていないかを確かめてください。

試着のあと、腕を上げて下ろす動作を一度してみるのもおすすめです。腕を上げると裾が持ち上がり、下ろしたときに裾がどこに戻るかで、一日のうちに裾がずれていく方向が分かります。頂点の上に引っかかったまま戻らないニットは、時間がたつほど前が上がっていきます。

手持ちのニットを直して着る

いまあるニットが反り腰でお腹が出て見える丈でも、着方で直せることがあります。

裾が頂点の帯に入っているニットは、前だけ入れる、脇だけ入れる、のどちらかを試してください。裾の位置が帯の外に出れば、それだけで横からの山が消えます。

裾リブが強く締まるニットは、リブを内側に一度折り込むと、締まる部分がウエストの側に上がり、体に巻きつく高さが変わります。リブが折り込める程度の幅のものなら、外から見て裾がふつうの始末に見えます。

厚手のローゲージのニットは、丈を短くできないなら、前を開けたカーディガンを羽織って、前の面を縦に割ります。ニットの前の面が2本の縦の線の間に収まるので、板のような張り出しが目立たなくなります。

それでも合わないニットは、反り腰とは関係なく、身幅が体に対して小さい可能性があります。身幅が足りないと、下腹の頂点で布が張り、どの着方でも前に山ができます。脇の縫い目を指でつまんで、2cm以上の余りがないなら、ひと回り大きいものを探すほうが早いです。

ニットそのものの着痩せの考え方は着痩せするニットに、胸まわりにゆとりが要る人の裾の選び方は胸が大きい人のニットに書いてあります。お腹と胸の両方が気になる人は、裾の位置をこの記事で、身幅をそちらの記事で決めてください。

反り腰でニットを避けていた人も、裾をどこに置くかを決めれば、秋冬のいちばん暖かい服をそのまま着られます。まずは手持ちの1枚を着て、横から写真を1枚撮るところから始めてください。

よくある問い

Q. 反り腰でも、短い丈のニットは着られますか
着られます。決め手は裾が止まる高さです。下腹のいちばん前に出た点(頂点)を測り、裾がその点より3cm以上上で止まる丈なら、下腹にかからずに済みます。たいていは腰骨の少し上、へその高さ前後です。この丈のニットに股上の深いボトムを合わせると、ニットの裾とボトムのウエストの間で下腹が隠れ、頂点に布が引っかかりません。短すぎて肌が見える丈は秋冬には向かないので、ウエストの高いボトムと重なる長さを選んでください。
Q. 大きめのニットを着ればお腹は隠れますか
大きさだけでは隠れません。反り腰の場合、大きいニットほど前が下腹の頂点に乗って持ち上がり、そこからまっすぐ下に落ちるので、横から見るとお腹の位置に布の山ができます。見るのは大きさではなく裾の位置です。裾が頂点の下5cmより長く、太ももの付け根近くまであるなら、前の布は頂点から離れて落ちます。その長さに届かない大きめのニットは、前だけボトムに入れて裾を上げるほうがお腹は目立ちません。
Q. 反り腰なのか、ただお腹が出ているだけなのか分かりません
壁に背中をつけて立ち、腰と壁の間に手を差し込んでみてください。手のひらが1枚すっと入る程度なら一般的な範囲で、拳がそのまま入るくらい空いているなら、腰の反りが服の見え方に関わっている可能性が高いです。もう一つ、横から写真を撮って、ニットの後ろの裾が腰から浮いているかを見ます。後ろが浮いているなら反りの影響、後ろは体に沿っていて前だけ出ているなら下腹の影響が大きいと考えて、記事の中の「どちらとも取れるとき」の節で選び分けてください。体の状態そのものが気になる場合は、服の話とは別に専門家に相談してください。
Q. ニットを前だけボトムに入れると、後ろがだらしなく見えます
後ろの裾が長すぎると、前を入れたときに後ろだけが垂れて見えます。前を入れる日は、後ろの裾がお尻のいちばん高い位置より上で止まるか、お尻を半分隠す長さまでのニットを選んでください。お尻を全部覆う長さのニットを前だけ入れると、後ろの布が腰のくぼみに落ちて、裾がお尻の上で横に広がります。前を入れる幅は、へその前から左右に指3本分ずつが目安です。それより広く入れると、脇まで裾が上がって、後ろとの落差が大きくなります。

— メグラシ編集部

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