低身長ぽっちゃりコーデ40代の秋ニット|編み目の太さと裾リブで選ぶ

身長が低めで、上半身に厚みがある40代の方が秋のニットで迷っているなら、最初に見てほしいのは形の名前ではなく、編み目の太さと裾リブです。1センチに縦の編み目が2〜3本並ぶ細めから中くらいのニットで、裾リブが3センチ以下か締まりが弱く、着丈が腰骨にかかる程度で終わる1枚。これがあなたの秋の1枚目です。
この3つで決まる理由は、ニットが上半身に横の線を足すかどうかを、この3か所が握っているからです。太い編み目は面そのものに厚みを足し、腰で締まる裾リブは横線を1本引き、腰骨より下まで落ちる着丈は、その横線を体のいちばん広いあたりへ運びます。どれも、形の名前を見ているだけでは気づきにくい違いです。
この記事では、手持ちのニットを出して、編み目を数え、裾リブを測り、着丈を腰骨と比べる手順をまとめます。そのうえで、どれか1つだけ外れたニットをどう着るか、売り場で何から確かめるかまで書いています。体の形を変えようとする話ではなく、ニットのほうを体に合わせて選ぶための話です。
秋のニットで迷う理由は「横の線」が増えること
秋になって、薄手のシャツやカットソーからニットへ切り替えると、急に鏡の中の自分がしっくりこなくなる、という声をよく聞きます。シャツのときは気にならなかったのに、ニットにすると上半身がどっしりして見える、という感じ方です。
これは、ニットという素材が、織物のシャツよりも横の線を作りやすいからです。横の線は、3つの場所から生まれます。
1つ目は、編み目そのものです。ニットは糸をループ状に編んでいるので、表面に細かな凹凸があります。編み目が太いほど凹凸が大きくなり、生地の厚みが増します。厚みのある生地は、体の輪郭の外側にもう一枚の層を足すので、正面から見たときに幅が出ます。
2つ目は、裾リブです。多くのニットは裾にゴム編みのリブが付いていて、腰のあたりで体に沿うように締まります。この締まった位置に、はっきりした横線が1本できます。リブの幅が広いほど、横線は太くなります。
3つ目は、着丈です。ニットの裾がどこで終わるかで、横線の位置が決まります。上半身に厚みがあり、身長が低めの人の場合、腰骨のあたりが体の中でいちばん横幅のある位置になることが多いです。ここに裾の横線が重なると、目がそこで止まりやすくなります。
この3つは、どれもニットを手に取れば数えたり測ったりできます。形の名前で選ぶより、この3つを確かめるほうが、手持ちのニットで答えが出ます。
先に測っておく2つの高さ
ニットを確かめる前に、自分の体で2つの高さを測っておきます。一度測れば、そのあとはずっと使える数字です。
1つ目は、肩の先から腰骨までの長さです。肩の先は、腕の付け根の上で、肩の骨がいちばん外に出ているところです。腰骨は、骨盤の左右にある、手で触るとわかる出っ張りのいちばん上です。鏡の前に立ち、肩の先にメジャーの端を当てて、体の前側を通して腰骨の高さまで下ろします。
ニットの着丈は、多くの場合、肩の縫い目のあたりから裾までの長さで表示されています。肩の先から腰骨までの長さを知っておくと、着丈の表示を見ただけで、そのニットの裾が腰骨の上で終わるのか下で終わるのかがわかります。
2つ目は、鎖骨のくぼみから、胸のいちばん前に出ている位置までの長さです。これは、首まわりの開き方を決めるときに使います。首の付け根の中央にある、鎖骨の間のくぼみにメジャーを当てて、まっすぐ下へ測ります。
この2つの長さを、スマホのメモに残しておいてください。売り場でニットの表示を見るときにも、手持ちのニットを並べて比べるときにも、ここに戻ってくることになります。
編み目の太さを1センチで数える
手持ちのニットを机の上に平らに広げてください。前身頃の真ん中あたり、柄や縫い目のない場所を選びます。
定規を横向きに当てて、1センチの間に縦の編み目が何本並んでいるかを数えます。縦の編み目は、編み物の表面に見える「V」の字が縦に積み重なった列のことです。Vの字の列が1センチに何本入っているかを数えます。
3本以上並んでいるなら、細い編み目です。表面はなめらかで、遠目には織物のように見えます。
2本前後なら、中くらいの編み目です。近くで見ると編み目がわかり、遠目にはニットらしい柔らかさが出ます。
1本以下、つまり1つのVの字が1センチ以上の幅を持っているなら、太い編み目です。ざっくりとした手編みのような風合いで、表面の凹凸がはっきり見えます。
数えにくいときは、2センチや3センチの範囲で数えて、あとで割っても構いません。編み目の大きさは同じニットの中ではほぼ一定なので、どこで数えても同じ結果になります。
編み目の太さで変わる3つのこと
編み目の太さは、見た目の厚み、秋らしさ、合わせやすさの3つに影響します。並べると次のようになります。
| 編み目(1センチの縦の列) | 見た目の厚み | 秋らしさ | 合わせやすさ |
|---|---|---|---|
| 細い(3本以上) | ほとんど足さない | 色と素材で出す | ボトムを選ばない |
| 中くらい(2本前後) | 少し足す | 編み目で出せる | 織物のボトムと合う |
| 太い(1本以下) | はっきり足す | 一目でわかる | 細い編み目や織物の下と組む |
細い編み目のニットは、上半身に厚みを足さない代わりに、それだけでは秋らしさが出にくい面があります。秋らしさは、色やウールの風合いで補います。深いブラウン、くすんだ緑、ボルドー、からし色など、秋の色を選ぶと、細い編み目でも季節が伝わります。
中くらいの編み目は、厚みと秋らしさの釣り合いがとれた太さです。上半身に厚みがある人の秋の1枚目には、この太さを選ぶ方が多いです。編み目が見えることで秋の素材らしさが出て、厚みの足し方はわずかです。
太い編み目は、それだけで秋から冬の空気をまとった1枚になります。厚みははっきり足されるので、組み方で面積を調整します。具体的には、後半の「どちらとも取れるとき」で書いています。
裾リブの幅と締まり方を測る
次に、裾リブを見ます。裾リブは、ニットの裾にあるゴム編みの部分です。表編みと裏編みが交互に並んで、縦の畝が見える部分です。
見るのは、幅と締まり方の2つです。
幅は、裾リブの上端から裾の端までの長さです。定規を縦に当てて測ります。1〜3センチなら細いリブ、4〜6センチなら中くらい、7センチ以上なら太いリブです。
締まり方は、少し手間がかかります。ニットを平らに置いたまま、身頃のいちばん広い位置の幅を測ります。次に、裾リブの位置の幅を測ります。この2つの差が、リブがどれだけ体を締めるかの目安です。
| 身頃の幅と裾リブの幅の差 | 着たときの裾 |
|---|---|
| 5センチ以内 | 体に沿わず、まっすぐ落ちる |
| 5〜10センチ | 腰で軽く沿う |
| 10センチ以上 | 腰で締まり、裾がふくらんで見える |
差が10センチ以上ある裾リブは、着たときに腰で締まり、その上の身頃がふくらんで、裾の上にたるみが乗ります。この形は、身頃のふくらみと裾の締まりで、横線が2本重なったように見えます。上半身に厚みがある人が着ると、ふくらみの部分が体の厚みと重なりやすくなります。
差が5センチ以内のリブは、着たときに裾が体を締めず、まっすぐ落ちます。リブがあっても横線は細く、目に止まりにくいです。
幅と締まりを合わせて見ると、細くて締まりの弱いリブがいちばん扱いやすく、太くて締まりの強いリブがいちばん横線を作ります。手持ちのニットをこの2つで並べると、どれが着やすかったかの理由が見えてくることが多いです。
着丈は腰骨のどこで終わるか
最初に測った、肩の先から腰骨までの長さを使います。ニットの着丈が、この長さとどう違うかを見ます。
着丈がこの長さより短いなら、裾は腰骨の上で終わります。ウエストに近い位置に横線ができ、そこから下はボトムの線が見えます。ボトムの形がそのまま見えるので、すっきりしたボトムと合わせると、縦の線が長く通ります。
着丈がこの長さとほぼ同じなら、裾は腰骨にかかります。腰骨を覆いながら、腰の上で終わる長さです。上半身に厚みがある人の秋のニットとしては、いちばん扱いやすい長さです。
着丈がこの長さより5センチ以上長いなら、裾は腰骨の下、お尻の上のあたりで終わります。この位置は、体の中でいちばん横幅が出やすいところです。ここに裾の横線が重なると、目がそこで止まります。
着丈が長いニットは、手持ちに多い方もいると思います。ゆったりしたシルエットのニットは、着丈が長めに作られていることが多いからです。長い着丈のニットは、前だけボトムに入れる、裾を内側に折り込む、などで着丈を調整できます。調整のしかたは、後半の「手持ちのニットを今日から使う直し方」で書いています。
首まわりは鎖骨からの距離で決める
編み目、裾リブ、着丈が決まったら、首まわりを見ます。首まわりは、上半身の縦の線を作る場所です。
最初に測った、鎖骨のくぼみから胸のいちばん前までの長さを思い出してください。首まわりの開きは、この長さの3分の1から半分くらいの深さで終わると、胸の前に縦の線ができて、上半身が縦方向に分けられます。
例えば、鎖骨のくぼみから胸のいちばん前までが15センチなら、Vネックの下端が鎖骨のくぼみから5〜8センチ下で終わるものが、縦の線を作りやすい深さです。
クルーネックのように首の付け根に沿う丸い首まわりは、胸の前に縦の線ができません。上半身全体が1つの面として見えるので、編み目が太いと、その面の厚みがそのまま伝わります。クルーネックを選ぶなら、編み目は細いものにして、長めのネックレスで縦の線を足すと落ち着きます。
タートルネックは、秋の後半から冬にかけて出番が増えます。首が詰まるので、上半身の面はさらに大きくなります。タートルネックを選ぶなら、首の部分の折り返しが薄いもの、編み目が細いものを選ぶと、首まわりに厚みがたまりません。
首の部分が高く立ち上がるタートルネックは、身長が低めの人の場合、首から顎までが覆われて、顔と上半身の距離が縮まって見えることがあります。首の部分を1回か2回折り返して、首の長さの半分くらいが見えるようにすると、顔まわりに少し空間ができます。折り返さずに首に沿わせるタイプなら、首の部分の高さが首の長さの半分程度のものを選ぶと、同じ効果が得られます。
横に広く開いたボートネックは、鎖骨が見えて首まわりが軽くなる一方、首まわりの開きが横方向なので、肩幅を強調する横線になります。ボートネックを着るなら、開きの幅が肩の先まで届かないもの、首の付け根から左右に5センチ前後で終わるものを選ぶと、横線が肩の内側に収まります。前に数個のボタンが縦に並ぶヘンリーネックは、ボタンを2つほど開けると、首まわりに細い縦の線ができます。クルーネックとVネックの間の選び方として、使いやすい形です。
肩線が落ちる位置
ゆったりしたシルエットのニットは、肩の縫い目が自分の肩の先より外に落ちる作りになっていることが多いです。肩の縫い目がどこに来るかで、上半身の幅の見え方が変わります。
ニットを着て、鏡の前に立ちます。肩の縫い目が、自分の肩の先から二の腕のほうへ何センチ落ちているかを見ます。
5センチ以内なら、肩の位置が自然で、上半身の幅は実際の肩幅に近く見えます。
5センチを超えて、二の腕の中ほどまで落ちているなら、肩の縫い目が上半身の外側に新しい輪郭を作ります。上半身の幅が、実際の肩幅より広く見えます。身長が低めの人の場合、肩が落ちるぶん袖も長くなり、手の甲まで袖が覆ってしまうこともあります。
肩が大きく落ちるニットを着たいときは、袖をまくって手首を出すと、腕の先に細い部分が見えて、全体の重さが軽くなります。
編み柄と色の置き方
編み目の太さとは別に、編み柄も上半身の見え方に関わります。
縄のような模様が縦に走るケーブル編みは、縦の線を足してくれる柄です。編み目が中くらいでも、ケーブルが前身頃の真ん中に縦に入っていれば、上半身が縦方向に分けられます。ただ、ケーブル自体は凹凸が大きく、その部分だけ厚みが増すので、ケーブルの本数が少なく、幅が細いものを選ぶと落ち着きます。
横縞のボーダーや、横方向に模様が入った編み柄は、横の線を足します。どうしても着たいときは、縞の幅が細く、色の差が小さいものを選ぶと、横線が目立ちにくくなります。
色は、ボトムとの明るさの差で考えます。ニットとボトムの明るさが近いと、裾の横線が目立たず、全体が縦に1つながりに見えます。ニットが明るく、ボトムが濃いと、裾の横線がはっきりします。秋は深い色が多く出回るので、ニットとボトムの両方を深い色にすると、裾の横線が穏やかになります。
ボトムとの組み方
ニットが決まったら、ボトムとの組み合わせを考えます。秋はスカートもパンツも出番があるので、両方の組み方を見ておきます。
スカートと組むとき
スカートと組むなら、ニットの裾がスカートのどこにかかるかを見ます。
ウエスト位置のあるスカートに、着丈が腰骨にかかるニットを合わせると、ニットの裾がスカートの上部を覆います。スカートのウエスト部分が隠れるので、ウエストの横線がなくなり、ニットの裾からスカートの裾まで1つの面になります。
着丈の短いニットなら、スカートのウエスト部分が見えます。ウエスト部分の色をニットと近い色にすると、横線は目立ちません。
スカートの丈は、ふくらはぎの中ほどで終わるものが、秋の足元と合わせやすいです。短めのブーツやパンプスを合わせると、スカートの裾と靴の間に脚が少し見えて、縦の線が足元まで通ります。
パンツと組むとき
パンツと組むなら、ニットの裾がパンツの股上のどこにかかるかを見ます。
股上の深いパンツに、着丈が腰骨にかかるニットを合わせると、ニットの裾が股上の途中で終わります。パンツのウエスト部分が隠れるので、横線が1本減ります。
股上の浅いパンツは、ニットの裾とパンツのウエストの間にすき間ができやすく、そこに横線が2本並ぶことがあります。股上の浅いパンツと組むときは、ニットの前だけをウエストに入れて、裾の横線を斜めにすると、横線が2本並ぶのを避けられます。
パンツの幅は、太すぎず細すぎないものが、どの編み目のニットとも合わせやすいです。太い編み目のニットには、細めのパンツを合わせると、上下の厚みの釣り合いがとれます。
ワンピースやジャンパースカートに重ねるとき
秋は、ワンピースやジャンパースカートの上にニットを重ねたり、ジャンパースカートの中にニットを着たりする組み方も増えます。この場合、ニットの裾がワンピースのどこで終わるかが、横線の位置になります。
ワンピースの上にニットを重ねるなら、ニットの着丈は腰骨より上で終わる短めのものが合います。ワンピースのウエストの位置と、ニットの裾の位置が近いと、横線が1本にまとまります。着丈が腰骨にかかるニットを重ねると、ワンピースのウエストとニットの裾で横線が2本並ぶことがあるので、ニットの裾を内側に折り込んで、ウエストの位置に合わせます。
ジャンパースカートの中にニットを着るなら、ニットの裾はスカートの中に入るので、着丈や裾リブは気にしなくて済みます。見えるのは胸元と袖だけなので、編み目の太さと首まわりの開きに集中して選べます。太い編み目のニットを着たいときは、ジャンパースカートの中に着るのがいちばん面積を抑えられる組み方です。
秋の前半と後半で変わる重ね方
秋の前半は、ニット1枚で過ごせる日が多いです。編み目の細いニットを1枚で着て、首まわりや袖口で秋の空気を感じる組み方が中心になります。
秋の後半から冬の立ち上がりにかけては、ニットの上に羽織を重ねる日が増えます。このとき、ニットの編み目と羽織の厚みの合計が、上半身の厚みになります。太い編み目のニットに厚手のコートを重ねると、上半身の厚みが一気に増え、腕も曲げにくくなります。
羽織を重ねる季節には、ニットの編み目を一段細くすると、重ねたときの厚みが抑えられます。秋の前半に中くらいの編み目のニットを着ていたなら、後半は細い編み目のニットに替えて、その分を羽織の暖かさに任せる、という切り替え方です。
羽織の前を開けて着ると、ニットの縦の面が羽織の前端の間に見えます。この縦の面の幅が、上半身の見え方を決めます。羽織の前端の間から見えるニットの幅が、肩幅の3分の1くらいになると、縦の線が際立ちます。
どちらとも取れるとき|1つだけ外れたニットの着方
編み目、裾リブ、着丈の3つが全部合うニットは、多くありません。たいていは、どれか1つが外れます。外れ方ごとに、着方を変えて使う方法をまとめます。
編み目は細いが、裾リブが太くて締まる
編み目が細いので、上半身の厚みは足されません。気になるのは、腰で締まる太いリブの横線だけです。
いちばん簡単なのは、裾を内側に1回折り込むことです。リブの部分を折り返して身頃の裏側に入れると、リブが見えなくなり、着丈も短くなります。折り込んだ部分が腰で締まる力も弱くなるので、裾のふくらみも減ります。
もう1つは、前だけボトムに入れる方法です。前の裾がウエストに入るので、リブの横線は後ろと脇だけに残ります。正面から見ると横線がなくなり、裾が斜めの線になります。
裾リブはないが、編み目が太い
裾リブがないので、腰の横線は細いです。気になるのは、太い編み目による上半身の厚みです。
着丈が腰骨より上で終わるなら、太い編み目の面積は上半身だけに収まります。下には、細い編み目のスカートや、織物のパンツを合わせて、上下の厚みの差をはっきりさせます。上が厚く、下が薄いと、太い編み目のニットがアクセントとして働きます。
着丈が腰骨より下まであるなら、太い編み目の面が腰まで続きます。この場合は、羽織の前を開けて重ね、ニットの見える面を縦長に区切ります。羽織の前端が太い編み目の面を左右から挟むので、縦の線が通ります。
編み目も裾リブも合うが、着丈が長い
着丈の長いニットは、ゆったりしたシルエットの作りに多いです。裾が腰骨より下で終わるので、体の横幅が出やすい位置に横線が来ます。
前だけボトムに入れる方法がいちばん自然です。前の裾がウエストに入り、後ろはそのまま垂れるので、正面から見ると着丈が短くなり、横から見ると裾が斜めになります。
ボトムに入れるのが落ち着かないなら、裾を内側に折り込んで、腰骨にかかる長さまで短くします。リブのないニットでも、裾を5センチほど内側に折り込めば、着丈を調整できます。
3つとも少しずつ外れている
編み目が中くらいで、リブが中くらい、着丈が少し長い、というように、どれも少しずつ外れているニットもあります。この場合は、いちばん外れ方の大きい1つから直します。
外れ方の大きさは、鏡の前で正面から見て、最初に目が止まる場所で判断します。裾の横線に目が止まるなら着丈かリブ、上半身の厚みに目が止まるなら編み目です。最初に目が止まる場所を1つ直すだけで、残りの外れ方は気にならなくなることが多いです。
職場で着るので、前だけ入れる着方がしにくい
前だけボトムに入れる着方は、休日には自然でも、職場では落ち着かないと感じる方もいます。職場の雰囲気によっては、裾をきちんとそろえて出しておくほうが安心、ということもあります。
その場合は、裾を内側に折り込む方法を使います。折り込んだ裾は外からは見えないので、裾がまっすぐそろった印象のまま着丈を短くできます。折り込んだ部分がずれてこないよう、ボトムのウエストで軽く押さえておくと、立ったり座ったりしても戻りにくくなります。
もう1つは、職場用のニットだけは、最初から着丈が腰骨にかかる長さで裾リブの細いものを選ぶことです。職場では座っている時間が長く、座ると裾が腰の上で少したまります。着丈の短めなニットは、座っても裾がたまりにくく、机に向かったときの上半身もすっきりします。
人の勧めと、自分で数えた結果が分かれる
家族や友人、売り場の店員さんから「そのざっくりしたニット、似合うよ」と勧められて、自分で数えた結果と分かれることもあります。
勧めてくれた人は、多くの場合、色や雰囲気を見ています。それはそれで大事な見方です。数えた結果と分かれたときは、勧められたニットを、この記事の着方で直して着てみてください。裾を折り込む、前だけ入れる、羽織を重ねる。直してみて鏡の前でしっくりくるなら、勧めと数えた結果の両方を生かせたことになります。直してもしっくりこないなら、そのニットは色や雰囲気は合っていても、編み目や着丈が合っていないということです。色が気に入ったなら、同じ色で編み目の細いニットを探す、という次の一歩が見えてきます。
好きな1枚だが、全部外れている
色や手触りが好きで、どうしても着たいニットが、3つとも外れていることもあります。そういうニットは、上に羽織を重ねて、見える面積を小さくする着方がいちばん手軽です。
羽織の前を開けて重ねると、ニットは羽織の前端の間からだけ見えます。好きな色や手触りは残りつつ、編み目の厚みや裾の横線は羽織の中に隠れます。秋の後半から冬にかけて、羽織を重ねる季節になれば、このニットの出番が増えます。
手持ちのニットを今日から使う直し方
新しいニットを探す前に、手持ちのニットを着方で直せないかを試してください。よく使う直し方は4つです。
1つ目は、裾を内側に折り込むことです。リブがあってもなくても、裾を内側に3〜5センチ折り込むと、着丈が短くなり、リブの横線も見えなくなります。折り込んだ部分は、ボトムのウエストで押さえると、動いても戻りにくくなります。
2つ目は、前だけボトムに入れることです。前身頃の裾をボトムのウエストに入れ、後ろはそのまま垂らします。正面から見ると着丈が短くなり、横から見ると裾が斜めの線になります。
3つ目は、袖をまくることです。肩が落ちるニットや、袖が長いニットは、袖を肘の下まで2〜3回まくると、手首と前腕が見えて、腕の先が細く軽くなります。
4つ目は、首まわりに縦の線を足すことです。クルーネックやタートルネックのニットに、長めのネックレスや、細いストールを縦に垂らすと、胸の前に縦の線ができます。
この4つを組み合わせると、手持ちのニットの多くは、秋の1枚として着られるようになります。
売り場で確かめる順番
新しいニットを探すときは、売り場で次の順番に確かめると、迷う時間が減ります。
最初に、着丈の表示を見て、肩の先から腰骨までの長さと比べます。この長さとほぼ同じか、少し短いものを手に取ります。
次に、手に取ったニットの前身頃で、1センチの間の縦の編み目を数えます。2〜3本並んでいるものを残します。
3番目に、裾リブの幅と締まり方を見ます。リブを左右に軽く広げて、身頃の幅との差が5センチ以内か、リブの幅が3センチ以下のものを残します。
ここまで残ったニットを、試着室で着てみます。鏡の前で、肩の縫い目の位置と、首まわりの開きの深さを確かめます。
この順番で見ると、試着する前に候補を絞れるので、試着室に持ち込むのは2〜3枚で足ります。
素材の表示も、合わせて見ておくと役に立ちます。ウールが多く入ったニットは、編み目が中くらいでも生地に弾力があり、体に沿いすぎずに落ちます。化繊が多いニットは、軽くて扱いやすい反面、編み目が細くても生地が体に沿いやすく、上半身の輪郭が出やすいことがあります。手に取ったときに、生地を軽く握って離し、ふわっと元に戻るかを確かめてください。戻りが早いニットは、着たときにも体の線を拾いにくいです。
試着室では、立った姿だけでなく、椅子に座った姿も見てください。座ると、ニットの裾が腰の上で少したまり、着丈が短く見えます。立ったときに腰骨にかかっていた裾が、座ると腰骨の上に上がることもあります。座って過ごす時間が長い日に着るニットなら、座った姿で裾がどこに来るかで決めるほうが、実際の1日に合います。
洗い方で編み目と裾リブは変わる
最後に、手持ちのニットが買ったときと違って見える場合について触れておきます。ニットは、洗い方や干し方で、編み目と裾リブの見え方が変わる素材です。
洗濯機で強く洗うと、編み目が詰まって縮むことがあります。縮んだニットは、編み目が細かくなる代わりに生地が厚くなり、着丈も短くなります。逆に、ハンガーにかけて干すと、水の重さで下へ伸び、着丈が長くなることがあります。
裾リブは、何度も着ているうちに伸びて、締まりが弱くなることがあります。締まりが弱くなったリブは、横線が細くなるので、むしろ着やすくなることもあります。
手持ちのニットを確かめるときは、買ったときの表示ではなく、今のニットを測ってください。着やすかったニットと着にくかったニットの差が、編み目や着丈の変化から説明できることもあります。
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よくある問い
- Q. ざっくりした太い編み目のニットは着ないほうがいいですか
- 着ないほうがいい、ということはありません。太い編み目のニットは、編み目そのものが厚みを持つので、上半身に厚みがある人が着ると、その厚みに編み目の分が足されて見えます。それでも着たいときは、着丈を腰骨より上で終わる短めにして、下に細い編み目や織物のボトムを合わせると、太い編み目の面積が上半身だけに収まります。首まわりを開けて肌を少し見せると、編み目の重さが顔の近くにたまらずに済みます。好きな1枚なら、組み方で着られる場所を作るほうが、手放すより気持ちよく着られます。
- Q. 裾リブのないニットが見つかりません
- 裾リブがあっても、締まりが弱ければ困ることは少ないです。売り場で確かめるのは、裾リブを左右に軽く広げたときの幅と、身頃のいちばん広い位置の幅の差です。差が5センチ以内なら、リブは腰で強く締まらず、横線になりにくいです。差が大きいリブでも、裾を内側に1回折り込んで、リブを見えなくする着方ができます。ニットの裾を折り込むと、着丈も3〜5センチ短くなるので、腰骨の上で終わらせたいときにも使えます。
- Q. 40代になって、似合っていたニットがしっくりこなくなりました
- 体の変化より、合わせているものの変化が原因のことも多いです。数年前と同じニットでも、合わせるボトムの丈や幅、靴の形が変わると、ニットの裾がどこで終わって見えるかが変わります。まずは手持ちのニットの着丈と裾リブを、今のボトムと合わせて鏡で確かめてください。ニット自体が合っていないのか、組み合わせがずれているのかが分かれば、買い替えるか、合わせるものを替えるかを決められます。
- Q. 身長が150センチ台前半です。この記事の目安はそのまま使えますか
- 使えます。編み目の太さと裾リブの目安は、身長に関わらず同じです。着丈だけは、身長が低いほど腰骨の位置も低くなるので、売り場の表示の着丈ではなく、自分の腰骨の高さを基準に見てください。肩から腰骨までの長さを一度測っておけば、ニットの着丈表示と比べるだけで、どこで終わるかがわかります。
— メグラシ編集部





