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いかり肩に似合うコート|肩の縫い目と袖付けを肩先からの距離で選ぶ

メグラシ編集部//読了 16分
首元から脇へ斜めに縫い目が走るラグラン袖のチャコールのコートを着て駅の通路を歩く女性の肩から膝まで

**コートを着たら、肩先のいちばん出っ張った骨に指を1本置いてみてください。**そこから肩の縫い目まで、指が何本入るか。いかり肩に似合うコートかどうかは、ほとんどその本数で決まります。

いかり肩は、首の付け根から肩先へ向かう傾きがゆるく、肩の線が水平に近い体の特徴です。薄いシャツやカットソーでは気にならなくても、秋冬のコートを着ると「肩が四角く見える」「上半身がいかつく見える」「ハンガーに掛けたまま着ているみたい」と感じる人が増えます。

コートは生地が厚く張りがあるので、肩の上で布が体にそわず、肩の骨の形をそのまま外側になぞります。そのなぞる線を、どこで曲げるか。それを決めているのが、肩の縫い目の位置と、袖の付け方です。

この記事では、まず自分のいかり肩の度合いを測ります。次に、コートの肩の縫い目を肩先からの距離で見て、セットイン、ドロップショルダー、ラグランのどれを選ぶかを決めます。肩パッド、襟、生地の張り、中に着るニットの厚みまで、試着で確かめる順に書いていきます。

結論:肩の縫い目は「肩先ちょうど」か「4cm以上外」のどちらか

先に答えを書きます。

**いかり肩のコートは、肩の縫い目が肩先ちょうどにあるか、肩先から4cm以上外へ落ちているかのどちらかを選ぶ。**その中間、肩先から1〜3cm外に縫い目がある形が、いちばん肩の角を目立たせます。

さらに、いかり肩の度合いがはっきりしている人ほど、縫い目が肩の上を横に走らない形、つまりラグランを選ぶと楽になります。

度合いの目安は、首の付け根と肩先の高さの差です。

首の付け根と肩先の落差いかり肩の度合いまず選ぶ肩の形
2.5cm未満はっきりしたいかり肩ラグラン
2.5〜4cm境目パッドなしのセットインか、4cm以上落ちるドロップ
4cm以上いかり肩ではない肩の形は好みで選べる

落差が4cm以上ある人は、肩が四角く見えるとしても、いかり肩より肩幅や体の厚みが関わっていることが多いので、肩幅が広い人に似合わない服の直し方のような肩幅側の記事も合わせて見てください。

秋冬のコートで肩が四角く見える理由

いかり肩の人が、夏のブラウスや春のカットソーでは困らず、秋冬のコートで急に肩が気になり出す理由は2つあります。

1つ目は、生地の張りです。薄い布は肩の上でたわみ、肩先から腕へ向かってなだらかに落ちます。いかり肩の水平な線も、布がたわむぶん少しだけやわらいで見えます。ところがコートの生地は厚く張りがあるので、肩の上でたわみません。肩の骨の形をそのまま外側に写して、首の付け根から肩先まで、ほぼまっすぐな板のような線を作ります。

2つ目は、肩の縫い目です。コートには、肩の上を前後に走る縫い目と、肩先で袖を付ける縫い目があります。縫い目の部分は布が重なって厚くなるので、目に見える線になります。この線が、肩の角のどこを通るかで、角が強調されるか消えるかが分かれます。

いかり肩の人の肩は、首の付け根から肩先までがほぼ水平で、肩先でくっきり下に折れます。その折れる角のすぐ外側に縫い目が来ると、縫い目が角の位置を指さすような形になり、肩の四角さが一段と目立ちます。

中に厚手のニットを着ると、肩の上にもう1枚の厚みが足されて、角はさらに持ち上がります。秋が深まるほど肩が気になるのは、コートの下の重ね着が増えるからでもあります。

自分のいかり肩の度合いを測る(鏡と定規で3分)

いかり肩かどうかは、首の付け根と肩先の高さの差で測ります。

用意するのは、30cmくらいの定規か、まっすぐな厚紙を1枚。そしてスマホです。

  1. 薄手のカットソーで、鏡の正面に立ちます。肩の力を抜いて、腕は体の横に下ろします。
  2. 首の付け根の横、首と肩が分かれ始めるところに、定規の端を当てます。
  3. 定規を、床と水平になるように肩先の方へ伸ばします。水平は、鏡に映る壁の線や窓枠に合わせると取りやすいです。
  4. 定規の下の辺から、肩先のいちばん出っ張った骨のてっぺんまでの距離を、指の幅か別の定規で測ります。
  5. 一人で難しいときは、定規を当てたところをスマホで撮って、画面の上で測ります。

これが首の付け根と肩先の落差です。2.5cm未満なら、はっきりしたいかり肩です。2.5〜4cmは境目で、服によっていかり肩が出たり出なかったりします。4cm以上なら、肩の傾きとしてはいかり肩ではありません。

左右とも測ってください。バッグをいつも同じ側にかける人や、利き手側をよく使う人は、左右で1cm以上違うことがあります。違ったときの合わせ方は、後半の「どちらとも取れるとき」の章に書きます。

測るときに、肩をすくめたり、胸を張りすぎたりすると、数字が動きます。深呼吸を1回して、息を吐ききったところで測ると、ふだんの肩の位置に近くなります。

肩の縫い目の位置を、肩先からの指の本数で見る

コートの肩の縫い目は、売り場でも試着室でも、指で測れます。

コートを着たら、肩先のいちばん出っ張った骨のてっぺんに、人差し指の腹を置きます。そこから腕の方へ、袖を付けている縫い目まで、指を横にして何本入るかを数えます。縫い目が骨の真上か、それより首の側にあれば0本です。

指1本は、だいたい1.5〜2cmです。

0本、つまり肩先ちょうどに縫い目がある形は、肩の角に縫い目が重なるので、縫い目が角を指さしません。肩の線は四角く見えますが、それは体の線のままで、服が角を強めることはありません。

指2本以上、つまり肩先から4cm以上外に縫い目がある形は、布が肩の角を越えて腕の側へ落ちます。肩の角の上を布がなだらかに覆うので、角が丸くやわらいで見えます。

その中間、指1本から2本弱、肩先から1〜3cmのところに縫い目がある形が、いちばん注意したい形です。縫い目が肩の角のすぐ外側の、ちょうど肩が下へ折れるところに乗ります。張りのある生地は、この縫い目のところで角を作って折れるので、肩の角が服によってもう1つ足されたように見えます。

いかり肩の人のコート選びで、いちばん効く確かめ方はこれです。形の名前より先に、縫い目までの指の本数を数えてください。

セットインスリーブ:肩パッドがないものを、肩先ちょうどで

セットインスリーブは、袖を肩先の位置でぐるりと付ける、いちばん一般的な袖の形です。テーラードのコートや、きちんとした印象のチェスターコートの多くがこの形です。

いかり肩の人がセットインを選ぶなら、条件は2つです。

1つは、縫い目が肩先ちょうどにあること。肩幅のサイズが自分より大きいと、縫い目が肩先から外へずれて、さきほどの「中間の位置」に入ってしまいます。肩が合っているかは、肩先の骨に指を置いて、縫い目が指の下に来るかで見ます。

もう1つは、肩パッドが入っていないか、ごく薄いことです。肩パッドは、肩先を持ち上げて水平の線を作るためのものです。いかり肩の人の肩は、もともと水平に近いので、パッドが入るとその水平がさらに強くなり、肩先が角ばって持ち上がります。

肩パッドがあるかどうかは、コートの肩先を外からつまむと分かります。布の内側に、もう1枚厚いものが入っている手ざわりがあれば、パッドが入っています。肩先の上で、つまんだ厚みが1cmを超えるなら、落差が2.5cm未満の人には合いにくいです。

セットインは、落差が2.5〜4cmの境目の人には、とても合いやすい形です。肩の線が体の線そのままに出るので、すっきりして見えます。落差が2.5cm未満の人は、セットインでもパッドがなく肩先ちょうどなら着られますが、肩の四角さは体の線として残ります。それをやわらげたいなら、次のドロップショルダーかラグランへ進みます。

ドロップショルダー:落とすなら、はっきり4cm以上

ドロップショルダーは、袖を付ける縫い目を、肩先より外の腕の側へ落とした形です。ゆったりしたコートや、カジュアルなウールのコートに多い形です。

「いかり肩にはドロップショルダーが合う」とよく言われます。これは半分正しく、半分は条件つきです。

縫い目が肩先から4cm以上、指2本以上外にあれば、布が肩の角を越えてなだらかに落ちるので、肩の角はやわらいで見えます。ところが、売り場でドロップショルダーと呼ばれているコートには、縫い目が肩先から2cmほどしか落ちていないものも多いのです。これがまさに「中間の位置」で、縫い目が肩の角のすぐ外に乗り、かえって肩が四角く見えます。

選ぶときは、必ず着て、肩先から縫い目までの指の本数を数えてください。2本以上なら合います。1本前後なら、見送るか、ひとつ大きいサイズで縫い目がもっと外へ落ちるかを試します。

もう1つ見たいのは、肩の上の布の傾きです。ドロップショルダーでも、肩の上の布が水平に張っていて、縫い目のところで急に下に折れているものは、角をずらしただけで四角さは残ります。首の付け根から縫い目に向かって、布がゆるやかに下っている形を選ぶと、肩の線が斜めになり、いかり肩の水平がやわらぎます。

ドロップショルダーは、体の横幅を少し大きく見せます。肩幅も広い人は、落ちる幅が大きすぎると上半身が大きく見えるので、落ち幅は指2〜3本、4〜6cmくらいにとどめます。

ラグランスリーブ:肩の上に横の縫い目を作らない

ラグランスリーブは、袖の縫い目が、首の付け根のあたりから脇の下へ、斜めに走る形です。肩の上を横に走る縫い目がなく、肩先に袖を付ける縫い目もありません。

いかり肩の人にとって、ラグランがいちばん楽な理由は、縫い目が肩の水平な線を斜めに横切るからです。肩の上に横の線がないので、首の付け根から肩先までの水平が、縫い目によって強調されません。肩先の角にも縫い目が乗らないので、角を指さす線がありません。

落差が2.5cm未満の、はっきりしたいかり肩の人は、まずラグランから試してください。

ラグランを選ぶときに見たいのは、縫い目の角度です。首の付け根から脇の下まで、縫い目が急な角度で落ちているものほど、肩の水平を強く断ち切ります。浅い角度で、ほぼ横に近い縫い目だと、効き目が弱くなります。正面から見て、縫い目が首から脇へ、少なくとも45度くらいの傾きで下りているものが目安です。

ラグランでも、生地がとても厚く張りがあると、肩先の上で布が持ち上がって、丸い角ができることがあります。その場合は、四角い角よりはやわらかく見えますが、肩の上がもこっと膨らんで見えることもあるので、横からも見て確かめます。

肩パッドは、肩先の上の厚み1cmを境にする

肩パッドについては、セットインの章でも書きましたが、コート全体に関わるので、ここでまとめておきます。

肩パッドは、肩先を持ち上げて、首の付け根から肩先までをまっすぐに見せるためのものです。なで肩の人には肩の線を整える道具になりますが、いかり肩の人にとっては、もともと水平な線をさらに強める方向に働きます。

境目は、肩先の上の厚みが1cmを超えるかどうかです。コートの肩先を外からつまんで、布の厚みを差し引いたパッドの厚みが1cmを超えるなら、落差が2.5cm未満の人には合いにくいです。1cm未満のごく薄いパッドなら、肩の線をなめらかにするだけで、角はあまり強まりません。

落差が2.5〜4cmの境目の人は、薄いパッドで肩の線が整って見えることもあります。着てみて、横から見たときに、肩先が首の付け根より上がって見えなければ大丈夫です。

取り外しができる肩パッドなら、外して試着してみてください。外したとたんに肩先の角がやわらぐなら、外して着るのがいちばんです。縫い付けられたパッドも、お直しで外せることが多いので、肩以外がとても気に入ったコートなら、買ってから外すことも考えます。

襟は、横に広がる線を足しすぎない

肩が水平に近いいかり肩の人は、襟が横に広がる形だと、肩の水平な線にもう1本、平行な横の線が足されます。

ピークドラペルのように、襟の先が上へ外へと尖って広がる形や、大きく横に広がるビッグカラーは、肩の水平を強めやすいです。落差が2.5cm未満の人は、襟の先が下を向く形、たとえばノッチドラペルのやや細いものや、ステンカラーを選ぶと、肩と襟の線が重なりません。

ノーカラーのコートは、首元に縦の線ができやすく、肩の水平から目をそらすのに向いています。首の前にVの開きができるノーカラーは、いかり肩の人にとくに合いやすい形です。

フードつきのコートは、フードが首の後ろで肩の上に乗るので、肩の水平の上にもう1段の厚みが足されます。フードを外せるものなら外し、外せないなら、フードの付け根が肩先より内側に収まっているかを見ます。

いかり肩に似合う服とストールでは、ストールや襟が肩の角のどこに乗るかを詳しく書いています。コートの上に巻くストールも、同じ考え方で選べます。

生地の張りと重さで、肩の上の落ち方が変わる

同じ形のコートでも、生地が違うと、肩の上の布の落ち方が変わります。

張りがあって軽い生地は、肩の上で水平に張りやすく、いかり肩の線をそのまま写します。目の詰まった厚手のメルトンや、硬めのツイードのような生地がこれにあたります。

重さがあってやわらかい生地は、肩先から腕の側へ自分の重みで落ちて、肩の角をなだらかに覆います。やわらかいウールや、ウールに少し別の繊維がまざった落ち感のある生地、カシミヤ混のようなやわらかい生地がこれにあたります。

売り場で見分けるには、コートを手に持って、肩の部分を指で軽く押し上げてから離します。すぐに元の形に戻って水平に張るなら張りのある生地、ゆっくり下に落ちるなら落ち感のある生地です。

落差が2.5cm未満の人は、ラグランやドロップショルダーでも、生地に張りがありすぎると肩の上で布が水平に張ります。形と生地の両方で角をやわらげると、効き目がはっきり出ます。

中に着るニットの肩は、コートの下で一度確かめる

秋冬のコートは、中に何を着るかで肩の見え方が変わります。

いかり肩の人がコートの下に厚手のニットを着ると、肩の上にニットの厚みが乗り、そのうえにコートの肩が乗ります。ニットの肩の縫い目が、コートの肩先の内側でごろつくと、コートの上からでも肩に段ができて見えます。

コートの試着は、ふだん中に着るいちばん厚いニットを着ていくか、売り場で近い厚みのものを借りて重ねます。そのうえで、肩先の骨に指を置き、コートの縫い目までの本数を数え直してください。薄手のカットソーで測ったときより、縫い目が指半分ほど内側に寄ることがあります。

ニット自体の肩の縫い目の選び方はいかり肩に似合うニットにまとめています。コートの下に着るニットは、ドロップショルダーやラグランのものの方が、コートの肩の中でごろつきにくいです。

どちらとも取れるとき(境目・左右差・肩幅も広い人)

ここからが、売り場の札にも検索結果にも書かれていない部分です。

落差がちょうど2.5cmや4cmの人

落差が2.5cmちょうど、あるいは測るたびに2.3cmと2.8cmが出る人は、セットインとラグランのどちらが合うのか、迷うはずです。

そういうときは、迷わずラグランを先に試してください。ラグランは、いかり肩の度合いが強くても弱くても、肩の上に横の線を作らないので、外れにくい形です。いかり肩でない人が着ても、肩の線がなだらかに見えるだけで、困ることはほとんどありません。

ラグランが好みでない、あるいはきちんとした場で着るのでテーラードの形が欲しいなら、パッドのないセットインを、肩先ちょうどで選びます。

落差が4cmちょうどの人は、いかり肩の側として選ばなくても大丈夫です。ただ、厚手のニットを中に着ると、肩の上の厚みで落差が小さく見えることがあります。コートを買うときだけは、中に着るニットごと境目の側として考え、縫い目が中間の位置に来るドロップショルダーは避けておくと安心です。

左右で落差が違う人

左右で1cm以上落差が違う人は、落差が小さい側、つまり肩先が高い側に合わせます。

高い側に合ったコートは、低い側の肩では少し布が余ります。余った布は、肩先の下に小さなしわとして出ますが、しわは目立ちにくいです。反対に、低い側に合わせて選ぶと、高い側の肩先で布が突っ張り、そちらだけ角がくっきり出ます。左右で肩の形が違って見えるのは、こちらの方がずっと目につきます。

左右差がある人には、ラグランがとくに向いています。縫い目が斜めに走るので、左右の肩の高さの違いが、縫い目の位置の違いとして見えにくいのです。

いかり肩で肩幅も広い人

肩の傾きが水平に近く、しかも左右の肩先の距離も長い人は、ドロップショルダーで落とす幅に気をつけます。

ドロップショルダーは縫い目を外へ落とすぶん、上半身の横幅を大きく見せます。肩幅が広い人がそれを着ると、角はやわらいでも、横幅が広がって見えることがあります。

この場合は、ラグランを第一に選びます。ラグランは肩先の位置に縫い目がなく、横幅の終わりがはっきりしないので、肩幅も目立ちにくくなります。ドロップショルダーを選ぶなら、落ち幅は指2本、4cm前後にとどめます。

肩幅が広く見えるときの直し方は、結論の章で挙げた肩幅側の記事に書いています。

いかり肩なのか、首の付け根が盛り上がっているのか分からない人

首の付け根から肩にかけて、ふくらみがあって肩が高く見える人もいます。この場合、定規で測ると落差は小さく出ますが、肩先そのものは下に向かっていることがあります。

見分けるには、横から鏡を見ます。首の付け根のふくらみが、肩の上の後ろ側に寄っているなら、首の後ろの厚みが肩を高く見せています。コートは、後ろ襟が首にそって立つ形より、首の後ろが少し開いた形の方が、ふくらみの上に布が乗らずにすっきりします。

いずれにしても、ラグランを試すのがいちばん早いです。ラグランで肩がやわらかく見えれば、いかり肩としての選び方で合っています。

仕事や式典で、きちんとした形のコートが必要な人

ラグランやドロップショルダーは、どうしてもやわらかくくだけた印象になります。通勤や、改まった場に着ていくコートが1枚欲しいときは、形の印象と肩の見え方のどちらを取るかで迷うはずです。

この場合は、セットインのまま、角をやわらげる条件を3つそろえます。肩パッドがないか、ごく薄いこと。肩の縫い目が肩先ちょうどにあること。生地に少し落ち感があること。この3つがそろえば、テーラードの襟のついたきちんとしたコートでも、肩の角は服によって強められず、体の線のまま静かに収まります。

襟は、ラペルの先が下を向くノッチドで、幅が細めのものを選びます。ラペルの幅が広いと、肩の水平と平行な面が胸の上に増えます。胸の前のボタンの位置は、少し低めのものの方が、Vの開きが縦に長くなり、肩の水平から目をそらせます。

それでも肩が気になるなら、コートの上からストールを片側の肩にかけて、前に垂らします。肩の上に斜めの線が1本入るだけで、水平な肩の線は途中で切れて見えます。

丈の長さで、肩の見え方は変わるか

コートの丈は、肩の形そのものは変えませんが、肩がどれくらい目に入るかを変えます。

腰までのショート丈のコートは、上半身のかたまりが小さく、そのいちばん上にある肩の線が目立ちやすくなります。いかり肩の人がショート丈を選ぶときは、肩の縫い目の条件をとくにきちんと守ってください。

膝下までのロング丈は、縦の長さが加わるので、肩の水平な線の割合が小さくなり、肩は目立ちにくくなります。ただし、ロング丈は生地の量が多く、そのぶん肩に重さがかかって、肩の上の布が下に引っぱられます。張りのある生地のロング丈は、肩の上で布が水平に張りやすいので、形と生地の条件は丈が短いときと同じように確かめます。

迷ったら、膝が隠れるくらいの丈で、前を開けて着たときに縦の線がまっすぐ下まで通るものを選ぶと、肩から視線が下へ流れやすくなります。

バッグの掛け紐がずれる・食い込むとき

いかり肩の人は、肩の上が水平に近いので、ショルダーバッグの掛け紐が落ちにくいかわりに、首の付け根の方へ寄ってきやすいです。紐が首の付け根近くに乗ると、コートの襟が紐に押されてゆがみ、肩の上に斜めのしわが入ります。

コートを選ぶときに、ふだん使うバッグを肩にかけて鏡を見てください。紐が肩先と首の付け根のちょうど真ん中あたりに収まり、襟がゆがまなければ大丈夫です。ラグランのコートは、縫い目が首の近くを斜めに通るので、紐が縫い目の上に乗ると、縫い目の厚みで紐が首の側へ滑りやすくなります。気になる場合は、紐を斜めがけにして、肩の上にかかる部分を短くします。

試着室で確かめる順番

いかり肩の人がコートを試着するときは、次の順に見てください。3分もかかりません。

  1. ふだん中に着るいちばん厚いニットの上に、コートを着ます。
  2. 肩先の骨に指を置いて、縫い目までの指の本数を数えます。0本か、2本以上なら合格です。1本前後なら見送ります。
  3. 肩先を外からつまんで、パッドの厚みを確かめます。落差が2.5cm未満の人は、1cmを超えるなら外せるかを確かめます。
  4. 正面の鏡で、首の付け根から肩先までの布が、水平に張っているか、ゆるやかに下っているかを見ます。
  5. 体を横に向けて、肩先が首の付け根より上がって見えないかを見ます。
  6. 腕を前に伸ばし、肩先で布が突っ張らないかを確かめます。突っ張るなら、肩先で角ができやすいです。

この6つのうち、2と4で合っていれば、そのコートは買って大丈夫です。

ネットでコートを選ぶときは、試着ができないぶん、商品の寸法表の肩幅を手がかりにします。手持ちのコートやジャケットのうち、肩がいちばん気に入っている1着を平らに置き、左右の肩の縫い目のあいだを測ってください。その数字と寸法表の肩幅を比べ、差が2cm以内ならセットインは肩先ちょうどに来やすく、ドロップショルダーなら寸法表の肩幅が手持ちより8cm以上広いものが、肩先から4cm以上落ちる目安になります。ラグランは寸法表に肩幅が載らないことが多いので、着用写真で縫い目の傾きを見ます。首の付け根から脇の下へ、縫い目が急な角度で下りているものを選んでください。

届いたら、中に厚手のニットを着て、肩先の骨に指を置き、縫い目までの本数を数えます。ここで中間の位置に入っていたら、ほかがどれほど気に入っていても、返品できるうちに見直す方が、ひと冬を気持ちよく過ごせます。

試着室の鏡は、正面からしか見られないことが多いので、スマホで斜め後ろから1枚撮ってもらうか、自分で腕を伸ばして撮ると、肩の上の布の傾きがよく分かります。

よくある取り違え

最後に、いかり肩の人がコート選びで取り違えやすいことを3つ挙げます。

1つ目は、「ドロップショルダーなら何でも合う」と思ってしまうことです。前の章のとおり、落ち幅が中途半端だと、かえって角が強まります。形の名前ではなく、縫い目までの指の本数で選んでください。

2つ目は、「肩を目立たなくするために大きいサイズを選ぶ」ことです。セットインのコートでサイズを上げると、肩の縫い目が肩先から外へずれて、中間の位置に入ってしまいます。肩を目立たなくしたいなら、サイズではなく、袖の付け方を変えます。

3つ目は、「なで肩用の選び方を逆にすればいい」と考えることです。なで肩といかり肩は肩の傾きが反対なので、多くの点で逆になりますが、肩先ちょうどの縫い目が合うことや、ラグランがどちらにも使いやすいことなど、同じ答えになる点もあります。なで肩の選び方はなで肩に似合う秋冬のコートにあります。

まとめ:縫い目までの指の本数を数えれば、コートの肩は迷わない

いかり肩のコートが四角く見えるのは、張りのある生地が肩の水平な線を写し、肩の縫い目がその角を指さすからです。

首の付け根と肩先の落差が2.5cm未満ならラグラン、2.5〜4cmならパッドのないセットインか、4cm以上落ちるドロップショルダー。肩の縫い目は、肩先ちょうどか、指2本以上外。その間を避ける。迷ったら、斜めの縫い目のラグランを先に試す。

売り場で気になるコートを見つけたら、まず着て、肩先の骨に指を1本置いてください。縫い目までの本数が、そのコートが合うかどうかを教えてくれます。

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よくある問い

Q. いかり肩に肩パッド入りのコートは合いませんか
肩パッドは肩先を持ち上げて水平の線を作るものなので、首の付け根と肩先の落差が2.5cm未満の人には、角をさらに強めて見せます。薄いパッドでも、肩先の上に1cm以上の厚みが乗るなら外すか、パッドのない形を選んでください。落差が4cm近くある境目の人なら、薄いパッドで肩線が整って見えることもあるので、着て横から見て決めます。
Q. ドロップショルダーなら、どれでもいかり肩に合いますか
落ち幅しだいです。肩の縫い目が肩先から4cm以上外へ落ちていれば、肩の角を布が越えて丸く見えます。ところが1〜3cmしか落ちていないと、縫い目がちょうど肩の角の外側に乗り、角を指さすように見えます。試着のときは、肩先の骨に指を置いて、縫い目までの距離を指の幅で数えてください。
Q. いかり肩と肩幅が広いのは同じですか
別のものです。いかり肩は肩の傾き、つまり首の付け根から肩先への落差が小さいこと。肩幅が広いのは、左右の肩先の距離が長いことです。両方ある人も、片方だけの人もいます。いかり肩は縫い目の位置と向きで、肩幅は縫い目と襟の横幅で整えるので、どちらなのかを先に分けておくと、選ぶ形が逆にならずに済みます。
Q. 左右で肩の高さが違います。どちらに合わせればいいですか
落差が小さい側、つまり肩先が高い側に合わせてください。高い側に合ったコートは、低い側では少し余りますが、余りは布のしわとして目立ちにくいです。反対に低い側に合わせると、高い側の肩先で布が突っ張り、角がはっきり出ます。片側だけ薄い肩パッドを外すお直しができる場合もあります。

— メグラシ編集部

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コートを着ると急に太って見える、ニットだけのときより一回り大きく見えると感じる人へ。原因を幅・開き・裾の3つに分け、手のひら・指・メジャーで測れる境目を置いて、手持ちのコートの直し方と、新しく選ぶときに売り場で見る順番を出します。

メグラシ編集部/読了 16分
いかり肩に似合うニット|肩の縫い目の位置で選ぶ秋冬の3型

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いかり肩に似合うニット|肩の縫い目の位置で選ぶ秋冬の3型

いかり肩に似合うニットは、色や柄より先に、肩の縫い目がどこに来るかで決まります。肩先の内側か、斜めか、腕の上か。縫い目の位置と編み地の厚みの組み合わせで、手持ちのニットも売り場のニットも同じ物差しで選べます。

メグラシ編集部/読了 20分

"似合う"の輪郭が見えたら、
次は実際に試してみる段階かもしれません。

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