骨格診断とレディースのサイズ表記|号数とS・M・Lのどこがずれるか

レディース服のサイズ表記は、ほぼ胸まわり1つの数字で並んでいます。
号数も、S・M・Lも、基準になっているのはそこです。肩幅がどれだけ広いか、胴のいちばん細い位置がどこにあるか、腰から下にどれだけ厚みが出るかは、並びにほとんど反映されていません。
だから、骨格診断の結果を知っていても、表記を信じて選ぶとずれます。ずれる場所は決まっていて、肩幅・身幅のゆとり・着丈・上端の高さの4つです。
表記が拾っている数字と、拾っていない数字
サイズ表記が実際に並べているのは、胸まわりと、それに連動して決めた身幅です。ここは信用できます。
拾われていないのは次の4つです。
- 肩の骨から骨までの幅:胸まわりが同じでも、人によって3cm以上違う
- 胸まわりと身幅の差(ゆとり量):同じ表記でも作り手ごとに6〜20cmの幅がある
- 体のいちばん細い高さ:まったく表記に現れない
- 腰から下の厚みの出方:上に着るものの丈の判断に効くのに、表記されない
つまり、表記は1つの数字で並んだ棚であって、体の形を4つの数字で表したものではありません。足りない3つは、自分で持ち込むしかない。 それがこの記事の趣旨です。
先に測る4つ|一度測れば、ずっと使える
紙に書いて、財布か手帳に入れておいてください。買い物のたびに使います。
- 肩幅:肩の骨の出っぱりから、反対側の出っぱりまで(背中側を直線で)
- 胸まわり:いちばん高い位置を水平に一周
- 細い高さ:胴のいちばん細い位置が、へそから何センチ上か
- 身長
この4つがあれば、実寸表の数字と照らし合わせられます。号数の欄は、候補を絞るためだけに使います。
ずれ①|肩幅。胸で選ぶと、タイプごとに逆方向へ動く
いちばん大きくずれるのがここです。
胸まわりを基準に選ぶと、上半身に厚みが出るタイプは肩が余りやすく、骨がしっかり出るタイプは肩が足りなくなりやすいという、逆方向のずれが起きます。
理由は単純です。厚みは前後方向に出るので胸まわりの数字を押し上げますが、肩の幅は変わりません。逆に骨が横に張るタイプは、胸まわりの数字が小さくても肩の幅は大きく出ます。
判定は、服の肩幅から自分の肩幅を引くだけです。
- 0〜2cm大きい:合っている
- 3cm以上大きい:肩から布が浮く
- 自分より小さい:腕の動きが制限される
ずれ②|身幅のゆとり。差が6cmと18cmでは別の服
実寸表の身幅を2倍して、自分の胸まわりを引きます。この差がゆとり量です。
- 6cm未満:体に沿う
- 6〜12cm:通常
- 12〜20cm:ゆったり
- 20cm以上:体から離れる
同じ表記でも、この差が6cmの一着と18cmの一着があります。だから「いつものサイズ」という言い方が通用しません。
扱いやすい範囲はタイプで動きます。上半身の面が続くタイプは6〜12cm、体が薄めに出るタイプは6〜10cm、骨がしっかり出るタイプは12〜20cmが扱いやすい傾向です。
同じ差の数字でも、布の硬さで結果が変わることは覚えておいてください。差が16cmでも、柔らかく落ちる布なら余った分は体側へ落ちます。同じ16cmでも、硬い布なら余った分は面として立ちます。だから実寸表を読むときは、差の数字と、素材の欄をセットで見てください。
もう1つ、身幅は胸のいちばん高い位置ではなく、脇の下から数センチ下で測られていることが多い項目です。体のいちばん厚い高さとずれる場合があるので、差が6cm前後の作りでは、実際に着ると数字より窮屈に感じることがあります。ぎりぎりの差を狙わず、1〜2cmの余裕を見ておくと外れません。
ずれ③|着丈。身長ではなく、腰の張る高さで見る
着丈は身長で決まると思われがちですが、実際に効くのは裾が腰のいちばん張る高さで止まっていないかです。
同じ身長でも、腰の張る高さは人によって5cm以上違います。だから「身長160cmなら着丈60cm」という表は当たりません。
やり方は、手元でいちばん決まっている一着の着丈を測っておくこと。その数字が自分の基準になります。実寸表の着丈がそこから±3cm以内なら安全圏です。
測る場所を決めておくことも大事です。着丈は、後ろの襟の付け根から裾までを測るのが一般的ですが、肩の縫い目から測っている表記もあります。基準が違えば3〜5cmずれるので、自分の基準の一着も、実寸表と同じ場所で測ってください。 表記に「後ろ着丈」「肩から」といった但し書きがあるなら、それに合わせます。但し書きがない場合は、後ろの襟の付け根から測ったものとして読むと、大きくは外れません。
上に着るものの着丈がもう1つ効くのは、下に着るものとの関係です。同じ着丈でも、下の上端が高ければ短く見え、低ければ長く見えます。だから着丈の判断は、必ず下に着るものを決めてから行ってください。
ずれ④|上端の高さ。表記されないのに、いちばん効く
下に着るものの上端が、体のいちばん細い高さに来るかどうか。ここは実寸表にも号数にも現れません。
現れるとしたら「股上」の欄ですが、股上の数字は体のどこに上端が来るかを直接教えてはくれません。同じ股上でも、体の細い高さが人によって違うからです。
だから、手元の一着の上端が細い高さから何センチ離れているかを測り、その数字を基準に、実寸表の股上を±2cmで読んでください。
タイプごとの、ずれ方の型
| 骨格の出方 | 胸で選んだとき | 肩で選んだとき | 先に見る欄 |
|---|---|---|---|
| 上半身に厚みが出る | 肩が3cm以上余る | 身幅がぎりぎりになる | 肩幅 |
| 上半身が薄めに出る | 胴と丈が余る | 胸で引かれる | 着丈と身幅の差 |
| 骨がしっかり出る | 肩が足りない | 身幅が足りない | 肩幅、次に身幅 |
この表は、どのサイズを買えという表ではありません。表記のどの欄から読み始めるかの割り当てです。読み始める場所が変わるだけで、外れる回数は減ります。
通販で買うとき|見る欄は3つだけ
実寸表には10行以上並んでいることがありますが、判断に使うのは3つです。
- 肩幅:自分の肩幅+0〜2cm
- 身幅:2倍して、自分の胸まわりとの差を出す
- 着丈:手元の基準の一着から±3cm
この3つが揃っていれば、号数の欄は見なくても決まります。逆に、肩幅が載っていない商品は判断材料が1つ欠けているので、返品や交換の条件を先に確かめてから注文してください。
実寸表に「平置き」と書かれている場合、それは服を平らに置いて測った幅です。身幅も肩幅も、体に着せた状態の数字ではありません。平置きの身幅を2倍するという読み方は、この前提の上に成り立っています。表記の測り方を一度確かめておけば、次からは同じ読み方が使い回せます。
下に着るものの表記は、上とは別の基準で並んでいる
上に着るものが胸まわりで並んでいるのに対して、下に着るものは腰まわりで並んでいます。基準が違うので、上と下で同じ表記になるとは限りません。
上がMで下がLになることも、その逆もあります。これは体の問題ではなく、並べ方の問題です。上下で表記が揃わないことを気にする必要はまったくありません。
下で見る実寸は3つです。腰まわり、股上、丈。腰まわりは自分の実寸との差が2〜8cmに入るかを見ます。股上は、上端が体のいちばん細い高さに来るかどうかで判断するので、手元の基準の一着と比べます。丈は、裾が足首の骨のどこに来るかで決めます。
上下がそろった一組を買うときも、この3つは別に確かめてください。そろいで売られているというのは、同じ作り手が作ったという意味であって、上下が同じ体に合わせてあるという意味ではありません。
表記の外にある2つ|伸びる量と、縫い代の位置
実寸表に載らないのに結果を左右するものが2つあります。
1つは伸びる量です。同じ身幅でも、伸びる布と伸びない布では着たときの結果が違います。伸びる布は数字より小さいサイズでも入りますが、伸びた状態で着ることになるので、面が張ります。実寸表に伸縮の記載があるなら、身幅の判断を1〜2cm厳しく見てください。
もう1つは縫い代の位置です。脇の縫い目が体の真横にあるか、少し前寄りにあるかで、正面から見た幅の見え方が変わります。前寄りにあると、正面の面が狭く見えます。これは実寸では表せないので、写真で確かめるしかありません。
この2つは、実寸表を読み切ったあとの最後の差です。まず3つの数字、それから2つの見えない要素。 順番を守れば、判断が止まることはありません。
割れたとき①|肩は合うが、身幅が足りない
骨がしっかり出るタイプでよく起きます。
このときはサイズを上げるのではなく、身幅のゆとりが12cm以上ある作りを探し直すほうが早いです。サイズを上げると肩が同時に大きくなり、合っていた場所が崩れます。
同じ表記の中で、ゆとりの大きい作りは必ずあります。実寸表の身幅の数字が2cm違えば、それは別の作りだと考えてください。
割れたとき②|身幅は合うが、肩が余る
上半身に厚みが出るタイプでよく起きます。
打てる手は3つです。肩の縫い目が最初から体寄りに作られている一着を探す。肩に芯が入っていない作りを選ぶ。もしくは、肩の縫い目の位置を無視できる作り、つまり肩から袖へ一続きに落ちる作りを選ぶ。
この3つ目は、余りを目立たせない設計なので、肩が余りやすい人にとっては有効な逃げ道になります。
割れたとき③|全部合うのに、丈だけが長い
丈だけの問題なら、直しがいちばん確実です。裾の直しは、ほかの場所を動かさずに済むので、費用も時間も小さく済みます。
直す前に1つ確かめてください。裾を詰めたときに、留め具や飾りの位置が下に寄りすぎないか。詰めたあとに留め具が裾から3cm以内に来ると、その位置が下端に寄って見えます。
表記が変わっても、数字は変わらない
表記の体系は、売り場や国によって違います。数字の号数、S・M・L、数字だけの表記など、並び方はさまざまです。
けれど、肩幅・身幅・着丈という3つの実寸は、どの体系でも同じ意味を持ちます。 だから、体系ごとの換算表を覚えるより、自分の3つの数字を持っているほうが早いのです。
換算表は作り手ごとの配分を教えてくれませんが、実寸表は教えてくれます。
まとめ|表記は棚、判断は実寸
サイズ表記は、胸まわり1つで並んだ棚です。棚の中から候補を取り出すには役立ちますが、その一着が自分に合うかは教えてくれません。
持ち込む数字は4つ。肩幅、胸まわり、細い位置の高さ、身長。見る欄は3つ。肩幅、身幅、着丈。
この形にすると、号数が変わっても、売り場が変わっても、判断の手順は同じままです。変わらないものを手元に持つ。 それが、サイズ表記に振り回されないいちばん簡単な方法です。
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よくある問い
- Q. 同じ号数なのに、店によって入るものと入らないものがあるのはなぜですか
- 号数は胸まわりを基準にした並びで、そこから先の配分は作り手ごとに違うためです。同じ9号でも、肩幅が1.5cm違えば別の服になります。だから号数は候補を絞る道具として使い、最終判断は実寸表の肩幅と身幅で行ってください。手元でいちばんよく着ている一着の肩幅と身幅を測っておくと、その2つの数字が自分用の基準になります。
- Q. 実寸表の身幅は、自分の胸まわりと直接比べていいですか
- 半分にして比べてください。身幅は片側の幅なので、2倍したものが胴のまわりに相当します。そのうえで、自分の胸まわりとの差が何センチあるかを見ます。差が6〜12cmなら通常のゆとり、12〜20cmはゆったりした作り、6cm未満は体に沿う作りです。骨格タイプによって扱いやすい差が変わるので、この差の数字のほうを基準にしてください。
- Q. 肩幅は何を測ればいいですか
- 服側は、肩の縫い目から反対側の縫い目までを、背中側で直線に測ります。体側は、肩の骨の出っぱりから反対側の出っぱりまでを、背中側で測ります。この2つの差が0〜2cmなら合っています。3cm以上大きいと肩から布が浮き、逆に小さいと腕の動きが制限されます。実寸表に肩幅が載っていない商品は、判断材料が1つ欠けていると考えてください。
- Q. フリーサイズはどう考えますか
- 身幅が広めに作られ、肩幅と着丈は中央値に置かれていることが多い作りです。つまり、胴のゆとりだけが増えて、肩と丈は動きません。肩幅が合う人には使えますが、肩が合わない人にとっては、余る場所が増えるだけになります。フリーと書かれていても実寸表があるなら、必ず肩幅を先に見てください。
- Q. 骨格タイプが分からなくても、この方法は使えますか
- 使えます。必要なのはタイプ名ではなく、自分の4つの数字です。肩の骨から骨までの幅、胸まわり、体のいちばん細い高さ、そして身長。この4つを一度測って書き留めておけば、実寸表と照らし合わせるだけで判断できます。タイプ名は、ずれ方の傾向を説明する言葉として後から効いてきます。
— メグラシ編集部




