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けだまができる前に|摩擦が集まる4か所と、休ませる日数で決まる

メグラシ編集部//読了 9分
薄手のニットの脇の下と袖口を光にかざして、毛羽がどれだけ立ち上がっているかを確かめているところ

けだまは、服の全面に均等にはできません。決まった4か所に集まります。

脇の下、袖口の内側、カバンの当たる腰、椅子の背に触れる背中。 どれも、動くたびに布と布、または布と物がこすれ続ける場所です。

だから、取る技術を上げても追いつきません。取るたびに繊維の断面が増えて、次が早く出るからです。自分の一枚がどの場所に出ているかを数えると、原因が動作の側にあるのか、生地の側にあるのかが分かれます。

できる仕組み|抜けかけた毛が、摩擦で寄り集まる

けだまの正体は、生地から抜けかけた細い毛が、摩擦で寄り集まって固まったものです。

つまり必要な条件は2つ。毛羽が出ていることと、同じ場所がこすれ続けること。

生地の側は買った時点で決まっていますが、こすれる場所は着方で変わります。動かせるのは後者だけです。 だからこの記事は、後者に集中します。

場所1|脇の下|腕を振るたびに、布と布が触れる

いちばん出やすい場所です。

腕を振る動作のたびに、身頃と袖の布が接して離れます。一日歩けば、その回数は数千回になります。しかも脇は汗で湿りやすく、湿った繊維は乾いた繊維より摩擦が大きい。

確かめ方は、袖を持ち上げて脇の下の面を光にかざすこと。他の面より毛羽が立ち上がって見えたら、すでに始まっています。

減らす手は3つです。

  • 間に一枚はさむ。 直接触れる面積が減ります
  • 腕を体に付けて歩く時間を減らす。 カバンを腕に掛けたまま歩くと、脇が閉じたままになります
  • 袖にゆとりのある一枚を選ぶ。 布と布の間に隙間があれば、こすれる回数が減ります

場所2|袖口の内側|机との間で起きること

見落とされやすい場所です。

机に腕を置いて作業すると、袖口の内側が机の面と自分の腕にはさまれます。動かなくても、圧がかかった状態が続くだけで毛羽は出ます。

さらに、袖をまくる習慣があると、折り返した部分の内と外がこすれます。いつも同じ位置で折っていると、その線に集中します。

減らす手は2つです。

  • まくる位置を毎回変える。 同じ折り目を作らない
  • 机に接する時間が長い日は、袖を通さない選択もある。 上に羽織るものを一枚替えるだけで変わります

場所3|腰まわり|カバンが当たる帯

肩から掛けたカバンの本体が当たる位置です。腰から少し上、体の側面に細い帯のように出ます。

ここは他の3か所と性質が違います。布と布ではなく、布と別の素材がこすれている。 カバンの素材が硬いほど、出る速さが上がります。

減らす手は3つです。

  • 掛ける肩を、日によって替える。 片側に集中させない
  • 本体が体に密着しない持ち方に替える。 手で持つ、前に回すなど
  • 上に一枚羽織る。 当たる面を替えるだけで、下の一枚は守れます

場所4|背中|椅子の背に触れる面

座っている時間が長い人に出ます。肩甲骨の下あたりに、横に広がる形で現れます。

椅子の背もたれの素材が硬いほど、また前後に体を動かす回数が多いほど早い。

減らす手は2つです。

  • 背もたれに厚みのある布を掛ける。 当たる相手を柔らかくする
  • 上に羽織ったまま座る。 下の一枚を守れます

4か所を数えて、優先順位を決める

自分の一枚を明るいところで広げて、4か所を順に見てください。

出ている場所の数何が起きているか先に動かすもの
1か所だけその動作に原因が集中しているその場所の対処だけでよい
2か所動作の側に原因がある着る間隔と、当たる相手を替える
3か所以上生地の側の毛羽が多い着方より、洗い方と仕舞い方
全面に均等洗いか収納で強い摩擦が起きている洗濯の設定と、重ね方

1〜2か所なら、その場所を狙えば減ります。3か所以上なら、動作を変えても追いつきません。 このとき先に見直すのは、洗い方と仕舞い方です。

休ませる日数|繊維が元の位置に戻るまで

いちばん手間がかからず、いちばん効く操作です。

着ているあいだ、繊維は押されたり引かれたりして、元の位置からずれています。脱いだあと、そのずれが戻るのに数時間から丸一日かかります。

戻りきらないうちにもう一度着ると、ずれた状態からさらに力がかかるので、毛羽が抜け出しやすくなります。

  • 最低でも、間に一日はさむ
  • 脱いだらすぐたたまず、ハンガーに掛けて風を通す。 戻りが早くなります
  • 同じ役割の服を2〜3枚で回す。 一枚あたりの連続着用がなくなります

⚠️ これは着る回数を減らす話ではありません。 同じ回数を着ても、間隔が違えば結果が変わるという話です。

生地の側|光にかざして、毛羽の量を見る

買うときに測れる項目です。

生地を明るいほうへ斜めにかざして、面から立ち上がっている細い毛の量を見てください。

  • 輪郭がはっきりして、面が平らに見える:毛羽が少ない。出るのが遅い
  • 輪郭がぼやけて見える:毛羽が多い。着る回数が少ないうちから出ます

もうひとつ、指で強く数回こする方法もあります。その場で毛羽が寄り集まって小さな玉ができるなら、着用でも同じことが起きます。

短い繊維をゆるく撚った糸は毛羽が出やすく、長い繊維を強く撚った糸は出にくい。値段ではなく、この2つで判断してください。

洗い方で変わること

3か所以上に出ている一枚は、ここから見直します。

  • 裏返して洗う。 外側の面が他の衣類とこすれる回数が減ります
  • 袋に入れる。 袋の中で服が固まって動くので、面と面の相対的な動きが減ります
  • 弱い設定を選ぶ。 回転の時間そのものを短くする
  • 組み合わせを分ける。 面ファスナーのあるもの、開いたままのファスナー、タオル類と一緒に回さない

タオル類は自分から毛を出して相手に付けるので、一緒に回すと、けだまではなく他の繊維が乗った状態になります。見た目は似ていますが原因が違い、これはブラシで落ちます。

仕舞い方で変わること

意外に効きます。

重ねた圧力の下では、けだまが押し固まります。 上から重さがかかった状態で長期間置かれると、取れる側から取れない側へ移ります。

  • 引き出しの中で、重い一枚の下に薄手を置かない
  • 掛けて仕舞うなら、隣との間に指が入る余裕をつくる
  • 圧縮する方法は、けだまが出ている一枚には使わない

仕舞う前に一度、4か所を見ておいてください。 出ているものは、その季節のうちに処理しておくほうが、翌年の状態が変わります。

薄手の一枚が、とくに出やすい理由

薄手のニットや、肌に近い位置で着る一枚は、厚手のものと同じ着方をしていても先に出ます。

理由は2つです。同じ面積を支える糸の量が少ないので、一本あたりにかかる力が大きい。 そして、腕や体の動きが直接伝わる位置で着ている。

だから、薄手の一枚では次の3つの効き目がとくに大きく出ます。

  • 間に一枚はさむ
  • 続けて着ない
  • カバンを掛ける肩を替える

厚手で効かなかった対処が、薄手では効くことがあります。 一枚ごとに試してください。

できてしまったとき|取る回数には上限がある

処理そのものは別の判断ですが、頻度の上限だけはここで置きます。

切ると、そのたびに繊維の断面が新しく増えます。断面は毛羽の出口なので、取るほど次が早く現れます。

  • 切る処理は、同じ一枚に対して季節に1回まで
  • それより頻繁に気になるなら、原因側が動いていない証拠
  • あいだの期間は、毛の柔らかいブラシで一方向になでて寝かせ直すだけ

ブラシは断面を増やしません。取る作業と寝かせ直す作業を分けて考えると、生地の減り方が変わります。

予防をやりすぎない線

対処を増やしすぎると、着るのが面倒になって、結局その服を着なくなります。それでは意味がありません。

線を引くならこうです。

  • 1か所にしか出ていない一枚:その場所の対処だけ。他は何もしない
  • 3か所以上に出ている一枚:洗い方と仕舞い方を一度だけ見直す。それで変わらなければ受け入れる
  • 全面に均等に出ている一枚:生地の側の性質です。対処より、着る場面を選ぶほうが早い

けだまが出ること自体は、生地が使われている証拠でもあります。 出ない状態を目指すのではなく、出る速さを半分にすることを目標にしてください。

どちらとも取れるとき

出ている場所が2か所で、動作の側か生地の側か決めきれないことがあります。

まず、一つだけ変えて一か月見ます。 カバンを掛ける肩を替える、または間に一日はさむ。同時に複数を変えると、何が効いたのか分かりません。

次に、他の一枚と比べます。 同じ着方をしている別の服に出ていないなら、生地の側です。同じように出ているなら、動作の側です。

最後に、残りの寿命で判断します。 襟や袖口がすでに伸びていて、あと1シーズンで替えどきの一枚に、手間をかける必要はありません。手をかける価値があるのは、まだ長く着ける一枚のほうです。

まとめ|出る場所を数えてから、動かす

  • けだまは全面には出ない。脇の下・袖口の内側・腰・背中の4か所に集まる
  • 1〜2か所なら動作の側、3か所以上なら洗い方と仕舞い方
  • 同じ一枚を続けて着ない。繊維が戻るのに丸一日かかる
  • 買うときは、光にかざして毛羽の立ち上がりを見る
  • 洗うときは、裏返し・袋・弱い設定・組み合わせを分けるの4つ
  • 重なった圧力の下では、けだまが押し固まって取れなくなる
  • 切る処理は季節に1回まで。あいだはブラシで寝かせ直す

取る技術ではなく、出る速さのほうを動かしてください。そちらのほうが、生地は長く残ります。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. けだまができやすい服とできにくい服は、買うときに見分けられますか
生地を明るいほうへ斜めにかざして、面から立ち上がっている細い毛の量を見てください。輪郭がぼやけて見えるほど毛羽が多い生地は、着る回数が少ないうちからけだまが出ます。輪郭がはっきりして、面が平らに見えるものは遅い。もうひとつ、生地を指で強くこすって、その場で毛羽が寄り集まるかを試す方法もあります。数回こすっただけで小さな玉ができるなら、着用でも同じことが起きます。値段ではなく、この2つで判断してください。
Q. 同じ服を続けて着るとよくないと聞きました。何日あければいいですか
丸一日です。着ているあいだ、繊維は押されたり引かれたりして元の位置からずれています。脱いだあと、そのずれが戻るのに数時間から一日かかります。戻りきらないうちにもう一度着ると、ずれた状態からさらに力がかかるので、毛羽が抜け出しやすくなります。二日続けて着るくらいなら、間に一日はさむほうが、同じ着用回数でもけだまの出方が変わります。ハンガーに掛けて風を通しておくと、戻りが早くなります。
Q. 洗濯機で洗うと、けだまが増えますか
回転の時間と、一緒に入れるものの組み合わせで変わります。裏返して袋に入れ、弱い設定にすると、外側の面が他の衣類とこすれる回数が減ります。避けたいのは、面ファスナーのあるもの、ファスナーを開けたままのもの、タオル類と一緒に回すこと。硬いものは毛羽を引き出し、タオル類は自分から毛を出して相手に付けます。裏返し・袋・弱い設定・組み合わせを分けるの4つで、洗いによる増加分はかなり減ります。
Q. できてしまったけだまは、こまめに取ったほうがいいですか
回数に上限があります。切ると、そのたびに繊維の断面が新しく増えます。断面は毛羽の出口なので、取るほど次のけだまが早く現れます。目安として、同じ一枚に対して切る処理をするのは季節に1回まで。それより頻繁に気になるなら、原因側が動いていない証拠です。あいだの期間は、毛の柔らかいブラシで一方向になでて寝かせ直すだけにすると、断面を増やさずに見た目が落ち着きます。
Q. 薄手のニットほどけだまが出やすいのはなぜですか
同じ面積を支える糸の量が少ないぶん、一本あたりにかかる力が大きくなるからです。さらに、薄手のものは肌に近い位置で着ることが多く、腕や体の動きが直接伝わります。脇の下や袖口の内側といった、布と布がこすれる場所の圧も高い。だから薄手の一枚は、厚手のものと同じ着方をしていても先にけだまが出ます。間に一枚はさむ、続けて着ない、カバンを掛ける肩を替える。この3つの効き目が、薄手ではとくに大きく出ます。

— メグラシ編集部

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