ブルベ夏の赤|青みの量ではなく「濁り」と面積で着られる範囲が決まる

「ブルベ夏だから青みの赤を選んだのに、なぜか浮く」。この行き詰まりは、よく起きます。原因は青みの量ではありません。その赤が澄みすぎているからです。ブルベ夏の色域は、青み・明るさ・濁りの3拍子で成り立っています。青みだけ揃えても、濁りが足りなければ色のほうが前に出ます。手持ちの赤を1枚出して、白い紙の上に置くところから始めてください。
最初に見るのは青みではなく、濁りです
赤を選ぶとき、多くの方が「青みの赤かどうか」だけを見ます。ところが実際に顔の下で見比べると、同じ青み系の赤でも結果が真逆に出ます。
分かれ目は彩度、つまり色の澄み具合です。
- 澄んだ赤:色が透き通り、光をまっすぐ返す。顔の横に置くと色が主役になる
- 濁った赤:表面に薄い灰の膜がかかり、光がやわらかく散る。顔と同じ層に馴染む
ブルベ夏に必要なのは後者です。青みは前提条件で、濁りが合否を決めます。
白い紙の上で2秒──澄み濁りの判定
道具はコピー用紙1枚で足ります。
- 白い紙を昼の窓辺に置く(午前10時〜午後2時)
- その上に赤い布を平らに広げる
- 真上から2秒見て、目を離す
見るのは布と紙の境目です。
| 境目の見え方 | 判定 | 顔まわりの扱い |
|---|---|---|
| 線がくっきり立ち、赤が浮いて見える | 澄んだ赤 | 面積1割以下 |
| 境目がやわらかく、赤の表面に灰が見える | 濁った赤 | 面積5割まで可 |
| 境目に黒い影が落ちる | 暗く濃い赤 | 明度次第、下記参照 |
3つめの「暗く濃い赤」は、濁りではなく明度の問題です。ワインやボルドーが該当します。ブルベ夏では明度5を下回ると重く出ますが、濁りがあれば明度4程度までは顔まわりで持ちます。
面積の上限を数字で持つ
判定が済んだら、面積を決めます。ここを決めておくと、朝の判断がほぼ要らなくなります。
顔から20cm以内(襟元・インナーの見え幅・ストール・ピアス)に置ける赤の面積は、次の通りです。
- 澄んだ赤:1割まで。ピアス、リップ、細いスカーフの一部
- 中間の赤:3割まで。インナーの見え幅、襟の内側
- 濁った赤:5割まで。ブラウス、ニット、ワンピースの上半身
顔から40cm以上(腰から下・靴・バッグ)は、どの赤でも制限なしです。真っ赤なパンプスも、朱色のバッグも、顔映りには効きません。「赤が似合わない」と思っていた方が、靴とバッグで赤を使い始めると急に楽になるのは、この距離のためです。
ブルベ夏の赤、代表的な4つの帯
呼び名で覚える必要はありませんが、探すときの手がかりにはなります。
| 帯 | 見え方 | 明度 | 顔まわり |
|---|---|---|---|
| ラズベリー | 青みが立ち、少し濁る | 6〜7 | 中心。もっとも安定 |
| ローズレッド | 赤紫寄りでやわらかい | 5〜6 | 可。大人びて出る |
| ワイン | 深く、灰の気配がある | 4〜5 | 可。冬より一段明るく |
| チェリー | 澄んでいて鮮やか | 6 | 面積を絞る |
ラズベリーが軸です。 ここから濃くしたいときはワイン方向へ、やわらかくしたいときはローズ方向へ。チェリーのように澄んだ赤は、同じ青み系でも別の扱いにしてください。
顔で確かめる4点
紙の上の判定は色の話で、最終判断は顔で行います。赤い布をあご下5cmに当て、布ではなく顔を見ます。
- 頬の面が均一になるか、それとも赤みだけが強く出るか
- 目の下の影が浅くなるか、濃くなるか
- 唇の色が赤に負けて灰色に見えないか
- 顔の輪郭がやわらぐか、線が立つか
4点のうち3点が良い側なら、その赤は顔に置けます。3で引っかかることが多いのがブルベ夏の特徴です。服の赤が強いと唇の血色が吸われ、顔だけ疲れて見えます。そのときは服を替えるか、リップを一段濃くするかの二択です。
どちらとも取れる赤の扱い方
紙の上で判定がぶれる赤があります。澄んでいるようにも、濁っているようにも見える。この帯の扱いを、細かく書きます。
1つめ、距離を変えてもう一度見る。 顔から30cm・1m・2mの3か所で見ます。2mで色だけが見えるなら、その赤は澄んでいます。2mで顔と色がひとつに見えるなら濁った側です。近くで見ると誰の目でも判定が甘くなります。
2つめ、隣に灰色を置く。 中間グレーの布を赤の隣に半分重ねます。グレーと接した部分の赤がくすんで見えれば、その赤はもともと澄んだ側です。グレーと地続きに見えれば濁った側。この方法は、紙だけの判定より結果が安定します。
3つめ、素材で倒す。 中間の赤なら、素材で結果を動かせます。マットな面(コットン、リネン、起毛、マットなジャージー)は濁った側へ倒れ、光沢面(サテン、光るポリエステル、エナメル)は澄んだ側へ倒れます。同じ色番でも、素材が変わるだけで置ける面積が変わります。
4つめ、それでも決まらないなら「3割」に置く。 判定が割れる赤を1割まで絞る必要はありませんが、5割まで広げるのも賭けになります。3割、つまりインナーの見え幅か、襟元の内側にとどめてください。3割は、外したときの被害がいちばん小さいバランスです。
5つめ、時間帯で決める。 澄んだ赤は日中の強い光でもっとも浮きます。夕方以降の室内、暖色の照明の下では、澄んだ赤も一段くすんで見えます。日中に人と会う日は濁った赤、夜の予定の日は澄んだ赤、という分け方でも運用できます。
リップの赤と、服の赤
顔のなかで赤が2か所あると、目はどちらを見ればいいか決められなくなります。片方を必ず1段落としてください。
| 服の赤 | リップの赤 | 見え方 |
|---|---|---|
| 濁った赤を5割 | 血色程度の淡いローズ | 落ち着いてまとまる |
| 小物のみ1割 | ラズベリー〜ローズレッドを濃く | 顔まわりが立つ |
| 濁った赤を5割 | 濃いレッド | 主張が二重になる |
| 赤なし | 濃いレッド | 顔が中心になる。人と会う日向き |
上から3番目を避けるだけで、赤の失敗はほとんど起きません。 ブルベ夏のリップの選び方そのものはブルベ夏のリップにまとめています。
赤と合わせる色
赤の隣に置く色で、赤の見え方は動きます。
- 灰色・グレージュ:赤の濁りを引き出す。もっとも安全
- オフホワイト:赤の澄みを引き出す。澄んだ赤とは相性が読みにくい
- ネイビー:赤の青みを引き出す。ラズベリーと好相性
- 黒:赤の彩度を上げて見せる。ブルベ夏では顔から離す
- キャメル・からし:赤の黄み側を引き出す。避けたい組み合わせ
灰色系が中心です。 赤を着る日に迷ったら、相手を灰色にしておけば大きくは外れません。
季節で置ける赤が動く
- 春・夏:光が強く、赤の彩度が上がって見えます。顔まわりは濁った赤に限定するほうが安全
- 秋・冬:光が弱く低いため、ワインやローズレッドが沈まずに出ます。明度4〜5の赤が使える季節
- 梅雨・曇天:全体の彩度が落ちるため、澄んだ赤でも顔まわりで成立することがあります
同じ赤が季節で違って見えるのは、記憶違いではありません。判定は着る季節の光で行ってください。
自分がブルベ夏かどうか、まだ確定していない場合
赤は隣接タイプとの差がはっきり出る色なので、逆にいえばタイプ判定の材料としては使いにくい色です。タイプが定まっていない段階で赤から入ると、結論がぶれます。
- ブルベ冬:澄んだ赤(トゥルーレッド)が顔まわりで成立する
- イエベ春:明るい朱寄りの赤が馴染む
- イエベ秋:深いテラコッタ、レンガ色が馴染む
- ブルベ夏:濁った赤、明度5〜7
位置関係が曖昧なら、パーソナルカラー春夏秋冬の見分け方で先に4タイプの並びを確かめてください。中間で決めきれない場合の考え方はパーソナルカラーの中間タイプにあります。
襟の形で、同じ赤の効き方が変わる
同じ赤でも、顔に接する距離が変われば結果が変わります。
- ハイネック・タートル:顔まで5〜10cm。澄んだ赤は、この形では使いにくい
- クルーネック:15〜20cm。判定どおりに出る
- Vネック・開襟・スキッパー:25cm以上。素肌の面積が増え、条件がゆるむ
澄んだ赤を顔まわりで使いたい日は、襟が開いた形を選んでください。 首元に素肌の帯ができると、赤と顔の間に橋がかかります。同じ1枚でも、第1ボタンを開けるだけで印象が動くのはこのためです。
逆に、濁った赤であればハイネックでも成立します。顔に近づいても色が前に出ないのが、濁った赤の性質です。
赤を小物だけで使う日
服の赤を諦めた日でも、赤を装いに入れる方法はあります。顔から離れた位置に、小さく強く置くやり方です。
- 靴:全面が赤でも、顔から100cm以上離れます
- バッグ:手に持てば60cm以上
- ベルト:腰の位置、50cm前後
- 爪:手を動かす範囲。顔に寄せなければ影響は小さい
この位置なら、澄んだ赤も朱色も使えます。面積を絞る必要すらありません。 ブルベ夏で赤の出番が減っていくのは、色が合わないからではなく、顔まわりだけで使おうとしているからです。
小物の赤を1点入れると、全身の落ち着いた色が締まって見えます。入れるのは1点まで。 2点以上に散らすと、目がそこを行き来して装いが止まりません。
手持ちの赤を仕分ける15分
一度やっておけば、以降は考えずに済みます。
- 手持ちの赤をすべて出す(服・小物・靴・リップを含む)
- 白い紙の上で1点ずつ2秒判定、澄み/濁り/暗さの3つに分ける
- 澄んだ赤は「腰から下と小物」の箱へ
- 濁った赤は「顔まわり可」の箱へ
- 判定が割れたものは「3割まで」と書いた付箋を貼る
捨てる箱は作らないでください。 澄んだ赤も、位置さえ決まれば毎週使えます。ブルベ夏で赤が減っていくのは、色を減らしたからではなく、置き場所を決めていなかったからです。
赤を1枚足すなら
手持ちに顔まわり可の赤が無い場合、次の1枚は決まっています。
明度6〜7のラズベリー、マットな面、開いた襟の形。 ここから始めると、失敗がほとんど起きません。ワインやボルドーから入る方が多いのですが、深い赤は季節と光を選ぶぶん、出番が偏ります。
2枚めを足すなら、そこでワインへ。秋冬の顔まわり用です。3枚めは、澄んだチェリーを小物で。この順番なら、途中で使えない1枚が出ません。
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ブルベ夏は赤が似合わないのですか
- 似合わないのではなく、着られる赤の幅が狭いだけです。ラズベリー、ローズレッド、ワインなど灰みを含む赤であれば顔まわりでも使えます。原色に近い澄んだ赤や朱色は、面積を1割以下に絞るか腰から下へ回してください。
- Q. 澄んだ赤と濁った赤は、どう見分けますか
- 白い紙の上に置いて真上から見ます。色が透き通って見え、輪郭が紙にくっきり立つ赤が澄んだ赤です。表面に薄い灰色の膜がかかったように見え、輪郭がやわらかい赤が濁った赤で、こちらがブルベ夏の範囲です。
- Q. 真っ赤なワンピースを持っている場合はどうすればいいですか
- 顔まわりに別の層を1枚はさんでください。灰みのストールを首に巻く、明度7以上のジャケットを羽織って前を開ける、のどちらかです。顔に接する20cmが赤でなくなれば、下の赤は面積が大きくても顔映りに効きません。
- Q. ブルベ夏の赤とブルベ冬の赤は何が違いますか
- 濁りの量が違います。冬は澄んで鮮やかな赤が顔まわりで成立しますが、夏は同じ赤だと色が前に出て顔が後ろに下がります。夏は同じ青み系でも一段くすませ、明度を5〜7に置いた赤が中心です。
- Q. 赤いリップと赤い服を同時に使ってもいいですか
- 使えますが、片方を1段落としてください。服の赤を顔まわりで大きく使う日はリップを血色程度に、リップを濃く入れる日は服の赤を小物か腰から下へ。両方を強くすると、顔のなかで主張が二重になります。
— メグラシ編集部





