レインコートが撥水しなくなった|直すまでの雨の日は中の1枚で防ぐ

**レインコートが撥水しなくなっても、その日の雨をしのげないとは限りません。**表が水を吸っていても、裏の膜と縫い目が生きていれば、雨が中まで来るのは早くて20〜30分後です。
直す手当てが間に合わない朝は、**中に着る1枚を、綿の厚手から化繊かウールの薄手に替えてください。**それだけで、帰り道の冷たさと蒸れがかなり違います。
去年まで玉になって転がっていた雨が、肩のところでじわっと広がって、生地の色を濃くする。撥水が落ちたレインコートを着ていると、いつ中までしみてくるのか分からず、雨の日のあいだずっと落ち着きません。
撥水を戻す手順は、レインコートの撥水が効かなくなったときにまとめてあります。洗って、乾かして、低い熱を当てる。ただ、その手当ては晴れた休みの日にしかできません。この記事は、その日が来るまでの雨の朝に、撥水の落ちたレインコートをどう着るかだけを扱います。
結論:撥水と、雨を通さない役目は別のもの
| 役目 | 担っているところ | 落ちるとどうなるか |
|---|---|---|
| 水をはじく | 表の生地の加工(撥水) | 表が水を吸って、重く冷たくなる |
| 雨を通さない | 裏の膜、生地そのものの密度 | 中まで雨がしみる |
| 縫い目から入れない | 縫い目の裏に貼ったテープ | 縫い目の線に沿ってしみる |
| 中の湿気を逃がす | 膜の性質、生地の目 | 中が蒸れる |
**撥水しなくなったというのは、表の1段目が落ちた状態です。**2段目と3段目が生きていれば、雨はすぐには中まで来ません。ただし、表が水を吸うと4段目の「湿気を逃がす」が働きにくくなるので、中は蒸れやすくなります。
撥水しなくなったレインコートで困ることのほとんどは、雨が中に入ることより、表が濡れて重く冷たいことと、中が蒸れることのほうです。この2つは、着方でかなり減らせます。
撥水と防水の違いそのものは、はっ水コートと防水コートの違いで詳しく書いています。
撥水が落ちたレインコートで、何が起きるか
撥水が落ちたときに起きることを、時間の順に並べます。どの段階で困るかが分かれば、その日の予定のどこで手を打てばいいかが見えてきます。
| 雨に当たってから | 表の生地 | 中の状態 | 感じること |
|---|---|---|---|
| すぐ | 肩に水が広がって色が濃くなる | 変わらない | 見た目が気になる |
| 5〜10分 | 肩と腕の外側が全体に濡れる | 変わらない | 肩が少し重い |
| 10〜20分 | 背中と胸も濡れる | 蒸れ始める | 肩が冷たい |
| 20〜30分 | 生地が水を含んで重くなる | 蒸れがこもる | 内側がじっとりする |
| 30分以上 | 縫い目のテープが弱いとしみる | 縫い目の線が湿る | 肩が冷える |
| 帰ってから | 乾くのに時間がかかる | 中の服も湿っている | 翌朝まで乾かない |
表の時間は、傘を差さずに、ふつうの強さの雨の中を歩いた場合の目安です。**傘を差せば、それぞれの段階に進むまでの時間が大きく延びます。**雨の強さや風でも変わります。
大事なのは、撥水が落ちても、最初の10分くらいは見た目以外ほとんど何も変わらないということです。見た目が気になって慌てて帰りたくなりますが、中はまだ乾いています。駅までの5分、駐車場から店までの3分なら、撥水が落ちたレインコートでも、ほぼ困りません。
朝、家を出る前に30秒で確かめる
撥水の落ちたレインコートを着て出る朝は、玄関で次のことだけ確かめてください。どれも30秒あれば済みます。
| 確かめること | 見るところ | 当てはまったら |
|---|---|---|
| 前の日の湿りが残っていないか | 内側の肩と背中を手のひらで押さえる | 別の上着にするか、中を化繊に |
| 雨の中にいる時間 | その日の予定 | 15分を超えるなら中を替える |
| 風が強いか | 天気予報の風速 | 傘が役に立ちにくい。中を替える |
| バッグの持ち方 | 今日のバッグ | 肩にかける形なら手持ちの袋に移す |
| 袖口がしぼれるか | 袖口のボタンや面ファスナー | しぼって出る |
| 最高気温 | 天気予報 | 15度を下回るなら中をウールに |
**いちばん大事なのは1つ目です。**前の日の雨の湿りが残ったまま着て出ると、表の生地が最初から水を含んでいるので、この記事の時間の目安がすべて前倒しになります。湿りが残っていたら、その日はほかの上着にするか、短い移動だけにとどめてください。
何分の雨の中を歩くかで、その日の着方が決まる
その日にどれくらいの時間、雨の中にいるかを先に見積もってください。着方はそこから決まります。
| 雨の中にいる時間 | 傘なし | 傘あり |
|---|---|---|
| 5分以内 | そのまま着てよい | そのまま着てよい |
| 5〜15分 | 中を化繊かウールに | そのまま着てよい |
| 15〜30分 | 中を化繊かウールに、傘を足す | 中を化繊かウールに |
| 30分〜1時間 | このコートだけでは足りない | 中を替え、バッグは手持ちに |
| 1時間以上 | 別の雨具を使う | 中を替え、替えの服を持つ |
**15分を超える日は、中の1枚を替えるのが最初の手です。**30分を超えて傘なしで歩く予定があるなら、撥水の落ちたレインコートだけでしのごうとせず、別の雨具か、撥水の効いている上着を使ってください。
雨の中にいる時間は、家から駅まで、駅から職場まで、昼に外へ出る時間、帰り道、と分けて足していくと見積もれます。1回ごとは短くても、足すと30分を超えることがあります。
ただし、1回ごとのあいだに屋内で乾く時間があれば、足し算はそこでいったん切れます。朝の15分と帰りの15分のあいだに、職場でハンガーに掛けて乾かす時間があるなら、30分ではなく、15分が2回と数えてください。乾かせない日、たとえば外回りで屋内にいる時間が短い日は、そのまま足して考えます。
中に着る1枚は、綿の厚手を避ける
撥水の落ちた日にいちばん効くのが、中の1枚の素材です。表が濡れて冷えてくるので、肌に近い1枚が湿気を吸ってどう感じるかで、着心地が大きく変わります。
| 中に着る素材 | 湿気を吸ったとき | 乾く速さ | 撥水の落ちた日の向き不向き |
|---|---|---|---|
| 綿の厚手 | 重く、冷たく感じる | 遅い | 向かない |
| 綿の薄手 | 少し冷たく感じる | ふつう | 短い時間なら |
| 麻 | 冷たく感じる | 早い | 秋冬は向かない |
| ウール | 冷たく感じにくい | ふつう | 向く |
| 化繊の薄手 | あまり吸わない | 早い | 向く |
| 化繊とウールの混ざったもの | 冷たく感じにくい | 早い | よく向く |
| フリース | あまり吸わない | 早い | 向く。厚みに注意 |
**綿の厚手のスウェットやパーカーは、撥水の落ちた日にはいちばん向きません。**湿気を吸うと重く冷たくなり、そのうえ乾くまでに時間がかかります。職場に着いてレインコートを脱いでも、中の服が湿ったまま1日を過ごすことになります。
いちばん手軽なのは、いつもの服の下に、化繊の薄い肌着を1枚足すことです。上に着る服はいつものままでも、肌に触れる1枚が変わるだけで、湿りの感じ方はかなり違います。
重ね方|中に着るのは2枚まで
寒くなると、レインコートの中にたくさん着込みたくなります。ただ、撥水の落ちたレインコートの中に3枚以上重ねると、湿気の逃げ道がなくなって、かえって蒸れます。
| 中に着る枚数 | 暖かさ | 蒸れ | 向く日 |
|---|---|---|---|
| 1枚 | 低い | 少ない | 最高気温20度以上 |
| 2枚(肌着+服) | 中 | ふつう | 最高気温12〜20度 |
| 2枚(肌着+薄いニット) | 高い | ふつう | 最高気温12度前後 |
| 3枚以上 | 高い | 多い | 避ける |
中は2枚までにして、暖かさはウールの薄いニットで足してください。
枚数を数えるときは、肌着も1枚に入れます。肌着、シャツ、カーディガンの3枚をレインコートの中に着ると、それだけで3枚です。寒い日は、シャツとカーディガンの代わりに、ウールの薄いニット1枚にまとめると、暖かさを保ったまま2枚に収まります。枚数を増やすより、1枚の素材を暖かいものに替えるほうが、蒸れずに済みます。秋冬に上着の上からレインコートを着る場合は、サイズの選び方から見直すことになります。レインコートのサイズ選び方を見てください。
袖口と裾から入る雨
撥水の落ちたレインコートでは、生地そのものより先に、袖口と裾のような開いた場所から雨が入ってくることがあります。表を伝って流れてきた水が、生地の端から内側に回り込むからです。撥水が効いていれば玉になって落ちる水が、撥水が落ちると生地の表面を伝って、端まで流れていきます。
| 入り口 | 入り方 | できること |
|---|---|---|
| 袖口 | 腕を下ろしたとき、腕の外側を伝った水が手首に回る | 袖口をしぼる、手首までの手袋を重ねる |
| 襟元 | 肩を伝った水が首に回る | 襟を立てる、首にストールを巻かない |
| 前の合わせ | ボタンの間から吹き込む | 前を全部留める |
| 裾 | 裾を伝った水が中の服に移る | 中のボトムの丈を裾より短くする |
| ポケット | 口から入った水がたまる | 雨の日はポケットに物を入れない |
**袖口は、腕を下ろしている時間が長いほど水が回ります。**傘を持つ手の袖口は、腕が上がっているので水が肘のほうへ流れ、反対に下ろしているほうの袖口に水が集まります。袖口をしぼれるレインコートなら、家を出る前にしぼってください。しぼれない形なら、手首までの手袋を袖口の上にかぶせると、水の回り込みが止まります。
首にストールを巻くと、肩を伝った水をストールが吸って、首元がいちばん冷たくなります。撥水の落ちた日は、襟を立てて首元を閉じるほうが、ストールより濡れません。
肩のバッグの紐が、いちばん先にしみる
撥水が落ちたレインコートで、いちばん先に中まで湿ってくるのは、たいてい肩です。雨がいちばん先に当たる場所であるうえに、バッグの紐が生地を押しつけるからです。
| バッグの持ち方 | 肩の状態 | 中までしみるまで |
|---|---|---|
| 肩にかける | 紐が濡れた生地を押しつける | 早い |
| 斜めにかける | 紐が肩から胸を押す | 早い、胸の線にも |
| 背負う | 両肩と背中を押す | 早い、背中が蒸れる |
| 手で持つ | 押されない | 遅い |
| 腕にかける | 肘の内側だけ | 遅い |
**撥水の落ちた日は、バッグを手に持つか、腕にかけてください。**紐が濡れた生地を肩に押しつけると、生地に含まれた水が膜に押し込まれて、そこから先にしみてきます。
どうしても肩にかけたい日は、左右の肩を途中で入れ替えると、片方の肩だけに水が集まるのを防げます。背負うバッグの日は、背中の蒸れも増えるので、中の1枚を化繊にするのを忘れないでください。
傘を差すと、コートが受ける雨は肩と裾だけになる
撥水が落ちたレインコートは、傘を差すことで役目がぐっと軽くなります。傘の下では、コートが雨を受けるのは、傘の外に出る肩の端と、裾と、風で吹き込む正面だけになるからです。
| 傘の差し方 | コートが濡れる場所 | 気をつけること |
|---|---|---|
| まっすぐ上に差す | 肩の端、裾 | 風の日は正面が濡れる |
| 風上に傾ける | 風下の肩と背中 | 傾けすぎると頭が濡れる |
| 低く差す | 裾だけ | 前が見えにくい |
| 大きい傘を差す | 裾だけ | 持ち運びが重い |
| 折りたたみ傘 | 肩の端、裾、腕 | 小さいぶん肩が出る |
折りたたみ傘の小ささは、肩の端が傘から出るかどうかで決まります。肩の端を雨から外すには、親骨の長さが足りているかを見てください。折りたたみ傘の選び方に、鞄の内寸との兼ね合いを書いています。
裾から落ちる水で、ボトムの膝下が濡れる
撥水の落ちたレインコートは、生地が水を含んで、裾から水が垂れてきます。撥水が効いていれば玉になって転がり落ちる水が、生地を伝って裾に集まり、そこから下に落ちる。その先にあるのが、ボトムの膝から下と、靴の甲です。
| ボトム | 裾からの水で | 撥水の落ちた日の向き不向き |
|---|---|---|
| 裾の広いパンツ | 膝下全体が濡れる | 向かない |
| 細身のパンツ | 膝の前だけ濡れる | ふつう |
| 膝より短いスカートとタイツ | タイツが濡れる | 乾きが早く、向く |
| コートより長いスカート | コートの裾の下が全部濡れる | 向かない |
| 足首丈のパンツ | 膝下の前が濡れる | ふつう |
**レインコートより長いボトムは、コートの裾から落ちる水をいちばん受けます。**撥水の落ちた日は、コートの裾より短いか、細身で水を受ける面の少ないボトムを選ぶと、膝下の濡れが減ります。
靴の甲も、コートの裾から落ちた水で濡れていきます。雨の日の靴は、甲が覆われていて、水が入りにくい形を選んでください。雨の日の靴 女性に、長靴を履かない日の靴の選び方を書いています。
自転車に乗る日と、子どもを抱く日
自転車に乗る日と、子どもを抱いて歩く日は、撥水の落ちたレインコートにとっていちばん厳しい日です。
自転車に乗ると、風が雨を生地に押しつけるので、同じ雨でも肩と胸と太ももの面が早く濡れます。前かがみの姿勢で背中の生地が引っぱられ、縫い目にも力がかかります。自転車の日に中まで来るまでの時間は、歩く日のおよそ半分と考えてください。
子どもを抱いて歩く日は、胸から腹の面が子どもの体で押しつけられ、しかも傘が片手になります。この日は、子どもの体が当たる胸の内側から先に湿ってきます。
| 状況 | 先に濡れる場所 | できること |
|---|---|---|
| 自転車、短い距離 | 肩、胸、太もも | 中を化繊に |
| 自転車、長い距離 | 肩、胸、太もも、背中 | 別の雨具を使う |
| 子どもを抱く | 胸から腹、肩 | 中を化繊にして、替えの肌着を持つ |
| ベビーカーを押す | 腕の外側、裾 | 袖口を手首でとめる |
どれも、撥水の効いているレインコートのほうが向く状況です。撥水が戻るまで、この日だけは別の雨具を使えるなら、そのほうが確かです。
職場に着いてから|脱いだあとの置き方
撥水の落ちたレインコートは、表の生地が水を含んでいます。職場に着いてから、たたんで袋に入れたり、椅子の背に掛けたりすると、夕方まで乾かないまま、帰り道にもう一度濡れた状態で着ることになります。
| 置き方 | 帰りまでに | 気をつけること |
|---|---|---|
| 前を開けてハンガーに掛ける | 表面は乾く | 下に水が落ちる |
| 椅子の背に掛ける | 背中の面だけ乾かない | 椅子が濡れる |
| たたんで袋に入れる | 乾かない | 折り目に水がたまる |
| ロッカーに吊るす | 半分くらい乾く | 扉を閉めると乾きにくい |
| 軽く振って水を落としてから掛ける | よく乾く | 振る場所に気をつける |
職場の入り口で2〜3回振って水を落とし、前を開けてハンガーに掛けるのが、いちばん帰りまでに乾きます。ハンガーは、肩の幅に合った厚みのあるものを使うと、肩の生地が重なり合わずに乾きます。前を閉めたまま掛けると、内側に湿気がこもって、中の面が乾きません。
中の服の色|湿りが目立つ色と、目立たない色
撥水の落ちた日に、中の服が少し湿ってしまうことはあります。職場でレインコートを脱いだとき、その湿りが人から見えるかどうかは、中の服の色でかなり変わります。
| 中の服の色 | 湿ったときの見え方 | 撥水の落ちた日の向き不向き |
|---|---|---|
| 薄いグレー | 湿った場所だけ濃く変わって、はっきり見える | 向かない |
| 淡い水色、淡いピンク | 湿った場所が濃く見える | 向かない |
| 白 | 透けやすい | 向かない |
| 紺、黒 | ほとんど見えない | 向く |
| 濃い茶、濃い緑 | 見えにくい | 向く |
| 柄物 | 柄にまぎれて見えにくい | 向く |
**撥水の落ちた雨の日は、肩と背中の色が濃い服を選んでください。**薄いグレーは、湿ったところだけ色が変わるのがいちばんはっきり見える色です。中が乾いていても、表のコートを脱いだときに肩だけ湿っていた、ということがあるので、雨の日には避けておくと安心です。
職場に着いて、中の服が湿っていたら
それでも中の服が湿っていたときに、職場でできることです。
- 肩だけ湿っているなら、しばらく上に何も羽織らずに過ごす。湿った場所に空気が当たると乾きが早い
- 背中が湿っているなら、椅子の背にもたれずに座る。背もたれに押しつけると乾かない
- 肌着まで湿っているなら、替えの肌着に着替える。雨の日は、薄い化繊の肌着を1枚鞄に入れておく
- 袖口が濡れているなら、袖を2回折り返して、濡れた面を外に出す
替えの肌着を1枚、雨の季節のあいだは鞄に入れっぱなしにしておくと、いざというときに困りません。化繊の薄い肌着なら、たたむと手のひらに収まる大きさになります。
帰ってから、翌朝までに乾かす
撥水の落ちた日にいちばん気をつけたいのが、翌朝です。前の日の雨で湿ったまま次の雨の日に着ると、表の生地が最初から水を含んでいるので、濡れの段階がいきなり進んだところから始まります。
| 乾かし方 | 翌朝まで | 向く日 |
|---|---|---|
| 前を開けて、室内のハンガーに掛ける | たいてい乾く | ふつうの雨の日 |
| 風の通る場所に掛ける | よく乾く | 長く雨の中にいた日 |
| 裏返して掛ける | 内側がよく乾く | 中が湿っていた日 |
| 浴室の乾燥を使う | よく乾く | 翌日も雨の日 |
| たたんでしまう | 乾かない | 避ける |
中が湿っていた日は、**一度裏返して、内側を外に向けて掛けてください。**表から乾かすと、内側の湿気は最後まで残ります。裏返しておけば、翌朝には内側が乾いています。
熱を当てて早く乾かしたくなりますが、膜のある生地には、熱に弱いものがあります。乾かすのは風で、熱を当てるのは、洗い表示を確かめてから、撥水の手当てのときにしてください。
中の湿りは、雨か汗か
帰ってからレインコートを脱いで、中の服が湿っていることに気づく。これが雨がしみてきたものなのか、中で汗がこもったものなのかで、打つ手が変わります。
| 湿っている場所 | 考えられる原因 | 打つ手 |
|---|---|---|
| 肩の上 | 雨がしみている | バッグを手に持つ、手当てをする |
| 縫い目の線に沿って | 縫い目のテープが弱っている | 手当てで戻らないことがある |
| 袖口 | 雨が袖口から入っている | 袖口をしぼる、手袋をかぶせる |
| 背中の中心 | 汗がこもっている | 中の1枚を化繊に、歩く速さを落とす |
| 脇の下 | 汗がこもっている | 中の枚数を減らす |
| 胸 | 汗、または自転車や抱っこの押しつけ | 状況で見分ける |
| 全体がうっすら | 汗の可能性が高い | 中の枚数と素材を見直す |
肩と縫い目だけが湿っていれば雨、背中と脇だけなら汗と考えてください。両方が湿っていたら、どちらも起きています。湿りの場所は、脱いだ直後に確かめてください。時間がたつと、湿りが服の中で広がって、どこから来たのかが分からなくなります。
汗のほうは、撥水が戻っても変わりません。表が水をはじいていても、中の湿気が逃げにくいのは同じだからです。こちらは、中の1枚と枚数で調節してください。
見分けがつかないときは、晴れた乾いた日に同じ道を同じ速さで歩いて、帰ってから同じように中を触ってみてください。晴れの日にも背中が湿っているなら、雨の日の湿りの多くは汗です。晴れの日には乾いているのに雨の日だけ肩が湿るなら、雨がしみています。一度比べておくと、次からは迷わずに済みます。
着続けていい境目は、内側の肩を触って決める
撥水の落ちたレインコートを、このまま着続けていいのか、そろそろ手当てか替えどきなのか。これは、帰ってから内側を触って決めます。
雨の日に帰ったら、レインコートを脱いで裏返し、内側の肩の部分を手のひらで押さえてください。
| 内側の肩 | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 乾いている | 裏の膜が効いている | このまま着てよい |
| 冷たいが、湿っていない | 表の水で冷えているだけ | このまま着てよい |
| 少し湿っている | 雨か汗か、まだ分からない | 次の雨の日も触る |
| はっきり湿っている | 雨がしみ始めている | 手当てをする |
| 縫い目の線だけ湿っている | 縫い目のテープが弱っている | 手当てで戻らないことがある |
| 雨の日に3回続けて湿っている | 雨を通し始めている | 手当てか替えどき |
1回だけ湿っていても、その日の雨が特別に強かっただけかもしれません。雨の日に3回続けて湿っていたら、手当てをするか、替えどきを考えてください。
替えどきの目安
手当てをしても戻らないとき、あるいは手当ての前から、替えどきと考えたほうがいい状態があります。
| 状態 | 手当てで戻るか | 考え方 |
|---|---|---|
| 表が水を吸うが、中は乾いている | 戻ることが多い | 手当てをする |
| 縫い目の線に沿って湿る | 戻らないことがある | 縫い目のテープを見る |
| 縫い目のテープがはがれている | 戻らない | 替えどき |
| 裏の膜にひびや白い粉がある | 戻らない | 替えどき |
| 裏の膜がべたつく | 戻らない | 替えどき |
| 生地の表面がてかって薄くなっている | 戻らないことがある | 雨の少ない日用にする |
裏返したときに、裏の膜の表面が白っぽく粉を吹いている、細かいひびが入っている、手で触るとべたつく。**この3つのどれかが見えたら、撥水の手当てでは戻りません。**雨を通さない役目そのものが落ちているからです。
撥水が戻るまでの、秋の長雨の乗り切り方
秋の長雨の時期は、晴れた休みの日が来るまで、撥水の落ちたレインコートを何日も着ることになります。その間の回し方です。
| 雨の日の予定 | 着るもの | 中の1枚 |
|---|---|---|
| 短い移動だけ | 撥水の落ちたレインコート | いつもの服 |
| 15〜30分歩く | 撥水の落ちたレインコート+傘 | 化繊かウール |
| 自転車 | 別の雨具 | 化繊 |
| 長く外にいる | 別の雨具、または撥水の効いた上着 | 化繊とウールの混ざったもの |
| 次の日も雨 | 乾いたほうの上着 | 化繊かウール |
雨の上着を2着持っているなら、1日ごとに交互に着ると、どちらも乾いた状態で着られます。2着目は、撥水の効いた薄い上着や、裏に膜のあるジャケットでも構いません。1着しかない場合は、帰ってからの乾かし方を毎回守ってください。
晴れた休みの日が来たら、その日に撥水の手当てをします。洗う、乾かす、熱を当てる、の順番を守れば、戻るものは戻ります。手順はレインコートの撥水が効かなくなったときを見てください。
撥水が戻るまで、雨の降らない日に使う
撥水の落ちたレインコートは、雨の日以外にも役目があります。裏の膜が生きていれば、風を通しにくい上着として使えるからです。秋の風の強い晴れの日や、自転車で出かける乾いた日の上着としてなら、撥水が落ちていても困ることはありません。
| 使う日 | 役目 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 風の強い晴れの日 | 風よけ | 中の蒸れ。中は薄く |
| 自転車の乾いた日 | 風よけ、砂ぼこりよけ | 肩のバッグの擦れで撥水がさらに落ちる |
| 小雨の予報の日 | 短い移動の雨具 | 15分を超えるなら傘を足す |
| 旅行の予備の上着 | 急な雨と風の両方 | 帰るまでに乾かせるか |
**雨の日以外に使うときも、肩にバッグをかけ続けると、撥水の落ちる速さが上がります。**手当てをしたあとも同じ場所から先に落ちていくので、ふだんからバッグの紐が当たる肩を入れ替えておくと、次の手当てまでの間が延びます。
どちらとも取れるとき①|表は吸っているのに、中はまったく乾いている
撥水が落ちて表がびっしょり濡れているのに、帰ってから内側を触ると、まったく乾いている。この場合は、裏の膜がしっかり効いています。
困っているのが見た目と重さだけなら、このまま着続けて構いません。**中が乾いているかぎり、雨の日の役目は果たしています。**撥水の手当ては、晴れた休みの日まで待ってかまいません。
撥水の手当ては、洗って乾かして熱を当てるまで、半日から1日かかります。雨の多い週に無理に手当ての日をつくるより、晴れの日が2日続く週を待ったほうが、乾かしの途中で雨に降られずに済みます。
ただし、表が濡れていると、中の湿気が逃げにくくなります。中が乾いていても、長く着ていると蒸れを感じるなら、中の1枚を化繊かウールに替えてください。
どちらとも取れるとき②|ところどころだけ撥水が残っている
肩と腕の外側は水を吸うのに、裾のあたりはまだ玉になる。撥水は摩擦の多い場所から順に落ちていくので、こうした落ち方はよくあります。
この場合は、**撥水の落ちた場所がどこかで、その日の持ち方を決めます。**肩が落ちているならバッグは手に持つ。腕の外側が落ちているなら傘を少し低く差す。裾が落ちているなら、長く歩く日は裾の短いものを選ぶ。落ちた場所を雨から外すように着れば、全体を手当てするまでの間を乗り切れます。
どちらとも取れるとき③|雨は通していないが、冷たくて着たくない
中まで雨はしみていない。けれども、表が濡れた生地の冷たさが肩や腕に伝わってきて、とにかく着たくない。気温が15度を下回る秋の雨の日によく聞く声です。
これは、表の生地が水を含んで、その水が冷えているためです。濡れた生地は、乾いた生地より熱を伝えやすいので、同じ気温でも肩や腕がひんやりと感じられます。中の1枚を冷たく感じにくいウールに替えると、表の冷たさが肌に届きにくくなります。**冷たさがつらい日は、中の1枚をウールか、化繊とウールの混ざったものにしてください。**それでもつらいときは、撥水の効いたほかの上着に替える日です。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 撥水しなくなったレインコートは、もう使えませんか
- 使えることが多いです。撥水は表の生地に水をはじかせる加工で、雨を中に通さない役目は、裏の膜や縫い目のテープが担っているものが多いからです。撥水が落ちると表が水を吸って重く冷たくなりますが、裏が生きていれば、中までしみるまでには時間がかかります。帰宅して内側の肩を触って、乾いていればまだ使えます。湿っている日が続くなら、手当てか替えどきです。
- Q. 撥水しなくなったレインコートの下には、何を着ればいいですか
- 綿の厚手の服は避けてください。綿は湿気を吸うと乾きにくく、しかも冷たく感じやすい素材です。中に着るなら、化繊かウールの薄手のものが向いています。化繊は湿っても乾きが早く、ウールは湿気を吸っても冷たく感じにくい性質があります。いちばん肌に近い1枚をこのどちらかにするだけで、同じコートでも着心地が変わります。
- Q. 中が濡れているのが、雨なのか汗なのか分かりません
- 湿っている場所で見分けます。雨がしみてくるのは、肩、袖口、縫い目の線に沿った場所、バッグの紐が当たる場所です。汗がこもるのは、背中の中心、脇の下、胸のあたりです。肩と縫い目だけが湿っていれば雨、背中と脇だけなら汗と考えてください。両方が湿っていたら、どちらも起きています。汗のほうは、中に着る1枚と歩く速さで変わります。
- Q. 撥水を戻すまで、雨の日はどうすればいいですか
- 傘を併用して、コートが雨を受ける面を肩と裾だけに減らしてください。傘を差していれば、撥水が落ちていても、中まで来るまでの時間はぐんと延びます。バッグは肩にかけずに手で持つと、紐が当たる場所からのしみ込みがなくなります。帰ったら前を開けてハンガーに掛け、内側まで乾かしてからしまいます。手当ての方法は別の記事にまとめています。
— メグラシ編集部





