パーティードレスの生地の名前|秋冬の結婚式は、会場の光で選ぶ

**あなたが出る結婚式は、昼ですか、夜ですか。会場は、窓の大きなチャペルですか、照明の下のホテルの宴会場ですか。**この2つが分かれば、秋冬のパーティードレスの生地が決まります。
ドレス選びでは、形や丈を先に考えることが多いはずです。けれど秋冬の結婚式では、**同じ形でも生地が違うと、季節と時間帯の見え方が変わります。**夏と同じ薄いドレスで出ると、会場のなかで一人だけ季節が違って見えることがあります。
この記事では、パーティードレスの生地の名前を、光の返し方で3つに分けて書きます。形・丈・袖の名前はパーティードレスの種類一覧に、立場ごとの丈と袖の決め方は30代・40代のパーティードレスにまとめてあります。
結論:生地の名前は、光の返し方で3つに分ける
| 光の返し方 | 生地の名前 | 向く時間帯 |
|---|---|---|
| 面で返す | サテン | 夜の式。昼は艶を抑えたものに限る |
| 点や線で返す | タフタ、ジャカード、レース | 昼夜どちらも |
| 吸う | ベロア、ジョーゼット | 昼夜どちらも。夜は小物で光を足す |
**迷ったら、点や線で返す側を選んでください。**昼の自然光でも、夜の照明でも、光りすぎず沈みすぎない側です。
面で返す|サテン
サテンは、糸を表面に長く浮かせて織った生地で、表面がなめらかです。光を1つの面で受けて、そのまま返すので、布を傾けると白い帯のような光が流れます。
**夜の式で、照明が上から当たる宴会場では、サテンの艶がいちばん映えます。**反対に、昼の式で窓からの自然光が入るチャペルでは、艶が強く見えることがあります。
サテンにも艶の強さの幅があります。昼の式に着るなら、光が帯にならず、ぼんやり広がる程度のものを選んでください。サテンが似合う・似合わないの考え方はサテン生地が似合わない理由にあります。
点や線で返す①|タフタ
タフタは、細い糸を密に織った、張りのある生地です。触るとしゃりっとした手ざわりがあり、動くと小さく布の音がします。
表面に細かい横の畝があるので、光は面ではなく、細い線や点になって返ります。**張りがあるぶん、スカートの広がりが保たれ、秋冬らしい量感が出ます。**色は深い緑、ボルドー、紺のような濃い色が秋冬に多く出回ります。
座っている時間が長い式では、張りのある生地は座りじわが出やすいので、立ち上がったときに裾を手で整えてください。
点や線で返す②|ジャカードとレース
ジャカードは、織りで柄を出した生地です。模様の部分と地の部分で糸の浮き方が違うので、光が模様の形に沿って返ります。遠目には無地に近く、近づくと柄が見えるのが特徴で、昼の式でも光りすぎません。
レースは、糸で透かし模様を作った生地です。穴の部分は光を通し、糸の部分は光を点で返します。秋冬は、裏地の色が濃く、透けて見える肌の面積が小さいものを選ぶと、季節に合います。
どちらも、厚みのある生地に仕立てられたものが秋冬向きです。袖がレースになったドレスの選び方は結婚式に半袖・肩出しはOK?を見てください。
吸う①|ベロア
ベロアは、表面に短い毛足を立てた生地です。光を毛足のあいだに吸い込み、布が折れた縁のところだけが光ります。
**秋冬の生地として最もはっきり季節が出るのがベロアです。**深い緑、ボルドー、濃紺、黒のような濃い色は、光を吸うぶん色がさらに深く見えます。
毛足の向きで色が変わって見えるので、指で上から下へなでたときと、下から上へなでたときで色の濃さが変わるのがベロアの見分け方です。光を吸うぶん、夜の式ではアクセサリーやバッグで光を足すと、会場の照明に沈みません。
吸う②|ジョーゼット
ジョーゼットは、強くよった糸で織った、表面に細かいしぼのある薄い生地です。光を細かく散らして吸うので、艶はほとんどありません。
夏のドレスに多い生地ですが、**裏地があって、色が濃いジョーゼットなら秋冬にも着られます。**薄い生地が重なって揺れるので、動いたときにやわらかく見えます。
秋冬に着るときは、袖のあるものか、上に厚みのある羽織りを重ねてください。薄い生地だけで肩まで出ていると、会場のなかで季節が夏に寄って見えます。
生地と色の組み合わせ|同じ色でも深さが変わる
同じ色の名前でも、生地によって見える深さが変わります。秋冬の結婚式で色を決めるときは、生地と一緒に考えてください。
- ベロア:光を吸うので、色が1段深く見える。ボルドーは黒に近い赤に、紺は黒に近い青になる
- サテン:光を返すので、色が1段明るく見える。濃い緑でも、光の当たる面は明るい緑に見える
- タフタ:畝の影と光が交互に並ぶので、色に奥行きが出る。玉虫のように2色に見えるものもある
秋冬らしく見せたいなら、明るい色は光を吸う生地で、深い色は光を返す生地で選ぶと、どちらも沈みすぎず浮きすぎません。たとえば淡いくすみピンクならベロアで深さを足し、濃紺ならサテンで光を足す、という組み合わせです。
黒のドレスは、生地が光を吸うほど喪の装いに近づきます。黒のベロアやマットな黒を選ぶ日は、パールや金具のある小物で光を足し、ストッキングは肌に近い色にしてください。黒のドレスを結婚式で着るときの考え方は友達の結婚式の服装にもあります。
会場の光で選ぶ|チャペル・宴会場・レストラン
同じ生地でも、会場の光によって見え方が変わります。
- 窓の大きいチャペル:自然光が横から入る。サテンの艶がいちばん強く見え、ベロアの色は明るく見える
- ホテルの宴会場:照明が上から当たる。サテンがきれいに光り、ベロアは深く沈む
- レストラン:照明が暗めで、テーブルの近くだけ明るい。タフタやジャカードの点の光が映える
**昼の式でも、宴会場は照明の下なので、サテンが使いやすくなります。**会場の写真を案内状や式場のページで見て、窓が大きいか、照明の下かを確かめてから生地を選んでください。
売り場とスマートフォンで確かめる方法
売り場で生地を確かめるときは、3つを見てください。
- スマートフォンのライトを斜めから当てる。白い帯が出ればサテン寄り、細かい点ならタフタやジャカード、何も出なければベロアかジョーゼット
- 指でなでる。なでる向きで色が変わればベロア
- 軽く握って離す。しゃりっと音がして、しわが角ばればタフタ
**3つとも、10秒あればできます。**名前の表示が見当たらないときでも、どの側の生地かは分かります。
試着できるときは、鏡の前で一度座ってから立ち上がってください。披露宴では、座っている時間が2時間を超えることがよくあります。立ち上がったときに、太もも側に横じわが何本残るかを見ます。**しわが2本以内で、手でなでて消えるなら、座る時間の長い式にも向きます。**タフタのように張りのある生地や、薄いサテンは、しわが残りやすい側です。
通販の商品説明の読み方
通販では、生地を手に取れません。商品説明の生地名は、織り方の名前と見た目の雰囲気の名前が混ざっていることがあります。
名前より先に、次の3つを見てください。
- 写真で、光がどう返っているか。モデルが動いた写真で、帯になっているか点になっているか
- 「厚手」「裏地あり」と書かれているか。秋冬はこの2つがそろっているものが季節に合う
- 袖や裾の拡大写真があるか。表面の凹凸は、拡大でしか分からない
「サテン調」「ベロア風」のように、調・風がつく名前は、見た目を似せた別の生地のことが多いです。光り方は写真で確かめてください。
生地に合わせる羽織りと小物
生地の光の返し方に合わせて、羽織りと小物を選ぶと、全体がまとまります。
- 面で返すサテンには、光を吸う羽織り(ベロアのボレロ、ウールのジャケット)で艶の面積を減らす
- 点で返すタフタやジャカードには、どちらの羽織りも合う
- 吸うベロアには、光る小物(パールのネックレス、金具のついたバッグ)で光を足す
冬の式の羽織りとコートの分け方は結婚式のコートと防寒にまとめてあります。
どちらとも取れるとき①|ベロアは毛皮に当たるか
結婚式で避けられているのは、殺生を思わせる毛皮や動物の革です。ベロアは綿やポリエステル、レーヨンなどを毛羽立たせた生地なので、毛皮には当たりません。
**ただし、ベロアのドレスにファーの飾りがついているときは、式の間は外してください。**素材が合成でも、見た目が毛皮に見えるからです。結婚式で避けたいもの全体は結婚式のマナーで避けたいものにあります。
どちらとも取れるとき②|昼の式に、手持ちのサテンを着たい
昼の式でも、手持ちのサテンのドレスを着たいときは、艶の出る面積を減らしてください。
光を返さない羽織りを重ねれば、艶が見えるのは前の縦の帯だけになります。**袖のあるボレロか、前を開けたジャケットで、胸から下の艶を半分ほどにすると、昼の自然光でも強く見えません。**バッグと靴は、光を返さない布か、艶を抑えた革にそろえます。
どちらとも取れるとき③|白っぽい色の生地
淡いベージュやシャンパン色のサテンは、会場の照明によって白に見えることがあります。白は花嫁の色なので、お呼ばれでは避けるのが決まりです。
**スマートフォンで、照明の下と窓の近くの2か所で写真を撮ってみてください。**どちらかで白に見えたら、その生地は式では外します。ベロアやタフタのように光を吸うか点で返す生地は、同じ淡い色でも白に見えにくくなります。
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よくある問い
- Q. 秋冬の結婚式には、どの生地のドレスが合いますか
- 季節感を出すなら、ベロア・タフタ・ジャカードのように厚みや凹凸のある生地が向きます。夏に多い薄いジョーゼットやシフォンも、裏地があって色が深ければ秋冬に着られます。決めるのは季節より時間帯で、昼の式なら光を吸うベロアか、光を点で返すタフタやジャカード、夜の式ならサテンのように光を面で返す生地まで選べます。
- Q. 昼の結婚式にサテンのドレスは光りすぎますか
- サテンは艶の強さに幅があるので、名前だけでは決まりません。窓の近くで布を斜めに傾けて、光が白い帯になって流れるものは、昼の式では強く見えます。光がぼんやりと広がる程度の、艶を抑えたサテンなら昼でも着られます。気になるときは、上に光を返さない羽織りを重ねて、艶の出る面積を減らしてください。
- Q. ベロアは毛皮と同じで、結婚式では避けたほうがいいですか
- ベロアは綿やポリエステル、レーヨンなどを毛羽立たせて織った生地で、動物の毛皮ではありません。結婚式で避けられているのは、殺生を思わせる毛皮や動物の革です。ベロアのドレスは秋冬の結婚式でよく着られています。ただ、毛足の長いファーの飾りがついたものは、素材が合成でも毛皮に見えるので、式の間は外してください。
- Q. 通販の商品説明に書いてある生地名が、写真と合っていない気がします
- 生地名は、織り方の名前と、見た目の雰囲気の名前が混ざって使われていることがあります。たとえばサテンと書かれていても、艶を抑えた加工のものがあります。名前より、写真で光がどう返っているか、商品説明に厚手・裏地ありと書かれているかを見てください。袖や裾の写真の拡大があれば、そこで表面の凹凸が分かります。
— メグラシ編集部





