結婚式のスーツの色|黒・濃紺・チャコール・ベージュの分かれ目は、開始時刻と立場と同行者

招待状を見て、上下ひと組で行こうと決めたところまではよかったのに、色で止まってしまう。黒は重すぎる気がするし、明るい色は浮きそうで、結局いつも同じものを着てしまう。式のたびに同じところで迷っている方は少なくありません。
迷うのは、色を好みで選ぼうとしているからです。**結婚式のスーツの色は、招待状に書かれた情報と、自分の立場から、ほとんど自動的に決まります。**この記事では、その決め方だけを扱います。
羽織りものを着たままでよいかどうかは結婚式のジャケットに、行き帰りのコートの扱いは結婚式の上着にまとめていますので、色が決まったあとにそちらを見てください。
結論|色は、開始時刻と立場で帯が決まります
先に答えを書きます。決めているのは3つです。
招待状に書かれた開始時刻、自分がどの立場で出るか、そして当日となりに並ぶ人が何を着るか。この3つで、選べる色の帯が絞られます。好みで動かせるのは、その帯の中だけです。
そして帯の中では、どの色を選んでも大きくは外れません。**外れるのは、帯そのものを間違えたときだけです。**だから順番を変えてください。色から選ぶのではなく、3つを確かめてから、残った色の中で好きなものを選ぶ。この順にすると、招待状を開いた時点でほとんど決まります。
まず確かめる3つ
どれも当日を待たずに分かります。
| 確かめること | どこで分かるか | 決まること |
|---|---|---|
| 開始時刻 | 招待状の挙式・披露宴の時刻 | 濃さの上限と下限 |
| 自分の立場 | 招待された理由。友人か、同僚か、親族か | 明るい側に寄せてよい幅 |
| 同行者 | 一緒に行く家族や友人が着るもの | そろえる濃さの段 |
| 屋外の時間 | 会場の案内。ガーデンでの写真の有無 | 素材の選び方 |
4つ目の屋外時間は、9月から10月の式では効きます。この時期は屋外で写真を撮る進行が多く、20分ほど日なたに立つことがあるからです。時間帯ごとの詳しい違いは9月の結婚式ゲストコーデにまとめています。
開始時刻で決まる、濃さの帯
同じ色でも、入る光が違えば別の色に見えます。
| 開始時刻 | 部屋に入る光 | 向く濃さ | 避けたい濃さ |
|---|---|---|---|
| 10時〜11時台 | 自然光が強い | 中間の濃さ。チャコール、ミディアムグレー、くすんだ青 | 真っ黒に近いもの |
| 12時〜13時台 | 自然光と照明の両方 | どちらも通る。濃紺が最も安定する | 特になし |
| 15時〜16時台 | 照明が主になる | 濃紺、深い緑、濃い茶 | 明度の高いグレー |
| 17時以降 | 暖色の照明のみ | 濃い色全般。黒も通る | 生成り、淡いベージュ |
**昼の式ほど明るい側に寄せてよく、夜の式ほど濃い側に寄せます。**これは格式の話ではなく、光の量の話です。自然光の下では濃い色が黒い塊に見えやすく、暖色の照明の下では明るい色が黄ばんで見えます。
どちらとも取れる13時台の式で迷ったら、濃紺にしてください。この時間帯は披露宴が夕方までかかることが多く、途中で光が変わります。濃紺は光が変わっても色が転びにくい色です。
立場で決まる、明るい側の幅
同じ会場でも、立つ場所によって見られ方が変わります。
| 立場 | 写真での位置 | 明るい色を使える範囲 |
|---|---|---|
| 友人・同僚 | 集合写真の後方、または別撮り | 全身を明るくしても問題ない |
| 上司・先輩 | 前方に呼ばれることがある | 上下どちらか片方まで |
| 親族(叔母・姉妹) | 新郎新婦のすぐ後ろ | 片方、かつ顔から離れた側 |
| 両家の母 | 中央付近 | 黒留袖に準じる濃さ。明るい側には寄せない |
親族として出る日の考え方は結婚式 親族の服装に詳しく書いています。ここで押さえておきたいのは1点だけです。明るい色が制限されるのは格式のためではなく、写真の中で視線が主役から外れないようにするためです。
だから親族でも、明るい色を完全に諦める必要はありません。顔から離れた位置、たとえば足元やバッグに置けば、写真の中では小さな面積にしかなりません。
色別の可否
上下ひと組で着る場合の目安です。
| 色 | 昼の式 | 夜の式 | 注意するところ |
|---|---|---|---|
| 濃紺 | 可 | 可 | どの時間帯でも通る。最も安定する |
| チャコールグレー | 可 | 条件付き | 夜は沈む。光を返す小物で起こす |
| ミディアムグレー | 可 | 不向き | 昼向き。夜は顔色が抜けて見える |
| 黒 | 条件付き | 可 | 下の項を参照 |
| 深い緑・濃い紫 | 可 | 可 | 面積が広いと強い。小物は控えめに |
| ベージュ・生成り | 条件付き | 不向き | 白に近づくほど不可に寄る |
| 白・オフホワイト | 不可 | 不可 | 上下ともに白は避ける |
| 明るい水色・薄い桃色 | 可 | 条件付き | 友人として出る日向き |
白を避けるのは、写真の中で花嫁と同じ側に見えてしまうためです。生成りやアイボリーも、照明の下では白に寄ります。**迷ったら、手持ちのいちばん白い布を横に置いて比べてください。**差が見えないなら、その日は別の色にします。
黒のスーツが喪に寄る、3つの条件
黒そのものが不可なのではありません。条件が重なったときに、弔事の装いと同じ見え方になります。
| 条件 | 何が起きているか |
|---|---|
| 上下が同じ布でそろっている | 輪郭が一続きになり、面として大きく見える |
| 光を返さない素材である | 表面に艶がなく、影と同じ明るさになる |
| 中に白いブラウスだけを入れている | 黒と白の二色だけになり、弔事の配色と一致する |
この3つが重なると、同じ黒でも読まれ方が変わります。逆に言えば、2つ外せば祝いの側に戻ります。
外し方は3通りあります。中に入れるものに色を持たせる。顔まわりに光を返す小物を1つ置く。上下どちらかの濃さを一段だけ変える。このうち、いちばん効くのは中に入れるものです。顔に近く、面積も十分あるからです。
靴で調整しようとする方が多いのですが、足元は写真にほとんど写りません。黒い靴の可否については結婚式の靴にまとめています。
同行者と、濃さをそろえる範囲
夫婦や家族で出る日は、全員でそろえる必要はありません。そろえるのは濃さの段だけです。
隣に並ぶ人が濃紺なら、自分は濃紺でも、チャコールでも、深い緑でも構いません。**そろっていないと見えるのは、片方が濃く、片方が明るいときだけです。**たとえば一方が黒、一方が生成りだと、写真の中で二人が別々の行事に出ているように見えます。
判断は簡単です。二人の写真を撮って、白黒にしてみてください。明るさが二段以上離れていたら、どちらかを寄せます。三人以上で並ぶ日は、いちばん濃い人といちばん明るい人の差だけを見れば足ります。
素材で、同じ色が別の色になる
色を決めたあと、最後に確かめるのが素材です。判断は光の返り方でします。
| 表面の状態 | 式に出せるか | 見え方 |
|---|---|---|
| 角度を変えるとわずかに光が動く | 出せる | 色に深さが出る |
| どの角度でも均一で、光が動かない | 条件付き | 平らに見える。小物で補う |
| 織り目が粗く、目で数えられる | 不向き | 普段着に寄る |
| 強く光り、離れても反射が見える | 不向き | 夜でも強すぎる |
通勤で着ているものを使えるかどうかも、ここで決まります。形が同じでも、織り目が粗ければ式では普段着に見えます。判断は色ではなく表面でしてください。
9月中旬の式で、もう一つ効くこと
この時期の式は、屋外で写真を撮る進行が入ります。20分ほど日なたに立つ前提で考えてください。
日なたでは、濃い色ほど熱を持ちます。一方で、明るい色は自然光の下で白に近づいて見えます。**この2つが逆方向に効くので、9月の昼の式では中間の濃さがいちばん扱いやすくなります。**チャコール、くすんだ青、深いベージュあたりです。
屋外の時間が長い日は、上下ともに濃くするのを避けて、片方を一段明るくしておくと、写真でも当日の体感でも楽になります。
よくある行き違い
「スーツなら何色でも失礼にならない」と言われますが、形が整っていることと、色が場に合っていることは別です。形は満たしていても、真っ白や、光が強すぎるものは避けます。
「黒がいちばん無難」もよく聞きますが、昼の式では逆です。自然光の下では、黒は最も目立つ濃さになります。無難なのは黒ではなく、濃紺です。
「明るい色は若い人のもの」という言い方もありますが、分かれているのは年代ではなく立場です。友人として出る日は、どの年代でも明るい側を選べます。親族として出る日は、どの年代でも幅が狭くなります。
迷ったときの分岐
決められないときは、上から順に当てはめてください。
- 開始時刻が17時以降なら、濃紺か黒にする
- 開始時刻が11時台までなら、チャコールかミディアムグレーにする
- 親族として出るなら、明るい色は片方だけにする
- 同行者が濃い色なら、明るさの差を二段以内に収める
- それでも決まらなければ、濃紺を選ぶ
**5まで来たら濃紺です。**時間帯をまたげて、立場を選ばず、同行者の色ともぶつかりにくい。迷う時間を使うより、決めてしまって中に入れるものを考えるほうが、当日の見え方はよくなります。
装いに活かすなら
色が決まったら、次に決めるのは中に入れるものです。ここが顔にいちばん近く、写真に残る部分だからです。上下の色を先に固定しておくと、中に入れるものは自然に絞られます。
一度これで決めた組み合わせは、次の式でも使えます。開始時刻と立場が変わったときだけ、上下の色を一段動かす。そうすると、式のたびに一から悩まずに済みます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 結婚式に黒のスーツで行っても大丈夫ですか?
- 大丈夫ですが、条件があります。上下が同じ布で、光を返さない素材で、中に白いブラウスだけを入れると、弔事の装いとほとんど同じ見え方になります。この3つのうち2つを外してください。中に色のあるブラウスを入れる、光を返す素材の小物を顔まわりに足す、上下どちらかの濃さを一段変える。どれか2つで、同じ黒でも祝いの側に寄ります。
- Q. 濃紺とチャコールグレーでは、どちらが無難ですか?
- 開始時刻で分かれます。午前から昼の式は自然光が入るので、チャコールのほうが柔らかく見えます。夕方以降の式は照明が暖色に寄るため、濃紺のほうが沈まずに輪郭が残ります。どちらとも取れる13時台の式なら、同行者が着るものの濃さに合わせてください。一人で出るなら濃紺のほうが時間帯をまたげます。
- Q. ベージュや明るいグレーは、親族でも着られますか?
- 親族席に並ぶ日は、明るい側に寄せる幅が狭くなります。写真で新郎新婦のすぐ後ろに立つため、明るい面積が広いと視線がそちらに移るからです。親族として出るなら、明るい色は上下のうち片方だけにとどめ、顔から離れたところに置いてください。友人として出る日は、全身を明るくしても問題になりません。
- Q. パンツのセットアップは、ドレスより格が下がりますか?
- 下がりません。判断されているのは形ではなく、布の光の返り方と、上下がそろっているかです。上下が同じ布で、表面がわずかに光を返し、シワが残らない素材であれば、スカートでもパンツでも同じ扱いになります。ただし通勤で着ているものをそのまま使うと、織りの粗さと縫い目の見え方で普段着に寄ることがあります。判断は素材でしてください。
— メグラシ編集部




