きちんとした服がない|次に要るのが弔いか祝いか仕事かで1着目を決める

**最初の1着は、次に着ていく場で決めてください。**次が弔い(葬儀・告別式・法事)なら、光らない黒のワンピースと羽織り。次が祝い(結婚式・式典・入学や卒業)か仕事(面接・会議・挨拶回り)なら、濃紺の無地のワンピースかセットアップです。
次の予定がまだ無い人は、濃紺の無地ワンピースと、同じ色の上着を1着目にします。通夜、法事の一部、式典、面接まで届くからです。黒を急いで用意しなければならないのは、親族として葬儀や告別式に出るときにほぼ限られます。
全部の場に1着で備えようとすると、黒か紺か、スーツかワンピースかで決められなくなります。1着目は次の1回に間に合えば十分です。その上で、2着目で足りない場を埋めます。この記事では、場ごとの分かれ目と、座ったときと腕を伸ばしたときの測り方を順に書きます。
結論:1着目は「次の場」と「何日後か」の2つで決める
きちんとした服の1着目は、持っている人の暮らしによって答えが変わります。法事が多い家の人と、来年に転職の面接を控えた人では、先に要る服が違います。だから最初に決めるのは色でも形でもなく、次に着る場です。
| 次に着る場 | 1着目 | そのまま届く他の場 |
|---|---|---|
| 弔い(葬儀・告別式・法事) | 光らない黒のワンピースと羽織り | 法事・通夜。小物を替えれば一部の式典 |
| 祝い(結婚式・式典・入学卒業) | 濃紺かグレーの無地ワンピースと上着 | 通夜・面接・会食 |
| 仕事(面接・会議・挨拶回り) | 濃紺かチャコールの上下そろいの上着とボトム | 式典・通夜・会食 |
| まだ決まっていない | 濃紺の無地ワンピースと同じ色の上着 | 通夜・法事の一部・式典・面接 |
表の右の列は「その1着で届く範囲」です。左の場が先に来る人ほど、右の列の場には後から足せばいい、と考えてください。
まず2つ書き出す:次に着る場と、その日まで何日あるか
紙でもスマートフォンのメモでもかまいません。次の2つを書きます。
- いちばん近い予定で、きちんとした服が要るもの(場の名前と、自分の立場)
- その日まで何日あるか
立場も書くのは、同じ法事でも施主側と参列側で求められる格が違い、同じ結婚式でも親族と友人で違うからです。自分の立場が重いほど、1着目はその場に合わせた色と形に寄せます。
日数は、買い方を分けるために書きます。2週間以上あれば、試着して丈を直す時間があります。1週間を切ったら、丈直しの要らない形を選ぶか、手持ちから組みます。3日以内なら、買うのは足りない1点だけにします(後の章で順番を書きます)。
次が弔いのとき:光らない黒のワンピースと羽織り
葬儀・告別式・法事が先に来る人は、黒を1着目にします。形は、ワンピースと、その上に羽織る同じ黒の上着です。上下が分かれたスーツより、ワンピースのほうが座ったときに腰回りが崩れにくく、正座の多い法事でも裾が乱れにくくなります。

選ぶときに見るのは3か所です。
- 光るか: 照明の下で斜めから見て、布の表面が白く光らないか
- 首元: 襟ぐりが鎖骨の下まで開いていないか。開いていると、弔いの場では浅いほうが落ち着く
- 袖: 二の腕まで隠れているか。上着を脱ぐ場面があるので、ワンピース単体でも腕が隠れる長さを選ぶ
靴とバッグは、光らない黒で飾りの少ないものを合わせます。この3点がそろうと、通夜・葬儀・法事のどれにも出られます。法事の細かい分かれ目は法事の服装の決め方に、通夜の考え方は通夜の服装に書いています。
黒の深さは、手持ちの黒い服と並べて1歩離れて見る
弔いの黒は、普段着の黒より深く染めてあることが多く、並ぶと違いが分かります。売り場で迷ったら、手持ちの黒い服(または黒い小物)を持って行き、並べて1メートルほど離れて見てください。
並べたとき、手持ちの黒が灰色がかって見えるなら、売り場の1着は弔い向けの深い黒です。逆に、売り場の1着のほうが灰色寄りなら、その黒は普段着や仕事向けです。
この差が分かると、2着目以降で迷いません。深い黒は弔いに強く、祝いの席では沈みやすい。灰色寄りの黒は仕事にも使えるけれど、親族として葬儀に出るときには浅く見えることがある。どちらを先に持つかは、最初に書き出した「次の場」で決めます。
次が祝いのとき:濃紺かグレーの無地ワンピースに上着
結婚式・式典・入学や卒業が先に来る人は、濃紺か明るめのグレーの無地を1着目にします。祝いの席では黒も着られますが、首元と手元で明るさを足さないと弔いに寄ってしまうので、1着目で選ぶなら濃紺のほうが扱いやすくなります。

形はワンピースと上着です。上着は同じ色でそろえると、式典ではそのまま、会食では上着を脱いでワンピースだけ、と場に合わせて外せます。
祝いの席で見られやすいのは、顔の近くと手元です。首元に小さな光るもの、手元に明るい色のバッグを1つ入れると、同じ濃紺のワンピースでも祝いの装いとして通ります。結婚式の格の分かれ目は結婚式の秋冬の服装にまとめています。
次が仕事のとき:上下そろいの上着とボトム
面接・会議・挨拶回りが先に来る人は、濃紺かチャコールの、上下そろいの上着とボトムを1着目にします。仕事の場は、上着を着た姿で人に会う時間が長いので、上着とボトムが同じ布であることが「きちんとしている」の目印になります。

ボトムをパンツにするかスカートにするかは、その日の動き方で分けます。
- 立って歩く時間が長い、移動が多い → パンツ
- 座って話す時間が長い、職場の服装が控えめ → 膝が隠れる丈のスカート
仕事の1着をさらに詰めたい人は、仕事のスーツの選び方で、着る日数と上下の組み方から決める方法を書いています。面接が近い人は面接スーツの決め方も合わせて読んでください。
場がまだ決まっていない人:濃紺の無地ワンピースと同じ色の上着
次の予定がまだ無い、でも「きちんとした服が1着も無い」のが不安、という人は、濃紺の無地ワンピースと同じ色の上着にします。
理由は届く範囲の広さです。濃紺は通夜に地味な平服として着られ、法事でも三回忌以降の控えめな場なら出られます。式典では上着を着たまま、会食では上着を脱いで、面接ではきちんとした装いとして通ります。届かないのは、親族として出る葬儀・告別式と、正装を求められる祝いの席だけです。
この2つは予定が立ってから準備しても間に合うことが多く、1着目で無理に備える必要はありません。「平服で」と言われたときの線引きは平服の考え方に書いています。
弔いにも祝いにも使いたい:黒で行くか濃紺で行くかの分かれ目
いちばん迷うのが、「どちらにも使いたい」人です。ここは答えが1つに決まらないので、次の3つの質問で分けてください。
**1つ目: この先1年で、親族として葬儀に出る可能性があるか。**ある、と答える人は黒を先にします。親族の葬儀は日程を選べず、濃紺では浅く見える場面があるからです。祝いの席には、黒に首元と手元の明るさを足して出ます。
**2つ目: 祝いの席で、自分が写真に写る側か。**親族の結婚式や子どもの式典で、写真の中央近くに立つ人は濃紺を先にします。黒は写真の中で沈みやすく、周りの明るい装いの中で重く見えることがあります。
3つ目は、どちらの質問にも「ない」「写らない」と答えた人です。この場合は濃紺を先にします。届く範囲が広く、予定が立ってから黒を足せば済みます。
2つの質問に両方「ある」と答えた人は、黒を先にして、祝いの席では次の3つのうち2つを入れてください。
- 白か淡い色のインナー(首元から見える面積を指3本ぶん以上)
- 光る素材の小さな飾り(耳か首元に1つ)
- 明るい色か光沢のあるバッグ
2つ入れると、同じ黒のワンピースでも、弔いの装いとは見え方が変わります。1つだけだと、黒の面積に負けて変化が伝わりにくくなります。
3日以内に要るとき:手持ちから組む順番
日数が3日を切っているときは、一式を買い直すより、手持ちから組むほうが失敗が少なくなります。家にある服を、次の順で出してください。
- 柄が無く、光らない濃い色のボトム(黒・濃紺・チャコール)
- 同じ系統の色で、首元が詰まったトップス
- 柄の無い上着(ジャケット、または前が閉じられる無地のカーディガン)
- 飾りの少ない靴
4つそろえば、通夜・仕事の場には出られます。足りないのが1点だけなら、その1点だけを買い足します。2点以上足りないなら、ワンピースと上着の組み合わせを1つ買うほうが、ばらばらに買うより色がそろいます。
上下の色が少し違う場合は、上着の色を濃い側に合わせると、全体の差が目立ちにくくなります。
丈と袖は、座ったときと腕を伸ばしたときに測る
きちんとした服で失敗しやすいのは、立って鏡を見たときは問題なかったのに、座ると膝が出る、腕を伸ばすと手首が出る、という場面です。試着室では次の2つを必ずしてください。

- 椅子に座って、裾が膝頭を隠しているか。膝頭から裾まで指2本ぶん以上残っていれば、正座や長い着席でも落ち着く
- 腕を前にまっすぐ伸ばして、袖が手首の骨を隠しているか。隠れていれば、焼香や受付の記帳でも袖口が短く見えない
もう1つ、上着の背中も見ます。腕を前で組んだとき、背中の布が引っ張られて横じわが出るなら、肩幅が足りていません。その上着は、腕を動かす場面の多い仕事や受付には向きません。
秋冬に買うなら:裏地と生地の厚み、上に着るコート
いまの季節に1着目を買うなら、冬の寒い日にも着ることを考えます。見るのは3つです。
- 裏地があるか。裏地があると、下にタイツを履いても裾がまとわりつかない
- 生地を指でつまんで、向こうが透けないか。透けない厚みがあると、冬の式場や斎場でも寒さが和らぐ
- 上に着るコートの丈より、ワンピースの裾が出ないか。コートから裾が出ると、きちんとした場では落ち着かない
斎場や式場は、建物の中は暖かくても、移動や待ち時間で外にいることがあります。寒さで困る場所の分け方はスーツの寒さ対策に書いています。
体型がこの先変わりそうな人:締めない形と前を開けられる上着
出産の前後や、生活の変化で体型が動きそうな時期に1着目を買う人は、ウエストを締めない形のワンピースを選んでください。切り替えが胸の下にあるか、切り替えの無いまっすぐな形なら、多少の変化を吸収できます。
上着は、前を開けたままでも形が崩れないものにします。前のボタンを閉じないと形にならない上着は、体型が動いたときに真っ先に着られなくなります。上下が分かれたスーツは、体型が落ち着いてから足すほうが無駄がありません。
1着目のあとに足す順番
1着目が決まったら、次は「届かなかった場」を埋めます。足す順番は、次の通りです。
- 1着目が濃紺なら、黒のワンピースと羽織り(親族の葬儀に備える)
- 1着目が黒なら、濃紺かグレーの上下(祝いの写真と仕事に備える)
- どちらも持ったら、上着だけをもう1枚(ワンピースと組み替えて、場に合わせる幅を広げる)
3着目を上着にするのは、上着を替えるだけで場の格を調整できるからです。ワンピースを増やすより、組み合わせの数が増えます。
まとめ
- きちんとした服の1着目は「次に着る場」で決める。弔いが先なら光らない黒、祝いか仕事が先なら濃紺の無地
- 場が決まっていない人は、濃紺の無地ワンピースと同じ色の上着。通夜・法事の一部・式典・面接まで届く
- 弔いにも祝いにも使いたい人は、親族の葬儀に出る可能性と、祝いの写真に写る側かどうかで分ける
- 3日以内なら手持ちから組む。足りないのが1点だけなら、その1点だけを買う
- 試着では、座って膝頭が隠れるか、腕を伸ばして手首の骨が隠れるかを必ず見る
よくある問い
- Q. きちんとした服を1着だけ持つなら、黒と濃紺のどちらですか
- 次に着る予定が弔いなら黒、祝いか仕事なら濃紺です。予定がまだ無いなら濃紺の無地をおすすめします。通夜・法事の一部・式典・面接まで届き、黒を急いで用意しなければならない場面は、親族として葬儀や告別式に出るときにほぼ限られるからです。
- Q. 黒のスーツを祝いの席に着ていってもいいですか
- 着ていけますが、首元と手元で明るさを足さないと弔いの装いに近づきます。白か淡い色のインナー、光る素材の小さな飾り、明るい色のバッグのうち2つを入れてください。黒の中でも喪服用に深く染めたものは、祝いの席では沈んで見えやすいので避けたほうが無難です。
- Q. 3日後に必要なのに、何も持っていません
- まず手持ちから組めるかを確かめます。無地で光らない濃い色のトップスとボトム、柄のない上着、飾りの少ない靴の4点がそろえば、通夜や仕事の場には出られます。足りないのが1点だけなら、その1点を買い足すほうが、上下を急いで一式買うより失敗が少なくなります。
- Q. 体型がこの先変わりそうで、いま買うのが不安です
- ウエストを締めないワンピースと、前を開けても形が崩れない上着の組み合わせを選んでください。ベルトの位置や上下の号数に縛られにくく、多少の変化なら同じ1着で済みます。上下が分かれたスーツは、変化が落ち着いてから足すほうが無駄がありません。
— メグラシ編集部





