ジャケットの襟の名前|秋冬は中に着る首元の高さで選び分ける

**秋冬にジャケットの中へいちばんよく着る服は、首元が高い服でしょうか、低い服でしょうか。**ハイネックのニットか、シャツか、首の詰まったクルーネックのニットか。答えが決まると、選ぶ襟の名前もほぼ決まります。
ジャケットの襟には、ノッチド、ピークド、ショール、ノーカラー、スタンドなど、いくつもの名前があります。名前の一覧を覚えても、手持ちの服と重ねたときにうまくいくかどうかは分かりません。秋冬は、中に着る首元が夏より高く、厚くなるので、襟と首元の重なりが合うかどうかで着心地も見え方も大きく変わります。
この記事では、襟の名前を形の違いで説明したあと、中に着る首元の高さを測り、どの襟を選ぶかを決めていきます。コートの襟を探している方はコートの襟の名前|冬はマフラーを巻くか、巻かないかで探し分けるが近い内容です。手持ちの1着がジャケットなのかコートなのか、上着の種類から迷っている方はそちらが先です。
結論:中の首元が高いなら深く開いた襟、低いなら襟なしも選べる
先に判断の形を置きます。
| 中に着る首元 | 首元の高さの目安 | 選ぶ襟 |
|---|---|---|
| タートル・ハイネック | 首の付け根から5cm以上 | 開きの深いノッチド、ピークド |
| シャツの襟 | 襟が立って3〜4cm | ノッチド(開きは15cm以上)、ノーカラーのV |
| クルーネックのニット | 首の付け根とほぼ同じ高さ | ノーカラーの丸、スタンド、ショール |
| 深いVネックのニット | 首の付け根より下 | ノッチド、ショール |
**中の首元が高いほど、襟の開きは深いほうが収まります。**首元が低いほど、襟なしや立ち襟のように首まわりに近い襟も選べます。
表は軸を示すためのものです。実際には、平日はシャツ、週末はタートル、というように中の首元が日によって変わる方が多いはずです。その場合の選び方は後半で厚めに書きます。
襟の名前は3つの見どころで分かれる
ジャケットの襟の名前は、次の3つを順に見ると見分けられます。
- 襟があるか、ないか
- 襟があるなら、上の襟と下の襟の間に切り込みがあるか、下の襟の先がどちらを向いているか
- 襟が首に沿って立っているか、外へ折れて寝ているか
ジャケットの襟は、首の後ろからぐるりと回る上襟と、前身頃から折り返された下襟の2つに分かれていることが多くあります。下襟のことをラペルと呼びます。ノッチドやピークドという名前は、このラペルの形につけられた名前です。
ノッチドラペル|下襟の先が下を向き、切り込みがある
上襟と下襟の間に、V字やL字の切り込みが入っていて、下襟の先が斜め下を向いている襟です。ジャケットの襟でいちばん多い形で、テーラードジャケットと呼ばれる服の多くがこの襟です。
ノッチドの見どころは、切り込みの高さと、下襟の幅です。切り込みが鎖骨より上にあると首元が詰まって見え、鎖骨より下にあると開いて見えます。下襟の幅は、いちばん広いところで7〜9cmくらいが標準で、それより細いと軽く、太いと重く見えます。
中に着る首元との相性がいちばん広いのがこの襟です。開きの深さ(首の付け根から一つ目のボタンまで)が15cm以上あれば、タートルでもシャツでもクルーネックでも収まります。
開きの深さは、ボタンの数でも変わる
ノッチドのジャケットは、前のボタンが1つのものと2つのものが多くあります。同じノッチドでも、ボタンが1つのものは一つ目のボタンが低い位置にあるので、開きが深くなります。ボタンが2つのものは、一つ目のボタンが胸の高さにあることが多く、開きは中くらいになります。ボタンが3つのものは、さらに開きが浅くなります。
中にタートルやハイネックを着る日が多いなら、ボタンが1つか2つのものを選ぶと、首元が収まりやすくなります。ボタンが3つのものは、中の首元が低い日に向く1着です。ボタンの数は商品写真でもすぐに分かるので、通販で探すときの最初の手がかりになります。
ピークドラペル|下襟の先が上を向いて尖る
下襟の先が、上襟より上へ向かって尖っている襟です。切り込みは浅く、下襟が上襟に向かって突き上がるような形になります。ノッチドより下襟の幅が広いことが多く、胸の上に大きな面ができます。
この襟は、中の首元が高いときに釣り合いがとりやすい襟です。下襟の面が大きいので、タートルの首の厚みに負けません。反対に、シャツの襟を合わせると、シャツの襟先と尖った下襟の先が近い位置で向き合い、首元に尖ったものが集まります。シャツを中に着る日が多いなら、ピークドは2着目以降に回してください。
ショールカラー|切り込みがなく、なだらかにつながる
上襟と下襟の間に切り込みがなく、首の後ろから前まで1本の帯のように丸くつながっている襟です。肩にかけたショールのように見えることから、この名前があります。
切り込みがないので、首元にかどが立たず、やわらかく見えます。中に合わせやすいのは、クルーネックや深めのVネックのニットです。ハイネックも合わせられますが、ショールカラーの帯は厚みがあることが多く、タートルの首と重なると首まわりの厚みが増えます。
シャツの襟とは相性があまりよくありません。シャツの襟先が、丸い帯の内側で行き場をなくして、どちらかへ寄ってしまうからです。
ノーカラー|襟がなく、首まわりの縁だけがある
襟そのものがなく、身頃の縁が首まわりをそのまま回っている形です。縁の形で、丸く回る形(クルー)、V字に開く形、四角く開く形などに分かれます。
ノーカラーは、中の首元がそのまま見える襟です。中に着る服の首元が、ジャケットの首元の形を決めます。クルーネックのニットを中に着ると、縁が二重に重なって、丸い首元がはっきり出ます。シャツを合わせるなら、シャツの襟をジャケットの縁の上に出して着ます。
タートルを合わせられるかどうかは、ジャケットの首まわりの開き次第です。この見分け方は後で書きます。
スタンドカラー|襟が首に沿って立つ
襟が外へ折れずに、首に沿って立ち上がっている形です。立っている高さは2〜4cmほどのものが多く、首の付け根を軽く囲みます。
首まわりに襟が立つので、中に高い首元のものを合わせると、ジャケットの襟と中の首元が同じ場所で重なります。合わせやすいのは、クルーネックや浅いVネックなど、首元が低い服です。シャツの襟とも重なるので、中にシャツを着るなら襟の小さいものか、襟のないブラウスにしてください。
中に着る首元の高さを測る
ここからは、手持ちの服の首元を測ります。秋冬にジャケットの中へよく着る服を3枚出して、1枚ずつ着てください。
鏡の正面に立って、首の付け根(鎖骨の間のくぼみの少し上)に指を当てます。そこから、中の服の首元がどこまで上がっているかを見ます。
- 首の付け根より下で止まる → 低い首元(Vネック、深めのUネック)
- 首の付け根とほぼ同じ高さ → 中くらいの首元(クルーネック)
- 首の付け根から3〜4cm上まで → シャツの襟、浅いモックネック
- 首の付け根から5cm以上上まで → 高い首元(タートル、ハイネック)
指1本の幅がおよそ1.5〜2cmです。首の付け根から指を重ねていって、2本で収まるか、3本以上かで見当をつけてください。
首元の厚みも一緒に見る
高さと同じくらい大事なのが、首元の厚みです。タートルの首を折り返している部分を指でつまんで、厚みを確かめます。
- つまんで1cm以内 → 薄い。どの襟でも収まりやすい
- つまんで1〜2cm → 中くらい。ノーカラーとスタンドは首まわりの開きを確かめる
- つまんで2cmを超える → 厚い。開きの深いノッチドかピークドに絞る
厚いタートルは、高さが同じでも首まわりの太さが増えます。ジャケットの首まわりに余裕がないと、ジャケットの縁がタートルを押して、首元がつかえて見えます。
首元の色と、襟の色の差も見る
高さと厚みに加えて、中に着る首元の色と、ジャケットの色の差も見てください。首元とジャケットの色の差が大きいと、襟のV字や縁の形がはっきり出ます。差が小さいと、襟の形がぼけて、首元からジャケットまでがひと続きに見えます。
襟の形をはっきり見せたいなら、中の首元はジャケットと離れた色にします。濃いジャケットに明るい首元、明るいジャケットに濃い首元です。反対に、首元のつかえを目立たせたくない日は、中の首元をジャケットと近い色にすると、重なりの線が目に入りにくくなります。
タートルを合わせて首元が少しつかえるジャケットでも、タートルの色をジャケットに寄せると、つかえが目立たなくなることがあります。どうしても手持ちのジャケットとタートルを合わせたいときは、色で受け持つ方法を試してください。
ジャケットの襟の開きの深さを測る
次に、ジャケットの側を測ります。ジャケットを着て、前のボタンを一つ目だけ留めます。首の付け根から、一つ目のボタンまでの長さを測ってください。メジャーがなければ、手のひらの幅(親指を除いて8cmほど)で数えても見当はつきます。
- 12cm未満 → 浅い。中の首元が低いときに向く
- 12〜15cm → 中くらい。シャツかクルーネックに向く
- 15cmを超える → 深い。タートルもシャツも収まる
通販でジャケットを探すときは、商品写真で襟の開きを見ます。ボタンを留めた写真で、一つ目のボタンが胸のふくらみの上にあるか下にあるかを見てください。上にあれば浅め、下にあれば深めです。
どちらとも取れる日の選び方
ここがいちばん迷うところです。平日はシャツ、休日はタートル、寒い日は厚手のハイネック、というように、中の首元が日によって変わる方は少なくありません。1着のジャケットで全部に合わせたい場合と、2着に分けられる場合とで、選び方が変わります。
1着で全部に合わせたいとき
1着で済ませたいなら、ノッチドラペルで、襟の開きが15cm以上あるものを選んでください。開きが深いノッチドは、首元が高い服を着た日も、低い服を着た日も、V字の中に首元が収まります。
確かめるときは、いちばん首元の高い服と、いちばん首元の低い服の2枚を着て、同じジャケットを羽織ってみてください。2枚とも、首元がジャケットの襟に触れずに収まれば、そのジャケットは1着で通せます。
下襟の幅は、7〜8cmくらいの標準的な幅にしておくと、どちらの日にも寄りすぎません。太い下襟はタートルの日には釣り合いますが、首元の低い服の日に襟だけが目立ちます。
シャツの日とタートルの日で迷うとき
シャツの日とタートルの日がちょうど半々なら、シャツの日に合わせて選んでください。シャツの襟は、ジャケットの襟との重なりがいちばん難しいからです。シャツに合うジャケットは、たいていタートルにも合いますが、タートルに合うジャケットがシャツにも合うとは限りません。
シャツに合わせやすいのは、開きが深めのノッチドか、ノーカラーのVです。ノーカラーのVなら、シャツの襟を縁の上に出して、V字の中にシャツの襟を広げます。シャツの襟の重なりで迷う方は、シャツの襟の形そのものから見直す方法もあります。
クルーネックが多いけれど、たまにタートルも着るとき
ふだんはクルーネックのニットが多く、寒い日だけタートルを着るなら、ノーカラーの丸を選んでもかまいません。ただし、ジャケットの首まわりに余裕があることが条件です。
ジャケットを着て、首の付け根とジャケットの縁の間に指を入れてください。
- 指が3本入る → タートルも収まる
- 指が2本入る → 薄手のタートルなら収まる。厚手はつかえる
- 指が1本しか入らない → タートルは合わせない。クルーネック専用にする
指2本の場合は、寒い日だけタートルを薄手にするか、タートルの日はジャケットではなくカーディガンを羽織る、と決めておくと迷いません。
首元の高さを、日によって変えたくないとき
日によって中の服を変えるのが面倒なら、逆に、ジャケットに合わせて中の首元を1種類にそろえる方法もあります。たとえば、ノーカラーのジャケットを選んだら、中はクルーネックのニットだけを色違いで3枚持つ。ノッチドを選んだら、中はハイネックだけにする。
この方法なら、毎朝首元の重なりで迷うことがなくなります。中の服を選ぶ時間を減らしたい方に向いています。
首元を広く見せたいとき
中の首元が高い服を着ると、首まわりに服が集まって、首元が詰まって見えることがあります。首元を広く見せたい日は、襟の開きの深さで受け持ちます。
開きが15cmを超えるノッチドなら、タートルを着ても、ジャケットの襟が作るV字の中にタートルの首元が細長く収まります。V字の縦の長さが、首まわりの詰まりを打ち消します。同じタートルでも、開きが浅いジャケットや、ノーカラーの丸と合わせると、首元に横の線が重なって、詰まりが強く出ます。
首元を広く見せたいけれど、ノッチドは仕事着のように見えて落ち着かない、という方は、ノーカラーのVを選んでください。V字の縁が首元に縦の線を作るので、中にクルーネックを着ても首元が広く見えます。
職場に服装の決まりがあるとき
職場によっては、ジャケットの襟について決まりがあることもあります。来客の多い職場では、襟付きのジャケットが前提になっていることがあり、その場合はノッチドかピークドから選びます。
決まりがはっきりしていないなら、職場でよく見かけるジャケットの襟を3人分思い出してください。3人ともノッチドなら、ノッチドを選ぶのが安心です。ノーカラーの人が1人でもいれば、ノーカラーも選べる職場です。職場での服装の幅をどう測るかはオフィスカジュアル レディース|崩せる幅は職場の3人の服で測るにまとめています。
襟の名前が分からないジャケットを持っているとき
手持ちのジャケットの襟が、どの名前に当たるのか分からないこともあります。そういうときは、3つの見どころを順に当てはめてください。
まず、襟があるかどうか。次に、襟があるなら、首の横に切り込みがあるかどうか。切り込みがあれば、下襟の先が下を向いているか、上を向いているか。下ならノッチド、上ならピークドです。切り込みがなければ、帯のように丸くつながっているならショール、首に沿って立っているならスタンドです。
中には、切り込みの位置がとても高い、下襟がとても細い、といった、名前の境目にある襟もあります。その場合は、名前を決めることにこだわらず、中に着る首元との重なりで判断してください。名前は探すときの手がかりで、合うかどうかを決めるのは首元との重なりです。
素材で、襟の見え方は変わる
同じ名前の襟でも、ジャケットの素材によって見え方が変わります。秋冬のジャケットは素材の幅が広いので、襟と合わせて素材も見てください。
- 目の詰まったウールの平織り:襟の折り目がくっきりと出る。ノッチドやピークドの形がそのまま見える
- 太い糸で織られた起毛の生地:襟の縁がやわらかくぼける。ノッチドでも硬さが減り、休日にも着やすい
- 伸びのあるジャージー素材:襟が寝やすく、開きが実際より深く見える。中の首元が高くても収まりやすい
- ニット素材:襟の形が崩れやすい。ショールカラーやノーカラーが多く、ノッチドは折り目が出にくい
中にタートルを合わせることが多いなら、ジャージーやニット素材のジャケットは、襟が首元の厚みに沿って動くので、つかえにくくなります。反対に、目の詰まったウールのジャケットは襟が動かないぶん、首元の厚みとぶつかりやすいので、開きの深さをよく確かめてください。
襟の裏側の色も見る
ジャケットの襟は、着ているあいだに少し返ることがあります。とくに秋冬はマフラーを外したときや、かばんのひもが当たったときに、襟の裏側がのぞきます。
裏側に別の色の生地が使われているジャケットは、のぞいたときにその色が目に入ります。中に着る首元の色と、襟の裏側の色が近いと、のぞいてもまとまって見えます。襟の裏側の色まで見ておくと、着ているうちに気になることが減ります。
シングルとダブルで、襟の開きは変わる
ジャケットの前合わせには、ボタンが1列のシングルと、2列のダブルがあります。同じ名前の襟でも、前合わせによって開きの深さが変わります。
シングルは、前の合わせが体の中心にあるので、襟のV字が左右対称に開きます。開きの深さは、一つ目のボタンの位置でほぼ決まります。
ダブルは、前の合わせが片側に寄って重なるので、襟のV字が片側に寄って、開きが浅く見えます。ピークドラペルはダブルの前合わせに多く、下襟の面も広いので、首元から胸にかけての面積が大きくなります。中にタートルを着ると、首元から胸まで服の面が続き、上半身に重さが集まります。
ダブルのジャケットを選ぶなら、中の首元は低めにして、襟の面と中の首元が重ならないようにしてください。タートルと合わせたいなら、シングルのほうが首元が収まります。
フードのある服やパーカーを中に着る日
休日にジャケットを羽織るとき、中にフードのある服を合わせることもあります。フードは首の後ろに厚みが集まるので、襟の名前によって収まり方が大きく違います。
ノッチドやピークドは、上襟が首の後ろに沿う形なので、フードがその上に重なります。フードを上襟の外へ出して、ジャケットの背中に垂らすように着てください。上襟の内側に押し込むと、首の後ろが盛り上がって襟が浮きます。
ノーカラーは、首の後ろに襟がないぶん、フードが素直に外へ出ます。フードのある服を中に着る日が多いなら、ノーカラーの丸がいちばん収まりやすい襟です。スタンドカラーとショールカラーは、首の後ろで襟とフードがぶつかるので、フードのある服とは合わせないほうが落ち着きます。
首元にアクセサリーをつける日
ネックレスをつける日も、襟の名前で見え方が変わります。ネックレスの長さを、首の付け根からどこまで下がるかで見てください。
- 首の付け根から5cm以内の短いもの:ノーカラーの丸やスタンドでは縁に隠れる。開きのあるノッチドかノーカラーのVで見える
- 首の付け根から10〜15cmの中くらいのもの:ノッチドのV字の中にちょうど収まる
- 15cmを超える長いもの:開きの浅いジャケットでは、一つ目のボタンのあたりで襟と重なる。前を開けて着る
ネックレスを見せたい日は、襟の開きの深さと、ネックレスの下がる長さを比べて選んでください。開きより短いものはV字の中に収まり、開きより長いものは襟と重なります。
肩と腕の動きで、襟の見え方は変わる
襟は、立って鏡を見たときと、動いたときとで見え方が変わります。とくに秋冬は中の服に厚みがあるので、腕を前に出すと身頃が引っ張られ、襟が浮くことがあります。
試着室では、次の2つの動きをしてみてください。
- 両腕を前に伸ばして、ハンドルを握るような姿勢をとる
- かばんを肩に掛けて、ひもを手で押さえる
この2つの動きで下襟が胸から浮いて、すき間ができるなら、そのジャケットは中の服に対して身頃に余裕が足りません。襟の名前より、サイズを見直してください。肩の合わせ方はスーツ 選び方 女性|肩が合うかは試着室で腕を前へ出して確かめるで詳しく書いています。
座った姿でも、襟を見る
秋冬は、電車や職場の椅子で座っている時間も長くなります。座ると背中が少し丸くなり、ジャケットの前身頃が胸の前でたわみます。たわむと、下襟の折り目が持ち上がって、開きが浅く見えることがあります。
試着室に椅子があれば、座った姿でも鏡を見てください。座ったときに、中のタートルの首元が下襟に押されて、つかえて見えるなら、そのジャケットは立っているときより開きに余裕がありません。座る時間の長い日に着るジャケットは、立った姿で測った開きより2〜3cm深いものを選ぶと、座っても首元が収まります。
マフラーやストールを巻く日は
秋冬の外では、ジャケットの上からマフラーやストールを巻く日もあります。巻く日が多いなら、襟の名前の選び方が少し変わります。
- ノッチドとピークド:マフラーを襟の上から巻くと、下襟がつぶれて形が崩れる。巻くなら、首の後ろに一周させて前に垂らすだけにする
- ショールカラー:帯の厚みとマフラーの厚みが重なるので、首まわりが重くなる。薄手のストールにする
- ノーカラーとスタンド:襟がないぶん、マフラーを巻いても形が崩れにくい
外で巻く日が多いなら、ノーカラーかスタンドを選ぶと、首元の重なりを気にせずに済みます。
名前で探すときの言葉
通販や売り場で探すときは、襟の名前と一緒に、中に着たいものを言葉に入れると絞り込みやすくなります。
- ノッチドを探す → 「テーラードジャケット」「ノッチドラペル」。開きの深さは写真で確かめる
- ピークドを探す → 「ピークドラペル」。ダブルの前合わせに多い
- ショールを探す → 「ショールカラー ジャケット」。ニット素材のものも多い
- ノーカラーを探す → 「ノーカラージャケット」。丸かVかは写真で確かめる
- スタンドを探す → 「スタンドカラー ジャケット」「バンドカラー」
商品写真を見るときは、モデルが中に何を着ているかも確かめてください。中に首元の低い服を着せた写真しかないジャケットは、タートルを合わせたときの見え方が分かりません。中の首元が自分と近い写真があるものを選ぶと、届いてからの違いが小さくなります。
通販のサイズ表で見る場所
通販のサイズ表には、襟の開きの深さが書かれていないことがほとんどです。代わりに、肩幅・身幅・着丈・袖丈が並んでいます。襟と首元の重なりに関係するのは、このうち身幅です。
身幅は、脇の下で測った前身頃と後ろ身頃を合わせた幅の半分です。手持ちのジャケットのうち、中にタートルを着ても前のボタンが楽に留まる1着を平らに置いて、脇の下の幅を測ってください。通販のジャケットの身幅がそれより2cm以上狭いなら、タートルを着たときに前が引っ張られ、下襟が胸から浮きます。襟の名前が合っていても、身幅が足りないと襟の形がきれいに出ません。
肩幅は、肩の縫い目から縫い目までの幅です。肩幅が手持ちより広すぎると、襟の付け根が首から離れて、襟全体が外へ広がって見えます。肩幅の差は、手持ちの合う1着と比べて1cm以内に収めると、襟の見え方が手持ちと大きく変わりません。
着てから気づくことを、先に確かめる
届いたジャケットを着てみて気づくことの多くは、首の後ろの襟の浮きです。前から鏡で見るとよく見えても、首の後ろで上襟が首から離れて、すき間ができていることがあります。
合わせ鏡か、スマートフォンのカメラで首の後ろを写してください。上襟が首の後ろに沿っていれば、中に何を着ても襟の形は崩れにくくなります。すき間が指1本以上あるなら、中にタートルを着ると、すき間からタートルの首がのぞいて、首の後ろが重く見えます。その場合は、中の首元を低いものにして着るほうが落ち着きます。
手持ちのジャケットを見直すとき
すでに持っているジャケットが、中の首元とうまく合わないときは、まず中の服を替えて試してください。ジャケットを替えるより、中の首元を1段階高くするか低くするほうが簡単です。
- 襟の開きが浅くて、タートルがつかえる → 中をモックネックかクルーネックにする
- ノーカラーでシャツの襟の行き場がない → 襟を縁の上に出し、一つ目のボタンを開けて襟を広げる
- ショールカラーでシャツが合わない → 中を深めのVネックのニットにする
襟の形は、着る前に手で整える
ジャケットの下襟は、クローゼットの中で他の服に押されると、折り目の位置がずれます。折り目が本来より上にずれると開きが浅くなり、下にずれると開きが深くなります。中の首元とうまく重ならないと感じたら、着る前に下襟の折り目を手で整えてください。
整えるときは、一つ目のボタンを留めた状態で、下襟の折り返しの付け根から、襟の切り込みまでを、手のひらで軽く押さえて折り目をなぞります。折り目が決まると、V字の開きが本来の深さに戻ります。ハンガーは肩の厚みがあるものを使うと、折り目がずれにくくなります。
それでも合わないなら、そのジャケットは中に着る服の種類が限られる1着です。何と合わせるかを1つに決めて、その組み合わせ専用として残してください。
襟と首元の重なりは、名前を覚えるより、自分の中の首元を測るほうが早く答えが出ます。秋冬に中へよく着る服を3枚出して、高さと厚みを確かめるところから始めてください。ニットの首元の名前を知りたいときはハイネックの名前|タートル・モック・ボトルを首の長さで選び分けるもあわせて読んでみてください。
よくある問い
- Q. テーラードジャケットとノッチドラペルは同じものですか
- 同じではありません。テーラードジャケットは、紳士服の仕立てを元にした襟付きのジャケット全体の呼び方です。ノッチドラペルは、そのうち上襟と下襟の間に切り込みが入り、下襟の先が下を向いている襟の名前です。テーラードジャケットの多くはノッチドラペルなので、売り場ではほぼ同じ意味で使われていますが、検索するときは襟の名前で探したほうが形が絞り込めます。
- Q. タートルネックにノーカラージャケットは合わせられますか
- 合わせられますが、ジャケットの首まわりの開きが、タートルの首を折り返した太さより広いことが条件です。ジャケットを着て、首の付け根とジャケットの縁のあいだに指が3本入るなら、タートルは収まります。指が1本しか入らないなら、タートルの首がジャケットの縁に押されて、首元がつかえて見えます。
- Q. シャツの襟はジャケットの襟の外に出すのですか、中に入れるのですか
- ノッチドやピークドなら、シャツの襟はジャケットの襟の内側に収めるのが基本です。外に出す着方もありますが、シャツの襟先とジャケットの下襟がぶつかるので、襟の開きが浅いジャケットではうまくいきません。ノーカラーのジャケットなら、シャツの襟をジャケットの縁の上に出して着ます。
- Q. 1着だけ買うなら、どの襟がいいですか
- 秋冬にシャツとハイネックのニットの両方を着るなら、襟の開きが深めのノッチドを選んでください。首の付け根から一つ目のボタンまでが15cm以上あれば、中の首元が高くても低くても収まります。中に着るものがほとんどクルーネックのニットなら、ノーカラーでもかまいません。
— メグラシ編集部





