あったかインナーの重ね着|2枚目は外にいる時間と汗で決める

**冬の朝、玄関を出る前に一度だけ数えてください。**家を出てから職場や学校の建物に入るまで、外にいるのは何分ですか。そして着いた先の部屋は、上着を脱いで座っていられる暖かさですか。
あったかインナーを2枚重ねるかどうかは、この2つで決まります。**外にいる時間が片道20分以上で、着いた先の室温が18度を下回る日だけ、2枚目を足す。**それ以外の日は、2枚重ねるより、1枚を厚手に替えるか、脱げる上着の側で足すほうが、一日を通して楽に過ごせます。
2枚重ねて失敗する人の多くは、寒さではなく汗で失敗しています。外を歩いている間はちょうどよかったのに、電車に乗った途端に背中が湿ってきて、着いてから冷える。重ね着の答えは「何枚着るか」より先に、「その日どこで汗をかくか」にあります。
発熱する素材の1枚をどう使うかは冬・発熱インナー活用に、ブラとカップ付きインナーのどちらを下に置くかはカップ付きインナーとブラジャーの違いにまとめてあります。この記事は、2枚目を足すかどうかと、足すならどう重ねるかに絞った話です。
結論:2枚目を足すのは、外が長くて、着いた先も寒い日だけ
先に、4つの組み合わせで答えを置いておきます。
| 片道で外にいる時間 | 着いた先の室温 | 重ね方 |
|---|---|---|
| 20分未満 | 18度以上 | 薄手1枚。寒い日は上着の側で足す |
| 20分未満 | 18度未満 | 厚手1枚に替える。2枚にはしない |
| 20分以上 | 18度以上 | 薄手1枚に、前の開く中間着を足す |
| 20分以上 | 18度未満 | 2枚重ねる。肌側に薄手、外側に厚手 |
2枚重ねるのは、表のいちばん下の行だけです。上の3つの行で2枚にすると、どこかで暑くなって汗をかき、その汗が冷えて戻ってきます。
この線の引き方には理由があります。インナーは、一度着たら一日脱げない層です。コートやカーディガンは建物に入れば外せますが、インナーは外せません。だから、インナーで足してよい暖かさは、一日のうちいちばん暖かい場所にいるときでも邪魔にならない量までです。外でだけ寒い日は、外でだけ着ているものを厚くすればいい、という考え方になります。
まず数える2つ:片道で外にいる分数と、着いた先の室温
外にいる時間は、家の玄関から、着いた先の建物の入口までのうち、屋根の外にいる分だけを足します。駅のホームは屋根があっても風が通るので、外に数えてください。逆に、地下でつながっている通路や、暖房の効いた電車の中は外に数えません。
数えてみると、思っていたより短い人が多いはずです。家から駅まで8分、乗り換えのホームで4分、駅から職場まで6分なら、外にいるのは18分です。電車に40分乗っていても、外にいる時間は20分を切ります。この人は、表の上の2行のどちらかに入ります。
着いた先の室温は、上着を脱いで1時間座っていたときの感覚で決めます。温度計があればその数字を、なければ「カーディガンを羽織らずに座っていられるか」で判断してください。羽織らずにいられるなら18度以上、膝掛けやカーディガンが手放せないなら18度未満と考えて構いません。
ここで迷いやすいのが、日によって行き先が変わる人です。週に3日は事務所、2日は外回りや現場、という働き方なら、2つの数を行き先ごとに1回ずつ数えて、曜日で分けておきます。インナーの枚数は、毎朝の天気より、その日どこへ行くかで決まることのほうが多いからです。
数え方の例を3人分挙げておきます。1人目は、家から駅まで自転車で5分、電車で30分、駅から地下通路で職場に入る人です。外にいるのは自転車の5分と駅のホームの3分ほどで、合わせて10分を切ります。職場が暖かければ薄手1枚、寒ければ厚手1枚で、2枚目の出番はほとんどありません。
2人目は、家からバス停まで歩いて7分、バスを10分待つことがあり、降りてから職場まで12分歩く人です。待つ時間も外に数えるので、合わせて30分近くになります。職場が古い建物で、足元が冷える席なら、表のいちばん下の行に入ります。この人は2枚重ねる日が週の大半になります。
3人目は、子どもを園まで送ってから出勤する人です。園までの徒歩が10分、園の門の前で数分、そこから駅まで8分と、外にいる時間は20分を超えます。ただし、園の送り迎えは子どもを抱えたり、急いだりして汗をかきやすい場面です。外は長くても汗をかく場所が多いので、インナーは1枚にして、前の開く中間着で受けるほうが合っています。
汗はどこで出るか:階段・満員の車内・暖房の入口
2枚重ねで失敗する場面は、だいたい3か所に集まっています。
1つ目は、駅や歩道橋の階段です。上りの階段を2階分上がると、体の中から熱が出て、背中と脇がうっすら湿ります。外の空気は冷たくても、体の側は汗をかく準備ができてしまいます。
2つ目は、混んだ電車やバスの中です。人と人の間は外よりかなり暖かく、コートを着たまま立っていると、10分ほどで背中に汗がたまります。乗っている時間が長い人ほど、ここでかいた汗が着いてからの冷えを決めます。
3つ目は、暖房の効いた建物に入った直後です。外で冷えた体が急に暖かい空気に包まれると、顔や首より先に、服の中の背中が湿ってきます。エレベーターを待つ間、コートを脱ぐまでの数分が、いちばん汗をかきやすい時間です。
この3か所のうち、自分の一日に2つ以上ある人は、インナーを2枚にしないほうが合っています。外にいる時間が長くても、汗をかく場所が多ければ、2枚目は脱げる層のほうへ回します。逆に、車で移動して駐車場から建物まで歩く、という人は汗をかく場所がほとんどないので、外にいる時間が短くても寒い職場なら厚手1枚、長ければ2枚が合います。
1枚目(肌に触れる側)は、汗を外へ逃がすものにする
2枚重ねると決めた日、肌に触れる1枚目は、薄手で体に沿うものにします。ここに厚手の起毛を置くと、汗をかいたときに湿った毛足が肌に張りついて、乾くまで冷たさが残ります。
薄手の1枚目は、汗を肌から離して、外側の層へ渡す役目です。体に沿っているほど、汗が肌と生地の間にたまらずに生地へ移ります。サイズ表で迷ったら、胸まわりより背中の幅で合わせてください。背中に縦のしわが2本以上寄るなら、ひとつ大きすぎます。
素材は、手で触って表面がつるりとしているか、細かい編み目が見えるものを選びます。裏が起毛しているもの、表面にふくらみのあるものは、2枚目に回します。1枚で着る日のための厚手を、重ねる日の1枚目にそのまま使い回さないことが、2枚重ねで汗冷えしないいちばんの近道です。
手持ちのインナーが薄手か厚手か分からないときは、窓の光に1枚だけかざしてみてください。生地の向こうに指の形がぼんやり見えるものは薄手、指の影しか分からないものは厚手と考えて構いません。もう1つの目安は、手のひらで生地を軽くつまんだときの厚みです。つまんだ2枚分の生地が、爪の厚みと同じくらいなら薄手、それより明らかに厚ければ厚手です。この2つで分けておくと、引き出しの中で1枚目と2枚目を取り違えずに済みます。
綿の割合が多いものは、肌触りはやさしいものの、一度湿ると乾くのに時間がかかります。汗をかく場所が多い日には、1枚目に綿の多いものを置かないでください。家で過ごす日や、汗をかかない日に回すほうが、その良さが生きます。
2枚目(外側)は、1枚目より少しゆとりのあるものにする
2枚目は、厚手で、1枚目より少しゆとりのあるものにします。ゆとりの目安は、袖口と首まわりで指1本ぶんです。
2枚目がきついと、1枚目の生地がつぶれて、2枚の間の空気の層がなくなります。暖かさは生地そのものより、生地と生地の間にためた空気から来ています。同じサイズの2枚を重ねて「思ったほど暖かくない」と感じたら、2枚目だけひとつ上のサイズにしてみてください。
ただし、ゆとりが大きすぎると、今度は上に着る服の中でもたつきます。2枚目を着た上からニットを着て、脇の下に指が2本入らなくなるなら、2枚目が大きすぎるか、ニットの側が小さすぎます。インナーを足すときは、上に着る服との相性まで含めて1組で考えます。
2枚目に向くのは、裏が起毛しているもの、表面に細かいふくらみのある編み、厚みのある編み地です。どれも空気をためる構造になっています。1枚で着る日のための厚手が、ここでそのまま使えます。
重ねる順番:薄い→厚い、沿う→ゆとり
順番は、内側から「薄い・体に沿う」「厚い・ゆとりがある」と並べます。これを逆にすると、外側の薄い1枚が内側の厚い1枚を押しつぶして、空気の層が消えます。そのうえ、肌側の厚手が汗を抱えたまま離さないので、二重に損をします。
3枚目を考える人もいますが、インナーの層に3枚は置かないでください。3枚目にあたる暖かさは、インナーではなく、カーディガンや薄手のベストのような、前が開いて脱げるものに移します。インナーの層を厚くするほど、着いた先での逃げ道がなくなります。
裾の始末も順番に関わります。1枚目の裾はボトムの中に入れ、2枚目の裾は外に出すか、ボトムのウエストのすぐ上で止めます。2枚とも中に入れると、お腹まわりに布が4枚重なって、座ったときに圧迫されます。2枚とも外に出すと、腰の後ろに隙間ができて、冷えた空気が入ります。
首と袖の見え方:縁を2枚でずらす
2枚重ねると、首と袖からインナーがのぞきやすくなります。見える縁を1本にするには、2枚の衿ぐりと袖丈をずらします。
上に着る服がタートルネックやハイネックなら、インナーは2枚とも丸首で構いません。首は外から見えないので、暖かさを優先します。クルーネックのニットを着る日は、1枚目をUネック、2枚目を浅い丸首にすると、外から見える縁が2枚目の1本だけになります。
Vネックやボートネックのように首まわりが大きく開く服の日は、2枚目を省くほうが確実です。どうしても寒いなら、1枚目を深いVかUにして、2枚目の代わりにベストをニットの上か下に足します。首元にインナーの縁が2本見えると、それだけで着込んだ印象が強くなるからです。
袖は、2枚目を八分袖か七分袖にすると、手首のところで2枚の縁が重なりません。袖口からのぞく量が半分になり、手首まわりのもたつきも減ります。腕を前に伸ばしたとき、上の服の袖口から何cm見えるかを鏡で確かめてください。1cm以内なら気にしなくて構いません。
2枚重ねで「暑い」と感じる人の3つの理由
2枚重ねて暑いと感じるときは、たいてい次の3つのどれかです。
1つ目は、表の行が違っている場合です。外にいる時間は長くても、着いた先が暖かい人が2枚にしていると、昼に必ず暑くなります。この場合は2枚目をやめて、脱げる中間着に移します。
2つ目は、2枚目の厚みが上の服と重なっている場合です。裏起毛のインナーに厚手のニットを重ねると、胴まわりだけで厚手が2枚になります。上に厚手のニットを着る日は、2枚目を薄手のものに替えるか、2枚目を省きます。
3つ目は、首を2重に覆っている場合です。インナーをハイネックにして、上にもタートルを着ると、首まわりの熱が逃げずに、顔のほうが先に暑くなります。首は1か所覆えば十分なので、上の服が首を覆う日は、インナーは丸首にしてください。
どれにも当てはまらないのに暑いなら、その日は単純に1枚で足りる日です。寒がりの自覚がある人ほど、「念のため」で2枚にしやすいものです。外にいる分数を数え直して、表のどの行に入るかを確かめてください。
どちらとも取れる日:外は短いのに職場が寒い、外は長いのに職場が暖かい
ここからが、いちばん迷う部分です。表の2行目と3行目、つまり2つの数が反対を向いている日の決め方です。
外にいる時間が短いのに、着いた先が寒い日は、2枚にせず、1枚を厚手に替えます。外にいる時間が短い人は、汗をかく場所も少ないので、肌側に厚手を置いても湿りにくいからです。それでも寒い職場なら、インナーではなく、座ったときに膝と背中を覆えるものを着いた先に置いておきます。インナーで足すと、帰り道や昼休みの外出のときに暑すぎます。
ここでさらに迷うのが、職場の中で寒い場所と暖かい場所がある人です。窓際の席は寒いけれど会議室は暖かい、倉庫は寒いけれど事務所は暖かい、という場合は、いちばん長くいる場所の温度で決めます。1日8時間のうち5時間以上いる場所が寒いなら厚手1枚、暖かいなら薄手1枚です。短くいる場所の寒さは、羽織りの出し入れで受けます。
外にいる時間が長いのに、着いた先が暖かい日は、インナーは薄手1枚にして、前の開く中間着を足します。外にいる間は中間着を閉じ、建物に入ったら開けて、それでも暑ければ脱ぎます。インナーで足す暖かさと、中間着で足す暖かさは、量としてはあまり変わりません。違うのは、あとで外せるかどうかだけです。
外にいる時間がちょうど20分前後で、毎日どちらに入るか迷う人もいます。この場合は、帰り道で決めます。帰りは夜で気温が下がり、寄り道をして外にいる時間も延びがちです。帰りの外が20分を超えるなら2枚寄りに、行きも帰りも20分を切るなら1枚寄りに考えてください。
室温がちょうど18度前後で、日によって寒かったり暖かかったりする職場もあります。この場合は、インナーで決めるのをやめて、カーディガンを1枚、着いた先に置きっぱなしにしてください。インナーで調整しようとすると、毎朝の天気予報と職場の暖房の具合を両方当てなければいけません。置いてある1枚で受けるほうが、外れる日が減ります。
最後に、どうしても決められない日の決め方です。迷ったら、1枚の側を選びます。1枚で寒いのは、上に足せば直せます。2枚で汗をかいたときは、着いた先で直す方法がありません。直せるほうに寄せておくのが、迷った日の安全な選び方です。
週の中で在宅と出社が混ざっている人は、もう1つ別の迷い方をします。在宅の日は家が寒くて2枚、出社の日は職場が暖かくて1枚、と毎朝インナーの枚数が変わるので、引き出しの中が混乱しやすいのです。この場合は、1枚目を全部同じ薄手にそろえて、2枚目だけを出し入れする形にしてください。1枚目が決まっていれば、朝決めるのは「2枚目を着るかどうか」の1つだけになります。
もう1つ、外での用事が日中に入る日があります。昼休みに外へ食事に出る、午後に取引先へ移動する、夕方に買い物をして帰る。こういう日は、朝の通勤だけで数えた分数に、日中の外の分数を足してください。足して20分を超えるかどうかで、表の行が変わることがあります。ただし日中の外出は、朝より気温が高いことが多いので、足すのは半分の分数にとどめて構いません。
脱げない日の逃がし方:脱げる層を外側に置く
一日中、上着を脱げない日もあります。屋外の仕事、長い外出、移動の多い日です。こういう日は、2枚重ねてもいい日ですが、汗の逃げ道を作っておきます。
いちばん簡単なのは、2枚目を前の開くものにすることです。インナーの層に、前が開く薄手のベストや、ボタンで開けられる薄いカーディガンを置きます。厳密にはインナーではありませんが、コートの下で前を開けるだけで、背中にたまった熱が首から抜けます。
もう1つは、首まわりで調整することです。インナーは2枚とも丸首にして、首はマフラーやストールで覆います。暑くなったらマフラーを外すだけで、体の熱が首から逃げていきます。インナーを2枚ともハイネックにすると、この逃げ道がなくなります。
脱げない日に、肌側に綿の多いものを置くのは避けてください。歩き回る日は必ず汗をかくので、乾きにくい1枚目は夕方まで湿ったままになります。
屋外で長く立っている日、たとえばスポーツの観戦や子どもの行事の付き添い、屋外の催しの手伝いのような日は、歩き回る日とは逆に、ほとんど汗をかきません。体が動かないぶん、外にいる時間がそのまま寒さになります。こういう日は、2枚重ねたうえで、肌側の1枚目も厚手にして構いません。汗の心配が少ない日は、空気をためる量を優先します。ただし、帰りに混んだ電車に乗るなら、そこで汗をかくので、2枚目は前の開くものにしておくと安心です。
反対に、歩き回る時間と立ち止まる時間が交互に来る日、たとえば旅行や街歩きの日は、いちばん迷います。この場合は、インナーを薄手1枚と前の開く2枚目の組み合わせにして、歩くときは開け、立ち止まったら閉じる、を繰り返してください。インナーの層で調整できるのは、前の開く2枚目だけです。
下半身の重ね方:上と同じ考え方で、足首と腰を分ける
下半身も、考え方は上と同じです。外にいる時間が長く、着いた先も寒い日だけ、レギンスやタイツを重ねます。
下半身で汗をかきやすいのは、腰のまわりと膝の裏です。座っている時間が長い人は、ここにこもった熱がそのまま湿りになります。重ねるなら、肌側を薄手、外側を厚手にするのは上と同じで、ウエストのゴムが2枚重ならないように、1枚目を腰骨の位置、2枚目をそれより3cmほど上で止めます。ゴムの位置が同じだと、座ったときに1か所に圧が集まって、お腹まわりが落ち着きません。
足首は、上半身の首と同じ扱いです。靴下とタイツを重ねて足首を覆うと暖かく感じますが、暖房の入った室内ではそこから熱がこもります。脱げる足首、つまり厚手の靴下の側で調整して、タイツやレギンスは薄いままにしておくと、建物に入ったあとで靴下だけを替えられます。
タイツの厚みで迷う人は、デニールの数で寒さに合わせる考え方を20デニールのストッキング|秋冬の履き分けにもまとめています。重ねるかどうかの判断は、上半身と同じ2つの数を使ってください。
家での重ね着:寝るときは1枚に戻す
家で過ごす時間のインナーは、外とは考え方が変わります。家の中には「外にいる時間」がないので、決めるのは部屋の暖かさだけです。
部屋が18度を下回る家なら、日中は2枚重ねて構いません。家の中では階段や混んだ車内のように急に汗をかく場所が少ないので、2枚にしても失敗しにくいからです。家事で体を動かす時間が長い日だけは、1枚目を薄手にしておきます。
家の中で汗をかきやすいのは、掃除機をかけるとき、布団を干したり取り込んだりするとき、台所で火を使うときです。とくに台所は、コンロの前だけ急に暖かくなるので、背中より先に首と顔のまわりに熱がこもります。料理の時間が長い日は、2枚目を前の開くものにしておくか、料理の間だけ2枚目を脱いで、終わったら着直す流れにしてください。家の中は脱ぐ場所がいくらでもあるので、外よりも気軽に枚数を変えられます。
在宅で机に向かう時間が長い日は、逆にほとんど汗をかきません。座ったまま動かない時間が続くと、体の中から出る熱も少なくなるので、昼過ぎから背中や肩が冷えてきます。この場合は、2枚目を厚手にして、首はタートルで覆って構いません。汗をかかない日は、空気をためる量を優先する、という考え方は外と同じです。
寝るときは、インナーを1枚に戻すのがおすすめです。布団の中は思っているより暖かく、2枚重ねたまま寝ると、夜中に背中が湿ってくることがあります。寝返りのたびに2枚の生地がずれて、肩まわりが窮屈になるのも、1枚に戻す理由です。寒い部屋で寝るなら、インナーではなく、掛けるものや部屋着の上を厚くしてください。家の中の寒さを足す場所は、部屋着が寒いときに足す場所にまとめてあります。
洗う回数と枚数:2枚重ねる日が週に何日あるか
2枚重ねる日が決まったら、何枚持てばいいかも決まります。
1枚目は、汗を受ける側なので毎回洗います。2枚目は、汗が直接触れないので、2回に1回洗えば十分な日も多いです。2枚重ねる日が週に3日あるなら、1枚目が3〜4枚、2枚目が2枚あれば回ります。
1枚で着る日のための厚手と、重ねる日の2枚目は、同じものを兼ねて構いません。ただし、兼ねるなら2枚目のサイズに合わせて、1枚目より少しゆとりのあるものを選んでおきます。1枚で着たときに少しゆるく感じる程度なら、そのまま着られます。
乾きにくい厚手は、洗った翌朝に乾いていないことがあります。2枚重ねる日が続く週は、厚手を1枚多めに持っておくと、乾いていない日に1枚で出かけて寒い思いをせずに済みます。
引き出しの中の置き方も、枚数と同じくらい大事です。1枚目にする薄手と、2枚目にする厚手を、同じ段に混ぜて入れないでください。朝の暗い部屋で手に取ると、薄手と厚手の区別がつきにくく、気づいたら厚手を肌側に着ていた、ということが起きます。段を分けるか、手前と奥で分けるだけで、取り違えはほとんどなくなります。
洗い方で暖かさが変わることもあります。起毛のある厚手は、乾燥機に何度もかけると毛足がつぶれて、空気をためる量が減ります。毛足がつぶれてきたと感じたら、その1枚は2枚目から外して、汗をかかない日の1枚で着る側に回してください。2枚目に置くものは、毛足がふくらんでいるものほど役に立ちます。
上に着る服との組み合わせ:厚みの合計で考える
インナーの重ね方は、上に何を着るかで変わります。目安は、胴まわりに「厚手」と呼べるものを2つまでにすることです。
厚手のニットを着る日は、インナーの2枚目を省くか薄手にします。厚手のニットと厚手のインナーで、もう2つ使っているからです。薄手のブラウスやシャツを着る日は、インナーを2枚とも置いても、胴まわりの厚手は1つで済みます。
コートの厚みも数えます。中綿やダウンのような厚いコートを着る日は、外にいる間の暖かさはコートが受け持ちます。インナーは薄手1枚で足りることが多く、電車の中ではコートの前を開けるだけで熱が逃げます。薄手のコートの日のほうが、インナーで足す意味が出てきます。
シャツやブラウスを着る日は、もう1つ見ておく場所があります。前の打ち合わせとボタンの間です。インナーを2枚重ねると、胸の前でシャツの生地が押されて、ボタンとボタンの間がわずかに開くことがあります。座って前かがみになったとき、ボタンの間からインナーの色がのぞくなら、2枚目を薄手にするか、2枚目の色をシャツに近い色にしてください。白いシャツの下には、白より肌に近い色のインナーのほうが透けにくいことも、覚えておくと役に立ちます。
ワンピースを着る日は、上下が一続きなので、インナーを重ねると胴まわり全体が少し厚くなります。ウエストを絞る形のワンピースなら、2枚目は胸の下までの短い丈のものにして、腰まわりの厚みを増やさないようにします。ストンと落ちる形のワンピースなら、2枚重ねても目立ちにくいので、表の行どおりに重ねて構いません。
キャミソールを下に置くかどうかで迷う人は、キャミソールの選び方|秋冬に下に置く1枚も参考にしてください。キャミソールは肩が出ているぶん、脇の汗を逃がしやすく、1枚目の代わりになる日があります。
秋口と真冬で、2つの数の読み方を変える
同じ通勤路でも、季節が進むと2つの数の意味が変わります。
秋口は、朝と昼の気温差が大きい時期です。朝の外は寒くても、昼に外へ出ると暖かく、帰りはまた寒い。この時期は、外にいる時間を「朝の分」と「帰りの分」に分けて、長いほうで決めてください。インナーは薄手1枚を基本にして、昼に外へ出る用事がある日だけ、脱げる中間着で受けます。
冬の立ち上がりから真冬にかけては、着いた先の室温のほうが大事になります。建物の暖房が本格的に入ると、18度を大きく上回る職場が増えます。その一方で、暖房の入りが遅い朝の時間帯や、人の少ない休日出勤では、思ったより寒いこともあります。真冬は、曜日と時間帯で行き先の温度を分けて覚えておくと、2枚にする日が絞れます。
季節の変わり目に「今日は寒いから2枚」と天気予報だけで決めると、外れる日が増えます。毎朝決めるのは、天気ではなく、外にいる分数と行き先の温度です。この2つは天気よりも変わりにくいので、一度数えておけば、ほとんどの日はそのまま使えます。
2枚目を買い足す前に、手持ちで試す順番
2枚目を新しく買う前に、手持ちで試してみてください。順番は3つです。
まず、いま持っている厚手のインナーを、1枚で着る日に回します。それで寒さが足りる日が多いなら、2枚目は要りません。
次に、薄手の1枚に、前の開く薄いカーディガンを重ねる日を作ります。インナーを重ねたのと同じくらい暖かく感じて、着いた先で脱げれば、それで十分です。
それでも足りない日が、表のいちばん下の行に当てはまる日だけなら、そこで初めて2枚目を足します。買うときは、1枚目より袖口と首まわりで指1本ぶんゆとりがあり、上に着る服の脇の下に指が2本入るものを選んでください。
インナーは数が増えるほど、どれを重ねればいいか迷いやすくなります。2つの数を先に決めておけば、引き出しの中のどれを何枚目に置くかは、朝の数秒で決まります。
よくある問い
- Q. あったかインナーは2枚重ねたほうが暖かいですか
- 外に立っている間だけを見れば、2枚のほうが暖かく感じます。ただ、インナーは一日のうちで脱げない層です。電車の中や暖房の効いた建物に入ったときに汗をかくと、その汗は2枚の間にこもって、あとで冷えに変わります。片道で外にいる時間が20分以上あって、着いた先の部屋も18度を下回る日なら、2枚重ねる意味があります。どちらか片方しか当てはまらない日は、1枚を厚手に替えるか、インナーは1枚のままで脱げる中間着を足すほうが、一日を通して楽に過ごせます。
- Q. 重ねる順番はどちらが先ですか
- 肌に触れる1枚目を薄手で体に沿うもの、2枚目を厚手で少しゆとりのあるものにします。肌側に厚手の起毛を置くと、汗をかいたときに湿った毛足が肌に張りついて、乾くまで冷たさが残ります。薄手を下に置けば、汗は外側の層へ移って肌から離れます。サイズは、2枚目を1枚目と同じか、袖口と首まわりで指1本ぶん余るものにしてください。2枚目がきついと、1枚目の生地がつぶれて空気の層がなくなり、重ねた意味が薄れます。
- Q. 2枚重ねると首や袖から見えてしまいます
- 衿ぐりの形を2枚でずらしてください。上に着る服がタートルやハイネックなら、インナーは2枚とも丸首で構いません。クルーネックのニットなら、1枚目をUネック、2枚目を浅い丸首にして、外から見える縁を1本にします。Vネックの服のときは、2枚目を省いて1枚目だけを深いVかUにするほうが確実です。袖は、2枚目を八分袖か七分袖にすると、手首で2枚の縁が重ならず、袖口からのぞく量が半分になります。
- Q. 職場が暑くて、昼間は2枚目を脱ぎたくなります
- それは2枚目をインナーの層に置いているからです。暖かい職場に長くいる日は、インナーは1枚にして、2枚目にあたる厚みを、前の開くカーディガンや薄手のベストに移してください。外では閉じて、建物に入ったら開ける、それでも暑ければ脱いで椅子の背にかける。こうしておくと、インナーで足すのと同じ量の暖かさを、着いた先で外せます。インナーを2枚にするのは、着いた先でも脱ぐ必要のない日だけに絞るのが、汗で冷えないいちばん簡単な方法です。
— メグラシ編集部





