ひし形ボブと面長|上半分と下半分の比を1対1.2に置く

「ひし形」は形の名前ですが、実際に決めているのは4つの点の高さです。
頂点(髪のいちばん高いところ)、いちばん広い位置、その幅、毛先の終端。この4つが決まれば、長さの呼び名は何でも構いません。逆に、名前だけ合わせても4点がずれていれば、別の形になります。
面長寄りの人がひし形ボブを作るとき、いちばん効くのは上半分と下半分の縦の比です。頂点から最大幅までを上半分、最大幅から毛先までを下半分として、この比を1対1.2前後に置く。ここが起点になります。
📋 測る4点と、そこから出る比
| 記号 | 測るもの | 何が決まるか |
|---|---|---|
| A | 髪のいちばん高い位置(頂点) | 上半分の起点 |
| B | 髪の左右がいちばん離れている高さ | 上下を分ける線 |
| Wm | その高さでの髪の左右幅 | 量が独立して読まれるかどうか |
| E | 毛先のいちばん下の高さ | 下半分の終点 |
ここから 上半分=A−B、下半分=B−E、比は(B−E)÷(A−B)で出します。
結論:面長寄りなら比は1.1〜1.3
先に答えを置きます。
| 縦÷横(顔の比) | 上下の比の目安 | 意味 |
|---|---|---|
| 1.5以上 | 1.2〜1.3 | 横の量を顔の中ほどより下へ |
| 1.4〜1.5 | 1.1〜1.2 | 起点の位置 |
| 1.3〜1.4 | 1.0〜1.1 | 上下ほぼ同じ |
| 1.3未満 | 0.9〜1.0 | 上半分をやや長く |
面長寄り、つまり縦÷横が1.4以上の人が1対0.8のような比にすると、横の量が上に寄って、顔の下半分に何もない状態になります。縦の線がそのまま残るのは、ここが原因です。
逆に比を1.5以上にすると、毛先の側だけが長く伸びて、ひし形ではなく縦長の形に戻ります。1.3を上限にしてください。
まず測る:水平線を3本引く
正面から撮った写真の上でやります。撮影条件は顔の形を写真で測るときにまとめてあるので、距離とカメラの高さだけ揃えてください。
1本目 ── 髪のいちばん高いところ。分け目のきわではなく、頭の丸みのてっぺんです。
2本目 ── 髪の左右がいちばん離れている高さ。左右で違って見えたら、広いほうを採ります。
3本目 ── 毛先のいちばん下。前下がりで切っている場合は、いちばん低い点です。
3本の間隔をものさしで測り、比を出します。写真の上の長さのままで構いません。比だけを使うので、実寸に直す必要はありません。
Wm ── 幅そのものは顔幅の1.35〜1.5倍
高さが合っていても、幅が合っていなければ結果は変わります。
Wm を顔の横幅(頬骨のいちばん張る位置での左右幅)で割ります。
| Wm ÷ 顔幅 | 何が起きるか |
|---|---|
| 1.2倍以下 | 幅が足りず、縦の線だけが残る |
| 1.35〜1.5倍 | 顔の幅と関係づけて読まれる。基準の席 |
| 1.6倍以上 | 幅が独立して読まれ、顔との関係が切れる |
顔幅が14cmなら、19〜21cmが基準です。幅は多いほど良いわけではありません。 1.6倍を超えると、髪の幅が別のかたまりとして読まれます。
鏡の前なら、両手の指を髪の左右の縁に当てて、その間隔を顔の幅と見比べるだけでも判断はつきます。
高さB ── 耳のどこに来ているか
Bの絶対位置も見ておきます。面長寄りの人は、Bが耳の上端より上にあると、上半分が短くなりすぎます。
目安は耳の上端から下へ2〜5cm。頬骨から口角にかけての帯です。ここより上だと比が0.9を切りやすく、ここより下だと毛先との間隔が詰まって下半分が短くなります。
Bを下げたいときは、上のほうの毛量を軽くします。上げたいときは、耳の高さでの量を残して毛先を軽くします。切る量ではなく、どの高さの量を動かすかで位置が変わります。
E ── 毛先をどこで終わらせるか
毛先の終端は、比を合わせるための変数です。先に頂点と最大幅が決まっているので、Eで比を作ります。
| Eの位置 | 面長寄りでの扱い |
|---|---|
| あご先より上 | 下半分が短い。比が0.9を切りやすい |
| あご先〜あご下3cm | 使いやすい席。比1.1〜1.2に入りやすい |
| 鎖骨の高さ | 下半分が長い。比1.4以上になることがある |
あご下に3cm以上残すかどうかは、首の見えている縦で決めます。あご下から鎖骨のくぼみまでが8cm以上あるなら、鎖骨手前まで落としても比は保てます。6cm以下なら、あご先の高さで止めるほうが収まります。
前下がりの角度 ── 上限は3cm
前下がりは、前と後ろで毛先の高さを変える切り方です。差が大きいほど縦の線が強くなります。
面長寄りなら、前後の差は3cmまで。それを超えると、顔の横に長い斜めの線が1本通って、ひし形の下半分が三角に近づきます。
差を1〜2cmに抑えると、毛先の終端がほぼ水平に並び、下半分の底辺が横に出ます。ひし形として読まれるのは、この底辺があるときです。
頂点が作りにくいとき ── 毛先の側で合わせる
50代のご相談でよく出るのが、「上が潰れる」という話です。根元の立ち上がりが出にくいと、Aの位置が下がり、上半分が短くなります。
ここで頂点を上げようとすると、毎朝の作り込みが必要になります。代わりに毛先を上げて、比のほうを合わせるという手があります。
計算は単純です。Aが2cm下がったら上半分が2cm短くなるので、下半分も比のぶんだけ短くします。比1.2を保つなら、下半分は2×1.2=2.4cm短く。つまり毛先を2.5cmほど上げれば戻ります。
これなら切った時点で決まるので、朝の手順が増えません。乾かし方で立ち上がりを作る方法は丸顔の髪型でつまずくのは切った日ではなく翌朝に手順があります。輪郭は違っても、根元の扱いは共通です。
判断がつかないとき①:最大幅が2か所ある
耳の高さと、その下のあごの高さの2か所で同じくらい広い、という状態があります。段の入れ方でこうなります。
そのときは、幅の広いほうをBに採ります。 差が0.5cm以内で決めきれないなら、上のほうを採ってください。下を採ると上半分が長くなりすぎて、比が1.5を超えます。
2か所を1か所にまとめたいときは、狭いほうの高さで量を軽くします。
判断がつかないとき②:左右で最大幅の高さが違う
分け目のある側とない側で、Bの高さが2cm前後違うことは普通です。
低いほうを採用してください。高いほうで決めると、低い側の下半分が短くなって比が崩れます。左右差が3cm以上あるときは、分け目のずらし幅を1cm減らすと近づきます。
判断がつかないとき③:同じ長さなのに前と違う
長さが同じでも、Bの高さは動きます。毛量の分布が変われば、いちばん広い位置は上下します。
前の写真と並べて、2本目の水平線がどれだけ動いたかを測ってください。1.5cm以上上がっていれば、上半分が短くなって比が崩れています。 そのときは毛先を詰めて下半分を短くするか、最大幅の位置で量を軽くしてBを下げます。
長さを変えずに直せる余地があるので、切る前に測る価値があります。
美容室で伝えるときの言い方
形の名前を伝えると、人によって違うものが出てきます。数字にすると早いです。
- 「髪のいちばん広い位置を、耳の上端から3cm下に置きたい」
- 「毛先はあご先から2cm下で、前後の差は2cmまで」
- 「上が潰れやすいので、毛先を上げて比を保ちたい」
この3つを伝えれば、呼び名が何であれ同じ形になります。長さ別の考え方は面長に似合う髪型に、前髪の寸法は面長のボブに前髪をつくるときにあります。
まとめ
- ひし形は形の名前ではなく4点の高さ。頂点・最大幅の高さ・幅・毛先の終端
- 面長寄り(縦÷横1.4以上)なら、上半分と下半分の比を1.1〜1.3に置く
- 最大幅の幅は顔幅の1.35〜1.5倍。1.6倍を超えると幅が独立して読まれる
- 最大幅の高さは耳の上端から2〜5cm下。毛先はあご先〜あご下3cmが使いやすい
- 前下がりの前後差は3cmまで。それを超えると下半分が三角に近づく
- 頂点が作りにくいときは、頂点を上げず毛先を上げて比を合わせる
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よくある問い
- Q. ひし形ボブは面長に向きますか
- 形の名前では決まりません。決めているのは4点の高さです。頂点、いちばん広い位置、その幅、毛先の終端。面長寄り、つまり縦÷横が1.4以上の人なら、上半分(頂点から最大幅まで)と下半分(最大幅から毛先まで)の縦の比が1対1.2前後になっているかを見てください。同じ「ひし形ボブ」でも、この比が1対0.8だと横の量が上に寄り、縦が伸びます。
- Q. 上半分と下半分の比はどう測りますか
- 正面の写真の上で、水平線を3本引きます。1本目は髪のいちばん高いところ、2本目は髪の左右がいちばん離れている高さ、3本目は毛先のいちばん下。1本目と2本目の間隔が上半分、2本目と3本目の間隔が下半分です。上半分を1として、下半分がその何倍かを出します。面長寄りなら1.1〜1.3、標準なら0.9〜1.1が目安です。
- Q. 髪のいちばん広い部分は、どのくらい広ければいいですか
- 顔の横幅(頬骨のいちばん張る位置での左右幅)の1.35〜1.5倍が基準です。顔幅が14cmなら19〜21cmになります。1.2倍以下だと縦の線だけが残り、1.6倍を超えると幅そのものが独立して読まれて、顔との関係が切れます。指で髪の左右をつまんで、顔幅の何倍かを目で見るだけでも判断はつきます。
- Q. トップの高さが出にくいときはどうしますか
- 頂点を上げるのではなく、毛先を上げて比を合わせます。上半分が短くなったぶん、下半分も短くすれば比は保てます。具体的には、毛先の終端をあご先の高さまで持ち上げる。頂点が2cm下がったら、毛先を2.5cmほど上げると1対1.2が戻ります。根元を立てる方向で解決しようとすると毎朝の再現が要るので、切る位置で合わせるほうが安定します。
- Q. 同じ長さで切っているのに、前と違って見えます
- 長さは同じでも、最大幅の高さが動いていることがあります。毛量の分布が変われば、いちばん広い位置は上下します。正面の写真を前のものと並べて、2本目の水平線がどれだけ動いたかを測ってください。1.5cm以上上がっていれば、上半分が短くなって比が崩れています。そのときは毛先の側を切って下半分を詰めるか、最大幅の位置で量を軽くします。
— メグラシ編集部





