面長に似合う髪型|横の量を置く高さで決まる

面長は、縦の線が通っている輪郭
面長の輪郭には、縦の線がまっすぐ通っています。だから落ち着いて見えるし、大人っぽく見える。直線的なシルエットの服、シンプルなきれいめの装い、装飾の少ないアクセサリー。こうした「大人が着ると難しい」と言われる方向が、面長の人には最初から似合います。
髪型で迷うのは、この強みが消えるからではありません。幅を置く場所を一箇所間違えると、縦の線だけが残るからです。逆に言えば、置く場所さえ決まれば、長さも前髪も好みで選べます。
長さでは決まらない ── 決めているのは「最大幅の高さ」
ショートにしたのに顔が長く見えた、ロングにしたら間延びした。どちらもよく聞く話ですが、原因は長さではありません。
決めているのは、髪のシルエットのいちばん広い部分が、顔のどの高さに来ているかです。これを「最大幅の高さ」と呼ぶことにします。
同じショートでも、サイドをタイトに刈り込めば最大幅は耳より上に上がり、縦が伸びます。えりあしと耳の下に丸みを残せば、最大幅は下がり、横が効きます。ロングも同じで、巻き始めが耳の高さなら横、胸の下からなら縦。長さは結果に直結していません。
面長の髪型の話は、ここから先すべて「最大幅をどの高さに置くか」の話になります。
鏡の前で測る3つの数字
必要なのは3つです。縦÷横の比、耳の上端から最大幅までのcm、額の見えている縦のcm。この3つが決まれば、長さと前髪は好みで選べるようになります。
①|縦÷横の比
前髪を上げ、髪を全部後ろでまとめた状態で鏡の前に立ちます。測るのは2つだけです。
- 縦:生え際の中央から、あご先まで
- 横:頬骨のいちばん張っている点の、左右の幅
メジャーがなくても構いません。人差し指の幅がおよそ1.5cm、指を3本そろえた幅がおよそ5cmです。縦を横で割った数字が、以降の判断の起点になります。
| 縦÷横 | 読み方 | 髪型の起点 |
|---|---|---|
| 1.6以上 | はっきり面長寄り。「かなり面長」と自己認識しやすい帯 | 最大幅を耳の上端より3cm以上下へ。額も併せて調整 |
| 1.5〜1.6 | 面長寄り | 最大幅は耳の上端〜3cm下。前髪はどちらでも成立 |
| 1.4〜1.5 | 中間。卵型寄り | 最大幅の位置は自由。長さの好みで選んでよい |
| 1.4未満 | 卵型から丸みの帯 | 縦を足す設計になる。この記事とは逆向き |
比が1.4未満だった場合や、あご先とえらの幅まで含めて輪郭を分けたい場合は、顔の形診断に測り方の手順があります。丸み側の設計は丸顔に似合う髪型が対になります。
1.6を境に、打ち手の数が変わります。1.6未満なら1項目動かせば整いますが、1.6以上は2項目そろえたほうが安定します。
②|耳の上端から最大幅まで何cm下か
次が中心になる数字です。耳のつけ根のいちばん上、こめかみの横あたりを0とします。そこから下へ何cmのところに、髪のいちばん広い部分があるか。
鏡の正面に立ち、目を細めて髪の輪郭だけを見ると分かりやすくなります。輪郭がいちばん外に張り出している点に指を当て、耳の上端から指が何本分下かを数えてください。
| 最大幅の高さ | 顔の上で起きること | 向いている輪郭 |
|---|---|---|
| 耳の上端より上(+2cm以上) | 幅が目より上で終わり、頬から下の縦がそのまま残る | 丸みのある輪郭 |
| 耳の上端〜3cm下(0〜−3cm) | 中立。長さと前髪でどちらにも転ぶ | 中間の輪郭 |
| 3〜8cm下(−3〜−8cm・頬骨から口角の帯) | 横の量が顔の中央と同じ高さに並び、縦が短く読まれる | 面長寄り |
| あご先より下(−10cm以下) | 幅が顔の外に落ち、顔の中では縦の線が戻る | 縦を出したいとき |
面長寄りの起点は、耳の上端から3cmから8cm下、頬骨から口角にかけての帯です。ここに髪の量か動きがあると、縦の線が上下に分かれます。
③|額を何cm見せるか
3つめが額です。生え際の中央から眉の上までの縦を測ります。多くの場合5cmから7cmの範囲に入ります。
このうち、実際に見えている部分が何cmかが問題になります。額の見える縦が2cm以下なら縦を大きく減らせますし、5cm以上見えているなら縦はほぼそのまま出ます。
比が1.6以上で、かつ額の見える縦が5cm以上ある。この2つが重なったときだけ、縦の線がまっすぐ通ります。逆に言えば、どちらか一方を動かせば全体は成立します。両方を同時に詰める必要はありません。
長さ別①|ショート
面長には難しいと言われがちですが、条件は1つだけです。最大幅を耳の上端より下に落とせるかどうか。
サイドを耳の高さでタイトに刈り込むと、最大幅は自動的に耳より上、ハチの位置に上がります。この形は縦の線をまっすぐ出すので、面長の輪郭とは方向が重なります。
一方で、耳の下からえりあしにかけて丸みを残し、頬骨の高さで前に落ちる束を作ると、最大幅は下がります。目安は、耳の穴の高さで髪が顔側に3cm以上かぶさっていること。それだけで印象が変わります。
トップの高さは3cm以内に抑えてください。根元を高く立ち上げると、その分がそのまま縦に足されます。ショートで面長が伸びて見える原因の多くは、サイドではなくトップにあります。長さの側から見た整理は顔タイプ別のショートヘア完全ガイドにもまとめてあります。
長さ別②|ボブ
条件がいちばん揃いやすいのがボブです。理由は単純で、毛先の位置がそのまま最大幅になるからです。
毛先をあご先の高さ、またはあご先より2cm上に置くと、最大幅は口角からあごの帯に入ります。内側に入る動きがあれば、頬の外側にも量が来ます。
毛先があご先より5cm以上下、鎖骨に近づくと、最大幅は顔の外に落ちます。この位置では顔の縦には効きません。ボブで「思ったより変わらなかった」と感じるときは、たいてい毛先が下がりすぎています。
前下がりの角度をつける場合は、前側があご先より下がらない範囲に留めてください。角度がつくほど、視線が斜め下に流れて縦が伸びます。
長さ別③|ミディアム
肩に毛先が当たる長さは、最大幅が自動で決まってしまう長さです。毛先が肩に当たって外にはねる高さが、そのまま最大幅になります。
肩の高さは顔の外側なので、ここに幅ができても顔の縦には作用しません。鎖骨の高さで切りそろえると、幅は首の横に落ちます。
そのためミディアムでは、顔まわりだけを別に設計します。口角の高さから始まる短いレイヤーを入れ、あご先より2cmから3cm下で切った束を顔側に落とす。全体の長さは変えずに、顔の横だけに量を作る方法です。
結ぶ日が多いなら、後れ毛の落ちる位置も同じ考え方で決められます。耳の前に落とす後れ毛は、頬骨の高さで止まる長さにすると横に効きます。あご先より下まで落ちると、縦の線が1本増えます。
長さ別④|ロング
ロングは面長に向かないという話をよく聞きますが、これは長さの誤解です。全体の長さは顔の縦には効きません。効くのは巻き始めの高さです。
カールのいちばん外側が、頬骨から口角の帯に入っているか。ここだけ確認してください。耳の高さから巻き始めれば入りますし、胸の下から巻けば入りません。同じロングでも結果は反対になります。
ストレートのまま伸ばす場合は、顔まわりに口角の高さから切り込んだレイヤーを1段入れると、量の中心が上がります。トップの根元は立ち上げず、むしろ抑えたほうが縦は落ち着きます。長さの側から見た整理はロングヘアの似合わせも参考になります。
前髪の4択と、それぞれが成立する条件
面長の検索でいちばん迷いが集まるのが前髪です。4種類とも成立しますが、条件が違います。
| 前髪 | 額の見える縦 | 面長への効き方 |
|---|---|---|
| 厚め・眉が隠れる | 2cm以下 | 縦を最も短くする。比1.6以上で効く |
| シースルー | 3〜4cm | 生え際の線を消しつつ縦を残す。1.5〜1.6向き |
| かきあげ・センター分け | 5cm以上 | 縦が伸びる。最大幅を3cm以上下に置ければ成立 |
| なし・全部上げる | 全部 | 縦が最大に出る。比1.4以下、または口角の高さで幅を作れる人 |
厚め前髪を選ぶときは、幅にも注意してください。黒目の外側までの狭い幅で作ると、前髪の下に縦長の顔が続いて見えます。目尻の外側まで広く取ると、前髪の横線が頬骨の幅とつながります。前髪は長さより幅が効きます。
シースルーは中間の選択肢です。額の上半分を薄く覆うので、生え際の位置が読み取りにくくなり、縦の起点があいまいになります。前髪を作った経験がなく不安な場合は、ここから試すと戻しやすくなります。
かきあげと分け目については、位置を1cmから2cm中央からずらすだけで結果が変わります。センター分けは生え際から縦に1本の線を作りますが、7:3や8:2に寄せると、その線が斜めになって縦の連続が切れます。前髪を作らない選択をする場合、この分け目のずらしが実質的な代わりになります。
大人っぽさが重く出る日がある理由
面長の相談で「老けて見える」という言葉が出ることがありますが、これは輪郭の問題ではありません。光の当たり方の話です。
縦の線が通った顔立ちは、上から光が当たったときに影も縦に出ます。この縦の影が頬から口元まで途切れずに続くと、疲れた印象として読まれることがあります。夕方の室内や、真上に照明がある場所で強く出ます。
打ち手は影の連続を区切ることです。頬骨から口角の帯に髪の量か動きがあると、縦の影が上下に分かれます。ここまで説明してきた「最大幅を3cmから8cm下に置く」と、実は同じ操作です。あわせて分け目を中央からずらすと、生え際の縦線も1本減ります。
どちらとも取れるとき ── 判断が割れる3つの場面
検索結果の一覧では答えが出ないのが、ここから先です。輪郭が1つに決まらない場合、写真と鏡で違って見える場合の3つを分けます。
①|面長と卵型の中間
比が1.4から1.5に収まると、どちらの設計を取ればいいか決まりません。ここが最も判断の割れる帯です。追加で3つ見てください。
- 額の縦が6cm以上あるか:あるなら面長側の設計が効きます
- あご先が尖っているか、丸いか:尖っているほど縦が強調されます
- 髪を全部後ろでまとめたとき、縦が気になるか:気になるなら面長側です
3つのうち2つ以上が当てはまるなら、最大幅を耳の上端より3cm以上下に置く設計を取ります。1つ以下なら、位置は自由に選んで構いません。長さの好みを優先してください。
中間帯の利点は、失敗しても戻せることです。まず前髪を作らずに最大幅の高さだけを動かし、1か月見てから前髪を検討する。この順番なら、切りすぎる方向には進みません。
②|面長でエラも張っている
縦と横の両方に情報がある輪郭です。この場合、幅を置く高さがより細かく効きます。
避けたいのは、最大幅をエラと同じ高さ、口角のやや下に置くことです。エラの幅と髪の幅が同じ高さで並ぶため、輪郭が四角く読まれます。面長を消そうとして幅を下げすぎると、この状態になります。
起点は、幅を頬骨の高さ、耳の上端から3cmから5cm下に置くこと。エラの高さには面ではなく、細い束を縦に落とします。束は幅1cm程度で十分で、面積を作る必要はありません。
前髪も、まっすぐ切りそろえた厚めより、斜めかシースルーのほうが向きます。厚めの水平な前髪は横線を1本足すので、エラの横幅と平行に並びます。斜めに流すと、その平行が崩れます。
③|鏡と写真で違って見える
鏡では気にならないのに、写真だと面長に見える。この差は輪郭ではなくカメラの距離で起きています。
近い距離から撮ると、レンズに近い部分が大きく写ります。少し見上げる角度なら顎が伸び、見下ろす角度なら額が伸びます。どちらも縦が強調されます。
写真を基準に髪型を決めると、実際より1段深く幅を下げることになりがちです。判断は鏡の正面、目の高さで行ってください。写真で確認したい場合は、腕を伸ばした距離より遠く、カメラを目の高さに置いた1枚で見ます。
年代で効きどころが変わる
40代以降で「輪郭が変わった気がする」と感じることがあります。輪郭そのものより、髪の見え方の変化が先に来ていることが多い部分です。
1つは、根元の立ち上がりが以前と同じにならないという変化です。トップの高さが自然に出ていた頃と同じ切り方をすると、量の中心が下がり、シルエットが縦に細長くなります。ここで多いのが、トップを足して補おうとする方向です。トップを高くすると縦がさらに伸びるので、足すのは頭頂ではなく耳の上端から下の帯になります。
もう1つは、頬の位置の見え方です。頬の量感が下に移動して見えると、顔の中で幅を感じる高さも下がります。最大幅の設定を1cmから2cm下げると、以前と同じバランスに戻ります。
どちらも、切り方や置き場所で調整できる範囲の話です。髪や頭皮の状態そのものに不安がある場合は、自己判断ではなく専門家に相談してください。年代ごとの装いの考え方は40代からの服選びの原則にも整理しています。
切る前のセルフチェック
順番はこの通りです。
- 前髪を上げ、髪を全部後ろでまとめて、縦÷横の比を測る
- 額の縦と、いま見えている部分の縦を測る
- 今の髪型で、耳の上端から最大幅まで何cm下かを数える
- 比が1.5以上なら、3の数字が−3cmより下にあるかを見る
- 下にない場合、最大幅を下げるか、額の見える縦を減らすか、どちらか1つを選ぶ
- 比が1.6以上のときだけ、2つとも動かす
美容室で伝えるなら、長さの希望ではなく「顔の横のいちばん広いところを、耳の上端から4cmくらい下に置きたい」という言い方が通ります。長さの指定より、位置の指定のほうが結果が揃います。
よくある誤解
- 面長はロングが似合わない:長さは効きません。効くのは巻き始めの高さです
- 前髪を作れば必ず解決する:額の見える縦が2cm以下でなければ、厚みが足りていません
- トップにボリュームを出すと小顔に見える:縦が足されます。足すのは耳から下です
- 面長にショートは禁止:サイドを刈り込まなければ成立します。条件はトップの高さです
- とにかく横に広げればいい:エラの高さに広げると輪郭が四角く読まれます
- 縦の線は隠すべきもの:縦の線は、きれいめの装いが最初から決まる要素でもあります
まとめ
面長の髪型で効いているのは、長さではなく横の量をどこに置くかでした。
- 縦÷横が1.5以上なら、最大幅を耳の上端から3cm以上下へ
- 1.6以上なら、額の見える縦も2cm以下に寄せる
- ボブは毛先の位置、ロングは巻き始めの高さ、ショートはトップの高さで決まる
- ミディアムは顔まわりだけ別に作る。全体の長さは変えなくてよい
- エラも張っている場合は、幅を口角の下ではなく頬骨の高さに
- 分け目を中央から1〜2cmずらすと、縦の線が1本減る
測るのは3つだけです。比、耳の上端からのcm、額のcm。この3つが決まれば、あとは好きな長さを選んでかまいません。
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よくある問い
- Q. 面長に似合う髪型はショートとロングのどちらですか?
- どちらでも成立します。長さは面長かどうかを決める要素ではありません。決めているのは、髪のシルエットのいちばん広い部分が顔のどの高さに来ているかです。ショートでもサイドをタイトに刈り込めば縦の線が伸びますし、ロングでも巻き始めを耳の高さに置けば横の量は出ます。目安は、耳のつけ根の上端を0として、そこから3cm以上下、頬骨から口角にかけての帯に髪のいちばん広い部分が来ているかどうか。この1点を満たしていれば、長さは好みで選んで構いません。
- Q. 自分が面長かどうか、どう測ればいいですか?
- 生え際の中央からあご先までの縦の長さを、頬骨のいちばん張っている点の左右の幅で割ります。人差し指の幅がおよそ1.5cm、指3本をそろえた幅がおよそ5cmなので、メジャーがなくても目安は取れます。この比が1.5から1.6のあいだなら面長寄り、1.6を超えるとはっきり面長寄り、1.4から1.5なら中間、1.4未満なら横が出やすい輪郭です。前髪を上げ、髪を全部後ろでまとめた状態で測ってください。
- Q. かなり面長だと感じています。前髪は必要ですか?
- 比が1.6を超える場合、前髪ありのほうが調整の幅は広がります。ただし必須ではありません。前髪の役割は額の見えている縦の長さを減らすことなので、額の見える部分が2cm以下になる厚みがあれば効きます。前髪を作りたくない場合は、代わりに髪のいちばん広い部分を耳の上端から5cm以上下、口角の高さまで下ろしてください。額の縦と、横の量の高さは、どちらか一方でも足りていれば全体は成立します。両方外れているときだけ、縦の線がそのまま出ます。
- Q. 面長でエラも張っている場合はどうすればいいですか?
- 縦と横の両方に情報がある輪郭なので、幅を置く高さがより細かく効きます。避けたいのは、髪のいちばん広い部分をエラと同じ高さ、口角のやや下に置くことです。エラの幅と髪の幅が同じ高さで並び、輪郭が四角く読まれます。起点は、幅を頬骨の高さ、耳の上端から3cmから5cm下に置き、エラの高さは面ではなく細い束で縦に通すこと。前髪も、まっすぐ切りそろえた厚めより、斜めかシースルーのほうが横線が増えません。
- Q. 面長だと老けて見えると言われますが、髪型で変わりますか?
- 変わります。ただし輪郭そのものの問題ではありません。縦の線が通った顔立ちは、光が上から当たったときに影も縦に出ます。この縦の影が長く連続すると、疲れた印象として読まれることがあります。髪型で効くのは、影の連続を途中で区切ることです。頬骨から口角にかけての帯に髪の量か動きを置くと、縦の影が上下に分かれます。あわせて分け目を中央から1cmから2cm横にずらすと、生え際の縦線も1本減ります。
— メグラシ編集部




