結婚式の髪型をミディアムで自分でやるなら、留められるのは後頭部の頂点までと決める|そこから下は留めずに支える形にする

自分でやる式の髪で崩れるのは、手順を間違えたからではありません。
手が届かない場所に留め具を置いたからです。
両手を後ろに回した状態で、指の腹に力が入るのは後頭部のいちばん出ているところまで。そこから下は、鏡に映って見えていても、押す力が入りません。
だからこの記事は、髪型の種類を並べません。届く範囲を先に測って、その線の上と下でやることを分けます。
📋 早見表|届く範囲の上と下で、やることが変わる
この表は答えではありません。留め具を置いてよい場所を先に決めるための道具です。
| 場所 | 手の力 | やること | 崩れたとき |
|---|---|---|---|
| つむじ〜後頭部の頂点 | 入る | ピンで留める | その場で差し直せる |
| 頂点のすぐ下(3cmまで) | かろうじて入る | ゴムで束ねるまで | ゴムをずらせる |
| 頂点より3cm下 | 入らない | 留めずに差し込む | 触らない |
| 襟足 | 入らない | 下ろすか、上へ差し込む | 触らない |
線を引いてから作り始めます。作りながら決めると、届かない場所にピンを増やすことになります。
測るのは1つ。所要30秒
用意するものはありません。手だけで足ります。
- 両手を後ろに回して、指を組む
- そのまま親指を立てる
- 親指の先が届く、いちばん低い位置に触れる
- その高さが、耳の穴からどれだけ下かを覚える
多くの場合、耳の穴の高さから3〜6センチ下のあたりに来ます。肩の柔らかさで人によって違うので、目安の数字ではなく自分の親指で決めてください。
①届く範囲の下限|親指が触れた場所
親指が触れた場所より上では、ピンを地肌に対してほぼ垂直に差し込めます。垂直に入ったピンは、地肌の近くの毛をすくって、そこで止まります。
その場所より下では、手首が返らないので、ピンは斜めにしか入りません。斜めに入ったピンは、髪の表面をすくうだけで地肌をつかみません。 その場では留まって見えますが、動くたびに表面をすべって、数時間後に浮いてきます。
見えることと、力が入ることは別です。合わせ鏡を足せば位置は見えるようになりますが、手首の角度は変わりません。ここが、自分でやるときといちばん取り違えやすいところです。
確かめ方があります。届く範囲の下限あたりにピンを1本差して、その頭を指で軽く引いてみてください。すっと抜けるなら、地肌をつかんでいません。引いたときに髪が一緒に持ち上がって、そこで止まるなら、つかんでいます。この差は、差した直後にしか確かめられません。時間がたつと、どちらも「なんとなく留まっている」状態に見えます。
美容室で作ってもらった髪が持つのは、技術の差だけではありません。他人の手は、後頭部のどの高さでもまっすぐ差し込めるからです。 同じ形を自分の手で作ろうとすると、届かない高さのピンだけが再現できません。だから、他人がやる前提の手順をそのまま自分に当てはめると、ここで必ずつまずきます。手順を写すのではなく、届く範囲に合わせて形のほうを選び直すのが順番です。
②頂点より下は、留めずに差し込む
届かない場所の髪は、留め具を増やすのではなく、上の束に乗せて支えます。
やり方は1つです。下の束を手で持ち、1回ねじって上へ持ち上げ、すでに留めてある束の下側へ差し込みます。差し込んだ束は、上の束の重さで押さえられるので、留め具が要りません。
- 差し込む深さ … 3センチ
- 浅すぎる(1cm以下) … 動いたときに抜ける
- 深すぎる(5cm以上) … 上の束が押し上げられて浮く
深さは指2本ぶんと覚えてください。人差し指と中指を差し込み口に添えて、その幅ぶんだけ束を送り込むと、ちょうど3センチになります。
差し込む向きにも決まりがあります。下から上へまっすぐ送るのではなく、少し斜めに、耳のほうへ向けて送ってください。まっすぐ上へ送ると、束が上の輪を押し広げて、輪の形が変わります。斜めに送ると、上の束の内側の面に沿って入るので、外から見た形はそのままです。
左右どちらから先に差し込むかは、利き手で決めます。利き手と反対側から先に差し込むほうが、あとの動作が楽になります。先に利き手側を作ると、反対側を作るときに、すでに入っている束を押さえながら差し込むことになり、押さえる手と送る手が交差します。先に作るのは、やりにくいほうです。 順番だけで、手数が1つ減ります。
差し込んだあと、束を軽く下へ引いてみてください。1センチ以内の動きで止まれば成立しています。それ以上すべって出てくるなら、差し込み口が広がっているので、上の束のピンを1本足してから差し直します。
③上の束は、面で支える形にする
下から差し込む束を受けるので、上の束は「点」ではなく「面」で留まっている必要があります。
ゴムで一度束ねてから、その束を1回ねじって根元に巻きつけ、巻きつけた輪の中にピンを2本、交差させて入れます。交差させると、ピンが互いを押さえ合うので、片方が緩んでももう片方が残ります。
ピン1本で留めた点は、下から束を差し込んだ瞬間に回ります。回ると、差し込んだ束が抜けます。上を先に固めておかないと、下の差し込みは成立しません。
ミディアムの長さで、差し込みが成立するか
差し込みが成立するには、下の束が上の束まで届く必要があります。届くかどうかは、毛先の位置で分かります。
鎖骨より上に毛先がある長さなら、ねじって持ち上げたときに頂点まで届きます。鎖骨より5センチ以上下にある場合は、持ち上げると束が余るので、余ったぶんを内側へ折り返してから差し込みます。
毛先があごの高さより上にある場合は、差し込むだけの長さがありません。この場合は下ろしたままにして、上半分だけをまとめる形にしてください。無理に上げると、抜けた束が式の途中で顔の横に落ちてきます。
長さが足りるかどうかは、前日に一度だけ確かめておくと安心です。下の束を手で持ち、ねじって上へ持ち上げ、頂点あたりに指を当てます。指のところまで束が余った状態で届けば、当日も届きます。ぴったりだと、当日は届きません。式の朝は髪を乾かしたてで、前日より1センチほど短く感じられるためです。
長さの帯ごとに、成立する形は変わります。
- 鎖骨より上 … 下の束をそのまま差し込める
- 鎖骨から5cm下まで … 余りを内側へ折ってから差し込む
- あごより上 … 差し込まず、上半分だけをまとめる
帯が分かれば、当日に迷う余地はなくなります。長さを測るのは、鏡の前で1回で済みます。
前髪と顔まわりは、最後に触る
顔まわりの毛は、後ろがすべて決まってから触ります。先に顔まわりを作ると、後ろを作るあいだに手が当たって、形が変わります。
顔まわりに残す量は、こめかみから耳の前までのあいだで、片側1センチぶんまで。それ以上残すと、写真で顔の横に縦の線が2本出て、まとめた後ろの形が読みにくくなります。
残した毛は、巻いてもそのままでも構いません。ただし、巻くなら後ろを留め終わってからにしてください。熱を当てるときに手を上げるので、留めたばかりのピンが動きます。
合わせ鏡は、確認だけに使う
鏡を2枚使うのは、留めるためではなく確認のためです。使う場面は3つに絞れます。
- 留め終わったあと、ピンの頭が外に出ていないか
- 束の下端が、背中のどのあたりにあるか
- 左右で、束の張り出しがそろっているか
この3つはどれも見るだけで、手を入れる必要がありません。鏡を見ながら留めようとすると、左右が反転しているぶん手が迷い、そのぶん力が抜けます。
留めるときは鏡を見ずに、指の感覚だけで進めてください。地肌に触れているかどうかは、目より指のほうが正確に分かります。
鏡を2枚置く場所も決めておくと早く終わります。正面の鏡は目の高さ、後ろの鏡は少し高い位置に置いて、上から見下ろす角度をつくってください。式の写真は自分より高い位置から撮られることが多いので、その角度で形が読めるかを先に見ておくと、当日の写り方に近い確認になります。真後ろから水平に見るだけでは、頂点の面が平らかどうかが分かりません。
どちらとも取れるとき①|親指がぎりぎり届く
親指の先がかろうじて触れる高さは、ピンを差せるようで差せません。この高さには、ピンではなくゴムを置いてください。
ゴムは巻きつけるだけなので、押し込む力が要りません。届く範囲の下限ぎりぎりでも、巻く動作だけならできます。ゴムで束ねてから、その束を上へ持ち上げて、頂点の側で留めます。
留め具の種類を変えるだけで、同じ高さでも成立します。押す動作が要るものは上、巻く動作で済むものは下、と分けてください。
どちらとも取れるとき②|片手なら届くが両手だと届かない
片手を後ろに回すと届くのに、両手だと届かない。これは、片手のときに肩が回っているためです。
片手で留める作業は、式の当日には向きません。ピンを1本ずつ差すあいだ、束を押さえる手がなくなるからです。押さえないまま差すと、束の位置がずれて、そこから緩みます。
判定は両手でしてください。両手を後ろに回して届く範囲が、当日実際に使える範囲です。
どちらとも取れるとき③|作った直後は良いのに1時間で下がる
差し込んだ束が抜けかけています。深さが足りないか、上の束が点で留まっているかのどちらかです。
先に上を確かめてください。上の束のピンを指で押してみて、動くようなら交差が甘い状態です。ピンをもう1本、逆向きに足します。
上が動かないなら、差し込みの深さです。いったん引き抜いて、指2本ぶん送り込み直してください。1時間で下がるものは、6時間では確実に落ちます。
当日その場で直せる範囲を残しておく
式の途中で崩れたときに直せるのは、頂点より上に置いた留め具だけです。
会場の鏡の前で手を後ろに回し、浮いてきたピンを差し直す。この動作でどこまで戻せるかは、朝の時点で留め具をどこに置いたかで決まっています。
頂点より下に留め具があると、その場では直せません。届かない場所を触ろうとして、留まっているほかの束まで動かしてしまいます。直せる範囲に留め具をそろえておくことが、崩れたあとの選択肢を残す方法です。
まとめ
自分でやる式の髪で決めているのは、手が届く範囲です。
両手を後ろに回して親指が触れる位置が下限。そこから上に留め具を集め、そこから下は留めずに、上の束へ3センチ差し込んで支えます。
上の束はピン2本を交差させて面で留める。下から差し込む前に、上を固めておく。この順番だけ守れば、ミディアムの長さなら自分の手で最後まで作れます。
関連記事
- 結婚式のヘアアレンジ|6時間もつかを、前日の10回のお辞儀で先に測る
- ミディアムのヘアアレンジ|毛先が鎖骨から何cmかで、その日成立する型が変わる
- ミディアムの簡単ヘアアレンジ|夕方まで直さずに済むかで決める
- シニヨンヘア|丸の直径と横から見た奥行きで、その日成立するかが決まる
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 自分で結婚式の髪をやるとき、どこまでなら失敗しませんか
- 後頭部のいちばん出ているところまでです。ここまでは、両手を後ろに回した状態でも指の腹に力が入り、ピンを地肌へ向けて押し込めます。そこから下は、鏡に映って見えていても、手首の角度の都合で押す力が入りません。押しきれていないピンは、その場では留まって見えて、数時間後に浮いてきます。留める場所を頂点より上に集めるだけで、崩れる回数はかなり減ります。
- Q. 届く範囲は、どうやって測るのですか
- 両手を後ろに回して指を組み、そのまま親指を立ててください。親指の先が届く最も低い位置が、力を入れられる下限です。多くの場合、耳の穴の高さから数センチ下のあたりに来ます。そこに指を当てたまま、鏡でその高さがどこかを確認しておきます。届く位置は肩の柔らかさで人によって違うので、目安の数字ではなく自分の親指で決めてください。
- Q. 届かない下のほうの髪は、どうすればいいですか
- 留めるのをやめて、上で留めた束に乗せて支えます。下の束をねじって上へ持ち上げ、すでに留めてある束の下側へ差し込むだけです。差し込んだ束は、上の束の重さで押さえられるので、留め具が要りません。差し込む深さは3センチ。それより浅いと抜け、深いと上の束が浮きます。手が届かない場所に留め具を増やすより確実です。
- Q. 合わせ鏡があれば、下のほうも留められませんか
- 見えることと、力が入ることは別です。合わせ鏡で見えるようになるのは位置だけで、手首の角度は変わりません。後頭部の頂点より下では、ピンを地肌に対して斜めにしか差せず、斜めに入ったピンは髪の表面をすくうだけで地肌をつかみません。見えているのに留まらない、という状態はここから起きます。鏡は確認に使い、留める場所を決めるのは親指のほうにしてください。
- Q. 式の途中で崩れたら、その場で直せますか
- 頂点より上に留め具を集めておけば直せます。会場の鏡の前で手を後ろに回し、浮いてきたピンを差し直すだけです。頂点より下に留め具があると、その場では直せません。届かない場所を触ろうとして、留まっているほかの束まで動かしてしまうためです。当日その場で直せる範囲に留め具をそろえておくことが、崩れたあとの選択肢を残す方法です。
— メグラシ編集部





