金沢旅行の服装 冬|みぞれの日数と歩く分数で、靴と上着を決める

冬の金沢旅行の服装は、靴と上着を、水への強さで先に決めるのが答えです。靴は防水で底に深い溝のあるもの、上着は撥水でフードの付いたもの。厚さはその後で、ふだん住んでいる街の真冬と同じくらいで足ります。
どこまで備えるかは、予報で3つを数えて決めます。降る日が滞在の半分を超えるか、最低気温が0度を下回るか、屋根のない道を続けて15分以上歩くか。このうち2つ以上に当てはまるなら、防水のショートブーツとフード付きの撥水コートにします。
冬の金沢で困るのは、寒さより、足元がいつも濡れていることです。この記事では、予報の数え方から、靴と上着の選び方、町並み歩きや室内との往復が多い日の重ね方まで、順に書きます。
結論:靴は防水を先に決め、上着はフードの有無で選ぶ
最初に、決め方の順番を置いておきます。
- 予報で、滞在中に降る日を数える
- 雪かみぞれか雨か、最低気温が0度を下回るかを見る
- 屋根のない道を続けて歩く分数を見積もる
- 靴を、防水と底の溝で選ぶ
- 上着を、撥水とフードで選ぶ
- 中に着るものを、室内で脱げる前提で重ねる
ふつうの冬の旅行なら、まず上着の厚さを決めて、そのあとで靴を合わせる人が多いと思います。冬の金沢では、この順番を逆にします。靴が濡れてしまうと、どれだけ厚い上着を着ていても、足元から冷えて1日が台無しになるからです。
上着も、厚さより先に、水をはじくかどうかで選びます。濡れた上着は重くなり、乾くまでのあいだ体温を奪い続けます。厚くて水を吸う上着より、少し薄くても水をはじく上着のほうが、冬の金沢では温かく過ごせます。
冬の金沢は、どんな寒さか
冬の金沢の気温は、真冬で最高気温が7度前後、最低気温が1度前後です。本州の太平洋側の街と比べると少し低めですが、数字だけを見れば、大きく違うわけではありません。
違うのは、空模様です。冬の日本海側は、海から湿った風が吹きつけ、雨・みぞれ・雪の降る日がとても多くなります。晴れ間が続くことは少なく、1日のうちに晴れと雪が入れ替わることもよくあります。冬に雷が鳴ることもあり、地元では雪の季節の始まりを告げるものとして知られています。
降る雪は、水分を多く含んだ重い雪です。積もっても気温が少し上がると解け、路面はシャーベットのような状態になります。さらに、町なかの道路の一部には、地下水を出して雪を解かす仕組みがあり、雪の日にはその通りの路面に水が流れます。
この3つ、つまり降る日の多さ、解けやすい重い雪、路面の水が重なって、冬の金沢では足元がいつも濡れています。晴れの日でも、前日までの雪が解けて水たまりが残っていることがあります。
寒さそのものより、濡れることへの備えが大事なのは、このためです。濡れた足元は、気温以上に冷えを感じさせます。
ふだん住んでいる街との比べ方
出発前に、ふだん住んでいる街の冬と、金沢の冬を比べておくと、何を持っていけばよいかが分かりやすくなります。比べるのは、気温と降る日の2つです。
気温は、住んでいる街の真冬の最低気温と比べます。住んでいる街の真冬の朝が0度前後なら、金沢の冬もほぼ同じ寒さです。厚さはふだんの冬の服装のままで足ります。住んでいる街の真冬の朝が5度くらいなら、金沢は少し寒く感じるので、中のニットを1段厚くするか、首まわりを厚めにしておきます。
降る日は、住んでいる街の冬に、雨や雪が週に何日あるかを思い出します。太平洋側の街では、冬は晴れの日が続き、週に1日降るかどうか、ということが多いはずです。金沢の冬は、その反対で、晴れの日が週に1日あるかどうか、という日が続くこともあります。この差が、靴と上着を先に決める理由です。
ふだん雨や雪の少ない街に住んでいる人は、防水の靴や撥水の上着を持っていないことがあります。その場合は、出発の前に用意できるかどうかを先に考え、用意できないなら、予報を見て外を歩く予定を減らす、という組み立て方もできます。
まず予報で数える:降る日数・雪かみぞれか・最低気温
出発の数日前になったら、滞在中の予報を見て、3つを数えます。
降る日の数
滞在する日のうち、雨・みぞれ・雪のどれかのマークが付いている日を数えます。1日のうちの一部だけでも、マークが付いていれば数に入れます。冬の金沢では、1日中降る日より、降ったりやんだりする日のほうが多いからです。
雪かみぞれか雨か
マークが雪なのか、雨なのか、その両方なのかを見ます。雪のマークが付いている日は、路面に雪が残ります。雨と雪の両方のマークが付いている日は、みぞれの可能性が高く、路面はシャーベット状になります。
最低気温
最低気温が0度を下回る日があるかを見ます。0度を下回ると、夜のうちに解けた雪や水たまりが凍り、朝の路面が滑りやすくなります。
3つを数えたら、次の境目に当てはめます。
境目①:降る日が、滞在の半分を超えるか
1つ目の境目は、降る日の数です。滞在する日のうち、半分を超える日に降る予報なら、靴と上着の両方を、水に強いものにします。
2泊3日なら、2日以上降る予報のときです。1泊2日なら、2日とも降る予報か、1日でも1日中降る予報のときです。
半分を超えない場合でも、降る日があるなら、少なくとも靴は水に強いものにしておきます。上着は、フードがなくても、撥水のものなら傘と組み合わせて対応できます。
降る日が1日もない予報のときは、ふだんの冬の旅行の服装で構いません。ただし、前の章で書いたとおり、前日までの雪が解けて路面が濡れていることがあるので、靴だけは布の多いものを避けておくと安心です。
境目②:最低気温0度を下回るか
2つ目の境目は、最低気温です。0度を下回る日があるなら、靴の底の溝を深いものにします。
0度を下回る朝は、路面が凍っていることがあります。とくに日の当たらない路地や、橋の上、坂道は、昼になっても凍ったままのことがあります。底の溝が浅い靴だと、凍った路面で滑りやすくなります。
最低気温が0度を下回る日は、中に着るものも1段厚くします。とはいえ、0度前後の寒さは、本州の多くの街で真冬に経験する寒さと同じくらいです。ふだん真冬の朝に着ているものを思い浮かべて、それと同じ厚さにすれば足ります。
朝早く出る日
朝早くに宿を出る予定の日は、最低気温の時刻に近い時間に外を歩くことになります。冬の最低気温は、日の出の前後に出ることが多いからです。朝の市場や、人の少ない時間の町並みを歩く予定なら、最低気温がそのまま外の寒さだと考えてください。
この日は、首まわりと手を厚めにして出かけ、日が高くなって暖かくなったら外します。路面の凍結も、朝早い時間がいちばん多くなります。日の当たらない路地や橋の上では、とくに足元に気をつけて歩いてください。
最低気温が0度を上回る予報なら、路面が凍る心配は少なくなりますが、そのぶん雪は解けて、水やシャーベットになります。この場合は、底の溝よりも、靴の防水を重く見てください。
境目③:屋根のない道を続けて歩く分数
3つ目の境目は、屋根のない道を続けて歩く分数です。旅行の予定を見て、ひとつの場所から次の場所まで、外を歩く時間を見積もります。
15分を超えて続けて歩く予定があるなら、上着はフード付きの撥水のものにします。15分を超えると、傘をさしていても、横から吹きつける雨や雪で体の片側が濡れてきます。フードがあれば、頭と首まわりが守られ、傘を持つ手が冷える時間も短くなります。
続けて歩く分数が15分に満たないなら、傘と撥水の上着で足ります。町なかの移動は、バスやタクシーを使えば外を歩く時間を短くできます。
3つの境目をまとめると、次のようになります。
| 当てはまる境目の数 | 靴 | 上着 |
|---|---|---|
| 0 | 表面が革か防水のスニーカー | ふだんの冬の上着と傘 |
| 1 | 防水のスニーカーかショートブーツ | 撥水の上着と傘 |
| 2 | 防水のショートブーツ | フード付きの撥水コート |
| 3 | 防水で底の溝が深いショートブーツ | フード付きの撥水コートと折りたたみ傘 |
靴:底の溝と、水がしみる高さ
冬の金沢でいちばん大事なのは靴です。靴を選ぶときに見るのは、2つです。
水がしみる高さ
靴の表面のうち、水がしみる素材がどの高さから始まるかを見ます。スニーカーなら、底のゴムの上から布やメッシュが始まっていることが多く、そこから水がしみます。底のゴムが高い位置まで立ち上がっていれば、浅い水たまりを踏んでもしみません。
路面に流れている水や、シャーベット状の雪は、深さ2〜3cmくらいになることがあります。だから、底から3cm以上が水を通さない作りになっている靴を選びます。防水のショートブーツなら、足首まで水を通さないので、多少深い水たまりでも安心です。
底の溝
靴の底を見て、溝の深さと間隔を確かめます。溝が浅く、細かく並んでいる底は、濡れた石畳や凍った路面で滑りやすくなります。溝が深く、間隔が広い底は、水や雪を逃がし、路面をつかみます。
町並みの中には、石畳の道や、古い板張りの床の建物もあります。濡れた石畳はとくに滑りやすいので、底の溝は軽く見ないでください。
濡れた路面での歩き方
靴を選んだうえで、歩き方も少し変えると、滑ったり転んだりしにくくなります。歩幅をふだんより小さくし、足の裏全体で地面を踏むように歩きます。かかとから着地すると、濡れた石畳や凍った路面では滑りやすくなります。
両手が空いていると、体の釣り合いがとりやすくなります。荷物は背負えるかばんか、肩から斜めにかけられるバッグにして、手はできるだけ空けておきます。傘をさすときも、片手は空いているように、手に持つものを減らしておきます。
マンホールのふたや、横断歩道の白い線、金属の板の上は、濡れるととくに滑りやすくなります。こうした場所は、踏まずに避けて歩くと安心です。
靴下
靴下は、厚手で、ふくらはぎの真ん中まである長さのものを選びます。防水の靴を履いていても、歩くうちに足は汗をかきます。薄い靴下だと、その汗で足が冷えます。厚手のものは汗を吸いながら温かさを保ちます。
靴を脱いで上がる場面が多い日は、靴下が人の目に触れます。かかとやつま先が薄くなっていないものを選んでおくと、気兼ねなく上がれます。
履き慣れていること
新しい防水ブーツを旅行のために買うなら、出発までに何度か履いて歩いておきます。旅行先で初めて履くと、靴ずれを起こしたり、足が疲れたりして、歩く分数が減ってしまいます。
靴を脱ぐ場面
冬の金沢では、古い建物や茶屋の町並みの中で、靴を脱いで上がる場面があります。脱いだり履いたりする回数が多い日は、ひもを毎回結び直すブーツより、横にファスナーのあるものや、足を入れやすい形のもののほうが楽です。脱いで上がる床は冷えていることが多いので、厚手の靴下を履いておくと、足先が冷えにくくなります。
上着:撥水とフード、丈は膝上
上着を選ぶときに見るのは、3つです。
撥水かどうか
上着の表面が水をはじくかどうかを見ます。ウールのコートは温かいのですが、水を吸うと重くなり、乾くまでに時間がかかります。表面に撥水の加工がしてあるものか、もともと水をはじく素材のものを選びます。
ウールのコートしか持っていないなら、上から羽織れる薄手の撥水の上着を1枚足す方法もあります。室内に入ったら脱いで、たたんでバッグに入れられる薄さのものなら、荷物にもなりません。
フードがあるか
境目③で書いたとおり、続けて歩く分数が15分を超えるなら、フードのある上着を選びます。フードは、頭を覆うだけでなく、首まわりを風と雪から守ります。フードの付け根に調節のひもがあると、風の強い日に脱げにくくなります。
丈
丈は、膝の上あたりまでのものが歩きやすく、裾が濡れにくい長さです。膝より下まである長い丈は、歩くたびに裾が足に当たり、路面の水を拾って濡れます。脚を覆う面が増えて温かくはありますが、冬の金沢では、裾が濡れることのほうが困ります。
短すぎる丈は、腰まわりが冷え、座ったときに濡れたベンチに直接触れてしまいます。腰が隠れて、膝より上で終わる丈が、ちょうどよい長さです。
色
上着の色も、少しだけ考えておきます。冬の金沢の町並みは、古い木の格子や瓦屋根、雪の白、曇り空の灰色で、全体に落ち着いた色合いです。旅の写真を撮るなら、上着の色が景色の中でどう見えるかを想像して選ぶと、思い出に残る1枚になります。
濡れたしみの目立ちにくさも、色で変わります。明るいベージュや淡いグレーは、みぞれや泥はねのしみが目立ちやすく、濃い紺や黒、こげ茶は目立ちにくくなります。反対に、濃い色は雪の白い粒がつくと目立ちます。どちらを取るかは、降るのが雪かみぞれかで決めてください。みぞれや雨が多い予報なら濃い色、乾いた雪が多い予報なら中間の色が扱いやすくなります。
中に着るもの:室内に入ったらすぐ脱げる前提で
上着の中に着るものは、室内に入ったらすぐ脱げる前提で重ねます。
冬の金沢の旅は、外と室内の往復が多くなります。町並みを歩き、建物に入り、また外に出る。市場で食事をして、外に出て、美術を見る施設に入る。室内はしっかり暖房が効いていることが多く、外の寒さに合わせて厚く着込んでいると、室内で汗をかきます。その汗が外で冷えると、寒さが一気に増します。
重ね方の目安は、次のとおりです。
- 肌に近い1枚:薄手の長袖。汗を吸って乾きやすいもの
- その上:薄手か中くらいの厚さのニット。首まわりが詰まっているもの
- いちばん外:撥水の上着
ニットを厚手にするのは、最低気温が0度を下回る日だけで足ります。それ以外の日は、ニットは薄手か中くらいにして、首まわりのマフラーやストールで寒さを調節します。マフラーは、室内に入ったらすぐ外せて、外に出たらすぐ巻ける、いちばん便利な調節の道具です。
下は、パンツなら裾が濡れにくい足首までの丈、スカートなら厚手のタイツと防水のブーツを合わせます。ワイドで裾が長いパンツは、歩くたびに裾が路面の水を拾います。
脱いだものの置き場所も考えておきます。ニットやマフラーを脱いだとき、手に持ったままでは見て回るのに邪魔になります。たためる大きさのバッグを持っていくか、背負えるかばんにしておくと、脱いだものをすぐしまえます。
移動の日
金沢に着く日と帰る日は、出発地の天気と、金沢の天気の両方に合わせることになります。出発地が晴れていて暖かくても、金沢に着くと雪やみぞれ、ということはよくあります。
移動の日は、靴だけは金沢の天気に合わせて、防水のものを履いて出ます。履き替えの靴を持っていくのは荷物になるうえ、着いた駅で履き替える場所を探すのも手間です。上着は、出発地で暑ければ前を開けて着て、着いてから閉めます。
列車の中は暖房が効いていて、長く座っていると暑くなります。中に着るものを、前の開くカーディガンにしておくと、車内で脱ぎ着しやすくなります。マフラーや手袋は、着いてすぐ取り出せるように、バッグのいちばん上に入れておきます。
着いた日の夕方は、宿に荷物を置いてから町に出ることが多いと思います。日が暮れると気温は一気に下がるので、夕方以降に外を歩く予定なら、首まわりと手を1段厚くして出かけてください。
町並み歩きと庭園の日:止まる時間と、石畳・砂利
町並みを歩く日や、庭園を巡る日は、外にいる時間が長くなります。この日は、歩く分数だけでなく、立ち止まる分数も数えてください。
町並みでは、建物を眺めたり、写真を撮ったりして、立ち止まる時間が思いのほか長くなります。庭園でも、景色を眺めて足を止める時間が多くなります。立ち止まっているあいだは体が熱を作らないので、同じ気温でも冷えが速く進みます。
立ち止まる時間が合わせて20分を超えそうな日は、首まわりと手を1段厚くします。マフラーを厚手に、手袋をはめる。足元は、厚手の靴下を履いておきます。
庭園には、砂利の道や、土の道があります。砂利の道は、雪が残っていると歩きにくく、溝の浅い靴では足をとられます。土の道は、雪解けでぬかるむことがあります。こうした道を歩く日は、底の溝が深い防水のショートブーツが向いています。
写真を撮る日
町並みや庭園で写真を撮るのが目的の日は、手袋の選び方が変わります。厚手の手袋をはめたままでは、カメラやスマートフォンを操作しにくく、そのたびに外すことになります。外した手は数分で冷え切ってしまいます。
この日は、指先で画面を操作できる薄手の手袋を内側にはめ、その上に厚手の手袋を重ねる形にしておきます。写真を撮るときは外側だけを外し、内側の薄い手袋をはめたまま操作します。こうすると、何度撮っても手が冷え切りません。
写真を撮るあいだは、立ち止まる分数が増えます。1か所で5分、10分と過ごすことも珍しくないので、足元から冷えないように、厚手の靴下と、底の厚い靴にしておきます。
また、冬の庭園では、木の枝を雪の重みから守るために、縄を張る作業が行われていることがあります。景色を見るために長く足を止めることになりやすい日なので、立ち止まる分数を多めに見積もってください。
市場と食事の日:室内と外の往復
市場を歩いたり、食事を楽しんだりする日は、室内と外の往復が多くなります。
市場の中は、屋根があっても外とつながっていて、思ったより寒いことがあります。床が濡れていることも多く、滑りやすくなっています。市場を歩く日も、防水の靴で出かけてください。
食事の店に入ると、暖房が効いていて、上着を脱ぐことになります。脱いだ上着が濡れていると、置き場所に困ります。撥水の上着なら、入口で軽く水を払えば、ほとんど濡れずに済みます。
この日の中に着るものは、脱ぎやすさを優先します。上着の下に着るニットは、前を開けられるカーディガンにしておくと、室内で暑くなったときに前を開けるだけで調節できます。食事の席で上着もニットも脱ぐと、肌に近い1枚だけになることがあるので、その1枚も人に見られて困らないものにしておきます。
夜の食事に出る日
夜に食事へ出かける日は、昼より気温が数度低くなり、路面は日中に解けた雪がまた凍り始めます。昼と同じ服装で出ると、帰り道に寒さを強く感じます。
夜の外出では、首まわりを1段厚くし、手袋を必ずはめます。宿から店までの距離が短くても、帰り道は食事で体が温まったあとに冷たい空気に触れるので、思った以上に寒く感じます。
靴は、昼に履いて濡れたものしかないなら、宿で中にタオルを詰めて少しでも水を抜いてから履きます。夜は路面が凍り始めるので、底の溝が深いものを選んでください。
少しあらたまった店に行く日は、上着の下を落ち着いた色のニットやワンピースにしておきます。足元が防水のブーツでも、上の服が整っていれば、店の雰囲気から浮くことはありません。冬の金沢では、多くの人が足元を天気に合わせているので、ブーツで出かけることを気にする必要はありません。
どちらとも取れる場合①:晴れの予報なのに、前日まで雪だった
旅行の日は晴れの予報なのに、前日まで雪が降っていた、ということがあります。この場合、どこまで備えるか迷います。
答えは、靴だけは雪の日と同じにする、です。前日まで降っていた雪は、晴れた日に解けて、路面に水やシャーベットとして残ります。日陰では雪が残り、朝は凍っていることもあります。晴れていても、足元は雪の日とほとんど変わりません。
上着は、晴れの予報に合わせて、撥水のものにフードがなくても構いません。日中に気温が上がれば、ニットを薄手にしてもよいでしょう。ただし、冬の金沢は晴れと雪が短い時間で入れ替わるので、折りたたみ傘はバッグに入れておきます。
どちらとも取れる場合②:雨と雪が入れ替わる予報
予報で、雨と雪のマークが同じ日に並んでいることがあります。気温が0度から5度くらいのあいだを行き来する日に、こうした予報になります。
この日はみぞれになることが多く、いちばん濡れやすい日です。みぞれは、雨のように服にしみこみ、雪のように重く、路面をシャーベットにします。靴は防水のショートブーツ、上着はフード付きの撥水コートにします。
このとき、上着のフードと傘を両方使うと、体の濡れる面がかなり減ります。みぞれは傘の外側から横に吹きつけることが多いので、傘だけでは肩や腕が濡れます。フードを被ったうえで傘をさすと、頭と首まわりは二重に守られます。
みぞれの日は、手袋も水をはじくものにしておきます。毛糸の手袋は濡れると冷たくなり、かえって手が冷えます。
どちらとも取れる場合③:海沿いや山側へ日帰りする
金沢を拠点に、海沿いの町や、山側の温泉地へ日帰りで足をのばすことがあります。この場合、行き先によって服装を変える必要があるか迷います。
海沿いへ行く日は、風を見てください。冬の日本海から吹く風は強く、町なかより体感の寒さが増します。風が強い予報の日は、上着のフードを使い、首まわりを1段厚くします。
山側へ行く日は、気温を見てください。山側は町なかより気温が低く、雪も多く積もります。最低気温が町なかより数度低い予報なら、中に着るニットを1段厚くし、靴は底の溝が深い防水のショートブーツにします。
海沿いの町では、建物と建物のあいだを抜ける風が強く、傘がさしにくくなります。傘が風にあおられると、両手で押さえることになり、足元への注意がおろそかになります。風の強い日は傘を閉じて、上着のフードで歩くほうが安全です。フードの付け根のひもを締めて、顔のまわりにすき間ができないようにしておきます。
山側の温泉地では、宿や湯の建物から外へ出るたびに、温まった体が急に冷えます。湯上がりに外を歩く予定があるなら、髪をよく乾かし、首まわりを厚めにして出てください。足元は、雪が踏み固められて滑りやすくなっていることが多いので、底の溝が深い靴を履いていきます。
どちらの場合も、行き先の予報を前日に確かめて、町なかとの差を見ます。差がなければ、町なかと同じ服装で構いません。差が大きければ、その日だけ1段備えを足します。
泊数ごとの枚数と、乾かない靴の替え
最後に、泊数ごとの枚数の目安を書いておきます。
1泊2日なら、上着1枚、ニット1枚、肌に近い1枚を2枚、下を1枚、靴を1足。マフラーと手袋を1つずつ。
2泊3日なら、上着1枚、ニット2枚、肌に近い1枚を3枚、下を2枚、靴を1足と替えの中敷き、厚手の靴下を日数ぶん。
3泊以上なら、靴を2足にするか、少なくとも替えの中敷きを2組持っていきます。
持っていくと助かる小物
服と靴のほかに、冬の金沢で持っていくと助かる小物があります。
1つ目は、濡れたものを入れる袋です。濡れた折りたたみ傘や、雪のついた手袋をそのままバッグに入れると、ほかの荷物まで濡れます。口を閉じられる袋を2〜3枚持っていくと、濡れたものと乾いたものを分けられます。
2つ目は、小さなタオルです。建物に入る前に上着の水を払ったり、濡れた手袋を拭いたり、ベンチに座る前に座面を拭いたりと、何度も使います。
3つ目は、替えの手袋です。手袋は一度濡れると、その日のうちには乾きません。薄手のものを1組バッグに入れておくと、濡れた手袋を外したあとも手を冷やさずに済みます。
4つ目は、出発前に靴と上着にかけておく撥水のスプレーです。持っていく必要はありませんが、出発の前日にかけておくと、水のはじき方がよくなります。古い上着や、撥水の加工が弱くなったものにとくに効きます。
乾かない靴の扱い
冬の金沢で1日歩いた靴は、宿で一晩置いても、中まで乾ききらないことがあります。宿に着いたら、靴の中に新聞紙やタオルを詰めて水を吸わせ、暖房の効いた部屋の、直接熱が当たらない場所に置きます。濡れた靴を2日続けて履くと、足元から冷えて、歩く分数が減ります。
冬の旅行全体の着回し方は、冬の旅行の着回しにまとめてあります。雨の日の旅の靴と上着の決め方は雨の日の旅行の服装、ほかの雪の多い地域への旅は冬の北海道旅行の服装も参考にしてください。
迷ったときの決め方
迷ったら、靴を防水のショートブーツ、上着をフード付きの撥水コートにしてください。冬の金沢でいちばん多くの天気に対応できるのは、この組み合わせです。
厚さは、ふだん住んでいる街の真冬と同じで足ります。最低気温が0度を下回る日だけ、中のニットを1段厚くします。
予報で降る日が少なく、外を歩く時間も短いなら、防水のスニーカーと撥水の上着と傘でも過ごせます。それでも、晴れの日に路面が濡れていることは多いので、布の多い靴だけは避けておきます。
冬の金沢は、寒さより濡れることへの備えが大事な街です。靴と上着を先に決めておけば、町並みでも庭園でも市場でも、足元を気にせずに歩けます。
よくある問い
- Q. 冬の金沢は、北海道のような雪国の服装が必要ですか
- 気温だけを見ると、冬の金沢は本州のほかの街と大きくは変わりません。最低気温が氷点下まで下がる日はありますが、何日も続くことは多くありません。違うのは、雨・みぞれ・雪の降る日がとても多く、路面がいつも濡れていることです。だから、北海道の真冬に向けた厚い防寒より、水に強い靴と上着のほうが役に立ちます。厚さは、ふだん住んでいる街の真冬と同じくらいで足り、そのうえで靴と上着を水への強さで選んでください。
- Q. スニーカーで行っても大丈夫ですか
- 降る日がほとんどない予報なら、スニーカーでも歩けます。ただ、冬の金沢では晴れの日でも、前日までに積もった雪が解けて路面に水が残っていたり、道路から水を出して雪を解かす仕組みのある通りでは、路面に水が流れていたりします。布の部分が多いスニーカーは、数分歩くだけで中までしみることがあります。スニーカーにするなら、表面が革か防水の素材で、底に深めの溝があるものを選んでください。降る日が滞在の半分を超えるなら、防水のショートブーツのほうが安心です。
- Q. 傘とフード付きの上着、どちらを持っていけばいいですか
- 両方あると安心ですが、どちらか1つならフード付きの撥水の上着を選んでください。冬の金沢は、雨・みぞれ・雪が短い時間で入れ替わり、風が強い日もあります。傘をさしても横から濡れることがあり、傘を閉じたり開いたりする回数も多くなります。フードがあれば、短い降りなら傘を出さずに済み、両手が空くので、石畳や濡れた道で足元に気をつけながら歩けます。長く降る日のために、折りたたみ傘をバッグに入れておくと、両方の場面に備えられます。
- Q. 何泊でも、靴は1足で足りますか
- 1泊なら1足で足ります。2泊以上なら、替えの靴をもう1足持っていくか、少なくとも靴の中に入れる替えの中敷きと、厚手の靴下を日数ぶん持っていくと安心です。冬の金沢で1日歩いた靴は、宿で一晩置いても中まで乾ききらないことがあります。濡れた靴を2日続けて履くと、足元から冷えます。替えの靴を持っていけないときは、宿に着いたら靴の中に新聞紙やタオルを詰めて、水を吸わせておいてください。
— メグラシ編集部





