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浴衣の着方と帯|秋に着るなら、半衿と足袋の有無で帯の位置を決める

メグラシ編集部//読了 16分
紅葉の始まった街角で、白い半衿をのぞかせた藍色の浴衣に半幅帯と帯締めを締めた女性の首元からひざまで

**あなたが秋に浴衣を着るなら、最初に決めるのは、半衿と足袋を足すかどうかです。**半衿をのぞかせて足袋をはくなら、帯の上の線をアンダーバストに置いて、着物に近い高さで締めます。素足で浴衣として着るなら、みぞおちとおへその中間に帯の中心が来る高さにします。この2つで、衿の合わせ方も帯の位置も変わります。

浴衣の着方を調べると、たいていは夏の花火大会や夏祭りに向けた手順が出てきます。けれど、秋祭りや紅葉の散歩、旅先の宿で過ごす時間に浴衣を着たいこともあります。秋に浴衣を着るときは、夏と同じ着方をそのまま使うより、少しだけ着物に寄せたほうが、季節の空気になじみます。

この記事では、秋に浴衣を自分で着る手順を、半衿と足袋を足す着方と、足さない着方の2つに分けて書きます。帯の結び方そのものは浴衣の帯の結び方に、秋の半幅帯の変わり結びは半幅帯 変わり結び 大人|秋の着物は、羽織の下に収まる厚みで選ぶにまとめています。ここでは、秋に浴衣を着るときの、衿と帯の位置に絞ります。

結論:半衿と足袋を足すかどうかで、衿と帯の位置が変わる

秋の浴衣の着方は、次の2つに分かれます。

着方首元と足元衿の合わせ帯の位置
着物風に着る半衿をのぞかせ、足袋をはく喉のくぼみが隠れる深さ帯の上の線をアンダーバストに
浴衣として着る素足、半衿なし喉のくぼみが見える深さみぞおちとおへその中間に帯の中心

**どちらを選ぶかで、帯を締める高さが変わります。**着物風に着るなら、首元に半衿の白や色が入るぶん、上半身の重心が上がります。帯もそれに合わせて高めに締めると、首元から帯までの間がすっきりまとまります。

浴衣として着るなら、首元が軽く開いて、肌が少し見えます。帯を高く締めすぎると、首元と帯の間が詰まって見えるので、少し低めの位置に置きます。

どちらがよいということはありません。気温、行き先、一緒に行く人の装いで選んでください。迷ったときの決め方は、あとの「どちらとも取れるとき」で書きます。

先に決めること|浴衣として着るか、着物風に着るか

着る前に、どちらの着方にするかを決めておきます。決める手がかりは、気温、行き先、一緒に行く人の3つです。

気温が高く、日中に汗ばむくらいの日なら、浴衣として着るほうが涼しく過ごせます。半衿をつけた襦袢を中に着ると、1枚ぶん暖かくなるので、暑い日にはかえって汗をかきます。

気温が下がって、朝晩に肌寒さを感じる日なら、着物風に着るほうが体が冷えにくくなります。襦袢を1枚重ねるだけで、首元と腕まわりの冷えがかなり変わります。足袋をはくと、足先の冷えも防げます。

行き先も手がかりになります。秋祭りや宿の中なら、浴衣として着ても浮きません。紅葉の名所を歩いたり、食事の店に入ったりするなら、着物風に寄せておくと落ち着いて見えます。

一緒に行く人が着物を着るなら、自分も着物風に寄せると並んだときにそろいます。一緒に行く人が洋服なら、どちらで着ても構いません。

秋の行き先ごとの決め方

秋に浴衣を着る場面は、だいたい次の4つに分かれます。それぞれで、どちらの着方が合うかを挙げておきます。

秋祭りは、浴衣で出かける人が多い場面です。浴衣として着ても、まわりから浮くことはありません。夜まで外にいるなら、夕方からの冷えに備えて、足袋をバッグに入れておきます。

紅葉の散歩は、昼間の明るい光の中を歩く場面です。地色の濃い浴衣を着物風に着ると、紅葉の色とよくなじみます。歩く距離が長いなら、下駄より草履のほうが足が疲れにくく、足袋をはいたほうが鼻緒で指の間を痛めにくくなります。

食事の店に入るときは、着物風に寄せておくと落ち着いて見えます。座敷に上がることもあるので、足袋をはいておくと、素足で上がるより安心です。

旅先の宿で過ごすときは、浴衣として着るのが気楽です。部屋や館内でくつろぐなら、半衿や足袋は省いても構いません。宿の外に出かけるなら、着物風に寄せて、羽織を1枚足しておきます。

秋に浴衣を着てよい目安|気温と生地

秋に浴衣を着るかどうか迷ったら、当日の最高気温と、浴衣の生地を見てください。

最高気温が25度を超える日は、浴衣として着ても季節外れには見えません。半衿と足袋を足すかどうかは好みで選べます。

最高気温が20度から25度の日は、着物風に寄せるのがおすすめです。半衿をつけた襦袢を中に着て、足袋をはきます。浴衣だけだと、夕方から肌寒く感じ始めます。

最高気温が20度を下回る日は、浴衣1枚では寒くなります。着物風に着たうえで、羽織や薄手のコート、ストールを足してください。それでも寒そうなら、浴衣ではなく、木綿やウールの着物を選ぶほうが楽です。

生地も見ておきます。浴衣には、透け感のある薄い生地から、しっかり目の詰まった生地までいろいろあります。光にかざしたとき、向こうが透けて見える薄い生地は、夏の印象が強く出ます。秋に着るなら、目の詰まった綿の生地や、少し厚みのある生地の浴衣を選ぶと、季節に合いやすくなります。

色や柄も、季節の印象を左右します。白地に涼しげな柄の浴衣は、夏の印象が強くなります。秋に着るなら、藍や紺、えんじ、深い緑、茶色など、地色が濃いめの浴衣が合います。柄も、秋草や紅葉、幾何学模様など、季節を限定しないものが使いやすいです。

着る前にそろえる物

着る前に、必要な物をそろえておきます。着物風に着るか、浴衣として着るかで、少し変わります。

どちらの着方でも使う物は、次の通りです。

  • 浴衣
  • 半幅帯
  • 腰ひも2本
  • 伊達締め1本
  • 帯板1枚
  • 和装用の肌着、または襟ぐりの広い肌着

着物風に着るときは、これに次の物を足します。

  • 半衿をつけた襦袢、または半衿つきの肌着
  • 衿芯
  • 足袋

腰ひもは、浴衣の裾の長さを決めるときと、おはしょりを整えるときに使います。伊達締めは、衿を合わせたあとに胸のあたりで押さえるために使います。帯板は、帯の前側に入れて、帯の幅をまっすぐに保ちます。

衿芯は、半衿の中に入れて衿の形を保つための細長い板です。着物風に着るときは、衿芯を入れると首元がきれいに立ちます。浴衣として着るときは、衿芯は使わないことが多いです。

足元は、着物風なら足袋に草履か下駄、浴衣としてなら素足に下駄を合わせます。秋は、素足の下駄だと足先が冷えやすいので、迷ったら足袋をはいておくと安心です。

バッグも、季節に合わせて見直しておきます。夏の浴衣でよく使うかごのバッグは、秋になると少し涼しげに見えすぎることがあります。秋に着るなら、布や革の小さめのバッグ、ちりめんのような柔らかい布の巾着を合わせると、季節の空気になじみます。羽織やストールを持ち歩く日は、それが入る大きさのものを選んでおくと、脱いだあとの置き場所に困りません。

着方①|肌着と、半衿をつけた襦袢

ここからは、実際に着る手順です。まずは肌着と、着物風にするなら半衿をつけた襦袢から着ます。

肌着は、和装用のものか、襟ぐりが広く開いた肌着を選びます。首元から肌着が見えないように、襟ぐりは浴衣の衿より深く開いているものを選んでください。

着物風に着るなら、肌着の上に半衿をつけた襦袢を着ます。半衿の中に衿芯を入れておきます。襦袢は、背中の中心を体の中心に合わせ、衿を首の後ろで少し下げます。これを衣紋を抜く、といいます。抜く量は、首の後ろの骨から、こぶし1つぶんくらいが目安です。

衿を前で合わせるときは、右の衿を先に体に沿わせ、その上に左の衿を重ねます。合わせる深さは、喉のくぼみが隠れるくらいです。半衿は、あとで浴衣を着たときに、浴衣の衿から指1本から2本ぶんのぞく程度になるようにします。

襦袢の衿を合わせたら、胸の下あたりで細いひもか伊達締めを締めて押さえます。ここでしっかり押さえておくと、浴衣を着たあとも半衿の見え方が崩れにくくなります。

浴衣として着るなら、この手順は省きます。肌着の上に、そのまま浴衣を羽織ります。

襦袢がないときは、付け衿か半衿つきの肌着で代える

着物風に着たいけれど、襦袢を持っていないという人も多いと思います。その場合は、首元に半衿が見えれば十分なので、襦袢を一式そろえなくても代わりの方法があります。

1つは、半衿があらかじめ縫いつけられた肌着です。上半身用の肌着の衿に半衿がついていて、肌着を着るだけで首元に半衿が入ります。襦袢を着るより1枚少ないので、気温が高めの日でも暑くなりにくいのが利点です。

もう1つは、衿の部分だけを首にかけて使う付け衿です。肌着の上から首にかけ、ひもで胸の下に留めるだけで、半衿が見える形になります。手持ちの肌着をそのまま使えるので、まず試してみたいときに向いています。

どちらの場合も、衿芯を入れて首元の形を保つと、着物風の印象がしっかり出ます。浴衣の衿から半衿がのぞく幅は、指1本から2本ぶん。のぞく幅が広すぎると首元が重く見え、狭すぎると半衿を足した印象が出にくくなります。鏡を見ながら、浴衣の衿を合わせるときに調整してください。

胸元やウエストのくびれが大きいときは、タオルで平らにする

着物も浴衣も、体の凹凸が少ないほうが、衿や帯がきれいに収まります。胸元が豊かな人や、ウエストのくびれがはっきりしている人は、帯を締めると帯の上の端が胸に押されて折れたり、帯がくびれに沿って斜めになったりしやすくなります。

その場合は、薄手のタオルを1枚、ウエストのくびれに巻いてから浴衣を着ると、帯がまっすぐ収まります。タオルは、二つ折りにしてウエストに巻き、ひもで軽く留めておくだけで十分です。胸元が気になるなら、胸の下のくぼみに薄いタオルを当てておくと、衿の合わせが崩れにくくなります。

体型を補うことは、体を隠すためではなく、帯と衿をきれいに保つための下準備です。着物風に着るときほど、この下準備が効いてきます。

着方②|浴衣を羽織って、背中の中心と裾の長さを決める

次に浴衣を羽織ります。袖に腕を通したら、両方の衿先をそろえて持ち、背中の縫い目が体の中心に来るように合わせます。

背中の中心が合ったら、裾の長さを決めます。両方の衿先を持ったまま、浴衣を少し持ち上げて、裾がくるぶしの骨が隠れるくらいの高さに来るようにします。

ここで、着物風か浴衣としてかで、裾の長さが少し変わります。着物風に着るときは、裾をくるぶしの骨が隠れるくらいにして、足袋の上に少しかかる程度にします。浴衣として着るときは、くるぶしの骨が少し見えるくらいにすると、軽やかに見えます。

長さが決まったら、まず右側の身ごろを左の腰骨に向けて合わせます。次に左側の身ごろを、その上から右の腰骨に向けて重ねます。左の身ごろの裾は、右の身ごろの裾より、こぶし半分ほど持ち上げておくと、歩いたときに裾が開きにくくなります。

身ごろを重ねたら、腰骨の少し上で腰ひもを締めます。腰ひもは、体の前から後ろに回して交差させ、前に戻して結びます。きつく締めすぎず、手のひらが1枚入るくらいのゆとりを残します。

着方③|衿を合わせる:喉のくぼみと衣紋の抜き

腰ひもを締めたら、衿を合わせます。ここが、着物風か浴衣としてかで、もっとも違いが出る場所です。

着物風に着るときは、浴衣の衿を、襦袢の半衿に沿わせるように重ねます。半衿が浴衣の衿から指1本から2本ぶんのぞくようにします。衿を合わせる深さは、襦袢と同じく、喉のくぼみが隠れるくらいです。首の後ろの抜きも、襦袢の衣紋に合わせて、こぶし1つぶんくらいにします。

浴衣として着るときは、衿を少し浅めに合わせます。喉のくぼみが見えるくらいの深さにすると、首元が軽く開いて、浴衣らしい印象になります。首の後ろの抜きは、こぶし1つぶんより少し少なめでも構いません。抜きすぎると、首元が開きすぎて見えます。

衿を合わせたら、胸の下あたりで伊達締めを締めて押さえます。伊達締めは、衿が動かないように、胸の下に沿わせて締めます。

衿の合わせ方で迷ったら、鏡を正面から見て、首元の衿がアルファベットのYの形に見えるかを確かめてください。左右の衿が首の中心で交わり、そこから下へまっすぐ伸びていれば、きれいに合っています。左右の衿の角度がそろっていないと、首元が傾いて見えます。

着方④|おはしょりを整える

衿を押さえたら、おはしょりを整えます。おはしょりは、腰ひもの上に出ている浴衣の余り部分のことです。

身八つ口という、脇の下の開いた部分から手を入れて、前と後ろのおはしょりを下に向けてなでおろします。しわが寄っているところは、手のひらで横に引いて伸ばします。

おはしょりの長さは、人差し指の長さくらいが目安です。長すぎるときは、腰ひもの位置で内側に折り上げて調整します。短すぎるときは、腰ひもを少し下げて締め直します。

着物風に着るときは、おはしょりをまっすぐ平らに整えると、帯の下の線がきれいに見えます。浴衣として着るときも同じですが、少しくらい斜めになっていても、浴衣の軽さに合って気になりにくいです。

おはしょりを整えたら、背中のしわを脇へ寄せます。両手を背中に回して、背中の中心から脇に向けて布をなでつけます。脇に寄せたしわは、帯の下に収まります。

帯の位置の境目|みぞおちとおへその間のどこで締めるか

おはしょりが整ったら、帯を締めます。ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

帯の位置は、みぞおちとおへその間のどこで締めるかで決まります。まず、自分のみぞおちとおへその位置を確かめ、その間の長さを指で測ってみてください。多くの人で、指を横に並べて4本から6本ぶんくらいです。

着物風に着るときは、帯の上の線をアンダーバストのあたりに置きます。帯の中心は、みぞおちから指2本ぶんほど下になります。首元の半衿と、高めの帯がつり合って、上半身がすっきり見えます。

浴衣として着るときは、帯の中心を、みぞおちとおへその中間に置きます。着物風よりも指1本から2本ぶん低い位置です。首元が軽く開いているので、帯を少し低めにすると、上半身の間がほどよく保たれます。

どちらの場合も、帯の前側に帯板を入れて、帯の幅をまっすぐ保ちます。帯板がないと、帯が体のくびれに沿って曲がり、上の端が折れて細く見えます。

鏡の横向きで、帯が水平になっているか見る

帯の高さが決まったら、鏡に対して横を向いて、帯の線を確かめてください。正面から見ると気づきにくいのですが、横から見ると、帯の前側と後ろ側の高さの違いがよく分かります。

着物も浴衣も、帯は前側を少し下げ、後ろ側を少し上げて、横から見るとわずかに前下がりになるのがきれいな形です。前と後ろの高さの差は、指1本ぶんほどが目安です。前側が上がりすぎていると、お腹が前に出て見え、後ろ側が下がりすぎていると、帯の結び目が腰のあたりまで下がって見えます。

手鏡を使って後ろ姿も確かめておくと、結び目の位置まで分かります。結び目は、背中の中心で、肩甲骨の下のあたりに来ると、後ろ姿がすっきり見えます。

帯を締めるときは、体の前で帯の端を持ち、背中に回して2周巻きます。1周目で帯板を入れ、2周目で締めます。締める強さは、指が2本入るくらいのゆとりを残します。きつく締めすぎると、座ったときや食事のときに苦しくなります。

帯の結び方|秋は結び目の大きさを控える

帯の結び方は、夏の浴衣と同じ結び方を使えます。ただ、秋に着るときは、結び目の大きさを少し控えると、季節に合いやすくなります。

夏の浴衣でよく見る、大きく羽根を広げた華やかな結び方は、秋の落ち着いた空気の中では少し目立ちすぎることがあります。秋は、羽根を小さめにまとめたり、平たく背中に沿わせる結び方を選んだりすると、全体が落ち着いて見えます。

よく使われるのは、文庫結びを小さめにした形や、貝の口のように平たく結ぶ形です。どちらも結び目が背中から大きく飛び出さないので、羽織を上に重ねても形が崩れにくいです。

秋は、夕方から冷えてきて羽織を重ねることも多くなります。羽織の下に収まる結び方を選んでおくと、上着を足したときにも背中がもたつきません。羽織に収まる結び方のくわしい選び方は、半幅帯の変わり結びの記事で扱っています。

帯締めと帯揚げを足すと、着物風に一歩近づく

着物風に着るときは、半幅帯の上に細い帯締めを1本足すだけで、ぐっと着物らしい印象になります。帯締めは、帯の幅の真ん中あたりを通して、体の前で結ぶか、前で金具を留めるだけの簡単なものでも構いません。

帯締めの色は、帯の色と浴衣の地色のどちらにも合う色を選びます。迷ったら、浴衣の柄の中に入っている色を1つ拾うと、全体がまとまります。秋なら、からし色や深い赤、くすんだ緑など、季節の色を差し色にすると、季節の装いらしさが出ます。

帯揚げは、本来はお太鼓結びの帯枕を包むためのものですが、半幅帯でも、帯の上の端に細く見せる形で使うことがあります。帯の上から指1本ぶんほどのぞかせると、首元の半衿と帯の間に色がつながって、上半身に統一感が生まれます。帯揚げまで足すと、着物にかなり近い印象になるので、行き先が食事の店や紅葉の名所など、少しあらたまった場面で使ってみてください。

兵児帯を合わせる場合は、柔らかく広がる帯なので、結び目をふんわりさせすぎないようにします。兵児帯の長さの測り方は兵児帯の結び方 大人を、半幅帯と兵児帯を重ねる結び方は浴衣帯と兵児帯の重ね結び|秋は半幅帯から何cm見せるかで決めるを見てください。

どちらとも取れるとき①|半衿だけ、または足袋だけ足したい

着物風にするほどでもないけれど、浴衣のままだと少し季節外れに見える気がする、ということがあります。このときは、半衿だけ、または足袋だけを足す方法があります。

半衿だけを足すときは、首元に半衿が入るので、上半身の印象は着物風に近くなります。帯の位置は、着物風の高さに合わせて、帯の上の線をアンダーバストに置きます。首元に重心が上がっているのに、帯を低く締めると、上半身の間が間延びして見えるからです。足元は素足に下駄でも構いません。

足袋だけを足すときは、首元は浴衣のまま軽く開けておきます。帯の位置は、浴衣として着るときの高さ、みぞおちとおへその中間にします。足袋は、白より色足袋や柄の入った足袋を選ぶと、浴衣の軽さとつり合います。

迷ったら、半衿だけを足してください。首元は顔のすぐ下にあるので、相手の目にいちばん入る場所です。足元は、当日の気温で決めればよいので、出かける直前まで選べます。

どちらとも取れるとき②|帯が、浴衣用の柔らかい半幅帯しかない

着物風に着たいけれど、持っている帯が浴衣用の柔らかい半幅帯しかない、ということもあります。柔らかい帯でも、着物風に着ることはできます。

柔らかい帯は、締めているうちに上の端が折れて、帯が細く見えやすくなります。着物風に着るときは、帯の幅がまっすぐ保たれていることが大切なので、帯板を必ず入れてください。前側だけでなく、体の脇まで回る長めの帯板を使うと、帯の幅がきれいに保たれます。

結び方は、平たくまとまる形を選びます。柔らかい帯で大きな羽根をつくると、時間がたつにつれて羽根がしぼんで、背中で垂れ下がってきます。小さめにまとめると、形が長く保ちやすくなります。

帯の色も見ておきます。浴衣用の帯は、明るい色やはっきりした柄のものが多くあります。秋に着物風に着るなら、浴衣の地色と同じ系統で、少し落ち着いた色の帯を選ぶと、全体がまとまります。手持ちの帯が明るい色しかないなら、帯の上に細い帯締めを1本足すと、帯の印象が締まります。

どちらとも取れるとき③|夕方から冷えてきたら

秋の浴衣で困りやすいのが、夕方からの冷えです。日中は暖かくても、日が傾くと急に肌寒くなります。

出かける前に、夕方の気温も見ておいてください。夕方の気温が20度を下回りそうなら、羽織か薄手のストールを持っていきます。羽織は、帯の結び目を覆う丈のものなら、背中の冷えも防げます。

羽織がない場合は、大判のストールを肩から掛けるだけでも、首元と肩の冷えがかなり防げます。ストールの色は、浴衣か帯の色に合わせると、羽織らないときに手に持っていても違和感がありません。

足元の冷えも忘れないでください。素足に下駄で出かけた日に冷えてきたら、足袋をバッグに入れておくと、途中ではくことができます。足袋をはくと、浴衣として着ていた装いが、着物風に近づきます。そのときは、帯の位置はそのままで構いません。途中で帯を締め直すのは難しいので、足元だけの変更にとどめます。

半衿をつけた襦袢を中に着ている着物風の着方なら、浴衣だけで着るより、夕方の冷えにはずっと強くなります。秋の浴衣で迷ったら、着物風に寄せておくと、夕方まで安心して過ごせます。

どちらとも取れるとき④|旅館で浴衣を着るとき

秋の旅で、宿の浴衣を着ることもあります。宿の浴衣は、自分で持っていく浴衣とは少し事情が違います。

宿の浴衣は、くつろぐための服として用意されていることが多く、帯も細くて柔らかいものが添えられています。部屋や館内で過ごすなら、帯の位置は浴衣として着るときの高さ、みぞおちとおへその中間で十分です。

宿の浴衣で館内を歩くとき、秋は廊下が冷えていることがあります。宿で用意している羽織があれば、それを上に重ねてください。首元が開きすぎていると寒いので、衿をいつもより少し深めに合わせておくと、首元の冷えが防げます。

宿の浴衣のまま外を散歩する場合は、宿の案内を確かめてください。宿のまわりの散歩なら浴衣で歩いてよいところもあれば、館内だけにとどめるよう案内しているところもあります。外を歩くときは、宿の羽織と足袋か靴下を合わせると、秋の夕方でも冷えにくくなります。

自分の浴衣を持っていって、宿で着替えて出かける場合は、ここまでの着方をそのまま使えます。宿の部屋の鏡は小さいことが多いので、出かける前に一度、全身が映る鏡で帯の位置を確かめておくと安心です。

年代で変わるところ

半衿と足袋の有無で帯の位置を決める、という考え方は、年代で変わりません。変わるのは、帯の高さの微調整と、首元の開き方です。

20代から30代前半は、浴衣として着ても、着物風に着ても、どちらでも似合います。浴衣として着るなら、帯の位置を少し低めにして、首元を軽く開けると、若々しい印象になります。着物風に着るなら、半衿に色や柄の入ったものを選ぶと、季節の装いを楽しめます。

30代後半から40代は、着物風に寄せると、落ち着いた印象になります。帯の位置は、着物風の高さを基本にして、首元の衿は喉のくぼみが隠れるくらいに合わせます。半衿は白か、浴衣の地色に近い落ち着いた色を選ぶと、品よくまとまります。

50代以降は、帯の位置を少し高めにすると、上半身がすっきり見えます。着物風の高さよりも、さらに指1本ぶん高めにしても構いません。首元は、衿をやや深めに合わせて、衣紋の抜きも控えめにすると、落ち着いた印象になります。

どの年代でも、無理に若く見せようとしたり、年齢に合わせようとしたりする必要はありません。秋に浴衣を楽しむこと自体が、季節を味わう装いです。

着崩れを直す

最後に、出かけた先での着崩れの直し方をまとめておきます。秋の浴衣は、歩いたり座ったりするうちに、少しずつ崩れてきます。

衿元が開いてきたら、おはしょりの下から手を入れて、下前の衿を引き下げます。次に、上前の衿を同じように引き下げます。これで衿元が締まります。

帯が下がってきたら、帯の上から両手で軽く持ち上げます。帯の位置が大きくずれた場合は、無理に直さず、帯の下に指を入れて、おはしょりを整えるだけでも見た目が戻ります。

裾が開いてきたら、帯の下のおはしょりをめくって、腰ひもの下の上前を引き上げます。上前の裾が少し上がると、歩くときに開きにくくなります。

半衿がのぞく幅が変わってきたときは、身八つ口から手を入れて、襦袢の衿を下に引きます。半衿が浴衣の衿の奥に隠れてしまったら襦袢の衿を少し引き出し、のぞきすぎていたら浴衣の衿を少し重ね直します。人目のある場所で直すのが気になるなら、化粧室の鏡の前で、30秒ほどで済ませられます。

直すための道具として、小さな洗濯ばさみのような和装用のクリップを1つバッグに入れておくと便利です。衿元や袖を一時的に留めておけるので、食事のときに袖をまとめておいたり、着崩れを直す間に衿を押さえておいたりできます。

**秋の浴衣は、着る前に半衿と足袋を決めることから始めてください。**それが決まれば、衿の合わせ方も、帯の位置も、自然に決まります。

よくある問い

Q. 秋に浴衣を着るのはおかしくありませんか
気温が高めの日や、秋祭り、旅館でくつろぐ時間なら、浴衣を着ても浮きません。気になるなら、半衿をつけた襦袢を中に着て、足袋をはいて着物風にすると、季節の境目でも落ち着いて見えます。日中の最高気温が20度を下回る日は、浴衣だけでは寒いので、羽織か薄手のストールを足してください。
Q. 浴衣の帯はどの高さで締めればいいですか
着方によって変わります。半衿と足袋を足して着物風に着るなら、帯の上の線をアンダーバストのあたりに置きます。素足で浴衣として着るなら、みぞおちとおへその中間くらいに帯の中心が来る高さにします。年齢が上がるほど、少し高めに締めると落ち着いて見えます。
Q. 半衿をつける襦袢を持っていません。どうすればいいですか
半衿を縫いつけられる肌着や、衿だけを首にかけて使う付け衿があります。襦袢を一式そろえなくても、首元に半衿が見えれば着物風の印象になります。まずは衿だけを試して、気に入ったら襦袢をそろえる、という順でも十分です。
Q. 浴衣用の柔らかい半幅帯で、着物風に着ても大丈夫ですか
大丈夫ですが、柔らかい帯は締めているうちに上の端が折れて、帯が細く見えやすくなります。帯の中に薄い帯板を入れると、帯の幅がまっすぐ保たれて、着物風の装いに合いやすくなります。結び目は大きく広げず、平たく小さめにまとめるほうが、秋の装いに落ち着きます。

— メグラシ編集部

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孫の運動会コーデ 60代|出番があるか、保育園か小学校かで決める

60代で孫の運動会に行く日の服装は、観るだけの日と、祖父母競技や親子競技の代わりで動く日とで、まったく別のものになります。孫が保育園か小学校かで座る時間と孫との距離も変わります。家で椅子なしの立ち座りを何回できるか、席から孫の列まで何mか、しゃがんだときに膝の布が引っ張るか。測れる3つの数字で、スカートかパンツか、靴、腰まわり、上着の枚数を決めます。どちらとも取れる日の、両方に効く1着の選び方まで。

メグラシ編集部/読了 10分
プチプラオフィスカジュアル|秋冬は安く見える1点を、人との距離で決める

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プチプラオフィスカジュアル|秋冬は安く見える1点を、人との距離で決める

プチプラのオフィスカジュアルが安く見えるかどうかは、値段ではなく、職場で人とどの距離で向き合うかで決まります。1m以内で向き合う時間が1日1時間以上ある人は首元と袖口、席に座っている時間が長い人は膝と腰の皺、画面越しが中心の人は鎖骨から上。見られる場所が違うので、値段を上げる1点も違います。秋冬に安く見える順番(毛玉・静電気・光り方・縫い目)、ニットを店で確かめる方法、来客が月に数回だけのとき・1点を替える予算が無いとき・毎日同じでよいかの判断まで。

メグラシ編集部/読了 11分
結婚式 両親の服装|母親は父親の格と会場で、留袖か洋装かを決める

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結婚式 両親の服装|母親は父親の格と会場で、留袖か洋装かを決める

子どもの結婚式で母親が何を着るかは、好みより先に、父親の装いの格と会場、式の時間帯で決まります。父親が正礼装なら母親の選べる幅、略礼装なら広がる幅、夜の式で変わること、ホテル・専門式場・レストラン・神社で違う答え、相手の家の母親と格をそろえる連絡の順番、留袖を選ぶときの黒と色の違いと秋冬の防寒、洋装を選ぶときの丈・肩・光りの下限、会場までのコートと足元、着慣れない人や長く立つ人の決め方まで。両家の母親が並んだときに揺れない選び方の記事です。

メグラシ編集部/読了 12分

"似合う"の輪郭が見えたら、
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