兵児帯の結び方 大人|秋の着物は、帯の長さを測ってから結びを選ぶ

**手持ちの兵児帯を床に伸ばして、端から端まで何cmあるかを先に測ってください。**大人の兵児帯の結び方は、その長さで決まります。胴に2周巻いたあと、結びに回せる長さが何cm残るか。それで、羽根を重ねる形が作れるか、小さくまとめる形にするかが分かれます。
兵児帯の結び方を調べて、手順の通りに結んでも同じ形にならない。その原因のほとんどは、帯の長さが説明の前提と違うことにあります。大人用の兵児帯は、短いもので250cmほど、長いもので400cmを超えるものまであります。150cm以上の差があれば、同じ手順で同じ形になるはずがありません。
秋は、浴衣の兵児帯を木綿や紬の着物に合わせて使う人が増える季節です。夏に浴衣で使っていた結びが、秋の着物ではどうも落ち着かない、という相談も多くなります。この記事の後半では、秋の着物に合わせるときの寄せ方も書きます。
前の幅をどう整えるかは兵児帯の結び方|大人は前の幅を固定するに、前で結んで後ろへ回す方法は兵児帯の簡単な結び方に分けてあります。この記事は、その前に、自分の帯で何ができるかを決める話です。
結論:見るのは「胴に2周巻いたあとの残り」
兵児帯の結びに回せる長さは、全長から胴に巻く分を引いた残りです。
胴に巻く分は、帯を結ぶ位置での胴回りの2周分です。帯を結ぶ位置は、おへそより少し上、みぞおちとおへその間あたりになります。そこで胴回りを測って、2倍にした長さが巻く分です。胴回りが70cmなら140cm、80cmなら160cmになります。
全長からこの巻く分を引いた長さが、結びに使える残りです。全長が350cmで、胴回りが70cmなら、残りは210cmです。全長が300cmで、胴回りが80cmなら、残りは140cmになります。
この残りの長さで、結べる形が決まります。
早見表|残りの長さと、結べる形
| 胴に2周巻いたあとの残り | 結べる形 | 大人に寄せるなら |
|---|---|---|
| 150cm以上 | 羽根を2枚重ねる形、大きめの蝶結び | 羽根を肩幅の内側で止める |
| 100〜150cm | 片わな結び、文庫風の形 | 垂れを短くして結び目を高めに |
| 100cm未満 | 片結び、小さくまとめる形 | 1周巻きに変えて残りを増やす |
表は分かれ目を見るためのものです。同じ残りの長さでも、帯の幅と素材で、作れる形の大きさは変わります。次の項で、長さの測り方と、幅と素材の見方を順に書きます。
先に測る①|全長は、両腕を広げた長さで数えられる
全長を測るなら、帯を床に伸ばして、端から端までをメジャーで測るのがいちばん確実です。
メジャーがない場合は、両腕を横に広げた長さを使ってください。片方の指先からもう片方の指先までの長さは、多くの人で身長とほぼ同じになります。帯の端を片手に持って、両腕を広げた長さで何回分あるかを数えれば、おおよその全長が分かります。
たとえば、身長が160cmの人が数えて2回分と少しなら、全長は約350cm前後です。2回分にぎりぎり届かないなら、約300cm前後です。1回半なら、約250cm前後になります。
この数え方は、ぴったりの長さを出すものではありません。それでも、前の表で、自分がどの行に当たるかを決めるには十分です。
端の始末で、使える長さが少し変わる
全長を測るときに、帯の両端がどうなっているかも見ておいてください。兵児帯の端は、まっすぐに切りそろえてあるもの、房やぼかしがついているもの、端に向かって細くなっているものがあります。
房がついている帯は、房の部分を結び目や羽根に使うことができません。房の長さを全長から引いて考えてください。房が両端に10cmずつあれば、使える長さは20cm短くなります。
ぼかしや絞りが端に入っている帯は、その部分を羽根の先や垂れに見せる前提で作られていることが多くなります。ぼかしの部分を胴に巻いてしまうと、前から見たときに柄が中途半端に見えます。巻き始めをどちらの端にするかを、先に決めておいてください。
端に向かって細くなっている帯は、細い部分で羽根を作ると、羽根の先がしぼんで見えます。細くなる部分は、結び目の中に入れるか、垂れにして使うと形が整います。
先に測る②|胴回りは、帯を結ぶ位置で測る
胴回りは、洋服のウエストの位置ではなく、帯を結ぶ位置で測ってください。
着物を着たときの帯の位置は、洋服のウエストより少し上になります。目安は、みぞおちとおへその間です。ここで、着物を着た状態で測るのがいちばん正確ですが、着物を着ていなくても、薄手の服の上から測れば大きな差は出ません。着物と下着の厚みで、実際には数cm大きくなると考えておいてください。
メジャーがない場合は、帯そのものを使って測れます。帯の端を体の前で押さえて、帯を胴に1周巻き、端と重なったところを指でつまんでください。つまんだところから端までが、胴回りの1周分です。そのまま、つまんだ場所から同じ長さをもう1周分とれば、2周分の位置が分かります。2周分の位置から反対側の端までが、結びに回せる残りです。
この方法なら、長さを数字で出さなくても、残りがどのくらいあるかを目で見て確かめられます。残りを両腕を広げた長さで測って、腕の長さより長いか短いかを見てください。
先に測る③|幅と素材で、作れる形の大きさが変わる
兵児帯は、帯の中でも幅が広く、素材が柔らかいものです。この幅と素材で、同じ長さでも作れる形の大きさが変わります。
幅は、広げたときに50cmほどある全幅のものと、その半分ほどの幅のものがあります。全幅のものは、半分に折って使うことも、広げたまま使うこともできます。半分の幅のものは、そのまま使うことになります。
素材は、透けるような薄いもの、柔らかいちりめんのようなもの、張りのあるものに分かれます。薄い素材は、羽根にしたときに軽く膨らみますが、形を保つ力は弱くなります。ちりめんは、体に沿ってしなやかに落ち、結び目も締まりやすくなります。張りのある素材は、羽根が形を保ちやすい代わりに、広げたまま巻くと胴回りが膨らんで見えます。
素材の見分け方は、帯を片手で持ち上げて、垂れ下がり方を見るのが早いです。持った手からまっすぐ下に落ちるなら柔らかい素材、途中で広がって落ちるなら張りのある素材です。
残りが150cm以上|羽根を重ねる形が作れる
残りが150cm以上あれば、羽根を2枚重ねる形や、大きめの蝶結びが作れます。
大人に寄せるなら、羽根の大きさを肩幅の内側で止めてください。**後ろから見て、羽根の端が肩の線より外へ出ないこと。**これだけで、子どもの浴衣のような印象から離れます。残りが長いからといって、羽根を大きくしすぎると、背中全体が帯で覆われて、着物の柄が見えなくなります。
長さが余る場合は、羽根の枚数を増やすのではなく、結び目の下に垂らす長さで調整してください。垂れは、お尻の上の端あたりで止めると落ち着いて見えます。それより長く垂らすと、座ったときに垂れを踏むことがあります。
羽根を重ねる形は、背中に厚みが出ます。車や電車で長く座る日、背もたれのある椅子で食事をする日は、結びがつぶれやすくなります。そういう日の結び方は、兵児帯アレンジ|秋は背中の空きと羽織の丈で選ぶで、羽織を重ねる場合と合わせて書いています。
羽根を重ねる形の手順
残りが150cm以上ある帯で、羽根を2枚重ねる形を作る手順です。
- 帯の端から、自分の肩幅と同じくらいの長さを取って、そこを手先にします。手先は、左の肩にかけておくと邪魔になりません。
- 残りを胴に2周巻きます。1周目を巻いたら、手先と胴の帯を一度締めて、体に沿わせてから2周目を巻きます。
- 2周巻いたら、手先と、巻いたあとに残った長い側をひと結びします。結び目は、体の真ん中より少し左に置くと、後ろへ回したときにちょうど真ん中に来ます。
- 長い側で、肩幅の内側に収まる大きさの羽根を1枚作ります。羽根の根元をつまんで、ひだを2〜3本寄せます。
- 残りで、ひとまわり小さい羽根をもう1枚作り、1枚目の上に重ねます。
- 手先を上から下ろして、2枚の羽根の根元を巻いて押さえます。手先の端は、胴に巻いた帯の内側へ通しておきます。
- 形を整えたら、右回りに後ろへ回します。
2枚目の羽根を1枚目よりひとまわり小さくするのが、大人に寄せるときの決め手です。同じ大きさで重ねると、羽根が横に広がって見えます。
結んだあとに、鏡で見る3か所
結び終わったら、手鏡を持って、大きな鏡に背中を映して見てください。見るのは3か所です。
ひとつは、羽根の端が肩の線より内側にあるかです。外へ出ているなら、羽根のひだを1本増やして幅を詰めます。
ふたつめは、結び目の高さです。結び目が帯の上の端と下の端のちょうど真ん中か、少し上にあれば、背中がすっきり見えます。下がっているなら、手先を締め直して持ち上げます。
みっつめは、垂れの長さです。垂れがお尻の上の端より下まで来ているなら、羽根の側に長さを戻すか、結び目の中に折り込んでください。
残りが100〜150cm|片わなや文庫風の形
残りが100〜150cmなら、片わな結びや、文庫風の形が作りやすくなります。
片わな結びは、結び目から片方だけ輪を作り、もう片方は垂らす形です。羽根を2枚作るよりも使う長さが少ないので、この長さの帯に向いています。大人に寄せるなら、輪の大きさを手のひらを広げたくらいに止めて、垂れは輪より少し長いくらいにしてください。
文庫風の形は、羽根を左右に1枚ずつ作って、結び目の中心で留める形です。半幅帯の文庫結びに近い見え方になります。羽根の長さは、残りの長さから結び目に使う分を引いて、左右に分けて決めます。左右の羽根を同じ長さにしておくと、きちんとした印象になります。
片わな結びの手順
残りが100〜150cmの帯で、片わな結びを作る手順です。
- 帯の端から、ひじから指先くらいの長さを取って、手先にします。
- 残りを胴に2周巻いて、手先と長い側をひと結びします。
- 長い側で、手のひらを広げたくらいの大きさの輪を1つ作ります。
- 手先を輪の根元に巻きつけて、輪を作った側と反対の方向へ抜きます。
- 抜いた手先の長さを、輪より少し長いくらいに整えて、後ろへ回します。
輪を作ったあとに残った長い側の端は、垂れとして下に下ろします。輪と垂れが斜めに並ぶ形になるので、左右対称の形よりも、少しくだけた印象になります。秋の普段着の着物には、このくらいの抜け感がよく合います。
この長さの帯は、結び目を高めの位置に置くと、背中がすっきり見えます。帯の上の端より結び目が下がると、背中の真ん中に重心がきて、少し重たく見えます。
文庫結びの羽根の大きさは、文庫結び 浴衣と秋の着物の記事にある肩幅からの決め方が、兵児帯にもそのまま使えます。
残りが100cm未満|1周巻きか片結びに寄せる
残りが100cm未満なら、羽根を作る形は難しくなります。この場合は、2つの方法があります。
ひとつは、胴に巻く回数を2周から1周に減らすことです。1周にすると、胴回りの1周分がそのまま結びに回せるので、残りが70〜80cm増えます。100cm未満だった残りが、150cm前後になることもあります。
1周巻きにすると、前の帯の厚みが薄くなります。前から見たときに頼りなく見えるのが気になるなら、帯板を入れてください。帯板があれば、帯が1周でも前の面が平らに整って、2周巻いたときとほとんど変わらない見え方になります。
もうひとつは、羽根を作らない形にすることです。結び目から両端を垂らす片結びや、結び目を小さく丸くまとめる形なら、100cm未満でも十分に結べます。大人の着物に合わせるなら、むしろこのくらい小さくまとめた形のほうが落ち着いて見えます。
1周巻きにするときの手順
1周巻きにするなら、帯板を先に体に当てておきます。帯板は、着物の上から、前の帯の位置にまっすぐ当ててください。
- 帯の端から、肩幅くらいの長さを取って手先にします。
- 帯板を押さえながら、残りを胴に1周だけ巻きます。帯板の上下が帯からはみ出さないように、帯の幅を帯板より少し広くしておきます。
- 1周したら、手先と長い側をひと結びして、しっかり締めます。1周巻きは2周より締まりが弱いので、ここで一度、帯の下の端を指でなぞって、ゆるみがないか確かめてください。
- 残りで、片結びか、小さくまとめる形を作ります。
- 後ろへ回します。帯板があると回すときに引っかかることがあるので、帯の上と下を両手で持って、少しずつ回してください。
1周巻きは、胴に巻く帯が少ないぶん、長く着ていると帯がずれやすくなります。腰紐の上に巻いて、腰紐を帯の下の滑り止めにしておくと、ずれにくくなります。
幅を半分に折るか、広げたまま使うか
兵児帯の全幅のものを使うとき、幅を半分に折るか、広げたまま巻くかで迷う人が多いと思います。
分かれ目は、帯の素材と、合わせる着物です。薄い素材や柔らかいちりめんなら、広げたまま巻いても体に沿うので、ふんわりとした形になります。張りのある素材は、広げたまま巻くと胴回りが膨らんで見えるので、半分に折って使うほうがすっきりします。
浴衣に合わせるなら、広げたまま巻いてふんわりさせる形も似合います。秋の木綿や紬の着物に合わせるなら、どちらの素材でも半分に折ったほうが、着物の質感と釣り合います。
半分に折ると、帯の長さは変わりませんが、幅が半分になるので、羽根の大きさも小さくなります。残りが150cm以上ある帯でも、半分に折ると羽根がひとまわり小さくなるので、大人に寄せたい場合にはちょうどよくなります。
秋の着物に合わせるとき|前の幅と色で寄せる
兵児帯を秋の着物に合わせるときは、前の幅と色で寄せてください。
前の幅は、8〜12cmが目安です。浴衣のときのように前の幅を広くとると、着物の上半身が帯で覆われて、着物の柄が見えにくくなります。秋の木綿や紬の着物は、生地の質感そのものが見どころなので、帯の前の幅を少し狭めて、着物の面を広く見せるほうが釣り合います。
色は、着物の色より明るさに差をつけるのが基本です。濃い色の着物なら、帯は明るめの色、淡い色の着物なら、帯は濃いめの色にすると、前から見たときに帯の位置がはっきりします。秋の着物は深い色が多いので、兵児帯は生成りや淡い黄土、くすんだ桃色のような、少し明るい色が合わせやすくなります。
着物と帯の色の合わせ方は、着物と帯の色の合わせ方|秋はまず明るさの差を見るで詳しく書いています。
羽織や道行を重ねる日
秋が深まると、着物の上に羽織や道行を重ねる日が増えます。兵児帯は柔らかいので、上に重ねたものに押されて、結びがつぶれやすくなります。
羽織を重ねる日は、羽根を重ねる形よりも、片わなや文庫風、小さくまとめる形を選んでください。羽織の背中が結びに押されて膨らむと、後ろから見たときに、羽織の裾が持ち上がって見えます。結びの厚みが、手のひらを立てた厚みより薄ければ、羽織の背中はほとんど膨らみません。
道行やコートのように前を閉じる上着を重ねる日は、さらに結びを小さくしておくと楽です。上着を脱いだときに結びがつぶれていたら、手で軽く形を戻してください。兵児帯は柔らかいぶん、形を戻すのも簡単です。
上に重ねたものを脱いで、結びを人に見せる場面がある日、たとえば食事の席で上着を脱ぐ日は、結びが見える前提で形を選んでください。
帯板の選び方
兵児帯を大人の着物に合わせるときは、帯板があると前がきれいに整います。帯板は、前の帯の内側に入れて、帯の面を平らにするための薄い板です。
兵児帯に合わせるなら、柔らかく、少ししなる帯板が向いています。硬い帯板は、柔らかい兵児帯の中で目立ってしまい、帯の上の端や下の端に板の角が浮いて見えることがあります。
帯板の幅は、前の帯の幅より1〜2cm狭いものを選んでください。前の幅を8〜12cmに整えるなら、帯板の幅は7〜10cmほどが目安です。帯板の幅が前の帯の幅と同じか広いと、帯の端から板がのぞきます。
帯板にはベルトのついたものと、ついていないものがあります。ベルトつきのものは、先に体に巻いておけるので、帯を巻くあいだに帯板がずれません。兵児帯に慣れていない人は、ベルトつきのほうが扱いやすくなります。
秋の着物の兵児帯は、帯揚げと帯締めで締まる
兵児帯は、帯揚げや帯締めを使わないことが多い帯です。浴衣のときは、それでかまいません。ところが秋の着物に合わせるなら、帯締めを1本足すだけで、ずっと落ち着いた印象になります。
帯締めは、帯の前の幅の真ん中より少し下に通します。兵児帯は柔らかいので、帯締めで軽く押さえるだけで、前の面がしっかりします。帯締めの結び目は、正面で結んで、房を左右に収めてください。
帯揚げは、使わなくても構いませんが、使うなら帯の上の端から1cmほど見える程度にしておいてください。兵児帯の柔らかさに対して、帯揚げが厚すぎると前が膨らんで見えます。薄手のものを選ぶと、帯の上の線がすっきりします。
帯締めや帯揚げを使うと、兵児帯でも半幅帯に近い見え方になります。半幅帯の結び方 大人 簡単の考え方が、そのまま応用できます。
どちらとも取れるとき①|残りがちょうど150cm前後
残りがちょうど150cm前後で、羽根を重ねる形にするか、片わなや文庫風にするか迷う場合です。
この場合は、その日に座る時間で決めてください。長く座る日、背もたれのある椅子で食事をする日、車で移動する日は、片わなや文庫風にしておくほうが、結びがつぶれにくくなります。立って歩くことの多い日なら、羽根を重ねる形でも構いません。
もうひとつの決め方は、羽織を着るかどうかです。秋の着物では、羽織を重ねることが多くなります。羽織の下に羽根を重ねる形を結ぶと、背中が膨らんで、羽織の裾が持ち上がることがあります。羽織を着る日は、片わなや文庫風の、背中に厚みの出にくい形を選んでください。
どちらとも取れるとき②|帯が長すぎて余る
残りが200cmを超えるような、長い帯を使う場合です。羽根を2枚重ねても、まだ帯が余ってしまいます。
この場合は、胴に3周巻くか、羽根の枚数を増やすのではなく、余りを結び目の中に折り込んでしまうのが簡単です。結び目を作るときに、余った長さを内側に折りたたんで、結び目の厚みとして使います。結び目がふっくらとして、羽根を小さくしても存在感が出ます。
胴に3周巻くと、前の帯の厚みが増えて、胴回りが太く見えることがあります。秋の着物に合わせるなら、3周巻くよりも、余りを結び目の中に入れるほうが、すっきり見えます。
どちらとも取れるとき③|手持ちの帯が子ども用かもしれない
譲り受けた兵児帯や、昔から家にある兵児帯で、大人用か子ども用か分からないものがある場合です。
子ども用の兵児帯は、大人用より短く、幅もやや狭いことが多くなります。全長を測って、250cmに届かないなら、子ども用の可能性が高いと考えてください。
子ども用の帯でも、大人が使えないわけではありません。胴に1周巻いて、片結びや小さくまとめる形にすれば、十分に結べます。前の項で書いた、1周巻きと帯板の組み合わせを使ってください。柄が子ども向けのものでなければ、秋の着物にも合わせられます。
子ども用の帯の結び方は、子どもの帯の結び方で七五三や旅館の浴衣の場合と合わせて書いています。
よくある行き違い
ひとつめは、手順の通りに結んだのに、羽根が小さくなる、または長さが足りなくなる、という形です。手順の説明は、ある長さの帯を前提に書かれています。自分の帯の長さを測って、前の早見表のどの行に当たるかを確かめてから、手順を選んでください。
ふたつめは、残りが長いからと羽根を大きく作り、後ろから見て子どもの浴衣のような印象になる、という形です。大人に寄せるなら、羽根は肩幅の内側で止めてください。
みっつめは、張りのある帯を広げたまま巻いて、胴回りが膨らんで見える、という形です。張りのある帯は、半分に折って使ってください。
よっつめは、秋の着物に浴衣と同じ前の幅で結んで、着物の柄が隠れる、という形です。秋の着物では、前の幅を8〜12cmに狭めて、着物の面を広く見せてください。
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よくある問い
- Q. 兵児帯の長さは、どうやって測ればいいですか
- メジャーがあれば、帯を床に伸ばして端から端までを測ってください。ない場合は、両腕を横に広げて、片方の指先からもう片方の指先までの長さを使います。この長さは身長とほぼ同じになるので、帯の端を片手に持って、両腕を広げた長さで何回分あるかを数えれば、おおよその全長が分かります。2回分と少しなら、身長が160cmの人で約350cm前後です。
- Q. 大人用の兵児帯が短くて、思った形に結べません
- 胴に巻く回数を2周から1周に減らしてください。1周にすると、胴回りの1周分がそのまま結びに回せるので、残りの長さが大きく増えます。1周巻きでも、帯板を入れて前の幅を整えておけば、前から見たときの印象はほとんど変わりません。それでも短い場合は、羽根を作らずに、結び目から両端を垂らす片結びや、結び目を小さくまとめる形に寄せると、短さが目立ちません。
- Q. 兵児帯は大人が着物に合わせてもおかしくないですか
- おかしくありません。浴衣だけでなく、木綿や紬、ウールなどの普段着の着物に合わせる人も増えています。大人らしく見せたいなら、幅を半分に折って、前の幅を8〜12cmほどに整えるのがいちばんの近道です。広げたまま大きな羽根を作ると、子どもの浴衣の印象に近づくので、秋の着物では羽根を小さめにまとめてください。
- Q. 兵児帯は幅を広げたまま使うのと、折って使うのと、どちらがいいですか
- 帯の素材と、合わせる着物で決めてください。透けるような薄い素材や柔らかいちりめんなら、広げたまま巻いても体に沿うので、ふんわりとした形になります。張りのある素材は、広げたまま巻くと胴回りが膨らんで見えるので、半分に折って使うほうがすっきりします。秋の木綿や紬の着物に合わせるなら、どちらの素材でも半分に折ったほうが着物の質感と釣り合います。
— メグラシ編集部





