お通夜の服装カジュアル|冬の上着がダウンだけの日は脱ぐ場所で分ける

**手持ちの冬の上着がダウンや明るい色しか無い日のお通夜は、上着をどこで脱ぐかで用意が逆になります。**建物の入口で脱げる斎場なら、上着はほぼ見られません。整えるのは上着の中です。焼香の列が外に並ぶ会場や、自宅・寺で室内も寒い会場なら、上着を着たまま見られます。整えるのは上着そのものです。
斎場の人は、濃い無地のニットと濃いボトムを用意して、上着は「黒・紺・濃い灰で、光らない」ものを選べば足ります。外に並ぶ会場の人は、上着の光沢と毛皮、ロゴを外せるかで決めます。自宅や寺の人は、着たままでいることと、靴を脱ぐことを前提に、脱ぎやすい靴と穴の無い靴下を先に確かめてください。
会場が分からない日は、着たまま見られる前提で選びます。そうしておけば、どの会場でも外れません。
喪服で行くか平服で行くかそのものはお通夜の服装|喪服か地味な平服か、立場と知らせからの時間で決めるにまとめています。この記事は、平服で行くと決めた人が、冬の上着とカジュアルな手持ちで迷うところだけを扱います。
先に会場を確かめる|上着が見られる時間は3通り
お通夜の会場は、大きく3つに分かれます。上着が人に見られる時間が、それぞれまったく違います。
| 会場 | 上着を脱ぐ場所 | 上着が見られる時間 | 整える場所 |
|---|---|---|---|
| 斎場(建物の中で受付・焼香) | 建物の入口 | 入口までの数分 | 上着の中 |
| 焼香の列が屋外に並ぶ会場 | 焼香の直前か、脱がない | 列に並ぶ間ずっと | 上着そのもの |
| 自宅・寺(室内が寒い) | 脱がないことが多い | 滞在の間ずっと | 上着と靴下 |
知らせに会場の名前があれば、その名前で場所を調べて、建物の中で焼香するかを確かめてください。参列者が多いと見込まれるお通夜では、斎場でも列が建物の外まで伸びることがあります。故人が広く知られた人や、会社関係の参列が多いときは、外に並ぶ側として準備しておくほうが安全です。
斎場の場合|上着より、中に着るものを整える
斎場では、上着は建物に入る前に脱いで腕にかけるのがならわしです。受付から焼香、通夜ぶるまいまで、人に見られるのは上着の中の服になります。
だから斎場に行く日は、上着選びに時間をかけすぎないでください。上着は次の3つを満たしていれば十分です。
- 色が黒・紺・濃い灰のどれか
- 表面が光らない
- 毛皮やファーの縁取り、大きなロゴが無いか、外せる
この3つを満たすダウンなら、そのまま着て行って構いません。脱いだあとは、小さくたたんで手に持つか、会場のクロークや椅子の背に預けます。
その分、中に着る服を整えてください。次の項目で、カジュアルな手持ちから選ぶ方法を書きます。
中に着るニット|編み目と首の形で選ぶ
カジュアルな手持ちしか無い人の多くは、上半身をニットで整えることになります。ニットは、近くで見たときに普段着に見えるかどうかが分かれます。
選んでよいニット
- 黒・紺・濃い灰の無地
- 編み目が細かく、表面が平ら(指でなでて、凹凸をほとんど感じない)
- 首が詰まった丸首か、浅いV
避けるニット
- 太い縄編みや、編み目で模様を作ったもの
- 毛足が長く、ふわふわと表面が立つもの
- 首元が大きく開いて、鎖骨の下まで見えるもの
薄手のタートルネックは、黒や紺の無地なら使えます。首が隠れて落ち着いて見えるので、首元の開いたニットしか無い人は、中に1枚重ねる手もあります。
ニットが1枚しか無いときは、上に黒いカーディガンを重ねて前を閉じてください。表面の編み目が隠れ、きちんとした印象が増します。
下に着るもの|濃い色のパンツかスカートで足りる
下は、黒・紺・濃い灰の無地なら、パンツでもスカートでも構いません。カジュアルな手持ちで選ぶなら、次の順で見てください。
- 色が濃く、無地であること
- 表面が光らないこと
- 膝が隠れる丈であること(スカートの場合)
濃い色のジーンズしか無い人は少なくありません。色落ちや縫い目の色が目立つものは避け、裾までほぼ一色に見える濃いものなら、急な知らせのお通夜で目立つことはまずありません。ただし遺族や近い親族の立場で行くなら、ジーンズは避けて、濃い色の綿や化繊のパンツにしてください。
焼香の列が外に並ぶ場合|上着そのものを見られる前提で
参列者が多いと、焼香の列が建物の外まで伸びます。冬は外で長く待つので、上着を着たまま並び、焼香の直前に脱ぐか、着たまま焼香することになります。
このとき見られるのは上着です。斎場の場合より厳しく、次の4つを確かめてください。
- 色:黒・紺・濃い灰。茶やベージュ、明るい灰は、列の中で目立つ
- 光沢:表面が光らないか(確かめ方は次の項目)
- 毛皮・フード:毛皮の縁取りは外す。フードが外せるなら外して行く
- ロゴ・反射材:大きなロゴや、白く光る反射材が無いか
明るい色の上着しか無い日は、上着を着ずに、濃い色の重ね着で寒さをしのぐほうが落ち着きます。ニットの上に厚手のカーディガン、その下に薄い保温の肌着を2枚。首にかける濃い色の無地のマフラーがあれば、列の間だけ巻いて、焼香の前に外します。
ダウンの光沢を確かめる|スマホのライトを30センチ離して当てる
ダウンや中綿の上着は、表面がなめらかなものほど光ります。光るかどうかは、昼間の部屋では分かりにくいので、ライトを当てて確かめます。
部屋を少し暗くして、スマホのライトを上着から30センチ離して当ててください。
- 白い筋や点がはっきり出る:光る上着。外に並ぶ会場では避ける
- ぼんやり明るくなるだけ:光らない上着。どの会場でも使える
斎場の場合は、光る上着でも入口で脱ぐので、大きな問題にはなりません。迷う日は、光らない側を選んでおけば外れません。
毛皮とフード|外せるものは外して行く
お通夜では、動物の毛皮は殺生を連想させるとして避けられてきました。毛皮に見える化繊の縁取りも、遠目には区別がつかないので、同じように扱います。
フードの縁に毛皮が付いている上着は、縁取りかフードごと外せるか、家を出る前に確かめてください。外せないなら、フードを内側に折り込むか、その上着はやめて重ね着にします。
フードそのものは、無地で目立たなければ付けたままでも構いません。ただ、焼香のときに背中で大きく見えるので、外せるなら外しておくと落ち着きます。
自宅・寺の場合|着たままと、靴を脱ぐことを前提に
自宅や寺でのお通夜は、部屋が広く、暖房が行き届かないことがあります。周りの人も上着を着たままでいることが多く、脱ぐかどうかはその場の様子で決まります。
この会場では、上着は外に並ぶ場合と同じ基準で選んでください。そのうえで、次の2つを足します。
- 靴を脱ぐ:玄関で靴を脱ぐので、脱ぎやすい靴を選ぶ。紐を何度も結び直す靴やひざ下まであるブーツは、玄関で時間がかかる
- 靴下とタイツ:脱いだあとは足元がずっと見える。黒か濃い色で、穴やほつれ、柄が無いか確かめる
畳に座る会場では、スカートの丈が膝より短いと座りにくくなります。パンツで行くか、膝がしっかり隠れるスカートを選んでください。
靴とバッグ|カジュアルな手持ちで足元を整える
靴は黒の革か、黒一色のものが基本です。スニーカーしか無いなら、黒一色で、白い靴底や反射材の少ないものを選びます。靴底が白いものは、黒い靴下と濃いボトムで足元全体の色をそろえると、白い面が目立ちにくくなります。
ブーツは、斎場なら黒の無地で飾りの少ないものなら構いません。自宅や寺では靴を脱ぐので、脱ぎやすいショートブーツまでにしてください。
バッグは、黒や濃い色の布か革で、光る金具や大きなロゴが無いもの。布の手提げしか無い人は、黒の無地のものを選び、中身が透けないかを確かめます。香典を出すときに中を探さなくて済むよう、袱紗や数珠は取り出しやすい場所に入れておきます。
会場が分からない日|着たまま見られる前提で選ぶ
知らせに会場が書かれていない、調べても建物の中で焼香するか分からない。そういう日は、いちばん厳しい側に合わせます。
- 上着:手持ちの中で一番濃く、光らないもの。毛皮やフードは外す
- 中:濃い無地のニットと、濃いボトム
- 靴:脱ぎやすいもの。靴下かタイツは穴の無い濃い色
これで、斎場でも、外に並ぶ会場でも、自宅でも外れません。知らせをくれた人に一言だけ聞けるなら、「服装はどうしたら」より「場所はどちらですか」と聞くほうが、ここまでの判断がすぐに決まります。
どちらとも取れる場合|上着が中途半端に濃いとき
いちばん迷うのは、上着がこげ茶や暗い緑、濃いえんじなど、黒ではないけれど明るくもない色のときです。
この場合は、会場で分けます。斎場で入口で脱げるなら、そのまま着て行って構いません。外に並ぶ会場や自宅・寺なら、手持ちの中で黒に近いほうを選びます。白い紙の上に上着を置いて、「黒」「紺」「濃い灰」と言い切れるなら着て行き、「茶」「緑」と言いたくなるなら重ね着に切り替えてください。
また、上着が濃くても丈が短く、寒くて中のニットが見える日もあります。その場合は、ニットのほうを優先して整えると、上着の丈は気にならなくなります。
前の晩にそろえる一式
お通夜の知らせは急に来ます。冬のあいだは、次の一式だけ前もって確かめておくと、当日に迷いません。
- 黒・紺・濃い灰の無地で、編み目の細かいニット1枚
- 濃い色の無地のパンツかスカート1本
- 光らない濃い色の上着1着(毛皮やフードが外せるもの)
- 黒い靴下と、穴の無い黒いタイツ
- 黒一色の靴と、光る金具の無いバッグ
これがそろっていれば、喪服が無くても、カジュアルな手持ちだけで冬のお通夜に向かえます。喪服を持たない人の考え方は喪服が入らない場合に、香典を渡す日の手まわりはお通夜で香典を渡す日の服装に書いています。
まとめ|上着を脱ぐ場所が決まれば、整える場所も決まる
カジュアルな手持ちで冬のお通夜に向かうとき、全部を一度に整えようとすると、どれも中途半端になります。先に会場を確かめて、上着を脱ぐ場所を見てください。斎場なら中を、外に並ぶ会場や自宅なら上着を。分からなければ、着たまま見られる前提で。整える場所をひとつに絞れば、手持ちの中で足ります。
よくある問い
- Q. お通夜にダウンジャケットで行っても失礼になりませんか
- 色が黒・紺・濃い灰で、表面が光らず、毛皮の縁取りや大きなロゴが外せるなら、冬のお通夜の上着として使えます。斎場ではふつう建物の入口で上着を脱ぐので、焼香のときに見られるのは中の服です。気をつけたいのは、焼香の列が外に並ぶ会場や、自宅で室内も寒い会場です。その場合は上着を着たまま見られるので、光沢と色をいっそう厳しく見てください。明るい色のダウンしか無い日は、上着を着ずに濃い色の重ね着で行くほうが落ち着きます。
- Q. 黒いニットしかありません。セーターでお通夜に行けますか
- お通夜は急な知らせで向かう場なので、黒や紺の無地のニットで行く人は少なくありません。編み目が細かく、表面が平らで、首が詰まった丸首か浅いVのものを選んでください。太い縄編みや毛足の長いニットは、近くで見ると普段着の印象が強くなります。ニットが1枚しか無いときは、上に黒いカーディガンを重ねて前を閉じると、表面の編み目が目立ちにくくなります。
- Q. スニーカーしか無い場合はどうすればいいですか
- 黒一色で、白い靴底や反射材の少ないものを選んでください。靴底の白い面が見えるものは、靴墨を塗るより、黒い靴下と濃いボトムで足元全体の色をそろえるほうが目立ちません。自宅や寺の会場では靴を脱ぐので、靴そのものより靴下やタイツのほうが見られます。脱ぐ前提の日は、穴やほつれが無いかを家を出る前に確かめてください。
- Q. 会場が斎場か自宅か、案内に書かれていません
- 分からないときは、上着を着たまま見られる前提で選びます。上着は一番濃くて光らないもの、中は濃い無地、靴は脱ぎやすいもの。これなら斎場でも、列が外に並ぶ会場でも、自宅でも外れません。知らせをくれた人に場所だけ確かめられるなら、服装を聞くより場所を聞くほうが、その後の判断が早くなります。
— メグラシ編集部





