メグラシ
着こなす

お宮参りのママの冬ワンピース|生地は抱っこの擦れと写真の光で選ぶ

メグラシ編集部//読了 20分
冬の神社の境内で、紺のウールジャージーのワンピースを着た女性が祝い着をかけた赤ちゃんを胸の前で抱いている、鎖骨から膝までの姿

冬のお宮参りに着るワンピースで迷っているなら、あなたが最初に見るのは形ではなく生地です。手持ちの1枚を出して、腕の内側で10往復こすり、スマホのライトを斜めから当て、生地をつまんで指の間の厚みを見てください。毛羽が立たず、白い筋が光らず、厚みが2〜4ミリに収まっていれば、その1枚で当日は足ります。

この3つを見るのは、お宮参りのワンピースが「立って鏡で見る服」ではなく「赤ちゃんを抱いて写真に写る服」だからです。抱っこしている間、生地は腕の内側・胸の前・お腹の前で、赤ちゃんの服や祝い着とこすれ続けます。そして写真は、冬の低い日差しと、社殿の中の暗さを補うフラッシュの下で撮られます。形がきれいでも、胸の前に毛羽が浮いていたり、フラッシュで生地が白っぽく光ったりすると、写真の印象はそこで決まってしまいます。

形・丈・色の選び方は、ほかの記事でも扱っています。ここでは手持ちの冬ワンピースを1枚ずつ確かめて、着る・着ない・組み方で補う、のどれにするかを家で決められるようにまとめます。

生地で決める理由|抱っこの日だけに起きる3つのこと

お宮参りの日、ワンピースの生地が試される場面は、普段のお出かけとは違います。起きることは大きく3つです。

1つ目は、擦れです。赤ちゃんを横抱きにすると、片方の腕の内側に頭が乗り、反対の手でお尻を支えます。縦抱きなら、胸の前全体に赤ちゃんの体と服が当たります。そこに祝い着がかかり、祝い着の紐が肩や首の後ろを通ります。祈祷の待ち時間、写真撮影、移動、食事と、抱っこが合計で1時間を超えることも珍しくありません。その間ずっと、同じ場所がこすられ続けます。

2つ目は、光です。冬の境内は、日が低く、光が横から入ります。木の陰から日なたへ出た瞬間に、生地の表面の凹凸や艶が強調されます。社殿の中は暗く、撮影ではフラッシュを使うことも多いので、正面から強い光が当たります。横からの光と正面からの光、どちらでも光り方が穏やかな生地が、写真では落ち着いて見えます。

3つ目は、厚みです。冬なので、ある程度の厚みは欲しいところですが、厚すぎる生地の上に祝い着をかけると、祝い着が体から浮いて見えます。逆に薄すぎると、抱っこ紐やバッグのベルト、赤ちゃんを支える腕の跡が、抱っこを外したあともしわとして残ります。

この3つは、どれも生地で決まります。形を選び直すより、生地を確かめるほうが早く、手持ちの服で答えが出ます。

抱っこでこすれる場所は3か所ある

確かめる前に、どこがこすれるかを自分の抱き方で確認しておきます。普段の抱き方によって、擦れる場所の中心が変わるからです。

横抱きが多い人は、利き腕と反対側の腕の内側、ひじから手首までの間が中心です。赤ちゃんの頭と首がここに乗り、髪や帽子、おくるみの縁が往復します。祝い着をかけると、祝い着の襟元もここに触れます。

縦抱きが多い人は、胸の前、みぞおちから鎖骨の下までが中心です。赤ちゃんの顔や手がここに当たり、よだれや母乳が付きやすい場所でもあります。祝い着の紐を結ぶ位置もここに近いので、紐の結び目が生地を押し付けます。

抱っこ紐を使う人は、肩から脇にかけてと、ウエストのベルトの位置です。肩ベルトの縁がこすれて毛羽が出やすく、ウエストベルトは外したあとに横じわを残します。

自分がどの抱き方をするか、当日の流れで考えてください。神社の駐車場から社殿までは抱っこ紐、祈祷の間は横抱き、写真は祝い着をかけて縦抱きか横抱き、というように場面ごとに変わる人も多いです。その場合は、3か所すべてが試されると考えて確かめます。

擦れの確かめ方|腕の内側で10往復

手持ちのワンピースを裏返さずに、表の生地を見ます。袖の内側、ちょうど赤ちゃんの頭が乗る位置を、自分の反対の手の甲で10往復こすってください。力は、手の甲で机の上のほこりを払う程度で構いません。

こすったあと、生地を明るい窓のほうへ向けて、斜めから見ます。見るのは3つです。

まず、表面が白っぽくなっていないか。毛足のある生地は、こすると毛の向きがそろわなくなり、その部分だけ色が浅く見えます。これが当日、抱っこの位置にだけ現れると、写真で腕の内側がまだらに写ります。

次に、小さな毛玉の芽ができていないか。毛玉はいきなり丸くはならず、最初は表面の繊維がほつれて、ふわっと浮き上がります。指でなでて、引っかかりを感じたら、その生地は1時間の抱っこで毛羽が目に見えるところまで進みます。

最後に、色の付いた繊維が手の甲に付いていないか。濃い色のワンピースから繊維が移るなら、赤ちゃんの白い肌着や祝い着の白い部分にも同じことが起きます。

3つとも出なければ、擦れについては合格です。1つでも出たら、その生地を抱っこの位置に置かない組み方を考えます。具体的な組み方は、後半の「どちらとも取れるとき」でまとめています。

写真の光り方|スマホのライトを斜め45度から

部屋の照明を消して、カーテンを半分閉めてください。社殿の中の暗さに近づけるためです。ワンピースを椅子の背にかけ、スマホのライトを点けて、生地から30センチほど離れた位置で、斜め45度くらいの角度から当てます。

光の当たった部分を、自分の目の高さから見ます。見るのは、白い筋や面が浮き上がるかどうかです。

ポリエステルのサテンやツイル、表面を樹脂で仕上げた生地は、斜めの光を受けると、光の通り道がそのまま白い帯になります。冬の境内の横から入る光でも、社殿の中のフラッシュでも、同じ帯が写ります。抱っこして生地にしわが寄ると、帯は何本にも分かれ、胸の前がざわついて見えます。

次に、ライトを正面から当てます。フラッシュに近い当たり方です。ここで、生地全体がぼんやり明るく見えるか、色がそのまま残るかを見ます。色がそのまま残る生地は、写真でも実物に近い色で写ります。ぼんやり明るくなる生地は、写真で実物より一段浅い色になり、隣の祝い着の色と近づいて境目がぼやけます。

最後に、スマホで1枚撮ってみてください。フラッシュをオンにして、ワンピースを着た人の胸の高さ、1.5メートルほどの距離から撮ります。撮った写真を拡大して、生地の表面が実物と同じように見えるかを確かめます。目で見たときより写真のほうが光っているなら、当日の写真もそう写ります。

厚みの境目|つまんで指の間が何ミリか

生地を二つ折りにせず、1枚の状態で、親指と人差し指でつまみます。つまんだ指の間のすき間を、横から見てください。

2ミリより薄いと感じる生地は、冬のお宮参りには少し頼りないです。抱っこ紐のベルトの跡が残りやすく、赤ちゃんを支える腕の形がそのまましわになります。下に重ねる肌着の線も透けやすくなります。

2〜4ミリの生地は、抱っこの跡が残りにくく、祝い着をかけても体に沿います。冬の神社で上着を脱ぐ場面があっても、このくらいの厚みがあれば、見た目に寒々しくなりません。

4ミリを超える厚手の生地は、ワンピースとしては暖かいのですが、祝い着をかけたときに、祝い着の下で生地がふくらみます。写真で祝い着が赤ちゃんから離れて見え、抱っこしている腕の位置も高く写ります。

厚みはミリで正確に測る必要はありません。手持ちのワンピースを2〜3枚並べて、同じようにつまんで比べれば、どれがいちばん真ん中かはすぐにわかります。真ん中の1枚が、当日の候補です。

冬のワンピースの生地は、3つの試験でこう分かれる

よく手持ちにある冬の生地を、擦れ・光り方・厚みの3つで並べると、おおよそ次のように分かれます。同じ名前の生地でも仕上げで差があるので、最後は手元の1枚で確かめてください。この表は、どこから確かめればいいかの見当をつけるためのものです。

生地擦れ(腕の内側10往復)光り方(斜め45度)厚みの目安
ウールジャージー出にくい穏やか2〜3ミリ
ポンチ素材(化繊の二重編み)出にくいやや光る2〜3ミリ
起毛のポリエステル白っぽくなりやすい穏やか2〜4ミリ
ベロア毛並みで色が変わる向きで変わる2〜3ミリ
細いうねのコーデュロイうねの山が白くなる穏やか3〜4ミリ
圧縮ウール出にくい穏やか3〜5ミリ
裏地付きのジョーゼット出にくい光りにくい1〜2ミリ(裏地込みで2ミリ前後)

表を見て気づくのは、3つの試験のどれでも外れにくい生地は少ない、ということです。たいていの生地は、どれか1つで引っかかります。大事なのは、引っかかった1つを、組み方で補えるかどうかです。

祝い着をかけたとき、生地はどう見えるか

お宮参りの写真の多くは、赤ちゃんに祝い着をかけた状態で撮られます。このとき、ワンピースの生地は祝い着のすぐ後ろに来ます。祝い着は柄が大きく色も鮮やかなので、ワンピースは背景として働きます。

背景として落ち着いて見える生地は、表面に凹凸が少なく、光を均一に返すものです。ウールジャージーや圧縮ウールは、この点で扱いやすい生地です。

コーデュロイのように縦のうねがある生地は、祝い着の柄と重なったとき、写真の中で縦の線が増えます。柄の少ない白い祝い着なら気になりませんが、大きな柄の祝い着と重なると、胸の前がにぎやかに写ります。うねが細ければ目立ちにくいので、手持ちがコーデュロイなら、うねの幅を見てください。1センチの間にうねが5本以上入る細さなら、写真ではほぼ無地に見えます。

ベロアは、祝い着の紐が肩から胸の前を通るとき、紐の下で毛並みが押されて、紐の跡だけ色が変わることがあります。紐を外して祝い着を下ろしたあとの写真で、胸の前に斜めの線が残る、ということが起きます。ベロアを着るなら、紐を結ぶ位置にストールやショールを1枚はさむと、毛並みを守れます。

起毛のポリエステルは、祝い着の裏地(つるっとした生地が多いです)とこすれると、静電気が起きやすい組み合わせです。祝い着を持ち上げたときに、ワンピースの裾が一緒に持ち上がったり、ほこりを吸い寄せたりします。

授乳とおむつ替えの場面で、生地はもう一度試される

お宮参りの日は、祈祷と撮影の合間や、そのあとの食事の席で、授乳やおむつ替えが入ることが多いです。このとき、生地はもう一度試されます。

授乳で前を開けるワンピースの場合、開けた部分の生地が、そのあと閉じたときにしわを残さないかを見ます。厚手の生地は折れ目が付きにくい反面、ボタンやファスナーの周りがふくらんで閉じにくくなることがあります。薄手の生地は、開け閉めを繰り返すうちに、開きの縁がよれて波打ちます。

前の開きがないワンピースなら、授乳のときに裾から持ち上げることになります。このとき、生地が伸びて元に戻るかどうかが問題になります。ウールジャージーやポンチ素材は、持ち上げても元の形に戻りやすい生地です。織物で伸びない生地は、持ち上げた部分にしわが寄り、そのまま写真に写ることがあります。

おむつ替えでは、しゃがんだり、低い台に向かって前かがみになったりします。このとき、膝の上とお尻のあたりに横じわが入ります。厚みが2ミリより薄い生地は、このしわが残りやすいので、食事のあとにもう一度写真を撮る予定があるなら気にしておきたいところです。

母乳やミルクが付いたとき、すぐに目立つかどうかも生地で違います。起毛した生地やベロアは、水分が付くと毛足が寝て、そこだけ色が濃く見えます。ウールジャージーは、少量なら乾くと目立たなくなることが多いです。ハンカチやガーゼを肩にかけておくと、どの生地でも安心です。

静電気と抱っこ紐の相性

冬は空気が乾いているので、静電気が起きやすい季節です。お宮参りの日に静電気で困るのは、ワンピースの裾が脚にまとわりつく、祝い着や赤ちゃんの服にワンピースが吸い付く、ほこりや髪の毛が付いて写真に写る、という3つです。

起きやすいのは、化繊同士の組み合わせです。化繊のワンピースに化繊のタイツ、化繊の抱っこ紐、化繊の裏地のコート、と重なると、歩くたびに静電気がたまります。

手持ちのワンピースが化繊なら、肌に近い側に綿やウールの混ざったものを1枚入れると落ち着きます。タイツを綿混にする、ワンピースの下に綿のペチコートやインナーを着る、といった方法です。抱っこ紐の当たる場所にストールを1枚はさむのも効きます。

ウールのワンピースは静電気が起きにくい生地ですが、コートの裏地が化繊だと、コートを脱ぐときにワンピースが引っ張られることがあります。コートを脱ぐ場面は社殿の前や中なので、脱いだときに裾が持ち上がったままになっていないか、ひと呼吸おいて確かめてください。

どちらとも取れるとき|1つだけ外れた生地の扱い

ここまでの3つの試験で、全部合格する生地は多くありません。たいていは「擦れは大丈夫だが光る」「光らないが毛羽が出る」といった、1つだけ外れる結果になります。そのときどうするかを、外れ方ごとにまとめます。

擦れは合格、でも斜めの光で白く光る

光る面を、写真に写る正面から外す組み方にします。胸の前に祝い着がかかる写真なら、祝い着が光る面を覆うので、それほど目立ちません。目立つのは、祝い着を外したあとの食事の席や、家族だけで撮る写真です。

この場合は、光る生地の上に、光らない生地のカーディガンやジャケットを羽織るのがいちばん簡単です。前を開けて羽織れば、正面から見える面積の半分以上が羽織の生地になります。社殿の中で羽織を脱がない前提なら、ワンピースの光り方はほとんど写りません。

羽織を持っていない、あるいは羽織ると暖かすぎる場合は、撮影のときに立つ位置を工夫します。光る生地は、光源に対して正面に近いほど光り方が穏やかになり、斜めになるほど強く光ります。窓や外の光が横から入る場所では、体を光のほうへ向けて立つと、白い帯が出にくくなります。

光らない、でも腕の内側で毛羽が出る

毛羽が出るのは、腕の内側か胸の前か、どちらか一方に絞れます。自分の抱き方を思い出して、こすれる場所を決めてください。

横抱きが中心なら、腕の内側に何かをはさみます。おくるみやガーゼケットを、赤ちゃんの頭の下に1枚敷く形です。赤ちゃんにとっても頭が安定するので、自然な組み方になります。

縦抱きが中心なら、胸の前にストールを1枚かけます。祝い着をかける前にストールを首から下げておき、紐の結び目がストールの上に来るようにします。ストールは、ワンピースより一段明るい色を選ぶと、顔まわりが明るく写ります。

それでも心配な場合、毛羽が出るのは抱っこの時間に比例するので、抱っこを家族と交代する時間を作るのも一つの方法です。祈祷の待ち時間は祖母や父親に抱いてもらい、写真の時間だけ自分が抱く、と決めておけば、毛羽が目立つところまで進みにくくなります。

擦れも光りも合格、でも厚すぎる

厚手の生地は、上着を薄くすることで全体の厚みを調整します。ワンピース自体が暖かいので、コートを薄手のものに替えるか、コートの代わりにストールで済ませる組み方ができます。

祝い着が浮いて見える問題は、祝い着の紐の結び方で少し和らぎます。紐を結ぶ位置を、いつもより少し高く、鎖骨のすぐ下にすると、祝い着の上端が体に近づき、浮きが目立ちにくくなります。ただ、紐の結び方には地域や家ごとのやり方もあるので、祖母や神社の方の勧め方があればそちらを優先してください。

擦れも光りも合格、でも薄すぎる

薄い生地は、下に重ねるもので厚みを足します。ワンピースの下に、体に沿う薄手の長袖インナーを着る、厚手のタイツを合わせる、といった方法です。抱っこ紐の跡が気になるなら、抱っこ紐を使う時間を短くするか、抱っこ紐を外したあとに手のひらで軽く生地をなでて、跡を伸ばしておきます。

薄い生地は、暖かさの面でも心配が残ります。冬の神社は、社殿の中も外と大きく変わらないことがあるので、脱いでも寒くない重ね方を考えておくと安心です。

ニットのワンピースで迷う

ニットは、編み目の太さで答えが分かれます。編み目が細かく、表面がなめらかなニットは、擦れにも光りにも強く、抱っこの日にも向いています。編み目が太く、表面に凹凸があるニットは、赤ちゃんの爪や祝い着の房、抱っこ紐の金具が編み目に入り込み、糸が引き出されることがあります。

手持ちのニットワンピースで迷ったら、編み目に爪を軽く当てて、引っかかるかどうかを見てください。引っかかるなら、胸の前と腕の内側を別の生地で覆う組み方にします。引っかからないなら、そのまま着られます。

手持ちの2枚で迷う

2枚とも3つの試験で1つずつ外れる、ということもあります。この場合は、外れ方の重さを比べます。補いやすいのは、光り方と厚みです。光り方は羽織で、厚みは上着やインナーで調整できます。補いにくいのは擦れです。毛羽は一度出ると当日中には戻らないので、擦れで外れた1枚より、光り方か厚みで外れた1枚を選ぶほうが、当日の写真は安定します。

家族から別の生地を勧められた

祖母や親戚から「お祝いの日だから、少し艶のある生地のほうが華やかでいい」と勧められることもあります。確かに、艶のある生地は立って並んだ写真では華やかに見えます。迷うのは、自分が確かめた結果と、家族の勧めが分かれたときです。

この場合は、抱っこする時間で分けて考えます。当日、自分が赤ちゃんを抱く時間が長いなら、擦れと光り方の試験を優先してください。抱っこが中心の写真では、艶のある生地は胸の前のしわに沿って光り、華やかさより乱れが先に目に入るからです。祖母が抱く時間が長く、自分は横に立つ写真が多いなら、勧められた艶のある生地でも困ることは少ないです。

もう一つの分け方は、艶を足す場所を変えることです。ワンピースは光らない生地にして、首元のアクセサリーや、バッグ、靴に艶のあるものを選べば、写真全体の華やかさは保てます。艶が胸の前の広い面ではなく、小さな点に分かれるので、抱っこで乱れても目立ちません。家族にもこの理由を伝えると、話がまとまりやすくなります。

決めるのは、当日いちばん長く赤ちゃんを抱く人の都合です。自分が抱くなら、自分の確かめた結果を軸にして構いません。

生地が決まったあとの色の置き方

生地が決まったら、色は手持ちの範囲で決めて構いません。冬のお宮参りでは、紺・グレー・ベージュ・深い緑・ボルドーなどの落ち着いた色を選ぶ方が多いです。どの色も、光らない生地であれば、祝い着の横で背景として働きます。

色を決めるときに生地と関係してくるのは、明るさの差です。明るい色の生地は、毛羽や白っぽい擦れが目立ちにくく、濃い色の生地は目立ちやすくなります。擦れの試験でぎりぎりだった生地は、色が明るいほうを選ぶと、当日の毛羽が気にならない範囲に収まりやすいです。

反対に、光り方は濃い色のほうが目立ちます。白い帯は、背景が濃いほどくっきり見えるからです。光り方の試験でぎりぎりだった生地は、明るい色のほうを選ぶと落ち着きます。

上着と重ねるときの生地の相性

冬のお宮参りでは、移動中はコートを着て、社殿の中や撮影のときに脱ぐことが多いです。このとき、コートとワンピースの生地の組み合わせで、いくつか起きることがあります。

コートの裏地とワンピースがこすれて、ワンピースの表面に毛羽が出ることがあります。特に起毛のワンピースは、裏地のつるっとした面とこすれると、毛足が一方向に寝て、背中やお尻の部分だけ色が変わって見えることがあります。

コートを脱ぎ着するとき、ワンピースの肩が一緒に引っ張られてずれることもあります。ワンピースの生地が柔らかく、コートの裏地がすべりにくいと起きやすいです。脱いだあとに肩の位置を両手で整える習慣をつけておくと、写真で肩が片方だけ落ちている、ということを防げます。

厚手のワンピースに厚手のコートを重ねると、腕を曲げにくくなり、赤ちゃんを抱くときに窮屈です。コートの袖の中でワンピースの袖がたまる感じがあるなら、どちらかを薄くするか、袖の細いワンピースに替えるか、コートをケープ型やポンチョ型にするなどの方法があります。

雨や雪の日の生地と、当日までの手入れ

冷たい雨や雪が降った日

冬のお宮参りは、日程を動かしにくい行事です。赤ちゃんの体調や家族の予定に合わせて決めた日に、冷たい雨や雪が重なることもあります。そういう日は、生地の試験にもう1つ「水を含んだときにどうなるか」が加わります。

ウールジャージーや圧縮ウールは、表面に少し水が付いても、すぐには染み込まず、水滴が玉になって残ることが多い生地です。手で払えば、跡はほとんど残りません。社殿に入る前に、ハンカチで軽く押さえるだけで足ります。

ベロアや起毛の生地は、水が付くと毛足が寝て、その部分だけ濃く見えます。乾くと戻ることが多いのですが、乾くまでに時間がかかるので、雨の日の写真では裾や肩に水玉の跡が写りやすくなります。雨の予報が出ている日は、ベロアや起毛のワンピースを避けるか、丈の長いコートで裾まで覆える組み方にします。

コーデュロイは、水を含むとうねが重くなり、乾くまでの間、うねの山が少し寝て見えます。水が多く付いたときは、乾いたタオルで、うねの向きに沿って押さえると戻りが早くなります。

雪の日は、境内の砂利や石畳が濡れていることが多く、裾に泥はねが付きやすくなります。ふくらはぎより下まで丈のあるワンピースは、歩くたびに裾が濡れた地面に近づくので、雪の日だけは膝下10センチ前後の丈を選ぶと、裾を気にせずに歩けます。

当日までの手入れで、生地の試験結果は変わる

擦れの試験で毛羽がぎりぎりだった生地も、当日までの手入れで、結果が一段よくなることがあります。

まず、着る前に洋服ブラシで、毛並みの向きにそってブラッシングします。毛足のある生地は、ブラシで毛の向きをそろえておくと、擦れたときに白っぽくなるまでの時間が延びます。ウールの生地は、ブラッシングで表面のほこりが落ち、写真でも色がはっきり写ります。

すでに小さな毛玉ができている生地は、毛玉取りで取ってから着ます。毛玉が1つあると、その周りの繊維が引っ張られて、新しい毛羽が出やすくなるからです。毛玉取りを使うときは、生地を平らな台に置いて、強く押し付けずに軽くなでるようにします。

しわが付いている生地は、スチームを当てて伸ばします。アイロンを直接当てると、ウールや起毛の生地は表面がつぶれて光ることがあります。光り方の試験で合格だった生地が、アイロンのあとに光るようになった、ということもあるので、スチームを浮かせて当てるほうが安心です。

クリーニングに出す場合は、当日の1週間前までに戻ってくるように出します。戻ってきたら、袋から出して風を通し、もう一度光り方の試験をしてください。仕上げによっては、クリーニング前より表面に艶が出ていることがあります。

前日にしておく3つの確認

当日の朝は、赤ちゃんの支度で手がいっぱいです。生地に関わる確認は、前日に済ませておきます。

1つ目は、ワンピースを着て、赤ちゃんを抱いてみることです。抱っこ紐を使うなら、抱っこ紐も付けます。5分ほど抱いたまま部屋の中を歩き、そのあと腕の内側と胸の前を窓の光で見ます。毛羽やしわが出ていないかを確かめます。

2つ目は、コートを着て、脱ぐ動作を一度してみることです。脱いだあとに、肩の位置、裾の持ち上がり、静電気のまとわりつきがないかを見ます。

3つ目は、スマホで写真を1枚撮ることです。フラッシュをオンにして、正面から撮ります。目で見た印象と写真の印象が違わないかを確かめます。

この3つで気になる点が出たら、ストールや羽織で補う準備をしておきます。前日なら、手持ちの小物で組み直す時間があります。

確認するときは、できれば当日と同じ時間帯に、同じくらいの明るさの部屋で行ってください。午前中の祈祷なら午前中に、午後の撮影なら午後に。窓から入る光の角度が近いほど、当日の写り方に近い結果が得られます。家族に赤ちゃんを抱いてもらい、自分は少し離れて見る、という役割の入れ替えも役に立ちます。自分で抱いているときは胸の前を上から見下ろすことになり、正面から見たときの毛羽や光り方には気づきにくいからです。

確認の結果は、メモに残しておくと当日の朝に迷いません。「腕の内側にガーゼ」「胸の前にストール」「コートを脱いだら肩を整える」のように、補う方法を短く書いておけば、支度の途中で思い出せます。

生地で迷ったまま当日になったら

どうしても決めきれないまま当日を迎えたら、いちばん擦れに強い1枚を選んでください。光り方と厚みは、当日の場で羽織や立ち位置で調整できますが、擦れによる毛羽は、出てしまうと戻せないからです。

そのうえで、ストールを1枚、バッグに入れて出かけます。ストールは、胸の前の毛羽を覆う、光る面を隠す、薄い生地に暖かさを足す、の3つに使えます。色はワンピースより一段明るいものが、顔まわりを明るく見せてくれます。

当日の写真は、何年もあとに見返すものです。そのときに目に入るのが、赤ちゃんの顔と祝い着の柄であってほしいと考えると、ワンピースは背景として静かにしていてくれるのがいちばんです。生地を確かめるのは、そのための準備です。

関連記事

よくある問い

Q. お宮参りの冬のワンピースは、ニットでもいいですか
編み目が細かく、表面に毛足が出ていないニットなら使えます。確かめるのは、腕の内側で10往復こすったあとに表面が白っぽくなっていないかと、抱っこ紐やバッグの金具に引っかけたときに糸が引き出されないかの2つです。ざっくりした太い編み目のニットは、赤ちゃんの爪や祝い着の房が入り込みやすく、当日の写真で胸の前が乱れて写ることがあります。迷うときは、ニットのワンピースの上に薄手のジャケットを羽織り、抱く場所の生地をジャケット側に任せる組み方にすると、擦れの心配がひとつ減ります。
Q. ベロアのワンピースはお宮参りに向いていますか
色が深く、光をあまり返さないベロアなら、冬の神社で落ち着いて見えます。ただしベロアは毛並みの向きで色が変わって見える生地なので、赤ちゃんを抱いて胸の前の毛並みが乱れると、その部分だけ色が明るく写ることがあります。手持ちのベロアで、胸の前を手のひらで下から上へなでてみて、色の差が目立つかどうかを先に見てください。差が目立つなら、祝い着がかかる位置にストールを1枚置いて、毛並みが乱れる面をそもそも作らない組み方にします。
Q. 産後で体の様子が日ごとに変わるので、当日まで生地を決められません
生地の判断は、サイズより先に決めて構いません。擦れ・光り方・厚みの3つは、体の様子が変わっても結果が変わらないからです。サイズの迷いは、伸びる方向のある生地(ウールジャージーやポンチ素材など)を選ぶことで幅を持たせられます。当日の数日前にもう一度袖を通して、肩と胸の前が楽に動くかだけを見直してください。生地を先に決めておくと、直前に迷うのは1か所で済みます。
Q. 手持ちに黒いワンピースしかありません。冬のお宮参りに着てもいいですか
光らない生地の黒なら、上着や小物で明るさを足して着る方が多いです。黒は生地の差が写真に出にくい色なので、むしろ光り方の確認がしやすい色でもあります。ただ、白い祝い着や明るい色の祝い着と並ぶと、写真の中で黒の面積が大きく見えやすいので、首元か胸元に明るい色を1か所置くと全体がやわらぎます。気になる場合は、両家の祖母の服の色とも合わせて決めてください。

— メグラシ編集部

あわせて読みたい

お宮参り ママ 冬のワンピース|当日の授乳回数で前の開きを決める

着こなす

お宮参り ママ 冬のワンピース|当日の授乳回数で前の開きを決める

冬のお宮参りでママが着るワンピースは、色や丈より先に「家を出てから帰るまでに授乳が何回入るか」で前の開きが決まります。0回・1回・2回以上の3つに分け、鎖骨から何cm開くか、上着と祝い着をどう外すかまで、前の晩に決められる形で書きます。

メグラシ編集部/読了 15分
冬のお宮参りのママの服装は、屋外で待つ合計分数で層の数が決まる|産後の体と両立させる組み方

着こなす

冬のお宮参りのママの服装は、屋外で待つ合計分数で層の数が決まる|産後の体と両立させる組み方

冬のお宮参りは、寒さ対策と産後の体の両方を同時に決めることになります。決め手は屋外で待つ合計分数です。20分・40分・60分の三つの帯で、必要な層の数が変わります。層を厚みではなく枚数で持つ理由、授乳の間隔から前を開ける位置を決める手順、抱っこ紐と上に羽織る一枚がぶつからない順番、社務所と屋外を往復する日の脱ぎ方、ウエストの段が出ない座り方までまとめました。

メグラシ編集部/読了 11分
お宮参りの母親のワンピース|1枚で足りるかは、肩から膝までの横線が1本あるかで決まる

着こなす

お宮参りの母親のワンピース|1枚で足りるかは、肩から膝までの横線が1本あるかで決まる

お宮参りに母親がワンピースを選ぶとき、迷うのは形よりも「1枚のままで足りるのか」です。ワンピースは肩から膝までが1つの面になるため、線が0本だと普段着の並びに見え、2本以上だと落ち着きません。線の数え方、足りないときに足す3か所、抱いたまま動けるかを袖口の周径で見る手順、秋の羽織りを脱ぐ2回の場面、授乳の予定があるときの前開き以外の手だてまで、当日の朝に決められる形にまとめました。

メグラシ編集部/読了 8分
七五三 母親の服装|しゃがむ・抱っこ・石段の日は裾と背中で選ぶ

着こなす

七五三 母親の服装|しゃがむ・抱っこ・石段の日は裾と背中で選ぶ

七五三の母親の服装は、写真の1枚より、参拝の前後に何回しゃがみ、何回子どもを抱き上げ、何段の石段を上り下りするかで決まります。裾・背中・腕・足元の4か所を家で試して選ぶ方法と、スカートかパンツか迷うときの決め方をまとめました。秋の境内の冷え対策も。

メグラシ編集部/読了 14分
入学式 ママの服装|基準の一式と、学校別・年代別に変える5か所

着こなす

入学式 ママの服装|基準の一式と、学校別・年代別に変える5か所

入学式のママの服装は、濃い色か澄んだ淡い色のスーツかワンピース+ジャケットが基準。小学校から大学・幼稚園までの違い、卒業式との色の差、年代別、手持ちで揃える手順、いつまでに何を決めるかまで。

メグラシ編集部/読了 15分
オフィスカジュアル レディース|オンライン会議の日は胸から上で選ぶ

着こなす

オフィスカジュアル レディース|オンライン会議の日は胸から上で選ぶ

オンライン会議に出る日のオフィスカジュアルは、画面に映る胸から上の3か所で決まります。首元の開き、背景の壁との明るさの差、柄の細かさを、自分のカメラと部屋で測って選ぶ方法をまとめました。秋冬のニットで起きやすい失敗と、出社と在宅が同じ日に混ざるときの決め方も。

メグラシ編集部/読了 13分

"似合う"の輪郭が見えたら、
次は実際に試してみる段階かもしれません。

スタイリストがあなたの骨格・好みをヒアリング、季節に合わせたコーデを毎月お届けします。

まずは無料で試してみる

月額制 / 自宅で試着 / 返却時のクリーニング不要 / 送料込