授乳服が使いにくい理由|授乳口の高さと、秋の重ね着で塞がる場所

**授乳服が使いにくいと感じるとき、原因はたいてい3か所のどれかです。**授乳口の高さが今の胸の位置と合っていない、開いた布がうまく戻らない、秋に重ねた一枚が口の前を塞いでいる。服の良し悪しより、この3つのほうが先に効きます。
いま手元の授乳服を着て、鏡の前に立ってみてください。授乳口の下端は、胸のいちばん高い位置から下へ何cmのところにありますか。0〜3cmなら口の位置は合っています。それより上にずれていれば、使いにくさの理由はそこです。
授乳服がそもそも必要かどうかは授乳服は必要か|要る場面と普通の服で足りる場面にまとめてあります。この記事は、すでに持っている一枚を使える側に戻す話です。
結論:使いにくさは3か所のどれかで起きている
| 起きていること | 見る場所 | 自分で測る方法 |
|---|---|---|
| 口を開けても布が赤ちゃんに当たる | 授乳口の高さ | 口の下端と、胸のいちばん高い位置の差 |
| 開けるのに両手が要る・閉じても戻らない | 布の戻り | 片手で開けて閉じるまでの秒数 |
| 秋になって急に開けにくくなった | 重ね着 | 口の前に重なっている布の枚数 |
3つのうち1つだけなら、手持ちのまま直せることがほとんどです。2つ以上重なっているときは、その服を「口を使わない一枚」に回して、次の一枚を選ぶときの見方を変えます。
まず、どこで使いにくいかを書き出す
同じ授乳服でも、家の中では困らず、外に出ると急に使いにくくなることがあります。使いにくさは服ではなく、場面の側に出ていることが多いからです。
一日の授乳を思い出して、場所を3つに分けてみてください。家の中、外出先の授乳室、授乳室のない場所。それぞれで「使いにくい」と感じたかどうかに印をつけます。
家の中で困っていないなら、服の位置も戻りも問題はありません。外でだけ困るなら、重ね着か、周りの目を気にして動きがぎこちなくなっているかのどちらかです。3つの場所すべてで困っているときだけ、服そのものを見直します。
原因①|授乳口の高さが今の体と合っていない
授乳服の口は、買ったときの体に合わせて選ばれています。ところが授乳期のあいだに、胸まわりの大きさや位置は変わることがあります。妊娠中に先に買っておいた一枚や、産後すぐに選んだ一枚ほど、ずれが出やすくなります。
確かめ方は1分で済みます。授乳服を着て、下着も普段どおりにつけて立ちます。口の下端を指で押さえ、その指が胸のいちばん高い位置から下へ何cmにあるかを見ます。
- 0〜3cm下……位置は合っている。使いにくさの原因は別の2か所
- 胸の高さより上……口を開けても下の布が残り、赤ちゃんの顔に当たる
- 5cm以上下……開けたときに下から肌が出る面積が広くなる
上にずれている服は、下着の側で高さを合わせられることがあります。授乳用の下着の留め具の位置を一段変えるだけで、2cm前後動くことがあるからです。それでも合わないときは、無理に口を使わず、めくり上げて使う一枚として割り切ってください。
原因②|開いた布が戻らない、開けるのに両手が要る
授乳は片手がふさがった状態で始まります。**片手で開けて、片手で閉じられるか。**使いやすさはここでほぼ決まります。
赤ちゃんを抱く代わりにクッションを片腕に抱えて、もう一方の手だけで口を開け、閉じてみてください。開けるのに3秒、閉じるのに3秒以内なら問題ありません。それ以上かかる服は、授乳のたびに小さなストレスが溜まっていきます。
時間がかかる原因は、たいてい次のどれかです。
- 重ね布の重なりが深く、開ける前に布をめくる動きが1回増える
- 素材が伸びきっていて、閉じたあと元の位置に戻らない
- ファスナーの引き手が小さく、指で探す時間がかかる
伸びて戻らない布は、洗ったあとに平らに置いて乾かすと、ある程度落ち着きます。吊るして乾かすと、濡れた重さで口のまわりがさらに下がるからです。
原因③|秋の重ね着が口の前を塞いでいる
夏のあいだは問題なく使えていたのに、9月の終わりから急に使いにくくなった。この場合は、ほぼ重ね着が原因です。
授乳口の前に、いま何枚の布が重なっているかを数えてください。授乳服そのものを1枚目として、上に着たカーディガン、ベスト、ストール。口の前に来るのは2枚までが目安です。3枚目があると、どれか1枚が口の前に落ちてきて、片手では開けられなくなります。
特に気をつけたいのはベストです。ベストの袖ぐりが深いと、ちょうど脇から口の横にかけてを押さえる形になり、口が開いても布が横に広がりません。授乳の日は前開きのベストを選ぶか、外して出かけるほうが楽です。
授乳口の形ごとに、使いにくくなる条件が違う
授乳口の形は大きく4つあります。どれが優れているかではなく、どんな条件で使いにくくなるかが違います。
| 形 | 使いにくくなる条件 | 秋に気をつけること |
|---|---|---|
| 重ね布をずらす形 | 重なりが深すぎる/布が伸びた | 上に羽織ると重ね布が押さえられる |
| 縦の切れ目 | 切れ目の長さが短い | 下に着るインナーの位置がずれやすい |
| ファスナー | 引き手が小さい・位置が見えにくい | 厚手の羽織りでファスナーが見えなくなる |
| めくり上げる形 | 前の丈が短く、腰まわりの肌が出る | 下に重ねる肌着を長めにすれば秋も使える |
秋に使いやすいのは、羽織りの影響を受けにくい縦の切れ目と、下に長めの肌着を重ねられるめくり上げの形です。重ね布の形は、上に何も羽織らない日に回すと使いにくさが減ります。
秋の重ね方|口の前は2枚、3枚目は前を開ける
秋の授乳の日は、重ね方を最初から決めてしまうと迷いません。
- 1枚目……授乳服、または前開きのシャツやワンピース
- 2枚目……前がボタンで開くカーディガンか、薄手のシャツ。前は留めても留めなくてもよい
- 3枚目……上着やストールは、前を閉めずに羽織る
3枚目の前を閉めないのがポイントです。閉めてしまうと、授乳のたびに上から順に開けていくことになり、手順が3つ増えます。寒い日は、前を閉める代わりに首元にストールを1周だけ巻いてください。首元で温度を調整すれば、口の前の枚数を増やさずに済みます。
羽織りは、前の開きがどこから始まるかで選ぶ
同じカーディガンでも、ボタンの一番上が鎖骨の下にあるものと、胸の下から始まるものでは使い勝手が変わります。一番上のボタンが胸のいちばん高い位置より上にあるものを選んでください。口を使うときに、上の2つを外すだけで済みます。
胸の下からボタンが始まる形は、見た目は軽やかですが、授乳のたびに下のボタンまで外すか、全体を横に大きくずらすことになります。授乳期の秋に新しく羽織りを足すなら、前の開きの始まる位置を最初に見てください。
手持ちの授乳服で、直せること
新しく買わなくても、次の3つで使いにくさが減ることがあります。
- 下着の高さを変える……留め具の位置を一段変えると、口と胸の位置が2cm前後そろうことがある
- 乾かし方を変える……平らに置いて乾かすと、口のまわりの布が伸びにくい
- 重ねるものを替える……ベストを前開きのカーディガンに替えるだけで、口の前が1枚減る
3つとも試して、それでも片手で3秒以内に開かないなら、その一枚は家の中で口を使わずに着る服に回して構いません。役目を変えるだけで、手放す必要はありません。
どちらとも取れるとき①|授乳服より、普通の前開きのほうが楽に感じる
これはよくあることです。家の中の授乳なら、ボタンを2つ外せば済む前開きのシャツのほうが動きが少なく、口の位置がずれる心配もありません。
迷ったら、外出先で肌が出る面積を小さくしたいかどうかで分けてください。小さくしたい日は授乳服、気にならない日や家の中は前開き。どちらか一方にそろえなくていいのです。授乳服を「外の日の一枚」と決めると、使いにくいと感じる場面そのものが減ります。
どちらとも取れるとき②|家では楽なのに、外に出ると使いにくい
家で問題なく使えているなら、服の位置も戻りも合っています。外で使いにくいのは、重ね着が増えているか、周りの目を気にして動きが小さくなっているかのどちらかです。
外出の日だけ、口の前の枚数を数え直してください。家では1枚だったのが、外では3枚になっていることがよくあります。3枚目の前を開けて出かけるだけで、ほとんどの場合は解決します。
周りの目が気になるときは、大判のストールを1枚持っておくと、授乳のあいだ胸の前にかけられます。ストールは首元の温度調整にも使えるので、秋の外出では役目が2つになります。
どちらとも取れるとき③|授乳の回数が減ってきた
授乳が1日に1〜2回、しかも家の中だけになったら、授乳服を新しく足す必要はほとんどありません。手持ちの授乳服は、口を使わない普通の服として着続けて構いません。
このとき残すかどうかは、外から口の縫い目が見えるかどうかで分けます。縫い目や重ね布の段差が外からほとんど見えない一枚は、授乳期が終わっても普通の服として使えます。段差がはっきり見える一枚は、授乳期の終わりとともに手放す候補です。
次に選ぶときに、平置きで見る4か所
次の一枚を選ぶときは、着る前に平らに置いて4か所を見てください。
- 口の下端の位置……肩の縫い目から何cm下か。今の自分の肩から胸のいちばん高い位置までの長さと比べる
- 口の長さ……縦の切れ目なら、手のひらの縦の長さより長いか
- 重ね布の深さ……重なりが指3本分を超えると、開ける動きが1回増える
- 外から見た縫い目……授乳期のあとも普通の服として着たいなら、縫い目が表に出ていないか
1番を測るために、事前に自分の肩の縫い目の位置から胸のいちばん高い位置までをメジャーで測っておくと、通販でも同じ判断ができます。
よくある行き違い
**「授乳服なら、どれでも授乳しやすい」。**授乳服は口の位置が決まっているぶん、体と合わないと普通の服より使いにくくなります。使いやすさは形ではなく、今の体との位置関係で決まります。
**「秋は上に何枚着ても同じ」。**口の前に重なる枚数が3枚を超えると、開ける手順が一気に増えます。枚数を増やすなら、口の前ではなく首元で調整してください。
**「使いにくい授乳服は失敗だった」。**口を使わない普通の服として着られるなら、失敗ではありません。役目を変えて着続ければ、その一枚の働きは残ります。
装いに活かすなら
秋は、授乳服の使いにくさがいちばん表に出る季節です。重ね着が始まり、口の前に布が増えるからです。
今週、授乳服を着た日に一度だけ、口の前の枚数を数えてください。2枚なら今のままで大丈夫です。3枚なら、いちばん外側の前を開けて出かける。それだけで、朝の身支度と外での授乳が少し軽くなります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 授乳服を買ったのに、結局めくって授乳しています。授乳服が合っていないのでしょうか
- 服が悪いとは限りません。まず授乳口の下端がどこに来ているかを見てください。着て立ったとき、胸のいちばん高い位置から下へ0〜3cmのところに口の下端があれば、位置は合っています。それより上にあると、口を開けても布の縁が赤ちゃんの顔に当たり、結局めくる動きになります。買ったのが妊娠中や産後すぐだった場合、胸まわりの大きさが変わってずれていることがあります。位置がずれている服は、無理に口を使わず、めくり上げ用の一枚として割り切って構いません。
- Q. 秋になって羽織りを着るようになったら、急に授乳しにくくなりました
- 重ね着で授乳口の前に布が3枚以上重なっていないかを数えてください。授乳服、その上のカーディガン、さらにベストやストールと重なると、どれか1枚が口の前に落ちてきて、片手では開けられなくなります。口の前に来るのは2枚まで、3枚目は前を閉めずに羽織るものにする、と決めると動きが戻ります。ベストは袖ぐりの位置によっては口の横を押さえるので、授乳の日は外すか、前開きのものに替えてください。
- Q. 授乳服と普通の前開きシャツ、どちらが使いやすいですか
- 家の中で授乳することが多いなら、普通の前開きシャツのほうが楽に感じる人は少なくありません。ボタンを2つ外せば済み、授乳口のように位置がずれることもないからです。一方、外出先で肌が出る面積を小さくしたい日は、重ね布のある授乳服のほうが向いています。どちらか一方にそろえるより、家の日は前開き、外の日は授乳服と、場面で分けるほうが結果的に使いにくさが減ります。
- Q. 授乳の回数が減ってきました。授乳服はもう要りませんか
- 授乳が1日に1〜2回、しかも家の中だけになったら、授乳服を新しく足す必要はほとんどありません。手持ちの授乳服は、口を使わない普通の服として着て構いません。外から縫い目が見えにくいものなら、授乳期が終わってからも通常の服として残せます。反対に、口の縫い目や重ね布の段差が外から見えるものは、授乳期の終わりとともに手放す候補になります。
— メグラシ編集部





