お宮参り ママ 冬ワンピース|黒が法事に見えない境目と色の選び方

**冬のお宮参りに、黒のワンピースを着ていって大丈夫です。**ただし、黒い靴、黒いタイツ、黒いバッグまでそろえて、首元に何も置かないなら、それは法事の装いとほとんど同じ形になります。
迷っているのが「黒という色」なのか「黒でそろった全身」なのかを分けると、答えはすぐ出ます。色そのものは問題ありません。問題になるのは、黒の面積と、顔のまわりの暗さと、小物の黒が3つそろったときだけです。
この記事は色だけに絞っています。産後の体に合うサイズや切り替えの位置はお宮参り ママ 冬ワンピース|産後の体はサイズと切り替え位置で選ぶに、ワンピース1枚で足りるかどうかはお宮参りの母親のワンピースに分けてあります。
結論:黒は着てよい。法事に見えるのは3つがそろったとき
黒が祝いの席で避けられてきたのは、喪の装いを連想させるからです。喪の装いの特徴は、全身が黒で統一されていること、光るものや明るいものを身につけないこと、肌の見える面積が少ないことの3つです。
裏を返すと、この3つのどれか1つでも外れていれば、黒のワンピースは喪の装いには見えません。冬のお宮参りでは、どうしても3つ目の「肌が見えない」は満たしてしまいます。寒い時期なので、袖は長く、脚はタイツで覆い、首元も詰まりがちだからです。
だから冬は、残りの2つで外すことになります。黒の面積を減らすか、顔のまわりに明るいものを置くか。両方できればいちばん確実ですが、どちらか1つでも、見る人の印象はかなり変わります。
判断に迷ったら、次の順で考えてください。まずワンピースの色を決める。次に、首元に何を置くかを決める。最後に、靴とバッグとタイツのうち、どれを黒以外にするかを決める。この順にすると、当日の朝に全身が黒でそろってしまう失敗が起きにくくなります。
鏡の前で確かめる3つの点
着てみて、全身が映る鏡の前で次の3つを見てください。写真に撮って見るほうが、客観的に分かります。
1つ目は、黒が全身の何割を占めているかです。頭のてっぺんから足先までを10とすると、髪を除いて黒がどれくらいあるかを目で数えます。ワンピースが膝下丈なら、それだけで全身の5割ほどになります。そこに黒いタイツと黒い靴が加わると、7割を超えます。
2つ目は、顔から30cm以内に明るいものがあるかです。顎の下から胸のあたりまでの範囲に、白や淡い色、光を返すものが1つでもあるかを見ます。パールのネックレス、白い襟、明るい色のストール、淡い色の羽織りの襟、どれでも構いません。
3つ目は、黒以外の色が小物に入っているかです。靴、バッグ、タイツの3つのうち、黒でないものがいくつあるかを数えます。
この3つが「7割を超える」「明るいものがない」「小物が全部黒」となったときが、法事に見える形です。1つでも外れていれば、祝いの席の黒として通ります。
境目を数字で置く:黒7割と、顔から30cm
なぜ7割なのか。黒の面積が半分程度なら、残りの半分が別の色で埋まっているので、見る人は「黒い服を着た人」として受け取ります。7割を超えると、別の色の部分が細切れになり、「黒い人」として受け取られます。喪の印象が出るのは後者です。
顔から30cmという距離は、人と向き合って話すときに、相手の視線が自然に止まる範囲です。お宮参りでは、祖父母や神職の方と挨拶を交わす場面が何度もあります。そのとき目に入る範囲に明るいものがあれば、全身の黒の印象は薄れます。
この2つの数字は、片方だけでも効きます。たとえば、黒のワンピースに黒のタイツと黒の靴で、黒が8割あったとしても、首元にパールがあり、淡いグレーの羽織りを重ねていれば、法事には見えません。反対に、首元に何もなくても、ベージュの靴とグレージュのバッグで黒を6割に抑えていれば、祝いの席の装いとして受け取られます。
測り方は簡単です。鏡の前に立って、スマートフォンで全身を撮り、画面の上で黒の部分を指で隠してみてください。隠した部分が画面の半分を大きく超えるなら、黒の面積を減らす側に手を入れます。
黒のワンピースを祝いの側に寄せる3か所
手持ちの黒のワンピースを着ていくと決めたら、手を入れる場所は首元・袖口・足元の3か所です。
首元には、明るいものを1つ置きます。いちばん簡単なのはパールのネックレスです。一連で鎖骨にかかる長さのものなら、詰まった襟のワンピースでも襟の外側に乗って見えます。パールが喪の装いを連想させるのが気になる場合は、二連にするか、少し長めにして胸元まで下ろすと、祝いの側の印象になります。白い付け襟や、淡い色のスカーフを小さく結ぶ方法もあります。
袖口は、羽織りを重ねたときに見える部分です。黒のワンピースの上に淡いグレーやアイボリーのカーディガンやジャケットを重ねると、袖口から手首にかけての黒が消えます。羽織りを着たまま過ごす前提なら、黒の面積はここで一気に3割ほどまで下がります。
足元は、タイツと靴の組み合わせです。黒のタイツに黒の靴だと、ワンピースの裾から下が黒の柱になります。どちらか片方を変えるだけで、この柱は切れます。タイツを肌に近い色にするか、靴をグレージュやベージュ、明るい茶にするか。冬の神社は足元が冷えるので、タイツの厚みを優先したい方は、靴の側を変えるのが無理のない方法です。
3か所すべてに手を入れる必要はありません。首元に1つ、足元で1つ。この2か所だけで、多くの場合は十分です。
冬は黒が増えやすい:上着・タイツ・ブーツ
秋のお宮参りなら黒のワンピースだけで済んでいたのに、冬になると急に法事のように見えてしまう。そう感じる方が多いのは、冬は黒の面積が自然に増えるからです。
まず上着です。冬のコートは黒や濃紺が多く、ワンピースの上に重ねると全身の黒がさらに広がります。境内で待つ間はコートを着ているので、写真の何枚かはコート姿で残ります。
次にタイツです。寒さを考えると、厚手の黒いタイツを選びたくなります。厚手のタイツは透けないぶん、黒の面積としてそのまま数えられます。
そしてブーツです。冬の足元を考えてブーツを選ぶと、黒の革であることが多く、タイツと合わせて膝から下がすべて黒になります。
この3つが重なると、黒のワンピースでなくても、紺やチャコールのワンピースでも全身が暗く沈みます。冬のお宮参りで色を考えるときは、ワンピース単体ではなく、上着と足元を含めた全身で数えてください。
上着については、社殿に上がる前に脱ぐかどうかでも変わります。上着を脱ぐ場面の考え方は冬のお宮参りのママの服装で、外で待つ時間から組み立てています。
紺・チャコール・グレージュとの分かれ目
黒以外の色を選ぶなら、冬のお宮参りで候補になるのは紺、チャコール、グレージュ、そして深い緑や深い紫のような暗めの色です。それぞれの性格を、黒と比べて並べます。
| 色 | 室内での見え方 | 祝い着と並んだとき | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 黒 | 輪郭がはっきりする | 祝い着の色が強く浮く | 小物まで黒でそろえない |
| 紺 | 青みが残り顔が明るく見える | 青や紫の祝い着となじむ | 黒に近い濃紺は黒と同じ扱い |
| チャコール | 柔らかく落ち着く | 赤や朱の祝い着を受け止める | 濃いものは写真で黒に寄る |
| グレージュ | 明るく軽い | 祝い着の淡い色と混ざりやすい | 白っぽく写ると主役と競う |
| 深い緑・紫 | 色味が残る | 祝い着の柄と重なることがある | 祝い着の地色と同系は避ける |
この表で見てほしいのは、どの色が正解かではなく、どの色がどの条件で困るかです。黒は小物の黒と重なると困る。紺とチャコールは濃すぎると黒と同じになる。グレージュは明るすぎると祝い着と競う。それぞれの困る条件を外せば、どの色でも着られます。
紺と黒を見分ける目安は、日の当たる窓辺で見て、青みが分かるかどうかです。室内の蛍光灯の下で黒に見えても、窓辺で青く見えるなら、写真でも紺として残ります。窓辺でも黒にしか見えない濃紺は、黒と同じ扱いにして、首元と足元に手を入れてください。
祝い着と並んで写る前提で考える
お宮参りの写真では、赤ちゃんに祝い着を掛け、それを抱いた人が中心に写ります。母が抱く場合、母の服は祝い着のすぐ後ろ、背景の位置に来ます。
祝い着は、地色が鮮やかで柄も大きいものが多くあります。その後ろにある母の服が明るい色や柄物だと、祝い着の柄と母の服の色が混ざり、写真の中で赤ちゃんの場所が分かりにくくなります。
この点では、濃い色のワンピースは背景としてよく働きます。祝い着の色がくっきり浮き上がるからです。黒も背景として悪くないのですが、黒は光を吸うので、写真によっては母の上半身がひとかたまりの影のように写ることがあります。紺やチャコールは、色が残るぶん、母の体の形が見えたまま祝い着を浮かせます。
祝い着の地色ごとに、母の服の色を合わせる
祝い着の地色が分かっているなら、母の服の色はそれに合わせて選べます。代表的な地色ごとに、合わせやすい色と避けたい組み合わせを見ていきます。
赤や朱の祝い着は、女の子の祝い着に多い色です。赤は強い色なので、背景が黒だと、赤と黒の対比がとても強くなります。写真では華やかに見えますが、母の上半身の黒が重く沈んで見えることもあります。チャコールやグレージュなら、赤を受け止めながら、母の体の形も残ります。紺は、赤との対比がやや強めですが、黒よりはやわらかく収まります。
ピンクや淡い色の祝い着は、地色が明るいぶん、背景が明るいと祝い着と母の服が混ざります。この場合は、紺やチャコールのような濃い色が背景としてよく働きます。黒でも構いませんが、淡い色と黒の対比が強くなるので、首元に明るいものを置いて、黒と祝い着の間をつなぐと写真がまとまります。
紺や黒の祝い着は、男の子の祝い着に多い色です。地色が濃いので、母も濃い色だと、祝い着と母の服がひとつの暗い塊に見えます。この場合は、母は明るい側に回るのが向いています。グレージュや淡いグレー、あるいは濃い色のワンピースに明るい羽織りを重ねて、祝い着の背景を明るくします。
緑や青の祝い着は、色味がはっきりしているので、母が紺だと同系色になり、なじみすぎることがあります。チャコールやグレージュのように色味の少ない色のほうが、祝い着の色が浮き上がります。
祝い着をまだ見ていない場合や、レンタルで当日まで分からない場合は、チャコールか、紺に明るい羽織りを重ねた組み方にしておくと、どの地色にも大きく外れません。
祖母が抱く場合は、祖母の服が背景になり、母は横に並ぶ位置に来ます。このときは母の服が祝い着と直接重ならないので、色の自由は少し広がります。誰が抱くかが決まっていれば、それに合わせて色を選ぶと写真がまとまります。
祖母たちと並ぶとき:濃さを2段に分ける
お宮参りには両家の祖母が参列することが多くあります。母を含めて3人の女性が並ぶと、3人の服の濃さの関係が写真に出ます。
3人とも黒や濃紺だと、写真の中で黒いかたまりが横に3つ並びます。この並びは、祝いの席の写真よりも法事の写真に近い印象になります。1人ずつは問題がなくても、並んだときに喪の形ができてしまうのです。
これを避けるには、濃さを2段に分けます。祖母たちが黒や濃紺の礼装で来るなら、母はそれより1段明るい側、たとえば明るめのチャコールやグレージュ、淡い羽織りを重ねた紺にします。祖母たちが明るい色で来るなら、母は濃い側で構いません。
祖母たちの服の色は、事前に一言聞いておくのがいちばん確実です。「当日は何色を着ていく予定ですか」と聞くのは失礼にあたりません。そろえる範囲の考え方はお宮参りで両家の祖母の装いをそろえる範囲の記事も参考になります。
父親の服も、並びの中に入ります。父親は黒や濃紺のスーツで来ることが多いので、父と母が並ぶと、男性の濃い色の横に母の服が来ます。父が黒のスーツで、母も黒のワンピースに黒のコートだと、2人並んだ写真が喪の装いに近くなります。父の服が濃いと分かっているなら、母は首元と羽織りで明るさを足す側に回ると、2人の並びが祝いの側に戻ります。
兄や姉にあたる上の子が一緒に写る場合は、上の子の服も濃さの並びに加わります。子どもの服は明るい色が多いので、大人が濃い色でそろっていても、子どもが間に入るだけで写真全体の印象はやわらぎます。ただし、上の子にも黒や紺の式服を着せる場合は、大人と子どもの全員が濃い色になるので、母の首元の明るさがいっそう大事になります。
聞けなかったときは、母が中間の濃さを選んでおくと、どちらに転んでも並びが崩れにくくなります。中間の濃さとは、紺やチャコールに淡い色の羽織りを重ねた状態です。羽織りを着たり脱いだりすることで、当日その場で1段の調整ができます。
黒か紺か迷うときの決め方
ここからは、どちらとも取れる場面の判断です。迷う理由はいくつかの型に分かれるので、自分がどれに近いかを見てください。
手持ちに黒と紺の両方がある
両方ある場合は、祖母たちの服と祝い着の地色で決めます。祖母たちが黒なら紺を。祝い着の地色が赤や朱なら、紺でもチャコールでも合いますが、青や紫なら紺が自然です。祖母たちの服が分からず、祝い着もまだ見ていないなら、紺を選んでおくのが無難です。紺は黒より首元や足元の工夫が少なくて済みます。
濃紺が黒に見えるかどうか分からない
窓辺で青みが見えるかどうかで判断します。見えるなら紺として扱い、首元に明るいものを1つ置けば十分です。見えないなら黒として扱い、首元と足元の両方に手を入れます。迷ったら黒として扱うほうが安全です。
家族から黒は避けてほしいと言われた
地域や家によっては、祝いの席の黒をはっきり避けるところがあります。その場合は家族の考えに合わせるのが穏やかです。手持ちが黒しかない場合は、黒のワンピースの上に明るい羽織りを重ね、当日は脱がない前提で過ごします。写真に写る範囲で黒が3割以下に収まれば、気にされることはほとんどありません。
黒のワンピースに黒のレースや透けがある
黒のワンピースの中には、袖や胸元にレースや透ける生地が入ったものがあります。レースや透けは、喪の装いでは控えるものとされていますが、祝いの席では華やかさを足す要素として受け取られます。つまり、レースの入った黒は、無地の黒よりも祝いの側に寄りやすいのです。首元にレースがあるなら、それ自体が顔まわりの明るさの代わりになることもあります。ただし、透けが大きく肌の見える面積が広いものは、神社という場所では控えめにしたほうが落ち着きます。袖の透けなら、羽織りを重ねることで調整できます。
黒のワンピースに光沢がある
サテンのように光沢のある黒は、喪の装いで避けられる素材の代表です。そのため、光沢のある黒は、それだけで祝いの側に寄って見えます。社殿の暗い中でも生地の面に光が乗るので、写真でも沈みにくくなります。反対に、光をまったく返さない、マットな黒の厚手の生地は、もっとも喪の装いに近い素材です。手持ちの黒がマットなものなら、首元と足元の手を少し厚めに入れてください。
自分では黒がいちばん落ち着く
普段から黒をよく着ていて、ほかの色だと落ち着かないという方もいます。その場合は黒のままで構いません。そのかわり、首元と足元の2か所は必ず黒以外にしてください。自分が落ち着く色で一日を過ごせることは、産後の体にとっても大事なことです。
手持ちが黒の1枚しかないとき
新しく買う時間も気力もなく、きちんとした服は黒のワンピース1枚だけ。そういう方は多くいます。その1枚で十分です。手を入れる順番を決めておけば、前日の夜に準備できます。
まず羽織りを探します。淡いグレー、アイボリー、ベージュ、淡いピンク。ジャケットでもカーディガンでも構いません。ボタンを留めずに前を開けて着ると、縦に黒の線が細く残り、両脇は明るい色になります。これで黒の面積はおよそ半分以下になります。
次に首元です。パールのネックレスがあればそれを。なければ、白や淡い色の小さなスカーフを首元に結びます。スカーフは授乳や抱っこの邪魔になりやすいので、短く結んで端を垂らさない形にします。
最後に足元です。黒い靴しかなければ、タイツを肌に近い色にするか、少し明るい色のタイツにします。寒さが気になる場合は、厚手の肌色タイツや、裏起毛の肌色タイツという選択もあります。
羽織りが見つからないときの代わり
手持ちに淡い色の羽織りがない場合は、ほかのもので代わりを作れます。
1つは、淡い色の大判ストールです。肩から羽織って、前で軽く合わせるだけで、羽織りと同じように袖と胸元の黒を覆えます。抱っこのときに滑り落ちやすいので、ブローチやストールピンで胸元を軽く留めておくと安定します。
もう1つは、明るい色のニットのカーディガンです。きちんとしたジャケットでなくても、薄手で目の細かいニットなら、祝いの席の羽織りとして十分に通ります。ざっくりとした厚手のニットは普段着の印象が強くなるので、目の細かいものを選んでください。
どちらもない場合は、首元だけに力を入れます。パールのネックレスを二連にする、白い付け襟を足す、明るい色のスカーフを結ぶ。首元が明るければ、黒の面積が多くても、顔まわりの印象で祝いの側に戻せます。
この3つで、黒の1枚は祝いの側に十分寄ります。買い足すとすれば、羽織り1枚です。羽織りは今後の入園式や七五三でも使えるので、無駄になりにくい買い物です。
コートの色で黒の面積を変える
冬のお宮参りでは、境内で待つ時間や、社殿までの移動の間はコートを着ています。そのため、写真の何枚かはコート姿で残ります。コートの色は、ワンピースの色以上に全身の印象を決めることがあります。
黒のワンピースに黒のコートだと、コートを着ている間は全身がほぼ黒になります。この状態で境内の写真を撮ると、喪の印象がいちばん強く出ます。コートを明るい色に変えられるなら、それがいちばん効く手です。キャメル、グレージュ、明るいグレーのコートなら、黒のワンピースと合わせても、コート姿の写真で黒が主役になりません。
コートが黒しかない場合は、コートの首元に明るい色のストールやマフラーを巻きます。待っている間の防寒にもなり、顔まわりの明るさも足せます。ただし、抱っこ紐を使う場合は、ストールの端が赤ちゃんの顔にかからないよう短めにします。
社殿の中ではコートを脱ぐことが多いので、ご祈祷の間の写真はワンピース姿になります。コートを脱いだあとの姿で首元と足元が整っているかを、前日に確かめておいてください。
タイツと靴の色の組み合わせ
足元は、黒の面積を減らすのにいちばん手軽な場所です。組み合わせを整理します。
黒のタイツに黒の靴は、足元が黒の柱になります。ワンピースも黒なら、全身の黒が7割を超える主な原因はここです。冬にいちばん選ばれやすい組み合わせなので、まずここを見直してください。
肌に近い色のタイツに黒の靴は、脚の部分が明るくなるので、黒の柱が切れます。靴だけが黒く残りますが、面積が小さいので喪の印象にはなりません。
黒のタイツにベージュやグレージュの靴は、脚は黒いままですが、足先で色が切り替わります。裾から足先までの黒が途中で止まるので、全身の黒の流れが切れます。
ネイビーやチャコールのタイツは、黒よりわずかに明るく、ワンピースが黒の場合には黒との差がつきます。紺やチャコールのワンピースの場合は、ワンピースと同じ色のタイツにすると、裾から下が自然につながります。
社殿に上がるときに靴を脱ぐ神社もあります。その場合は靴の色が写らない時間があるので、タイツの色のほうが写真での印象を左右します。参拝する神社が靴を脱ぐ形式かどうかを、事前に確かめておくと選びやすくなります。
社殿の中は暗い:写真で沈まない工夫
神社の社殿の中は、外より明るさがかなり落ちます。その中で撮る写真では、黒や濃紺の服は光を吸って、輪郭がぼやけたひとかたまりに写りやすくなります。
沈まないための工夫は、表面の質感です。同じ黒でも、光沢のある生地や、織りに凹凸のある生地は、暗い場所でも面の変化が写ります。のっぺりとした黒のジャージー素材は、暗い場所ではいちばん沈みやすい生地です。
もう1つは、顔の近くの明るさです。首元にパールや白い襟があれば、暗い室内でも顔の下に光が集まり、顔色が沈みません。冬は肌の色がくすみやすい季節でもあるので、首元の明るさは写真の顔色にも効きます。
外での写真は、冬の低い日差しで影が長く出ます。濃い色の服は影と同化しやすいので、日なたに立って撮るか、背景に明るい壁や玉砂利がある場所を選ぶと、服の輪郭が残ります。
産後の体と、黒が選ばれやすい理由
産後の時期に黒のワンピースを手に取る方が多いのには、色の好み以外の理由もあります。
1つは、体型がまだ戻っていない時期に、黒が体の輪郭を引き締めて見せてくれることです。妊娠中に増えた体重や、お腹まわりのゆるみが気になる時期に、明るい色の服を着るのは勇気がいります。黒なら輪郭が締まって見えるので、安心して着られる。その気持ちはもっともです。
もう1つは、授乳中の汚れが目立ちにくいことです。授乳や吐き戻しで服に母乳やミルクがつくことは、この時期には日常のことです。淡い色の服だと、少しのしみでも目立ちます。黒や濃い色なら、当日の朝に急いで着替える必要がありません。
この2つの理由は、どちらも大事なものです。だから、黒を手放す必要はありません。黒の良さをそのまま残しつつ、首元と足元で黒のそろいを崩す。そうすれば、体の安心と汚れへの備えを保ったまま、祝いの席の装いになります。
紺やチャコールも、黒と同じように輪郭を締めて見せ、汚れも目立ちにくい色です。黒にこだわる理由がこの2つなら、紺やチャコールでも同じ安心が得られます。次に服を買う機会があれば、黒の代わりに紺やチャコールを選んでおくと、お宮参りのあとの七五三や入園式など、祝いの席が続く時期にも使いやすくなります。
前日に確かめる順番
当日の朝は、赤ちゃんの支度と授乳で、自分の服を考える余裕はほとんどありません。前日の夜に、次の順で確かめておいてください。
まず、ワンピースとタイツと靴とバッグを全部並べて、黒の数を数えます。4つとも黒なら、少なくとも1つを黒以外に替えます。
次に、ワンピースを着て首元に置くものを決めます。パール、スカーフ、白い襟。抱っこしたときに赤ちゃんの顔に当たらないかも合わせて確かめます。
そして、コートまで着た全身をスマートフォンで撮ります。画面の上で黒の部分を指で隠し、半分を大きく超えていないかを見ます。超えていたら、羽織りかストールを1つ足します。
最後に、羽織りを脱いだ状態でも撮ります。社殿の中ではこの姿になるので、ここでも首元に明るいものがあるかを見ます。
撮った写真は、家族の誰かに見せて意見を聞くのも1つの方法です。とくに、祖母たちのどちらかに見せておくと、当日に色のことで何か言われる心配がなくなります。見せるのが気恥ずかしければ、夫に見せて「法事っぽく見えないか」とだけ聞いてみてください。自分では見慣れている黒の装いも、ほかの人の目で見ると、印象がはっきり分かることがあります。
当日の朝に慌てないために、首元に置くものと羽織りは、ワンピースと一緒にハンガーに掛けておくか、すぐ手に取れる場所にまとめておきます。赤ちゃんの支度が終わってから自分の服を考えると、首元のものを付け忘れたまま出かけてしまうことがよくあります。
この4つの確認は、10分ほどで終わります。前日に終わらせておけば、当日の朝は着るだけです。
色で迷う時間を短くするために
冬のお宮参りの服の色で迷うのは、黒が「無難な色」でもあり「避けるべき色」でもあるように見えるからです。けれど実際には、黒そのものが問題になるのではなく、黒が喪の形にそろうことが問題になります。
だから、色を選ぶときの問いは「黒でいいか」ではなく「黒がそろっていないか」です。ワンピースが黒なら、ほかの場所で黒を外す。ワンピースが紺やチャコールなら、それが黒に寄りすぎていないかを窓辺で確かめる。祖母たちと並ぶなら、濃さを2段に分ける。
お宮参りは、赤ちゃんが生まれてはじめての家族の行事です。写真は何年もあとまで見返されます。そのとき、母の服の色が祝いの日らしく写っているかどうかは、思っている以上に記憶に残ります。だからといって、新しい服を用意する必要はありません。手持ちの1枚を、首元と足元で少し整えるだけで、その写真は祝いの日の写真になります。
この3つの問いに答えられれば、色で迷う時間はかなり短くなります。残った時間は、赤ちゃんの祝い着や当日の段取りに使ってください。
よくある問い
- Q. お宮参りで母親が黒いワンピースを着るのはマナー違反ですか
- マナー違反ではありません。黒は礼装の基本の色で、祝いの席でも着られます。気をつけたいのは、黒という色そのものではなく、全身が黒でそろって喪の装いと同じ形になることです。黒のワンピースに黒のタイツ、黒の靴、黒のバッグ、首元に何もない、という組み合わせは法事の服とほとんど見分けがつきません。ワンピースが黒なら、首元に明るいものを1つ、足元かバッグのどちらかを黒以外にする。この2つで祝いの側に戻ります。
- Q. 紺とチャコールグレー、どちらが冬のお宮参りに向いていますか
- 顔色を明るく見せたいなら紺、落ち着いた印象にしたいならチャコールが向いています。紺は青みがあるぶん、室内の暗い場所でも顔の下に色が残ります。チャコールは黒に近い濃さのものだと写真で黒と区別がつかなくなるので、明るめのチャコールか、表面に織りの凹凸がある生地を選ぶと沈みにくくなります。迷ったら、祝い着の地色に青や紫が入っているなら紺、赤や朱が入っているならチャコールと覚えておくと、並んだときにぶつかりません。
- Q. 義母から黒はやめたほうがいいと言われました。どうすればいいですか
- 地域や家によって、祝いの席の黒を避ける考え方があります。その場合は無理に黒を通さず、紺かグレージュに寄せるのが穏やかです。手持ちが黒しかないときは、黒のワンピースの上に明るい色の羽織りを重ね、当日は脱がずに過ごす前提にすれば、見える黒の面積は3割ほどに減ります。写真に写る範囲で黒が目立たなければ、ほとんどの場合は気にされません。事前に一度、羽織りまで着た姿を写真に撮って見せておくと安心です。
- Q. 祝い着が派手な色なので、母親は地味なほうがいいですか
- 地味にする必要はありませんが、祝い着より目立つ色は避けたほうが写真がまとまります。赤ちゃんを抱くと、母の胸元が祝い着の背景になります。そこが鮮やかな色だと、祝い着の柄と母の服が混ざって見えます。濃い色のワンピースはその点で背景に向いていますが、黒は背景としては強すぎることがあるので、紺やチャコールのほうが祝い着の色が浮き上がります。
— メグラシ編集部





