オフィスカジュアル 営業|車か電車か、訪問先の固さで上着を分ける

**営業のオフィスカジュアルは、その日の「移動手段」と「訪問先の固さ」の2つで決めてください。**社内の服装の線は、内勤の人のために引かれています。外に出る日の答えは、社内の線からは出てきません。
車で回る日は、座ってもしわが残らない上着を選びます。電車と徒歩で回る日は、脱いで片腕に掛けても重くない上着を選びます。ここまでが素材の話です。
訪問先が金融・役所・初めての取引先なら、襟のある上着とかかとのある靴。工場・倉庫・店舗のように床が硬くて歩く場所に入るなら、袖をまくれる上着と平たい靴。こちらは形の話です。この2つを組み合わせれば、毎朝の判断は4通りに収まります。
オフィスカジュアル全体の線の見分け方はオフィスカジュアル|会社ごとの線の見分け方と基本の5点にまとめてあります。この記事は、その中の「営業・外回り」の日だけを深く書いたものです。
結論:毎朝、2つの質問で4通りに分ける
朝、服を出す前に2つだけ確かめてください。今日はどうやって移動するか。今日いちばん固い相手は誰か。
| 訪問先が固い日 | 訪問先が動く場所の日 | |
|---|---|---|
| 車で回る日 | しわが戻る生地の、襟のある上着+かかと3cm前後の靴 | しわが戻る生地の、襟のない上着+平たい靴 |
| 電車・徒歩の日 | 軽くて畳める、襟のある上着+かかと3cm前後の靴 | 軽くて畳める、襟のない上着+平たい靴 |
表は軸を見せるためのものです。中の服は人によって違います。大事なのは、素材は移動で、形は相手で決めるという分け方のほうです。
1日の中で両方が入る日は、後で書く「どちらとも取れる日」の決め方を使ってください。
移動手段で上着の素材が決まる理由
営業の服で崩れやすいのは、相手の前に立つ瞬間です。そしてその瞬間の見え方は、直前の移動で決まります。
車で30分座ったあと、背中の下と腰まわりには横じわが入ります。電車と徒歩で20分動いたあとは、肩と脇に汗がこもり、上着の中が蒸れます。どちらも、訪問先の玄関で直す時間はありません。
だから素材は、相手ではなく移動に合わせます。同じ紺の上着でも、車の日に向く生地と、電車の日に向く生地は違います。
車で回る日|座って30分後のしわで選ぶ
車の日の上着は、しわが戻るかどうかで選びます。店で確かめる方法は簡単です。袖口の近くを手のひらで5秒握って離し、10秒待ってください。握った跡がほぼ消えれば、車の日に向きます。跡がはっきり残る生地は、運転のあとに背中に同じ跡が出ます。
ポリエステルが混ざった生地や、細かく編まれた伸びる生地は戻りやすい側です。麻が多い生地や、薄い綿だけの生地は戻りにくい側です。秋冬は麻の季節ではないので、迷うのは主に綿とウールの混ざった生地です。これも握って確かめてください。
運転中は、上着を脱いで後ろの座席に掛けるのが基本です。脱げない事情がある日、たとえば1件の訪問が10分で終わって次へ移る日は、丈がお尻の半分より上で止まる短めの上着を選ぶと、座っても裾が折れません。
車の日は、建物の外にいる時間が短くなります。コートは薄手で足ります。その分、中に着る上着かニットを厚くしておくと、建物の中で上着だけになったときに寒くありません。
電車と徒歩の日|片腕に掛けて持てるかで選ぶ
電車の日の上着は、持ち歩けるかで選びます。基準は、片腕に二つ折りで掛けて10分歩いて、腕が疲れないかどうかです。厚手のウールの上着は、着ていると暖かくても、暖房の効いた車内で脱いだ瞬間に荷物になります。
裏地のない上着や、肩パッドが薄い上着は軽い側です。畳んだときに鞄の口から少し出る程度の厚みなら、車内や待合で鞄に入れておけます。
電車の日は、外にいる時間が長くなります。駅から訪問先まで歩く分、コートは厚めにして、中は薄くします。中が薄い分、首と手首を覆う物を1つ足しておくと、建物の中で冷えません。薄手のタートルネックか、袖口が細く締まるニットが扱いやすい選び方です。
**電車の日の靴は、上着より先に決めてください。**1日に5,000歩を超える日は、かかとが高い靴だと夕方の訪問で歩き方に出ます。かかとが3cm前後で、甲を包む形のパンプスかローファーが、歩けて固さも保てる境目です。
訪問先の固さで上着の形が決まる理由
相手の前で見られるのは、生地よりも形です。とくに襟があるかないかは、遠くからでも分かります。
固い相手、つまり窓口にスーツの人が座っているような場所では、襟のない上着は「上着を着ていない」側に見えることがあります。反対に、作業着や制服の人が多い場所では、襟のある上着をきちんと着込んでいると、相手との間に距離ができます。
形は、相手の服に一段近づけるのが目安です。相手と同じにする必要はありません。相手が10の固さなら8か9、相手が3なら4か5くらいに置くと、浮かずに失礼にもなりません。
金融・役所・初めての取引先に入る日
この日は、襟のある上着を選んでください。テーラードの襟でも、小さな襟のついた上着でも構いません。色は紺・濃い灰・黒・濃い茶のどれかにしておけば、相手を選びません。
中に着るのは、襟のあるブラウスか、首が詰まった無地のニットです。襟のある上着に、さらに襟のあるブラウスを重ねるのが固く見える組み合わせで、首の詰まったニットはそれより一段柔らかくなります。相手の固さに合わせて、この2つで調整します。
ボトムは、座ったときに膝が隠れる丈のスカートか、折り目のあるパンツです。応接室の低いソファに座ると、立っているときより裾が10cmほど上がります。家で椅子に浅く座り、膝が出ないかを確かめておくと安心です。
靴はかかと3cm前後のパンプスかローファーで、つま先が丸すぎない形を選びます。スニーカーは、この日には避けてください。
工場・倉庫・店舗・現場に入る日
この日の基準は、動けることと、相手の場所を汚さないことです。
上着は襟のないもの、またはカーディガン型で、袖を肘までまくれるものを選びます。工場や倉庫では、段ボールや棚に手をかける場面があり、袖口が広い上着は引っかかります。
靴は平たいものにしてください。床がコンクリートの場所や、金属の格子の上を歩く場所では、細いかかとが溝にはまります。訪問先によっては安全靴やスリッパに履き替えるので、脱ぎ履きしやすい形がよく、紐の多い靴は手間になります。
スカートは、しゃがむ場面や階段の多い場所では扱いにくくなります。この日はパンツを選び、裾が床に触れない長さにしておくと、汚れも気になりません。
**動く場所の日でも、鞄に襟のある上着を1枚入れておいてください。**現場を見たあとに事務所で責任者に会う流れは、珍しくありません。
どちらとも取れる日をどう決めるか
いちばん迷うのは、1日の中に固い相手と動く場所が両方入る日、車と電車が両方入る日です。ここは3つの順で決めます。
1つ目は、その日いちばん固い相手に合わせて形を決めることです。襟のある上着を着て出れば、動く場所に入るときは脱いで袖をまくれば足ります。逆に襟のない上着で出ると、固い相手の前で足せません。
2つ目は、移動のうち長いほうで素材を決めることです。車30分と電車20分なら車の日の素材、車10分と電車40分なら電車の日の素材にします。迷ったら、しわの戻りと軽さの両方を満たす生地、つまり伸びる細かい編みの上着を選ぶと、どちらにも外れません。
3つ目は、靴を2足に分けることです。車の日なら、運転用の平たい靴を車に置き、訪問先の駐車場で履き替えます。電車の日は履き替えが難しいので、かかと3cm前後で歩ける1足に絞ります。
秋の終わりから冬の立ち上がりにかけて変わること
朝晩が冷え込む時期は、コートを脱いだあとの見え方が問題になります。営業の場合、コートは玄関の前で脱いで腕に掛けるので、相手が見るのは中の上着だけです。
車の日は、コートは薄く、中の上着を厚くします。車内は暖房が効いていて、外を歩くのは駐車場から玄関までだけだからです。中の上着は、ウールが混ざった少し厚い生地でも構いません。
電車の日は、コートを厚く、中を薄くします。中を薄くした分、建物の中で寒く感じる人は、首を覆うニットを中に着ると上着を脱がずに済みます。
コートの丈は、上着の裾より5cm以上長いものにしてください。上着の裾がコートの下から出ると、玄関の前で一瞬だけ目に入る見え方が乱れます。
1週間を何着で回すか
営業の1週間は、訪問先の固さで3つに分けると、持つ服が決まります。
固い相手の日に着る、襟のある上着が1着。動く場所の日に着る、襟のない上着かカーディガンが1着。この2着を軸にして、中に着る物とボトムを変えれば、5日は回ります。
上着を毎日替えるより、中に着る物を変えるほうが、相手に「毎日同じ」と思われにくくなります。上着の前を開けて着る日が多いなら、見えるのは中の物だからです。中に着る物は、襟のあるブラウス2枚と首の詰まったニット2枚がそろうと、どの上着にも合わせられます。
内勤の日と外回りの日で服を分けるか
内勤の日もある営業職は、服を2系統に分けるか迷います。分けなくて構いません。外回りの日の服を内勤の日にも着れば、線を外すことはありません。
分けるとすれば、靴と鞄です。内勤の日は社内で履き替えられるので、通勤用の歩きやすい靴で来て、デスクで履き替えれば足ります。鞄も、外回りの日だけ書類が折れずに入る自立する形に替えます。
社内の線が柔らかい職場で、外回りの日の服が固すぎて浮く人は、上着だけ脱いで社内に戻ってください。上着の下に着る物が社内の線に合っていれば、それで外回り用と内勤用の両方を兼ねられます。
注意されたとき、どこを直すか
上司や先輩から服のことを言われたときは、何を言われたかで直す場所が決まります。
「ちょっとラフだね」と言われたら、直すのは形です。襟のある上着を足すか、靴をかかとのある物に替えます。素材を替えても、この言葉は消えません。
「くたびれて見える」と言われたら、直すのは素材です。しわの戻らない生地を、戻る生地に替えます。形を固くしても、しわがあれば同じことを言われます。
「固すぎる」と言われたら、上着の襟をなくすか、中のブラウスを首の詰まったニットに替えます。ここで靴まで替える必要はありません。
季節の境目で迷う日の決め方
冬の立ち上がりは、朝と昼の気温差が大きくなります。朝に寒いからと厚いコートで出ると、昼の訪問で汗をかきます。
迷う日は、移動手段で決めてください。車の日は昼に合わせて薄く、電車の日は朝に合わせて厚くします。車は暖房で温度を変えられますが、電車と徒歩は外の気温をそのまま受けるからです。
ビジネスカジュアルの冬の服や、オフィスカジュアルのジャケットの選び方もあわせて見ると、上着の中身まで決められます。
よくある質問
Q. 営業でもジャケットは毎日要りますか 毎日は要りません。要るのは、訪問先で最初に会う人がスーツか襟付きの上着を着ている日です。社内だけの日や、相手がふだん作業着や制服の日は、カーディガンや襟のない上着で足ります。ただし鞄の中か車の中に、襟のある上着を1枚置いておくと、急に予定が変わった日にも慌てずに済みます。
Q. 車で回る日にジャケットのしわが気になります 運転中は上着を脱いで、後部座席のヘッドレストかハンガーに掛けてください。着たまま座ると、背中の下と腰まわりに横じわが入り、降りた瞬間にいちばん目立ちます。生地は、つまんで5秒握って離したときに、すぐ戻るものを選ぶと、着たまま乗る日でもしわが残りにくくなります。
Q. 訪問先がどのくらい固いか分からない日はどうしますか 一段固い側に寄せてください。襟のある上着とかかとのある靴で行けば、固い相手にも失礼にならず、柔らかい相手には上着を脱げば合わせられます。初めての訪問先は固い側、と決めておくと迷いません。
Q. 冬はコートを脱いだあとが寒いです 車の日は車内が暖かいので、コートを薄くして中の上着を厚くします。電車と徒歩の日は外にいる時間が長いので、コートを厚くして中を薄くします。どちらの日も、首と手首を覆う物を1つ足すと、建物の中で上着だけになっても冷えにくくなります。
まとめ
営業のオフィスカジュアルは、社内の線で決めず、移動と相手で決めます。
- 素材は移動で決める。車の日はしわが戻る生地、電車の日は持ち歩ける軽さ
- 形は相手で決める。固い相手には襟とかかと、動く場所には袖をまくれる上着と平たい靴
- 両方入る日は、いちばん固い相手に合わせて出て、動く場所で脱ぐ
毎朝2つの質問に答えるだけで、服を出す手が止まらなくなります。
— メグラシ編集部





