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オフィスカジュアル レディース|人前で話す日は離れた席から見て選ぶ

メグラシ編集部//読了 20分
会議室の前でホワイトボードの方へ腕を上げて話す女性の、紺のカーディガンと白い襟のシャツ、明るい灰色のパンツ

会議や説明会で前に立つ日が決まったら、服は鏡の前ではなく、部屋のいちばん奥の席から見た形で決めてください。

近くで見て整っている服でも、5メートル離れると細かい柄は一色につぶれ、上下の明るさが近い組み合わせは一つの塊に見えます。聞く人が見ているのは、生地の質ではなく輪郭と色の境目です。

あなたが前に立つ日に選ぶのは、上半身に明るさの境目がはっきり1本あり、ピンマイクを留める場所があり、腕を上げても袖と裾が崩れない一枚です。この3つがそろえば、ふだんのオフィスカジュアルのままで足ります。新しく買う必要はほとんどありません。

この記事では、その3つを自分の手持ちで確かめる方法と、どちらとも取れるときにどう決めるかを書きます。職場で毎日着る服の重ね方そのものはオフィスカジュアル レディース|秋冬は席と外の温度差で重ねるにまとめています。

結論:前に立つ日は、離れた席から見える形で選ぶ

前に立つ日の服選びは、ふだんの出社日と見る場所が違います。ふだんは隣の席の人との距離、つまり1メートル前後で見られています。前に立つ日は、近い人で2メートル、遠い人で8メートルから10メートル離れたところから見られます。

距離が変わると、見えるものが変わります。1メートルなら生地の毛羽立ち、ボタンの形、ネックレスの細さまで見えます。5メートルを超えると、見えるのは上半身と下半身の明るさの差、首元の開き方、袖の長さ、それに全体の輪郭だけです。

ですから、前に立つ日に考えるのは「きちんと見えるか」ではなく「遠くから見て、形が読めるか」です。形が読めると、聞く人の目は自然に顔と手元に集まります。形が読めないと、目は服の上をさまよい、話の中身が入りにくくなります。

もう一つ大事なのは、前に立つ人は動くということです。資料を指す、ホワイトボードに書く、マイクを持ち替える、振り返ってスクリーンを見る。ふだんの席では起きない動きが、前に立つ日には何十回も起きます。動いたときに崩れない服かどうかは、鏡の前で止まって立っているだけでは分かりません。

まず測る|聞く人との距離はどれくらいか

最初に、当日の部屋の広さを思い出してください。前に立つ位置から、いちばん奥の席までの距離です。

前から奥の席まで見えるもの服で効くもの
3メートル以内(小さな会議室)生地の表情・小物・首元の細部近くで見たときの整い方。ふだんの出社日と同じ
3〜8メートル(中くらいの会議室)上下の明るさの差・首元の開き・袖の長さ明るさの境目と首元の形
8メートル以上(大会議室・ホール)輪郭と色の塊だけ背景の壁との明るさの差と、全体の輪郭

部屋の広さが分からないときは、参加する人数で見当をつけます。10人までなら小さな会議室、30人前後なら中くらい、それ以上なら大会議室と考えてください。

距離が測れたら、手持ちの服を家で同じ距離から見てみます。廊下の端と端、リビングの壁から反対の壁まで、どこでも構いません。服をハンガーに掛けて壁に吊り、決めた距離だけ離れて、目を半分閉じてください。目を細めると細かいところがつぶれて、遠くの席から見える形に近くなります。

このとき上下が一つの塊に見えたら、その組み合わせは前に立つ日に向きません。ふだんの出社では問題がなくても、離れると輪郭が消えます。

境目1|首元は、ピンマイクを留める場所があるか

前に立つ日に当日いちばん困るのが、ピンマイクです。会場によっては、小さなクリップ式のマイクを襟元に留めるよう言われます。

ピンマイクは、口から20センチから25センチ下に留めるのが聞き取りやすい位置です。ちょうど胸の上のあたり、鎖骨から指3本ぶん下です。そこに、クリップを挟める生地の端があるかを確かめてください。

首元の形ピンマイク遠くからの見え方
シャツの襟・前立て前立ての端に挟める。いちばん留めやすい縦の線が1本入り、上半身の中心が読める
ジャケットの襟襟の折り返しに挟める襟の形が輪郭になる
丸首のニット首の縁に挟むと口に近すぎる。胸元に挟む端がない首元が塊になりやすい
深めのVネック開いた縁に挟むと生地が引かれて開きが広がる開きの形がはっきり読める
タートルネック首の縁に挟むと音がこもる首元が塊になりやすい

丸首とタートルネックは、秋冬のオフィスで着る機会がいちばん多い形です。どちらも遠くから見ると首から下が一枚の面になり、境目がありません。しかもピンマイクを留める端がないので、当日に係の人が困った顔で胸元を探すことになります。

対策は二つです。一つは、丸首やタートルの上にジャケットかカーディガンを重ねて、前の端を作ること。もう一つは、中に襟のあるシャツを着て、襟だけ首元から出すことです。どちらも、ピンマイクを挟める端が胸の上にでき、遠くから見たときに縦の線が1本入ります。

スカーフで首元を作る人もいると思います。スカーフはピンマイクを留める端にはなりますが、結び目の厚みがマイクに当たって、こすれる音を拾いやすいのが難点です。巻くなら結び目を首の横にずらし、マイクは反対側の前の端に留めてください。結び目の真上にマイクが来ると、話すたびに顎が当たって布の音が入ります。

首元の開きの深さも、遠くからは意外とよく見えます。鎖骨の間のくぼみから、開きのいちばん下まで指を当ててみてください。指2本ぶんまでなら、どの距離から見ても落ち着いて見えます。指4本ぶんを超えると、前かがみで資料を取るときに胸元が気になり、何度も手で押さえることになります。押さえる仕草は、遠くの席からでもよく見えます。

マイクを手に持つ会場なら、この条件はいりません。ただし手持ちのマイクでも、途中でピンマイクに替わることはよくあります。会場が決まっていないなら、留める場所がある服にしておくほうが安心です。

境目2|袖口は、手を上げたときに手首から何センチ下がるか

前に立つ人は、思っている以上に手を動かします。スクリーンを指す、資料を掲げる、身ぶりで大きさを示す。そのたびに袖口が動きます。

確かめ方は簡単です。腕をまっすぐ前に上げ、肩の高さで止めてください。そのとき袖口が手首の骨からどれだけ下がるか、あるいは上がるかを見ます。

  • 手首の骨が隠れたままなら、そのまま着て大丈夫です
  • 手首の骨から2センチ以上上がるなら、指すたびに腕が出て、遠目に袖が短く見えます
  • 手の甲に5センチ以上かかるなら、資料をめくるたびに袖が紙に触れ、袖口を何度も直すことになります

秋冬のニットは袖が長めのものが多く、手の甲にかかりがちです。ふだんは袖をまくって着ている人も多いでしょう。ところが前に立つと、まくった袖が途中で落ちてくるのが遠くからでも目に付きます。まくるなら、肘の少し下まで上げて、袖の中のゴムやシャツの袖で止まるかを家で確かめてください。止まらないなら、袖の長さが手首に合う別の一枚にします。

腕時計や細いブレスレットは、遠くからは見えません。ただし腕を動かすたびに机やマイクに当たって音を立てることがあります。マイクを通すと、小さな金属音は思ったより大きく響きます。

境目3|後ろ姿は、腕を上げたとき裾が上がるか

前に立つ人の背中は、思いのほか長く見られています。ホワイトボードに書く、スクリーンを振り返る、資料を取りに戻る。そのたびに、聞く人の目の前に背中が来ます。

いちばん多い失敗は、腕を上げたときに上の裾が持ち上がって、腰が出ることです。短めのニットや、ボトムに入れずに外に出すブラウスで起きます。

確かめ方は、壁に向かって立ち、両腕を頭の上まで上げることです。ホワイトボードのいちばん上の行に書くときの姿勢です。その状態で、上の裾がボトムのウエストから何センチ下にあるかを、誰かに見てもらうか、背中側に鏡を置いて見てください。

  • 裾がウエストより5センチ以上下にあれば、そのままで大丈夫です
  • 裾がウエストの線の近くまで上がるなら、ボトムの中に入れて着ます
  • 中に入れると形が崩れる一枚なら、前に立つ日は着ません

もう一つは、背中のしわです。座って移動してきた後の背中には、横じわが残ります。薄いブラウスやとろみのある生地は、しわが光を拾って遠くからでも目立ちます。前に立つ直前に一度立ち上がって、背中を手で下に引いておくだけでも違います。

スカートの場合は、後ろのスリットにも気をつけてください。前かがみで下の段に書くと、スリットが開きます。膝下まであるスカートなら、スリットの上端が膝の裏より下にあるかを見ておくと安心です。

境目4|色は、背景の壁やスクリーンとの明るさの差

離れた席から見たとき、服の輪郭を作るのは、服と背景の明るさの差です。

会議室の前方の壁は、白か、明るい灰色か、木目のことが多いでしょう。そこにスクリーンが下りていれば、背景は白になります。

背景輪郭が消えやすい服輪郭が残る服
白い壁・白いスクリーン白・生成り・明るいベージュ紺・濃い灰色・茶色・黒
木目の壁キャメル・茶色・ベージュ紺・白・灰色
暗い壁・照明を落とした部屋黒・濃紺白・明るい灰色・明るい色

いちばん気をつけたいのは、スクリーンの前に立つ日の白いトップスです。投影の光が当たると、白い服は画面と溶けて、首から上だけが浮いて見えます。逆に、画面の光が体に映り込むので、柄のある服は文字や図が服の上に乗ったように見えます。スクリーンの横に立つ予定なら、無地で、壁より一段以上濃い色を選んでください。

一段の目安は、白い紙を壁に当てて、服の生地を横に並べたときに、目を細めても境目がはっきり残るかどうかです。境目がぼやけるなら、背景に近すぎます。

照明にも気をつけてください。大きな会議室やホールでは、前に立つ人に上から強い光が当たることがあります。上からの光は、明るい色の服をさらに白く飛ばし、濃い色の服の影を深くします。ベージュや淡い水色のトップスは、照明の下では白に近く見えます。照明の強い会場では、ふだん選ぶ色より半段だけ濃いものにしておくと、ちょうどふだんの見え方に戻ります。

逆に、照明を落としてスクリーンだけを明るくする会場もあります。この場合、前に立つ人の姿は暗い部屋の中に沈みます。黒や濃紺の上下だと、顔と手だけが浮いて見えます。照明を落とす会場だと分かっているなら、上半身のどこかに明るい色を一つ入れてください。中のシャツの襟、カーディガンの下に着るカットソー、どちらでも構いません。

色の数は、上半身で2色までが読みやすい範囲です。ジャケットと中の一枚で2色、そこにスカーフや柄が加わると、遠くからは何色か分からない斑点になります。

境目5|音と光るもの

前に立つ日は、ふだんは気にしない音が問題になります。マイクを通すからです。

音の出やすいものは、次のとおりです。

  • 長いネックレスやペンダントが、ピンマイクや胸元のボタンに当たる音
  • 手首のブレスレットが机に当たる音
  • 大きなイヤリングの揺れる音。ピンマイクが近いと拾われることがある
  • 硬い底の靴で、木の床やステージの上を歩く音
  • 化学繊維の上着がこすれるときの、かさかさという音

光るものも同じです。照明の下では、金属のアクセサリーや光沢のある生地が、遠くの席から小さな点の光として見えます。一つなら目印になりますが、二つ三つと散らばると、目がそちらに引かれます。

靴の音は、自分ではいちばん気づきにくいものです。ふだんの廊下はカーペットや柔らかい床材でも、前方の壇の上だけ木や硬い板になっている会場はよくあります。家の玄関の土間や、マンションの共用廊下のような硬い床で10歩歩いてみて、かかとの音が自分の耳にはっきり届くなら、壇の上ではマイクにも届きます。かかとに薄いゴムが貼ってある靴か、底全体が柔らかい靴に替えておくと安心です。

前に立つ日は、音の出るものと光るものを、合わせて一つまでにしてください。いちばん残したいもの一つを選び、残りは外すか、かばんにしまっておきます。

秋冬の厄介なところ|暖房と、羽織りを脱ぐかどうか

秋冬に前に立つ日は、部屋の温度が読めません。朝の会議室は冷えていて、人が集まって話し始めると暖房と人の熱で一気に暑くなります。前に立つ人は緊張と照明で、座っている人よりさらに暑く感じます。

そのため、途中で羽織りを脱ぎたくなる前提で選ぶのが安全です。脱いだあとの一枚が、それだけで前に立てる形かを先に確かめてください。

確かめるのは三つです。

  1. 羽織りを脱いだあと、ピンマイクを留める場所が残るか。ジャケットの襟に留めていた場合、脱ぐとマイクを付け替えることになります
  2. 脱いだあとの一枚と、ボトムとの明るさに差があるか。羽織りで作っていた境目が消えないか
  3. 脱いだ羽織りをどこに置くか。前に立つ位置の近くに椅子がなければ、腕に掛けたまま話すことになります

この三つで一つでも引っかかるなら、羽織りは最初から着ないか、最後まで脱がないかを決めておきます。途中で迷って、話しながら片袖だけ脱ぐのがいちばん目立ちます。

コートの置き場所も、前もって考えておきます。秋の終わりから冬にかけては、会場に着いたときにコートを着ています。前に立つ人は、聞く人より先に会場に入って準備をすることが多く、コートを掛ける場所がまだ用意されていないこともあります。前の机の下や、壇の横の椅子に置くなら、たたんだときに裏地が外に出ないように、表を外側にして二つ折りにしておくと、聞く人の目に入っても気になりません。

移動の多い日も同じです。午前に別の会議で前に立ち、午後に別の部屋でまた話すような日は、部屋ごとに温度が違います。廊下は冷え、会議室は暖かい。羽織りを着たり脱いだりする回数が増えるので、脱ぎ着しやすい前開きの羽織りを選び、かぶって着るものは中の一枚だけにしておきます。かぶって脱ぐと、髪とピンマイクの両方を直すことになります。

暖房で暑くなりにくくするには、中の一枚を薄くしておくことです。厚手のニットの上にジャケットを重ねると、脱げない上に暑くなります。前に立つ日は、中を薄手のシャツやカットソーにして、羽織りで温度を調整するほうが楽です。

どちらとも取れるとき1|ジャケットを着るか迷う

いちばん多い迷いは、ジャケットを着ていくかどうかです。ふだんの職場でジャケットを着る人が少なく、自分だけ着ていると浮くのではないかという心配です。

判断の境目は、聞く人の中に社外の人がいるかと、その場がふだんの会議より一段かしこまっているかの二つです。

  • どちらにも当てはまる:ジャケットを着ていきます
  • 社外の人はいるが、ふだんの打ち合わせの延長:ジャケットの代わりに、襟のあるシャツかカーディガンで前の端を作ります
  • 社内だけで、ふだんより一段かしこまっている(部の報告会、新年度の説明会など):ジャケットを持って行き、部屋の様子を見て決めます
  • 社内だけで、ふだんの会議の延長:ジャケットはいりません

迷うのは、三つ目の「持って行って様子を見る」場合です。このときは、着て行ったジャケットを会場の入口で脱ぐか着るかを決める基準を、先に一つ持っておくと迷いません。自分より先に話す人がジャケットを着ていたら着る、着ていなかったら脱ぐ。これだけです。前に立つ人が複数いる会では、並んだときの差が目立ちます。先の人に合わせておけば、聞く人の目は服に向きません。

ジャケットを着ると決めたら、袖丈だけは必ず見てください。ふだん着慣れていないジャケットは、腕を前に上げたとき袖が手首から3センチ以上上がることがよくあります。前に立つ日だけに着る一着なら、腕を動かしたときの袖のほうが、肩の合い方より目に付きます。ジャケットの丈そのものの選び方はジャケット 丈 選び方|秋冬はコートの中に収まるかで決めるを見てください。

どちらとも取れるとき2|オンラインと会場の両方で話す

最近増えているのが、会場に人を集めながら、同時に画面の向こうにも配信する会です。会場の人は全身を見て、画面の人は胸から上だけを見ます。

この場合は、首から上と胸元はカメラに、腰から下は会場に合わせると分けて考えます。

カメラに映る範囲で避けたいのは、細かいストライプや千鳥格子のような細かい柄です。画面の上で波打ったように見えることがあります。光沢の強い生地や、大きな金具も、画面の明るさが自動で変わる原因になります。胸元は無地か、遠目に一色に見える柄にしてください。

一方、会場の人には全身が見えます。上半身を無地にしたぶん、全体が単調に見えるなら、ボトムの色か素材で変化を付けます。上が濃い紺なら、下は明るい灰色にするだけで、会場から見たときに上下の境目が1本でき、輪郭が読めます。

画面の背景が白い壁なら、白いトップスは避けます。顔と服の境目が消え、首から上が浮いたように映ります。

どちらとも取れるとき3|座って話すか、立って話すか分からない

前もって分からないことも多いでしょう。机に座ったまま報告する会もあれば、途中で立ってスクリーンの前に移ることもあります。

分からないときは、立ったときに困る組み合わせだけを避けて、あとは座ったときの見え方で選ぶのが現実的です。

座って話すとき、聞く人に見えるのは机より上だけです。首元と袖口と、上半身の色がすべてです。ここは境目1と境目2と境目4で確かめたとおりに選びます。

立ったときに困るのは、次の三つです。

  • 腕を上げると腰が出る短い丈のトップス
  • 座っていた跡のしわが目立つ、薄くとろみのあるボトム
  • 前に出たときに裾の長さが床ぎりぎりで、段差でつまずきそうなワイドパンツ

この三つを避けておけば、座っても立っても大きく外しません。

座る椅子が会議室の背の高い椅子なのか、ステージの低い椅子なのかでも違います。低い椅子に座ると膝が上がり、スカートの裾がずり上がります。ステージで座って話す可能性があるなら、膝下の丈のスカートか、パンツにしておきます。

どちらとも取れるとき4|手持ちに当てはまる服がない

ここまでの条件を読んで、当てはまる服が一枚もないと感じた人もいると思います。けれど、多くの場合は買い足す前に、組み合わせを一つ替えるだけで足ります。

よくあるのは、次の三つの形です。

**上下の明るさが近すぎる場合。**ベージュのニットにベージュのパンツ、灰色のカーディガンに灰色のスカートのように、上下が同じ明るさだと遠目に一つの塊になります。上か下のどちらかを、手持ちのいちばん濃い色か、いちばん明るい色に替えてください。それだけで境目が1本できます。

**首元に端がない場合。**丸首のニットしかないなら、中に襟のあるシャツを1枚入れて、襟だけ出します。シャツの襟がなければ、前開きのカーディガンを羽織って、ボタンを2つだけ留めずに開けておきます。開けたところにピンマイクを留められます。

**袖が長すぎる場合。**手の甲にかかるニットしかないなら、袖口を一度だけ折り返して、折り返した幅が左右でそろっているかを見てください。折り返しがずれ落ちるなら、中にシャツを着てシャツの袖口で止めます。

それでも足りないと感じるなら、前に立つ日のために一枚足すことになります。そのときは、襟のある無地のシャツか、前が開く濃い色のカーディガンのどちらかを選んでください。どちらも、首元の端と上半身の境目の両方を一度に作れるので、ほかの日の出社にもそのまま回せます。

シャツを選ぶなら、首回りに指が1本入るくらいのゆとりがあるものにします。前に立つと緊張で首まわりが熱くなり、ぴったりの襟は苦しく感じます。カーディガンを選ぶなら、ボタンを全部留めたときに、前の端が胸の上でまっすぐ縦に落ちるものにしてください。前の端が波打つと、ピンマイクを留めたときにマイクが斜めに傾きます。どちらも、背景になりやすい白い壁と離れる紺か濃い灰色を選んでおくと、ほとんどの会議室で輪郭が残ります。

前日の夜に確かめる5分の手順

前日の夜に、次の順番で確かめれば、当日に慌てることはほとんどありません。

  1. 着ていく服を全部着る。羽織りも、靴も、アクセサリーも当日のとおりに
  2. 部屋のいちばん離れた場所に鏡を置くか、スマートフォンで全身を撮る。距離は当日の奥の席に近いほうがよい
  3. 目を細めて見て、上下の境目が1本見えるかを確かめる
  4. 腕を肩の高さに上げて、袖口の位置を見る
  5. 腕を頭の上まで上げて、背中の裾を見る
  6. 胸元の、鎖骨から指3本下に、クリップを挟める端があるかを指でつまんで確かめる
  7. 部屋の中を5歩歩いて、音の出るものがないかを聞く

一人で確かめるのが難しいときは、家族に奥の席の役をお願いしてください。部屋の端に座ってもらい、自分は反対の端で、当日と同じように資料を指したり振り返ったりします。見てもらうのは三つだけです。上と下の境目が見えるか、腕を上げたときに気になるところがないか、歩いたときに音がしないか。服の良し悪しではなく、この三つだけを聞くと、答えるほうも迷いません。

撮った写真は、画面を小さくしたまま見てください。拡大すると近くで見たときの印象に戻ってしまいます。小さな画面で見たときの形が、奥の席から見た形にいちばん近くなります。

よくある失敗と、その場での直し方

当日になって気づいたときの直し方も書いておきます。

**ピンマイクを留める場所がなかった。**ニットの首の縁に留めるしかないなら、縁を少し外側に折って、折った端に挟みます。口に近すぎると声が割れるので、係の人に一度試しに話して聞いてもらってください。どうしても留められないときは、手で持つマイクに替えてもらうよう頼めば、たいていは対応してもらえます。

**白いトップスでスクリーンの前に立つことになった。**スクリーンの正面ではなく、横に半歩ずれて立つだけで、投影の光が服に当たらなくなります。羽織りがあれば着てください。

**上下の明るさが近くて、遠目に塊になっていると気づいた。**その場で服は替えられないので、上半身に一本だけ境目を足します。首元にスカーフを巻く、カーディガンの前を開けて中の一枚を見せる、ジャケットを羽織る。どれか一つで、上と下の間に線が入ります。手元に何もなければ、名札や社員証のストラップを胸の中心に下げるだけでも、縦の線が一本入って輪郭が読みやすくなります。

**途中で暑くなって羽織りを脱ぎたい。**話の区切り、たとえば質問を受ける前や、資料の章が変わるところで脱ぎます。話しながら脱ぐと目立ちます。脱いだ羽織りは、たたまずに椅子の背に掛けておけば、終わったあとにすぐ着られます。

**話している途中で、袖口が何度も落ちてくる。**まくった袖が落ちてくるなら、話の区切りで一度だけ、肘の少し下まで上げ直します。それでも落ちるなら、まくるのをやめて、袖口を手首まで下ろしたままにしてください。何度も直すより、手首にかかった袖のままのほうが、遠くの席からは落ち着いて見えます。資料をめくるときは、袖口を反対の手で軽く押さえると紙に触れません。

**ホワイトボードに書くと背中が出る。**上の段に書かず、胸の高さより下の段だけを使うようにします。上の段を使いたいなら、書く前に裾をボトムの中に入れておきます。

前に立つ日のための服を、ふだんの服に戻す

前に立つ日のために選んだ組み合わせは、ふだんの出社でもそのまま使えます。むしろ、離れた席から見て形が読める組み合わせは、ふだんの職場でも「いつもきちんとしている人」に見えやすくなります。

近くで見られる日は、ここに一つだけ変化を足してください。細いネックレス、小さな柄のスカーフ、靴の色。前に立つ日に外した「音の出るものと光るもの」から、一つだけ戻すのがいちばん簡単です。

前に立つ日が年に数回しかない人は、毎回そのたびに服を考えることになります。そのたびに迷わないように、一度うまくいった組み合わせを、写真に撮って残しておいてください。撮るのは全身と、腕を肩の高さに上げたところの2枚です。次に前に立つ日が来たら、その写真を見て同じ組み合わせを出すだけで済みます。季節が変わったら、羽織りだけを替えれば足ります。

また、聞く人の顔ぶれでも少し変えます。社外の人が多い日、自分より立場が上の人が多い日は、首元を詰め気味に、色を一段濃い側に寄せます。同じ部署の人だけの日や、新しく入った人に向けて話す日は、首元を少し開け、色を一段明るい側に寄せると、話しかけやすい印象になります。どちらの日も、境目1から境目5の条件は変わりません。変えるのは、首元の開きと色の明るさだけです。

人前で話す回数が多い人は、前に立つ日の組み合わせを2通り決めておくと楽になります。ジャケットを着る日の組み合わせと、着ない日の組み合わせです。それぞれに、首元の端、袖の長さ、上下の境目がそろっていれば、当日の朝に迷うことはなくなります。

まとめ

人前で話す日の服は、鏡の前ではなく、いちばん遠い席から見た形で決めます。

  • 距離が離れると、見えるのは上下の明るさの差と、首元と袖と輪郭だけになる
  • 胸の上、鎖骨から指3本下に、ピンマイクを挟める端があるかを確かめる
  • 腕を肩の高さに上げて袖口を、頭の上まで上げて背中の裾を見る
  • 背景の壁やスクリーンより一段濃いか明るい色を選び、上半身は2色まで
  • 音の出るものと光るものは合わせて一つまで
  • 秋冬は暖房で脱ぐ前提で、脱いだあとの一枚だけで話せるかを先に確かめる

迷ったときは、先に話す人に合わせるか、立ったときに困るものだけを外すか、組み合わせを一つ替えるか。この三つのどれかで、たいていの日は手持ちの服で足ります。

よくある問い

Q. 人前で話す日は、ジャケットを着ないといけませんか
聞く人に社外の人が混ざるか、ふだんの会議より一段かしこまった場かのどちらかなら着ていく価値があります。ただし暖房の効いた部屋では途中で脱ぎたくなることが多いので、脱いだあとの一枚だけで話しても形が残るかを先に確かめてください。脱いで崩れる一枚なら、ジャケットではなく中の一枚を替えるほうが先です。
Q. オンラインと会場の両方に向けて話す日は、どちらに合わせればいいですか
首から上と胸元はカメラに、腰から下は会場に合わせます。カメラは胸から上しか映さないことが多いので、細かい柄や光る金具は画面でちらつきます。胸元は無地か、遠目に一色に見える柄にして、変化は腰から下で付けると両方で困りません。
Q. 当てはまる服が手持ちにありません。買ったほうがいいですか
買う前に、ふだん着ている服の組み合わせを一つ替えるだけで足りないかを見てください。多いのは、上下の明るさが近すぎて遠目に一色の塊になっている場合です。上か下のどちらかを、手持ちのいちばん濃い色かいちばん明るい色に替えるだけで、離れた席からの見え方は大きく変わります。
Q. 座って話す予定ですが、服は変わりますか
座って話すなら、聞く人から見えるのは机より上だけです。首元と袖口の比重が上がり、裾の長さや靴はほとんど見えません。ただし予定が変わって立つこともあるので、立ったときに困る組み合わせ(腕を上げると腰が出る短い丈など)だけは避けておいてください。

— メグラシ編集部

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