オフィスカジュアル レディースの選び方は通勤手段で変わる|電車・自転車・車・徒歩で傷む場所が違う

同じような一枚を、同じような職場に着て行っているのに、半年でくたびれる人と、二年たっても形の残っている人がいます。
洗い方の差だと思われがちですが、並べて伺うと違うことのほうが多いです。分かれているのは、職場ではなく通勤のあいだに服のどこへ力がかかっているかでした。
職場にいる時間のほうが長いのに、と思われるかもしれません。けれど職場では、座るか歩くかのどちらかです。通勤では、同じ場所に同じ向きの力が、毎日同じだけかかり続けます。片道30分を週5日で、月におよそ20時間。その20時間が、どこに入っているかの話です。
結論:通勤手段ごとに、最初に傷む場所が決まっている
買う前に全身を見ようとすると、見るところが多すぎて決まりません。自分の通勤手段のところだけ見れば足ります。
| 通勤手段 | 力がかかり続ける場所 | 買う前に先に見るところ | 最初に出ること |
|---|---|---|---|
| 電車(立つ時間が長い) | 肩・脇の下・バッグの当たる面 | 肩の縫い目の位置、脇の余裕 | 肩線が伸びて、腕を上げると背中が引かれる |
| 自転車 | 腰から下・袖口・裾 | 膝を引いたときの裾、裾まわりの広さ | 裾の内側が擦れ、袖口が広がる |
| 車 | 背中の中央・腿の上側 | 握って離したときの戻り | 圧のかかった場所にしわの線が残る |
| 徒歩(片道15分以上) | 足元・裾の内側 | 裾が靴の甲に当たる位置 | 裾の内側が毛羽立ち、色が薄くなる |
職場の許される範囲(どこまで崩していいか)は別の話で、オフィスカジュアル レディースの基本にあります。ここでは、その範囲の中でどれを選ぶと持つかだけを扱います。
電車で立つ時間が長い|肩と脇を先に見る
つり革を持つ姿勢は、腕を上げたまま体を支える姿勢です。腕の重さに加えて、揺れに耐えるぶんの力が肩と脇に入り続けます。
試着で確かめることは2つです。
**腕を前へ90度上げる。**このとき背中が引かれて、上半身全体が前へ動くようなら、肩の縫い目が肩の端より外に出ています。外に出ている一枚は、つり革の時間のぶんだけ肩線が伸びます。縫い目の見方はオフィスカジュアルのジャケットにもまとめてあります。
**脇の下に指が2本、縦に入るか。**入らないと、腕を上げるたびに脇の布が突っ張ります。入りすぎる(4本以上)と、今度は腕を下ろしたときに脇に布がたまり、そこにしわの線が残ります。
もう1つ、電車ではバッグの当たる面が決まっています。肩から下げるなら肩と脇腹、腕に掛けるなら前腕の外側。毎日同じ場所が擦れるので、その面の生地が毛羽立ちやすいかどうかを、買う前に指の腹でなでて確かめておいてください。
自転車|腰から下と袖口で決まる
自転車は、4つの手段のなかで動きの回数がいちばん多い手段です。時間は短くても、こぐあいだ膝は何十回も上がります。
スカートが通るかどうかは、丈の数字では決まりません。椅子に浅く腰かけて、**片膝を胸のほうへ引いてください。**そのとき裾が膝頭より上へ上がってしまうなら、こぐたびに同じことが起きます。膝に乗ったまま止まるなら、丈としては足ります。
次に見るのが裾まわりの広さです。
- 歩幅より狭い|膝の動きが途中で止まります。ペダルが一周しません
- 歩幅の1.5倍前後|動きが止まらず、風も含みません
- それ以上広い|風を含んで持ち上がります
布の重さも効きます。同じ広さでも、重さのある布は下へ落ちようとするので、風を受けても戻ります。薄くて軽い布は、広さが同じでも上がります。
袖口は、周囲が手首の太さの2倍を超えると広がりすぎです。広い袖はハンドルやブレーキに当たり、当たる場所が決まっているので、その一点が先に傷みます。
足元は、かかとの高さよりソールが曲がるかどうかを先に見てください。曲がらない靴はペダルの上で足首だけが動くことになります。選び方はオフィスカジュアルのスニーカーに寄せてあります。
車|傷めているのは擦れではなく圧
車通勤は服が傷まないと言われますが、実際には座っている時間が4つの手段でいちばん長い手段です。そして、かかっているのは擦れではなく圧です。
押され続けているのは2か所。背もたれに当たる背中の中央と、座面に触れている腿の上側です。ここは走っているあいだ、ずっと同じ力で押されています。
買う前の判定は10秒で終わります。
- 生地の一部を手で強く握る
- 10秒そのまま置く
- 離して、跡が消えるまでを数える
5秒以内に消えれば戻る布です。10秒たっても跡が見えるなら、車の中では同じ跡が同じ場所に残ります。
上着は、運転中は脱いで掛けるほうが確実です。ただし掛けている時間が長いので、肩の形が自分で立つ一枚を選んでおいてください。肩が立たない一枚を掛けたままにすると、掛けている時間のほうで形が落ちます。
徒歩|距離を分でなく、月の時間で数える
片道15分を週5日歩くと、月におよそ10時間です。その10時間、力がかかっているのは足元と裾の内側に限られます。
見るのは裾が靴の甲のどこに当たるかです。
- 甲の上で止まる|当たりません
- 甲の真ん中に乗る|歩くたびに裾の内側が擦れます
- 甲を越えて下がる|雨の日に跳ね上がり、内側の色が先に薄くなります
裾の内側は、外からは見えない場所です。見えないので気づくのが遅れ、気づいたときには色の差が出ています。月に一度、裾を折り返して内側を見るだけで、買い替えの時期が早すぎたか遅すぎたかが分かります。
歩く距離が長い日は、荷物を肩から下げるか手に持つかでも当たる場所が変わります。肩に下げるなら片側に寄り続けるので、左右を日ごとに入れ替えてください。
手段が混ざる日は、強いほうに合わせる
自転車10分と電車40分。この日にどちらへ合わせるかというと、自転車です。
理由は、力が時間ではなく動きの回数で入るからです。電車で立っている40分のあいだ、肩にかかる力はほぼ一定ですが、自転車の10分では膝が何十回も曲げ伸ばしされます。回数の多い側が先に出ます。
| 組み合わせ | 合わせる先 | 理由 |
|---|---|---|
| 自転車+電車 | 自転車 | 動きの回数が多い |
| 車+徒歩 | 徒歩が片道10分を超えるなら徒歩 | 裾と足元は圧より先に出る |
| 電車+徒歩 | 徒歩が片道15分を超えるなら徒歩 | 肩は戻るが裾の内側は戻らない |
曜日で手段が変わるなら、強い手段の日に着る一枚を先に決めておくと朝が短くなります。決めておく一枚は1着で足ります。残りの日は、どれを着てもそこまで差が出ません。
買う前に、店でできる4つの確認
順番はこれだけです。どれも15秒以内で終わります。
- 腕を前へ90度上げる|背中が引かれないか(電車)
- 椅子で片膝を胸へ引く|裾が膝頭より上へ上がらないか(自転車)
- 生地を握って10秒、離す|跡が5秒で消えるか(車)
- 裾が靴の甲のどこに当たるか|甲の上で止まるか(徒歩)
自分の手段に当たる番号だけ見てください。4つ全部を見る必要があるのは、手段が3つ以上混ざっている方だけです。
よくある行き違い
**「オフィスカジュアルは職場で決まる」。**職場が決めているのは、どこまで崩していいかという上限だけです。同じ上限の中でどれを選ぶと持つかは、職場ではなく通勤が決めています。上限そのものの引き方はビジネスカジュアルとの線引きにあります。
**「自転車通勤だからカジュアルでいい」。**むしろ逆で、動きの回数が多いぶん、形が戻る布のほうが要ります。崩れて見えるかどうかは素材の硬さではなく、戻るかどうかで決まります。
**「車通勤は服が傷まない」。**座っている時間がいちばん長い手段です。傷み方が擦れではなく圧なので、見た目に出るのが遅いだけです。出たときには線になっています。
**「一枚が早くだめになるのは、洗いすぎだから」。**洗う回数より、休ませた時間のほうが効きます。この点はオフィスカジュアル レディースの一枚が2か月で形を失う4か所にまとめてあります。
装いに活かすなら
次に買い足すものを決めるときは、色や形の前に、自分がその手段に週何時間いるかを数えてみてください。
電車で立つ時間が週5時間なら、肩の縫い目が合っている一枚のほうが、色を増やすより効きます。自転車が週3時間なら、裾まわりの広い一枚が1着あるだけで、回せる日が増えます。
数えると、たいてい手持ちが偏っていることが分かります。手段は1つなのに、その手段で先に傷む場所に合う一枚が1着もない、ということが起きています。
手持ちで回す順番はオフィスカジュアルを買い足さずに回すにあります。買い足す前に、まず自分の20時間がどこにかかっているかを見てください。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 通勤手段で服を選び分けるのは、大げさではないですか
- 服にとっては、職場にいる8時間より通勤の1時間のほうが負担の大きい時間です。職場では座っているか歩いているかのどちらかで、姿勢も途中で変わります。けれど通勤では、同じ場所に同じ向きの力がかかり続けます。片道30分の通勤を週5日続けると、月におよそ20時間。同じ肩、同じ腰、同じ裾に20時間ぶんの力が入り続ける計算です。選び分けると言っても、変えるのは買う前に見る場所を1か所決めるところだけです。着る枚数を増やす話でも、通勤用と職場用で服を分ける話でもありません。手持ちの中から、その手段に合う一枚を先に選ぶだけで足ります。
- Q. 自転車通勤でスカートは通りますか
- 通ります。判定は丈の数字ではなく、膝を引き上げたときに裾がどこまで上がるかです。椅子に浅く腰かけ、片方の膝を胸のほうへ引いてください。そのとき裾が膝頭より上に上がってしまうなら、こぐたびに同じことが起きます。上がらずに膝に乗ったまま止まるなら、丈としては足ります。次に見るのは裾まわりの広さで、歩幅より狭いと膝の動きが途中で止まり、ペダルが一周しません。逆に広すぎると風を含んで持ち上がります。目安は歩幅の1.5倍前後です。同じ広さでも布に重さがあるほうが下へ落ちようとするので、風を受けても戻ります。軽くて薄い布は、広さが同じでも上がります。
- Q. 車通勤なのに、ジャケットの背中にしわが残ります
- しわは擦れではなく圧で入ります。背もたれに当たっている背中の中央と、座面に触れている腿の上側は、走っているあいだずっと同じ力で押され続けている場所です。判定は買う前にできます。生地の一部を手で強く握って10秒置き、離してください。5秒以内に跡が見えなくなる布なら戻ります。10秒たっても跡が残るなら、車の中でも同じ場所に同じ跡が残ります。運転中は脱いで掛けるほうが確実です。ただし掛けている時間のほうが長くなるので、肩の形が自分で立つ一枚を選んでおいてください。肩が立たない一枚を掛けたままにすると、今度は掛けている時間で形が落ちます。
- Q. 電車で立っている時間が長い日は、何を先に見ますか
- 肩の縫い目の位置と、脇の下の余裕の2か所です。つり革を持つ姿勢は、腕を上げて止めたまま体を支える姿勢なので、腕の重さに加えて揺れに耐えるぶんの力が肩と脇に入り続けます。試着のときに腕を前へ90度上げてみてください。背中が引かれて上半身全体が前へ動くようなら、肩の縫い目が肩の端より外に出ています。脇の下は、指が2本縦に入るくらいが目安です。入らないと腕を上げるたびに突っ張り、4本以上入ると下ろしたときに布がたまって線が残ります。混んだ車内で押される時間も長いので、握って離したときに戻る布かどうかも合わせて見ておくと確実です。
- Q. 乗り換えがあったり、日によって手段が変わる場合はどうしますか
- いちばん長い手段ではなく、いちばん強く当たる手段に合わせてください。力は時間ではなく動きの回数で入るからです。自転車10分と電車40分なら、合わせる先は自転車のほうです。ペダルをこぐあいだ、腰から下は何十回も同じ角度で曲げ伸ばしされますが、電車で立っている40分のあいだ、肩にかかる力はほぼ一定です。回数の多い側が先に出ます。車と徒歩が混ざる場合も同じ考え方で、歩きが片道10分を超えるなら徒歩側に合わせます。曜日で手段が変わるなら、強い手段の日に着る一枚だけを先に決めておいてください。1着決まれば、残りの日はどれを着ても差が出ません。
— メグラシ編集部





