授乳服の選び方 部屋着|秋冬の夜中は片手で開けて肩を冷やさない

**家で着る授乳服は、夜中に片手で開けられるかと、開けたあとも肩と背中が覆われたままかの2点で選んでください。**見た目や素材は、その2点が決まってからで足ります。
外出用の授乳服は「普通の服に見えるか」で選ばれがちです。けれど家の中、とくに夜中の寝室で起きていることは、まったく別の話です。部屋は暗く、赤ちゃんを片腕に抱いていて、使える手は1本しかありません。秋から冬にかけては、明け方の寝室がぐっと冷えて、開けた胸元から肩にかけて寒さを感じます。
この記事は、家で着る授乳用の部屋着を、秋冬の夜中に絞って書きます。開き方の比べ方、寝室の温度で何を足すか、そしてどちらとも取れるときにどう決めるかを、いちばん厚く書きました。外出や仕事のときの組み方は授乳中の職場復帰の服装や授乳服が使いにくい理由で扱っています。
結論:夜の部屋着は「片手で開くか」と「開けても肩が出ないか」
先に全体を置いておきます。
| 寝室が暖かい(明け方18度以上) | 寝室が寒い(明け方18度未満) | |
|---|---|---|
| 片手で開けられる | いまの部屋着のまま。羽織は要らない | 羽織を1枚足す。前開きで袖口の締まったもの |
| 片手で開けられない | 開き方の違う1枚に替える。形は自由 | 横から開く形に替えて、羽織も足す |
表で見てほしいのは、軸が2本あることです。片手で開けられるかは「服の形」を決め、寝室の温度は「上に足すもの」を決めます。2つは別々に決めてかまいません。
迷ったときは、開き方はいま持っている部屋着で試してから買うと覚えておいてください。授乳の姿勢や赤ちゃんの抱き方は人によって違います。売り場で見て良さそうに思えた形が、自分の寝室では使いにくいことがあります。
片手で開けられるかは、利き手と反対の手で試す
夜中の授乳では、赤ちゃんを抱く腕がふさがります。多くの人は利き手で赤ちゃんの頭を支えるので、服を開けるのは利き手と反対の手になります。
試し方は簡単です。昼間のうちに、いま着ている部屋着のまま椅子かベッドに座って、クッションか丸めたタオルを赤ちゃんの代わりに利き手で抱えます。そのまま、反対の手だけで、授乳できる状態まで服を開けてください。かかった時間を数えます。
**10秒以内に開けられるなら、その部屋着はそのまま使えます。**10秒を超えたり、途中で利き手を使わないと開けられなかったりしたら、夜中の暗いなかではさらに時間がかかります。そこが替えどきです。
部屋を暗くして、もう一度試す
昼間に10秒で開けられても、夜中は違います。部屋の明かりを消して、手元が見えない状態でもう一度試してください。小さなボタンは、見えないと穴の位置がわかりません。スナップボタンは、どこにあるか指先で探すことになります。
暗いなかで開けやすいのは、指先で場所がわかるものです。大きめのボタン、引けば開くファスナー、手を差し込めば開くスリットなどがそれにあたります。逆に、小さなボタンが縦に並んだシャツは、明るいうちは扱いやすくても、夜中には時間がかかります。
左右どちらも開けられるか
授乳は左右を替えながら続けることが多いので、片側だけ開けやすい服は、反対側で手間が増えます。試すときは、抱える側を左右で替えて、両方で10秒以内に開けられるかを確かめてください。片側だけ開けにくい場合は、ボタンやスリットの位置が体の中心からずれていることがあります。
抱き方が変わったら、もう一度試す
赤ちゃんが大きくなると、抱き方も変わります。横抱きから縦に近い抱き方へ、腕で支える姿勢からクッションに預ける姿勢へ。抱き方が変わると、服を開けるときに使える手や、開け口に届く角度も変わります。
最初に10秒で開けられた部屋着が、ひと月たって開けにくくなったと感じたら、抱き方が変わった合図です。そのときは、もう一度クッションを抱えて試してください。開け口の位置が合わなくなっているなら、別の開き方の1枚と順番を入れ替えます。
開き方の4つの形と、夜に向くもの
授乳用の部屋着の開き方は、大きく分けて4つあります。それぞれに向く場面と、夜中に困りやすい点があります。
| 開き方 | 片手での開けやすさ | 開けたとき肌が出る範囲 | 夜に気をつけること |
|---|---|---|---|
| 横から開くスリット | 手を差し込むだけで開く | 胸元だけ。肩と背中は覆われる | 内側の布がずれると開け口がわからなくなる |
| 前のボタンやスナップ | 大きいボタンなら速い | 開けたぶん胸元から肩まで出やすい | 小さいボタンは暗いと見つからない |
| 前を重ねる形 | 重ねを手で横にずらすだけ | 胸元が中心。肩は残る | 重ねが浅いと寝返りで開いてしまう |
| 裾からめくる形 | 裾を持ち上げるだけ | お腹から胸まで出る | 背中とお腹に風が入りやすい |
表は、どの形が正解かを示すためのものではありません。「開けやすさ」と「肌が出る範囲」の2つが、形によって逆向きに動くことを見るためのものです。開けやすい形ほど肌が出やすく、肌が出にくい形ほど手順が少し増えます。
寝室が寒い家に向く形
明け方の寝室が冷える家では、横から開くスリットか、前を重ねる形のほうが、肩と背中が覆われたままなので寒さを感じにくくなります。スリットは、内側にもう1枚布がある二重の作りが多く、外側を開けても内側が肌に残るので、胸元以外はほとんど出ません。
寝室が暖かい家に向く形
暖房をつけたまま寝ている家や、寝室が明け方でも暖かい家なら、前のボタンでも困りません。むしろ、開ける場所が大きく取れるので、赤ちゃんの位置を合わせやすくなります。ボタンは、指先で探せる大きさのものにしておいてください。
開けたとき冷える場所を、鏡の前で確かめる
開き方を決めたら、次は「開けたとき、どこが出るか」を確かめます。夜中は暗くて自分では見えないので、昼間に鏡の前で見ておきます。
授乳の姿勢で座って、実際に開けた状態で鏡を見てください。見るのは3か所です。肩、脇腹、背中。この3か所のどれかが出ていると、秋冬の明け方は寒さを感じやすくなります。
肩が出るのは、前のボタンを多く開けたときです。ボタンを開ける数を、授乳できる最小限にとどめられるかを試します。上から2つで足りるのか、4つまで開けないと足りないのか。4つ開けないと足りないなら、開け口の位置が授乳する場所と合っていません。
脇腹が出るのは、裾からめくる形のときです。めくった裾が胸の上にたまり、その下の脇腹が出ます。下に腹巻きのような筒状の1枚を着ておくと、めくっても脇腹は覆われたままになります。
背中が出るのは、前かがみの姿勢で授乳するときに、裾が背中側で引き上がるからです。腰骨より10センチ以上長い丈の部屋着を選ぶか、パンツのウエストに裾を入れておくと、背中が出にくくなります。
首元のあきも見ておく
3か所のほかに、首元のあきも見ておいてください。首元が大きく開いた部屋着は、授乳のために前を開けると、首から肩にかけての開きがさらに広がります。寝ているあいだも首元から冷たい空気が入りやすく、明け方に肩がすくむ原因になります。
首元のあきは、鎖骨が半分ほど隠れるくらいが、夜中には扱いやすい目安です。それより開いた部屋着しかない場合は、首に巻ける薄手のガーゼのストールを枕元に置いておくと、授乳のあいだだけ首元を覆えます。首元が詰まりすぎた部屋着は、反対に横から開けるときに引っかかることがあるので、試すときに一緒に確かめてください。
寝室の明け方の温度で、羽織を足すかを決める
羽織を足すかどうかは、寝る前の部屋の温度ではなく、明け方の温度で決めてください。夜中の授乳でいちばん寒いのは、明け方の時間帯だからです。
寝室に温度計を1つ置いて、明け方に授乳で起きたときに見てください。**18度を下回っていたら、羽織を1枚足します。**それより暖かければ、部屋着だけで足りることが多いはずです。
18度という線は、部屋着1枚で胸元を開けたときに、肩から寒さを感じはじめる目安です。人によって感じ方は違うので、寒いと感じたときの温度を何日か見ておいて、自分の線を決めてもかまいません。
羽織は前開きで、袖口の締まったもの
足す羽織は、前開きのものにしてください。かぶる形の羽織は、授乳のたびに裾をまくり上げることになり、結局お腹と背中が出ます。前開きなら、羽織の前を開けて、その内側で部屋着を開けるだけで済みます。
袖口は、締まっているものが扱いやすいでしょう。袖口が広いと、赤ちゃんを抱いた腕の袖がずり上がって、手首から肘まで冷えます。また、広い袖口は赤ちゃんの顔の近くに垂れ下がって、気になることがあります。リブで締まった袖口か、手首で留められる袖口なら、抱いているあいだも袖が動きません。
羽織の丈は、座ったときにお尻が隠れる長さ
羽織の丈は、授乳の姿勢で座ったときに、お尻まで隠れる長さを選びます。短い羽織だと、座ったときに背中の下のほうが出て、腰まわりから冷えます。長すぎると、立ち上がるときに裾を踏むことがあります。椅子に座って、羽織の裾が座面に少し届くくらいが、夜中には扱いやすい長さです。
羽織の置き場所を決めておく
夜中に羽織が見つからないのは、よくある困りごとです。寝る前に脱いだ羽織を、どこに置いたか覚えていないからです。授乳する場所のすぐ横に、羽織を掛ける場所を1つ決めておいてください。椅子の背、ベッドの柵、壁のフックなど、暗くても手を伸ばせば届く場所です。そこに毎晩掛けておけば、探す時間がなくなります。
素材は、肌側と外側で分けて考える
素材は、肌に触れる部屋着と、外側に足す羽織で分けて考えます。
肌側の部屋着は、洗濯の回数に耐えるものを選んでください。夜中の授乳では、ミルクの吐き戻しやよだれで、思った以上に汚れます。毎日洗っても形が崩れにくい、綿の天竺やガーゼ、スムース編みなどが扱いやすいでしょう。乾きやすさも大事です。秋冬は洗濯物が乾きにくいので、厚手すぎると洗い替えが追いつきません。
外側の羽織は、温かさを優先してかまいません。羽織は肌に直接触れる場所が少なく、汚れも肌側ほどつきません。薄手のニット、起毛した裏地のスウェット、中わたの入った軽い羽織などが使えます。
静電気の起きにくさも見ておく
冬の乾いた寝室では、化学繊維の羽織が静電気を起こしやすくなります。夜中に羽織を脱ぎ着するたびにパチッとすると、それだけで目が覚めます。肌側を綿にしておくと、外側が化学繊維でも静電気が起きにくくなります。羽織を選ぶときは、肌側との組み合わせで考えてください。
毛足の長い羽織を選ぶときの注意
ふわふわとした毛足の長い羽織は、温かく、肌ざわりも心地よいものです。ただ、授乳のときは赤ちゃんの顔のすぐ近くに羽織の前身頃が来ます。毛足が長いと、細かな毛が抜けて赤ちゃんの顔や口元についているのが気になることがあります。
毛足の長い羽織を使うなら、授乳のときは前を大きく開けて、羽織が赤ちゃんに触れない位置で着るようにします。気になるなら、表面がなめらかな編み地のニットや、起毛が短いスウェットのほうが扱いやすいでしょう。温かさは、羽織の厚みではなく、間にベストを足すことで補えます。
下半身は、夜中に立ち上がる回数で選ぶ
授乳服というと上半身ばかり見がちですが、夜中の部屋着では下半身も効いてきます。授乳のあと、おむつを替える、ミルクを作る、寝かしつけで歩く、と立ち上がる回数が多いからです。
1回の授乳で2回以上立ち上がるなら、下は足首まで覆われて、裾を踏まない丈のパンツにしてください。長すぎる裾は、暗いなかで踏んでつまずくもとになります。くるぶしの骨が隠れる長さで、裾がリブで締まっているものが、夜中には扱いやすいでしょう。
ウエストは、ゴムかひもで調整できるものを選びます。座る、立つ、かがむ、を繰り返すたびにウエストが気になるのは、夜中には余計な手間です。
足元の冷えは、靴下より履物で止める
夜中に床を歩く回数が多いと、足元が冷えます。靴下を重ねるより、寝室の入り口に室内履きを1足置いておくほうが楽です。授乳の場所から立ち上がって、そのまま足を入れられる位置に置いておきます。かかとのない形なら、暗いなかでも手を使わずに履けます。
パジャマの形と、スウェットの形
夜の部屋着の下半身には、パジャマのような布帛のパンツと、スウェットのような編み地のパンツがあります。どちらが正解ということはありませんが、夜中の動きで差が出ます。
布帛のパンツは、汗をかいても肌に張りつきにくく、乾きやすいのが利点です。そのかわり、伸びが少ないので、床に座ってあぐらをかく授乳だと膝が突っ張ることがあります。スウェットの形は伸びがあって、床でもベッドでも姿勢を選びません。そのかわり、厚手のものは乾くのに時間がかかります。
床で授乳することが多いならスウェットの形、ベッドや椅子が多いなら布帛の形、と考えておくと選びやすくなります。上と下を揃いで買う必要はありません。上は開き方で、下は授乳する場所で、別々に選んでかまいません。
授乳クッションを使う日は、裾の長さが変わる
授乳クッションを使う人は、部屋着の裾の長さを見直してください。クッションを膝の上に置くと、部屋着の裾がクッションの下に挟まれて、引っぱられます。裾が引っぱられると、胸元の開け口の位置が下がり、開けにくくなることがあります。
試すときは、クッションを膝に置いた状態で、部屋着の裾がどこに来るかを見てください。裾がクッションの下に入り込むなら、丈が長すぎるか、生地が柔らかすぎて落ちてきています。腰骨より少し下で止まる丈なら、クッションの上に裾が乗るので、引っぱられません。
一方で、前の章で書いたように、背中が出ないためには丈が長いほうがいい場面もあります。この2つを両立させるには、前の丈は腰骨のあたり、後ろの丈は腰骨より10センチほど長い、前後で丈の違う形を選ぶ方法があります。手持ちの部屋着なら、裾を前だけパンツに入れておくと、同じ形になります。
クッションの代わりに枕を使うとき
授乳クッションを使わず、ふつうの枕やたたんだ毛布を膝に乗せる人もいます。この場合、膝の上のものが安定しにくいので、部屋着の生地が滑りやすいと、赤ちゃんの位置がずれることがあります。つるつるした化学繊維のパンツより、綿の起毛した生地のほうが、膝の上のものが滑りにくくなります。
夜中の明かりと、部屋着の色
夜中の授乳は、小さな明かりの下か、真っ暗に近いなかで行うことが多いはずです。そのとき、部屋着の色が手元の見え方を変えます。
濃い色の部屋着は、暗いなかでボタンや開け口の位置がわかりにくくなります。黒や紺の部屋着に同じ色のボタンがついていると、手探りで探すしかありません。生成りや淡い灰色、薄い色の部屋着なら、小さな明かりでも開け口の位置が見えます。
汚れの見え方も、色で変わります。明るい色は、吐き戻しやミルクの跡に気づきやすく、着替えるかどうかをその場で判断できます。濃い色は汚れが目立たないかわりに、朝になって明るいところで初めて気づくことがあります。夜中に汚れたまま寝てしまうのが気になるなら、明るい色を選んでおくと、その場で気づけます。
ボタンだけ色を変える
手持ちの部屋着が濃い色で、ボタンが見つけにくい場合は、ボタンを明るい色や形の違うものに付け替える方法もあります。いちばん上のボタンだけ大きいものにしておくと、暗いなかでもそこを起点に開けられます。服を買い替えるより、ずっと手間がかかりません。
秋の入口と真冬で、足すものは変わる
同じ秋冬でも、季節が進むにつれて、寝室の明け方の温度は下がっていきます。それに合わせて、足すものの順番を決めておくと、毎晩迷わずに済みます。
秋の入口は、明け方でも18度を下回らない日が多い時期です。部屋着1枚で過ごせることが多く、羽織は枕元に置いておくだけで足ります。
秋が深まって、明け方に18度を下回る日が出てきたら、前開きの薄手の羽織を足します。この時期は、昼と夜の差が大きいので、羽織は薄手で十分です。
冬に入って、明け方に15度前後まで下がるようになったら、羽織を厚手のものに替えるか、中わたの入った軽いベストを部屋着と羽織のあいだに足します。ベストは袖がないので、授乳の邪魔になりません。足元には室内履きと、くるぶしまで覆う靴下を足します。
**足す順番は、肩、背中、足元です。**授乳で開けたときに最初に冷えを感じやすいのは肩なので、まず肩を覆う羽織。次に、前かがみで出やすい背中。最後に、立ち上がるときに冷えを感じる足元です。この順で足していけば、必要以上に重ね着をしなくて済みます。
授乳する場所で、部屋着の形が変わる
夜中にどこで授乳するかで、選ぶべき部屋着の形も少し変わります。
ベッドに座って授乳するなら、背中を壁やヘッドボードに預けることが多いので、背中側の生地が厚すぎないものが楽です。厚い生地が背中にたまると、姿勢が安定しません。
授乳用の椅子やソファで授乳するなら、肘掛けに腕を置くことが多いので、袖が肘掛けに引っかからない細めの袖が扱いやすくなります。羽織の袖も同じです。
床に座って授乳するなら、膝を立てたりあぐらをかいたりするので、下半身は膝にゆとりのある形にします。床は寝室のなかでもいちばん冷えやすい場所なので、座布団やラグを1枚敷いておくと、下半身の服を厚くしなくて済みます。
洗い替えは3枚、夜中に着替える回数で増やす
授乳用の部屋着は、洗い替えを含めて3枚を目安にしてください。1枚を着て、1枚を洗って、1枚を予備に置いておく数です。
夜中に着替えることが週に2回以上あるなら、4枚にします。吐き戻しやミルクで濡れたまま朝まで過ごすのは寒いので、着替える前提で枕元に1枚置いておくと、暗いなかで探さずに済みます。
羽織は汚れにくいので、1枚か2枚で足ります。ただし、羽織の袖口は赤ちゃんの顔の近くにくるので、思ったより汚れることがあります。洗える素材のものを選んでおくと、汚れたときにすぐ洗えます。
乾きにくい季節の回し方
秋が深まると、洗濯物が乾くまでの時間が延びます。夏と同じ枚数で回していると、夜に着る1枚が乾いていない、ということが起きます。
乾きにくい季節は、洗う時間を朝から夜に移すと回りやすくなります。夜に洗って部屋の中に干しておけば、翌日の夜までに乾く時間を丸1日取れます。厚手の部屋着は、裏返して干すと縫い目の重なった部分が乾きやすくなります。
それでも追いつかないなら、肌側の部屋着だけ1枚増やしてください。羽織や下半身は汚れにくいので、増やす必要はほとんどありません。増やすのは、毎晩いちばん汚れる1枚だけです。
来客や宅配のとき、そのまま玄関に出られるか
家で過ごす時間が長い時期は、昼間も部屋着のまま過ごすことが多くなります。そのときに困るのが、宅配や急な来客です。
授乳用の部屋着のまま玄関に出られるかを、一度考えておいてください。前を重ねる形やスリットの形は、閉じていれば普通の部屋着に見えます。裾からめくる形も、下ろしていれば外からはわかりません。前のボタンの形は、開けたまま忘れていることがあるので、玄関に出る前に1回触って確かめる習慣があると安心です。
羽織を1枚掛けておけば、部屋着の上からでも玄関に出やすくなります。夜中に使う羽織を、昼間はそのまま玄関に出る1枚として使うと、枚数を増やさずに済みます。
どちらとも取れるときは、こう決める
ここまでの線は、「10秒で開けられるか」と「明け方18度」の2つです。けれど実際には、線のちょうど上に乗って迷うことが少なくありません。場面ごとに決め方を置いておきます。
開けるのに10秒前後かかるとき
10秒の線の上にいるときは、暗いなかでもう一度試して決めてください。明るいところで10秒前後なら、暗いところでは15秒を超えることが多くなります。15秒を超えるなら替えどきです。替えるといっても、すぐに新しく買う必要はありません。開け口の違う部屋着がほかにあれば、それと順番を入れ替えて、夜はそちらを着るようにします。
寝室の温度が18度前後を行き来するとき
明け方の温度が日によって17度だったり19度だったりする時期は、羽織を毎晩枕元に置いておいて、寒いと感じた日だけ着るようにします。足すかどうかを寝る前に決めようとすると、外れる日が出ます。置いておいて、起きたときに決めるほうが確実です。
スリットと前ボタン、どちらにするか決められないとき
この2つで迷うときは、寝室の温度と、授乳の姿勢で決めてください。寝室が寒くて、赤ちゃんを横抱きにすることが多いならスリット。寝室が暖かくて、赤ちゃんの位置を何度も調整するならボタン。それでも決められないなら、いま持っている前開きのシャツの下に、横から開けられるタンクトップを1枚着てみます。上のボタンだけ開けて、下のタンクトップを横からずらせば、2つの形を同時に試せます。
産後すぐの時期と、数か月たった時期で迷うとき
産後すぐは、授乳の回数が多く、赤ちゃんの抱き方もまだ定まっていないことが多い時期です。この時期は、開けやすさを最優先にしてください。数か月たって授乳の間隔が空いてきたら、肌が出にくい形や、昼間にそのまま外へ出られる形へ、少しずつ移していけばかまいません。最初から長く着られる形を選ぼうとすると、いちばん手間のかかる時期に使いにくい服を着ることになります。
上の子の世話もある夜
上の子が夜中に起きてくる家では、授乳の途中で立ち上がることがあります。そのときに、開けたままの胸元をすぐに閉じられるかが大事になります。前を重ねる形やスリットなら、手を離せば閉じます。ボタンの形は、閉じるのにまた時間がかかります。上の子がいる家は、閉じる速さも試しておいてください。
昼は普通の服で、夜だけ授乳用にするか迷うとき
授乳用の部屋着を夜だけにするか、昼も着るかで迷う人もいます。これは、昼に授乳する場所で決めてください。
昼も家で授乳するなら、昼と夜で同じ開き方の服を着ておくほうが、手の動きが揃って迷いません。昼は普通の服で開け方がまったく違うと、夜中の眠い頭で「今日はどっちだったか」と手が止まることがあります。
昼は外で過ごすことが多く、授乳も外の授乳室で済ませるなら、夜だけ授乳用の部屋着にして、昼は外出用の服で考えてかまいません。その場合も、開け方の向きだけは揃えておくと、手が迷いにくくなります。横から開ける服を夜に着るなら、昼の服も横から開けられるものに寄せる、という具合です。
家族に見られるのが気になるとき
夜中の授乳で、同じ部屋に家族が寝ていると、開けた胸元が気になることがあります。この場合は、開けたときに肌が出る範囲が小さい形を選んでください。横から開くスリットか、前を重ねる形なら、開けても胸元の一部しか出ません。
さらに気になるなら、羽織を前に掛けたまま授乳できる大きさのものにしておきます。羽織の前身頃が広く、授乳中も肩から胸元までを覆えるものなら、隣で家族が起きても気になりません。大判のストールを1枚枕元に置いておくのも、同じ役目を果たします。
買う前に、手持ちの服で開き方を試す
授乳用の部屋着を新しく買う前に、手持ちの服で開き方を試しておくと、失敗が減ります。
前開きのシャツかカーディガンの下に、伸びのあるタンクトップを1枚着ます。タンクトップの肩ひもを少しずらすか、裾を持ち上げれば、横から開くスリットに近い形が試せます。上のシャツのボタンを開ける数を変えれば、前ボタンの形が試せます。これで1週間ほど夜中の授乳を続けてみると、自分に合う開き方がわかります。
試すときに見る3つのこと
1つ目は、開けるのにかかった時間です。毎晩同じくらいの時間で開けられるか。日によってばらつくなら、その形は暗いなかで手順が増えています。
2つ目は、寒いと感じた場所です。肩なのか、脇腹なのか、背中なのか。場所がわかれば、足すものが決まります。肩なら羽織、脇腹なら筒状の肌着、背中なら丈の長い部屋着です。
3つ目は、閉じ忘れの回数です。授乳のあと、開けたまま寝てしまったことが何回あったか。閉じ忘れが多いなら、手を離せば閉じる形のほうが合っています。
この3つを1週間見てから買えば、売り場で迷う時間も短くなります。授乳服そのものが必要かどうかで迷っているなら、授乳服は必要かで、普通の服で足りる場面と足りない場面を分けています。
夜の1枚が決まれば、昼の服はあとから決まる
最後に、夜の部屋着から決める理由を書いておきます。
外出用の授乳服は、出かける日だけ着るものです。夜の部屋着は、毎晩、何回も開けて閉じるものです。開ける回数で比べると、夜の1枚のほうがずっと多く手を使います。そこで手間が減れば、1日のなかで疲れる場面が1つ減ります。
夜の1枚で、自分に合う開き方と、寒さを感じる場所がわかれば、昼の服や外出の服を選ぶときにも、同じ基準が使えます。開け方は同じ形で揃え、外出のときは羽織を外出用に替えるだけ。夜の1枚は、授乳期の服全体の物差しになります。
今夜、授乳で起きたら、開けるのにかかった時間と、寒いと感じた場所を、1つずつ覚えておいてください。それが、次に選ぶ1枚の条件になります。
よくある問い
- Q. 家の中でも授乳服は必要ですか
- 日中だけなら、前開きのシャツやカーディガンで足りることが多いです。困るのは夜中です。暗いなか、片手で赤ちゃんを抱いたまま開けることになるので、開ける手順が少ない服のほうが楽になります。いまの部屋着で、利き手と反対の手だけで授乳できる状態まで開けられるかを試してください。10秒以内に開けられるなら、新しく買わなくてかまいません。
- Q. 横から開くスリットと、前のボタン、どちらがいいですか
- 夜中の寝室が寒い家は、横から開くスリットのほうが肩と胸元が覆われたままなので、冷えを感じにくくなります。ボタンは開ける場所が大きく取れるかわりに、開けたぶん肌が出ます。寝室の明け方の室温が18度を下回るならスリット、それより暖かいなら、外しやすい大きめのボタンでも困りません。
- Q. 何枚あれば足りますか
- 夜に着る授乳用の部屋着は、洗い替えを含めて3枚を目安にしてください。1枚を着て、1枚を洗って、1枚を予備にしておく数です。夜中に着替えることが週に2回以上あるなら、4枚にします。羽織は汚れにくいので、1枚か2枚で足ります。
- Q. サイズは妊娠前と同じでいいですか
- 妊娠前の数字にこだわらず、いまの体で、肩と胸まわりにゆとりがあるかで選んでください。授乳のために開ける場所は胸まわりにあるので、ここに指が3本入るくらいのゆとりがないと、開けるときに生地が引っぱられて手間が増えます。ウエストは調整できる形にしておくと、季節や時期が変わっても長く着られます。
— メグラシ編集部





