PD診断と骨格診断が違うとき|秋冬服は寸法を骨格、方向をPDで

PD診断(パーソナルデザイン診断)の結果と骨格診断の結果が違う方向を指したとき、決め方は一行で済みます。
寸法は骨格、方向はPD。
コートの肩の縫い目がどこにあるか、着丈がどこで止まるか、襟ぐりが何センチ開くか。これは骨格が決めます。どんな色を置くか、装飾をどれだけ乗せるか、表面をどれだけ光らせるか。これはPDが決めます。
2つはそもそも見ているものが違います。だから食い違って当たり前で、片方が間違っているわけではありません。
秋冬はとくにこの分け方が効きます。コートやニットは面が大きく、重ねる枚数も増えるので、寸法の外れも方向の外れも、夏より目立つからです。この記事では、コート・ニット・ブーツ・首元の小物まで、秋冬に手に取るものを部位ごとに分けて、どちらの結果で決めるかを書いていきます。
あなたがやることは2段階だけ
先に結論の使い方を置きます。
1段階目は骨格です。肩の縫い目、襟ぐりの深さ、丈の止まる位置、布の硬さ。この4つを測って、体との関係が成り立つ範囲に入っているかを見ます。外れていたら、その一着は方向がどれだけ合っていても棚に戻します。
2段階目はPDです。1段階目を通った一着が2つ以上あったときに、色、装飾の量、表面の光り方で選びます。ここは好みで構いません。むしろ好みで選んだほうが着る回数が伸びます。
この順番を守るだけで、2つの診断結果は競合しなくなります。以下は、それぞれの部位でなぜその担当になるのか、どう測るのか、割れたときにどうするのかの説明です。
なぜ食い違って見えるのか|同じ言葉に翻訳してしまうから
2つの結果が真逆に見えるのは、両方を「柔らかい/硬い」のような同じ言葉に翻訳したときです。
骨格の結果が指しているのは、布が体に触れるか離れるか、どの位置で止まるかという物理です。PDの結果が指しているのは、装いがどちらの方向へ向くと本人と一致するかという印象です。
たとえば骨格の側が「体に沿う布のほうが成り立つ」と言い、PDの側が「ゆったりした雰囲気が合う」と言ったとします。同じ言葉に直すと矛盾しますが、分けて読めば矛盾しません。体に沿う布のまま、ゆったりした雰囲気は作れるからです。色を落ち着かせ、装飾を減らし、縦の長さを取れば、寸法を動かさずに方向だけが動きます。
翻訳の段階で混ぜないこと。これが食い違いをほどく最初の一歩です。
分け方の全体像|6か所に決定権を配る
秋冬の服を6か所に分けます。それぞれ、どちらが決めるかは最初から決まっています。
| 部位 | 決めるのは | 理由 |
|---|---|---|
| 肩の縫い目の位置 | 骨格 | 骨より外に出ると布が浮く。着方では戻らない |
| 襟ぐりの深さ・首の詰まり | 骨格 | 鎖骨や首との距離が変わると上半身の面が割れる |
| 丈(コート・ニット・スカート・ブーツの履き口) | 骨格 | 体の張る位置で止まると、その高さに線が入る |
| 装飾の量 | PD | 体との物理的な関係が薄い。方向だけが動く |
| 色の濃さの差 | PD | 面の大きさは変わらず、印象だけが動く |
| 表面の光り方 | PD | 同じ硬さでも光の返し方で印象が変わる |
この表に載っていない項目が1つあります。素材の硬さと厚みです。ここだけは骨格が持ちつつPDも口を出すので、ニットの節であらためて分けます。
秋冬に食い違いが目立つ理由|面が大きく、枚数が増える
夏の服は1枚で完結することが多く、面も小さいので、寸法が少し外れても目立ちにくい季節です。
秋冬は違います。コートは上半身から膝あたりまでを1枚の面で覆います。ニットは編み地の厚みがあり、その上にさらに羽織りが乗ります。足元はブーツで、脚の途中に履き口の線が入ります。
面が大きいと、寸法の外れはそのまま面積になって見えます。枚数が増えると、それぞれの丈が作る線が何本も重なります。だから秋冬は、骨格の担当範囲が夏より広くなります。
一方で、面が大きいぶん、色と光り方が占める割合も大きくなります。PDの担当範囲も同時に広がるということです。2つの診断の両方が夏より強く効く季節なので、担当を分けておく価値がいちばん高い時期だと考えてください。
骨格が決める①|コートの肩の縫い目は、骨より外に出さない
肩の骨の出っぱりに指を当て、袖の縫い目がその真上にあるかを見ます。外へ1.5cm以上出ていると、肩から胸にかけて布が浮きます。
コートではこの浮きが大きく出ます。生地が厚く硬いぶん、浮いた布が自分の形で立ってしまい、体の線と布の線が離れたまま固定されるからです。
ここで気をつけたいのが、肩の縫い目をわざと落とした作りのコートです。この作りは、縫い目が骨の位置から外れることを前提に設計されています。判断の基準は「縫い目が二の腕のどこに落ちているか」に変わり、骨格の結果によって合う落ち方が違います。
PD側が「肩の線をゆるく見せたい」と言っているなら、縫い目の位置は骨格の範囲に置いたまま、袖の太さや袖丈で応えてください。位置は骨格、落ち方の印象はPDという分け方になります。
骨格が決める②|コートの着丈は、体の張る高さを避ける
コートの裾が止まる高さは、体のいちばん張っている高さを避けます。腰の脇やもも、ふくらはぎに手を当てて、いちばん外へ出ている高さを探し、そこから上下に3cm以上ずらすだけです。
コートの着丈は、腰丈、もも丈、膝丈、膝下丈、くるぶし近くまでと幅があります。どの丈が良いかは骨格の結果によって変わりますが、どの結果でも共通しているのは「張る高さで止めない」ことです。
PDの側から「長い丈が合う」と言われていても、その長さの中身を「裾が止まる高さ」ではなく「縦に続く線の長さ」で作れば、両方を満たせます。前を開けて内側の服と色をつなげる、襟から裾まで同じ色で通す。これで止まる高さを動かさずに、長さの印象だけを作れます。
止まる高さは骨格、長さの印象はPD。同じ丈という言葉に、2つの項目が入っていることを覚えておいてください。
骨格が決める③|襟ぐりと首の詰まりは、鎖骨からの距離で見る
襟ぐりは、鎖骨の中央のくぼみから、襟ぐりのいちばん下までの距離で測ります。秋冬はこれに加えて、首の詰まり方も見ます。タートルや高めの襟は、首のどこまで布が上がるかで、上半身の面の区切り方が変わるからです。
鎖骨が平らに続く体は、襟ぐりが浅いと首から胸までが1枚の面になります。鎖骨がはっきり出る体は、首を深く覆うと首まわりに布の量が集まります。体によって合う距離が違うので、ここは骨格が担当します。
PD側の指示が「首元を華やかに」であっても、襟ぐりの深さを変えるのではなく、深さを保ったまま首元に何を置くかで応えます。秋冬なら、ストールの巻き方、襟の内側に見せる色、首元に添える小物で方向は作れます。距離を動かすのは最後の手段です。
骨格が決める④|ブーツの履き口は、脚の張る高さから外す
秋冬に特有の線が、ブーツの履き口です。脚の途中に必ず1本の横線が入るので、その高さは骨格に預けます。
ふくらはぎのいちばん張っている高さに手を当てて探し、履き口がそこから上下3cm以上外れているかを見ます。張る高さで履き口が止まると、そこに線が乗って、その高さの幅の情報が強く出ます。
もう1つ、スカートやコートの裾との距離も骨格の担当です。裾と履き口のあいだに見える脚の長さが、4cm未満だと線が詰まり、20cmを超えると間に挟まる面が大きくなります。どの距離が合うかは体によって違うので、鏡で前と横から確かめてください。
ブーツの色、つやの有無、飾りの量はPDの担当です。履き口の高さだけ骨格で決めて、残りは好みで選んで構いません。
PDが決める①|装飾の量は、見えている面の3割まで
装飾(ひだ、飾り布、光る留め具、大きなボタン、模様の密度)は、体との物理的な関係が薄い項目です。ここはPDの方向に従って構いません。
1つだけ数量の目安を置きます。上半身の見えている面積のうち、装飾が占めるのは3割まで。 3割を超えると、装飾が寸法の判断を隠してしまい、鏡で見ても何が効いているのか分からなくなります。
秋冬は、コートを着ると上半身の見えている面積のほとんどがコートになります。コートに装飾が多い場合、内側の服はほぼ無地に寄せると3割に収まります。逆に内側のニットに模様を取りたいなら、コートは装飾の少ないものにしてください。
量ではなく置き場所で方向を作る、という考え方もあります。首、手首、足首、胴のいちばん細い高さ。この4か所の近くに装飾を置くと、装飾が細さの位置を指し示す働きをします。方向を作りたいなら細い場所の近く、面を作りたいなら厚みのある場所。PDの結果がどちらを指していても、この置き分けは使えます。
PDが決める②|色の濃さの差は、面の大きさを変えない
色は面の大きさを物理的に変えません。だから色の選択はPDに預けられます。
判断に使うのは、隣り合う2つの面の濃さの差です。差が大きいと、その境目が線になります。差が小さいと、2つの面が一続きに見えます。どちらを取るかは方向の話なので、PDの結果が指すほうへ寄せてください。
秋冬は濃い色が増えるので、この差の扱いが夏より大事になります。濃い色のコートの内側に明るいニットを着ると、前を開けたときに縦の境目が2本できます。同じくらい濃いニットを着ると、境目は消えて1枚の面になります。
骨格の側が関わるのは、境目がどの高さに来るかだけです。高さは骨格、濃さの差はPD。ここでも同じ分け方が使えます。
PDが決める③|表面の光り方は、同じ硬さの中から選ぶ
同じ硬さの布でも、光を強く返すものと鈍く返すものがあります。秋冬の素材でいえば、毛足のある起毛の生地、目の詰まった平らな織り、つやのある生地、凹凸のある編み地。これらは硬さとは別に、光の返し方がまるで違います。
光り方は印象だけを動かすので、PDの担当です。PDの結果が華やかさを指していれば光を返すほうへ、落ち着きを指していれば光を吸うほうへ寄せてください。
ただし、光り方を選ぶのは、硬さを骨格で決めたあとです。硬さが外れた布は、光り方がどれだけ合っていても、体との関係が崩れます。硬さを骨格で決めて、その硬さの中から光り方を選ぶ。 素材で迷ったときはこの2段階に割ってください。
両方が関わる項目|ニットは「厚みと硬さ」と「表面の見え方」に割る
ニットは秋冬でいちばん判断が割れやすいアイテムです。1枚のニットに、骨格が担当する性質とPDが担当する性質が混ざって入っているからです。
厚みと硬さは骨格の担当です。ニットをつまんで離し、3秒以内に形が戻るなら硬め、5秒以上へたっているなら柔らかめと見ます。硬いニットは体の丸みを越えて自分の形で立ち、柔らかいニットは体側へ落ちます。厚みは、体の厚みに足し算されるかどうかを決めます。これは物理なので、方向では動きません。
表面の見え方はPDの担当です。編み目の大きさ、模様の有無、毛足の長さ、光の返し方。同じ厚みと硬さでも、表面の見え方で印象は大きく変わります。
素材の名前で覚えようとすると、この2つが混ざります。同じ名前の糸でも、編み方や糸の太さで厚みと硬さは変わり、仕上げの違いで表面の見え方も変わります。触って秒数を数え、光にかざす。この2つの動作のほうが、素材名を覚えるより正確です。
厚みと季節の判断は、骨格とは別に持つ
もう1つ混ざりやすいのが、厚みと硬さです。厚くても柔らかい布があり、薄くても硬い布があります。
厚みは、季節と重ね着の枚数で決める項目です。真冬の外出に必要な厚みは、骨格の結果とは関係なく決まります。そのうえで、同じ厚みの中から、骨格に合う硬さを選ぶ、という順番になります。
厚みが必要な季節に、骨格の結果を理由に薄い布を選ぶ必要はありません。厚みは保ったまま、硬さと落ち方で骨格に合わせてください。体を冷やしてまで寸法を優先する理由はありません。
重ね着の順番|内側から骨格、外側の色からPD
秋冬は、内側から外側まで3枚、4枚と重なります。このときの決め方も、同じ一行で整理できます。
まず、いちばん内側から順に、それぞれの丈が体の張る高さで止まっていないかを骨格で確かめます。内側の丈と外側の丈が近すぎると、2本の線が並んで見えるので、3cm以上離してください。
そのうえで、いちばん外側の色と光り方をPDで決めます。外側は見える面積がいちばん大きいので、方向がもっとも強く出る場所だからです。内側の色は、外側の色との濃さの差で決めます。差を大きくするか小さくするかもPDの担当です。
秋冬のボトム|スカートとパンツも同じ一行で分ける
コートとニットに目が行きがちですが、秋冬はボトムも判断が割れやすいところです。スカートは厚手の生地で広がりが出やすく、パンツは丈と裾幅がブーツとの関係で決まるからです。
スカートの丈、つまり裾が止まる高さは骨格の担当です。ひざのお皿の上端、ひざ下のいちばん細い高さ、ふくらはぎのいちばん張っている高さ。この3つの位置を測っておき、張る高さから上下3cm以上外れているかを見ます。広がり方、つまり腰のどこから布が体を離れるかも骨格です。腰のいちばん丸い高さより上で離れるか下で離れるかで、下半身の面の見え方がまるで変わるからです。
パンツは、股上の深さと裾の止まる高さ、そして裾幅が骨格の担当です。裾幅はブーツの履き口と重なるので、履き口が裾の内側に隠れるか外に出るかを、実際にブーツを合わせて確かめてください。隠れる場合は裾の止まる高さだけ、外に出る場合は履き口の高さも合わせて、体の張る高さから外れているかを見ます。
一方、スカートやパンツの色、柄の有無、ひだや飾りの量、生地の光り方はPDの担当です。ボトムは上半身より顔から遠いので、方向を少し強めに出しても全体の印象は崩れにくい場所です。PDの方向を試してみたいときは、ボトムから始めると失敗が小さく済みます。
首元の小物|マフラーとストールは巻く高さが骨格、色と量がPD
秋冬にだけ現れる判断材料が、マフラーとストールです。首元に布の量を足すので、骨格とPDの両方が関わります。
巻く高さと、首元に集まる布の厚みは骨格の担当です。鎖骨が平らに続く体は、首の付け根から鎖骨までを覆うように巻いても、首まわりがすっきり収まりやすい傾向があります。鎖骨がはっきり出る体や首が短めに見えやすい体は、巻く位置を少し下げて鎖骨の上に布を乗せるか、巻かずに縦に垂らすと、首の長さが残ります。どちらが合うかは鏡で確かめ、首の見えている長さが2cm以上残るかを1つの目安にしてください。
色、柄、布の量、端の飾りはPDの担当です。ストールは面積が大きく、顔のすぐ下に来るので、方向がもっとも強く出る小物です。PDの結果が2つにまたがっているなら、コートの色を一方の方向に、ストールの色をもう一方の方向に寄せる、という使い分けができます。
巻き方も、骨格とPDに割れます。首にぴったり沿わせるか、ふんわり空気を含ませるかは布の量の話なので骨格、結び目を見せるか隠すか、端を揃えるか揃えないかは印象の話なのでPDです。1本の布でも、この2つを分けて考えると巻き方が決まります。
順番を間違えるとどうなるか|寸法をあとから動かすことになる
分け方より大事なのが順番です。先に骨格で寸法を確定させ、あとからPDで色と装飾を乗せる。
逆にすると、乗せた装飾に合わせて寸法を動かすことになります。装飾は服ごとに違うので、動かす方向も服ごとに変わり、基準が残りません。
寸法が合っている服は、装飾を変えても崩れません。装飾が合っている服は、寸法が外れていると崩れます。あとから動かせるほうを、あとに回す。それだけの理由です。
売り場での使い方|コート1着を3分で判断する
秋冬のコート売り場で、1着を手に取ったときの流れを書いておきます。
最初の1分で骨格の3点を見ます。肩の縫い目が骨の真上か、着丈が体の張る高さから3cm以上外れているか、前を閉じたときの襟の開きが鎖骨から見て合う距離か。1つでも外れたら棚に戻します。
次の1分で布の硬さを確かめます。裾をつまんで離し、戻る秒数を数えます。骨格の結果に合う側か、合わない側か。
最後の1分でPDを見ます。色、ボタンや飾りの量、表面の光り方。ここは好みで構いません。
この順番の利点は、迷う時間が短くなることです。最初の2分は測れば終わるので迷いが出ません。迷いが出るのは最後の1分だけで、しかもそこは好みなので、どちらを選んでも大きくは外れません。
人に伝えるとき|先に数字、あとで形容
売り場の人やスタイリストに希望を伝えるときも、2つを分けて言うと通じやすくなります。
寸法の話は数字で伝えます。「肩の縫い目が骨の真上に来るもの」「着丈がひざから5cmくらい下で止まるもの」「襟が鎖骨から8cmくらい開くもの」。数字で言えば、相手は棚から探せます。
方向の話は形容で伝えます。「落ち着いた雰囲気」「華やかすぎない」「柔らかい印象」。これは数字にできませんが、数字にする必要もありません。
混ぜると通じません。「柔らかい感じのコート」とだけ言うと、相手は布の硬さの話なのか印象の話なのか判断できず、推測することになります。伝える順番も、決める順番と同じにしてください。
どちらとも取れるとき①|PD側が、骨格の範囲の外を指している
たとえばPDの方向が大きめの布をたっぷり使う装いを指していて、骨格の判定では体に沿う寸法が合う、という場合です。
このときは、寸法は骨格の範囲に置いたまま、縦の長さで方向を作ります。 幅を広げるのではなく、丈を長く取る。袖を長く取る。ストールを縦に垂らす。縦方向は体との関係が緩いので、方向を作る余地が大きいのです。
幅を広げると布が体から離れて浮きますが、丈を伸ばしても浮きません。秋冬はコートやストールで縦の長さを作りやすい季節なので、この逃げ道が夏よりずっと使いやすくなります。
どちらとも取れるとき②|骨格の結果が2つにまたがっている
骨格の判定が2つのタイプの境目にあって、部位によって結果が違う場合があります。たとえば上半身は一方のタイプ寄り、下半身はもう一方寄り、という出方です。
このときは、骨格の担当範囲の中で、さらに部位ごとに分けてください。コートの肩と襟の開きは上半身の結果で、着丈とブーツの履き口は下半身の結果で決めます。1着の中で2つの結果を使い分けることになりますが、それぞれが担当する部位が重ならないので、ちぐはぐにはなりません。
PDの結果は、その上に乗せるだけです。骨格が2つにまたがっていても、PDの担当範囲は変わりません。
どちらとも取れるとき③|PDの結果が2つにまたがっている
PDの結果が2つの方向にまたがっている場合は、面の大きいところと小さいところで分けると決めやすくなります。
いちばん面の大きいコートの色と光り方は、気持ちが乗る回数が多いほうの方向に寄せます。首元の小物、手元、足元のように面の小さいところで、もう一方の方向を少しだけ足します。
面の大きいところで2つの方向を混ぜると、どちらの方向にも見えなくなります。大きい面で1つ、小さい面でもう1つ。これで両方の方向を1つの装いの中に置けます。
どちらとも取れるとき④|骨格は合っているのに着る気にならない
寸法が全部合っているのに手が伸びない一着は、方向がまだ乗っていません。
このときに触るのは3か所です。首元に置くもの、足元の色、持つものの大きさ。この3つは寸法に影響しないので、方向だけを動かせます。秋冬ならストールの色と巻き方を変えるだけで、方向はかなり動きます。
3つとも変えて手が伸びないなら、その一着は方向が根本的に違うので、寸法が合っていても手放して構いません。寸法が合う一着は、探せばまた見つかります。
どちらとも取れるとき⑤|どちらの結果も持っていない
診断を受けていなくても、この分け方は使えます。
骨格側は、手首の断面が丸いか平たいか、鎖骨に指が沈むか、体のいちばん細い高さがどこか。この3点を測れば、寸法の判断はできます。秋冬の服なら、これに加えてふくらはぎの張る高さを測っておくと、ブーツの判断まで済みます。
PD側は、手持ちの中で気持ちが乗る5着を並べて、共通点を1つだけ書き出してください。色か、装飾の量か、表面の光り方か。1つ書ければ、それが方向の手がかりになります。名前を先に決めなくても、判断は動き始めます。
手持ちの秋冬服を仕分ける手順
新しく買う前に、手持ちの秋冬服をこの分け方で仕分けておくと、足りないものがはっきりします。
コート、ニット、ボトム、ブーツを並べて、まず骨格の4点(肩、襟の開き、丈、硬さ)でそれぞれを〇と×に分けます。×が付いたものは、方向がどれだけ好きでも、着る場面を限るか手放す候補にします。
次に、〇が付いたものだけを並べて、PDの方向で好きな順に並べ替えます。上位に来たものの共通点が、あなたの方向です。下位に来たものは、首元や足元で方向を足せば着られるかを試してください。
最後に、〇が付いたものの中で足りないアイテムを書き出します。それが今季、売り場で探すべきものです。
仕分けの途中で、骨格では〇なのにPDの並べ替えでいつも下位に来るアイテムが見つかることがあります。たとえば、寸法はぴったりなのに色が暗すぎて手が伸びないコートです。こうしたアイテムは、ストールや首元の色で方向を足せば、今季もう一度着られる可能性があります。すぐ手放すより、首元の色を変えて2回着てみてから判断してください。
反対に、PDでは上位なのに骨格で×が付いたアイテムは、方向の手がかりとして大事に扱ってください。そのアイテムのどこが好きなのかを書き出しておくと、骨格で〇が付く寸法の中から、同じ方向の一着を探すときの目印になります。色が好きなのか、表面の光り方が好きなのか、装飾の置き場所が好きなのか。1つ言葉にできれば、売り場で探す時間が短くなります。
仕分けは一度で終わらせる必要はありません。秋の立ち上がりにコートとニットを、冬の入り口にブーツと小物を、と季節の変わり目ごとに分けて進めると、1回あたりの負担が小さくなります。
2つの診断を続けて使ううえでの注意
診断結果は、服を選ぶための道具です。結果の名前に合わせて自分を変える必要はありません。
骨格の結果は、体と布の関係を説明する道具です。体の形はそのままで、合う寸法を見つけるために使います。PDの結果は、装いの方向を言葉にする道具です。気持ちが乗る方向を整理するために使います。
どちらの結果も、あなたの体や顔立ちの良し悪しを決めるものではありません。合う寸法と合う方向を探す近道として、手元の観察と一緒に使ってください。
まとめ|一行と、6か所
覚えるのは一行です。寸法は骨格、方向はPD。
そして6か所。肩の縫い目、襟の開きと首の詰まり、丈(コート・ニット・ボトム・ブーツの履き口)は骨格。装飾の量、色の濃さの差、表面の光り方はPD。ニットは厚みと硬さを骨格、表面の見え方をPDへ。
食い違いは、この配り方を決めていないから起きます。配ってしまえば、2つの結果は競合しません。むしろ、片方だけでは決まらなかった部分が埋まります。秋冬のコート1着から、試してみてください。
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よくある問い
- Q. PD診断と骨格診断、先に受けるならどちらですか
- 手持ちの服が着られなくて困っているなら骨格が先です。骨格は寸法の話なので、結果が出た日から手元の服を測って仕分けられます。着られる服はあるのに選んだ結果が自分らしくないと感じているならPDが先です。PDは方向の話なので、持っている服の傾向を整理する働きをします。困りごとがどちらの言葉で説明できるかで決めてください。
- Q. 2つの結果が真逆を指しています。片方は間違いですか
- どちらも間違っていないことのほうが多いです。2つは見ている対象が違います。骨格は布と体の関係、PDは装いの方向です。真逆に見えるのは、両方を同じ言葉に翻訳してしまったときです。柔らかい印象は色と装飾で作れるので、布の硬さや寸法まで動かす必要はありません。翻訳を分ければ、両立できる場合がほとんどです。
- Q. 秋冬のコートは、どちらの結果で選べばいいですか
- 肩の縫い目の位置、着丈、前を閉じたときの襟の開きは骨格で決めます。この3つはコートの面が大きいぶん、外れたときの影響も大きいからです。色、ボタンや飾りの量、生地の表面の光り方はPDで決めます。売り場では先に骨格の3点を測り、通った一着の中からPDで選ぶ順番にしてください。
- Q. 自己診断の結果でも、この分け方は使えますか
- 使えます。骨格側は、手首の断面と鎖骨の沈み方と体のいちばん細い高さの3点さえ測れていれば、タイプ名がなくても寸法の判断はできます。PD側は、気持ちが乗る服を5着並べて共通点を1つ書き出すだけでも方向の目安になります。名前より、手元の観察のほうが実用的です。
- Q. 迷ったまま買うとき、どちらに寄せると失敗しにくいですか
- 骨格に寄せてください。寸法が合っていない服は着るたびに直すことになりますが、方向が少しずれている服は、合わせるものを変えれば寄せられます。あとから動かせるほうを、あとに回すという考え方です。ただし寸法が合っていても気持ちが乗らない一着は着る回数が伸びないので、寸法が合った2着のうち好きなほうを選ぶ、という順番にしてください。
— メグラシ編集部





