修学旅行の部屋着をおしゃれに選ぶ|部屋の中で止まるか、廊下まで出られるかで変わる

泊まりの行事の持ち物で、いちばん後回しになるのが宿で着るものです。日中の服は何度も考えるのに、夜のぶんは前の晩に引き出しから適当に一組出して終わりになります。
ところが、宿にいる時間は思っているより長くなります。到着してから夕食まで、入浴のあとから消灯まで。合わせると一日のうち4時間前後をその一組で過ごすことになります。
そして、この一組で困るときの中身はほぼ決まっています。可愛いかどうかではなく、その場所から動けるかどうかです。
結論:先に決めるのは丈でも色でもなく、どこまで出るか
宿の中には、目に見えない線が何本か引かれています。部屋の中、部屋を出た廊下、洗面や大浴場、食堂や他の部屋。
この線をどこまで越えるかは、宿の決まりと行程で先に決まっています。そして越える線の数が増えるほど、一組に求められる条件が増えます。
だから順番は、まず行程を見て線を確かめる。そのあとで服の側を測る。この順番にすると、迷う場所が2か所しかなくなります。
早見表|どこまで出るかと、通る条件
| どこまで出るか | 丈 | 裾の一周 | 前が開くか |
|---|---|---|---|
| 部屋の中だけ | 座って腿が隠れる | 問わない | どちらでもよい |
| 洗面まで | 座って膝が隠れる | 歩幅の2倍以上 | 開くほうが楽 |
| 大浴場まで | 座って膝が隠れる | 歩幅の2倍以上 | 開くほうが楽 |
| 食堂・他の部屋 | 立って膝が隠れる | 歩幅の2倍以上 | 開くほうが楽 |
判定は、いちばん遠くまで出る行き先で行います。一日のうち一度でも大浴場まで歩くなら、その行にそろえてください。
丈|立った状態ではなく、座った状態で測る
丈は立って測ると必ず長く出ます。宿で過ごす時間の大半は座っているので、判定は座った状態で行います。
床に直接座って、脚を前に伸ばしてください。そのとき膝が布から出るかどうかを見ます。出ないなら、廊下に出る行程まで通ります。出るなら、部屋の中で止まる行程までです。
椅子に座る宿なら、椅子に座った状態で同じ判定をします。床に座る宿より条件はゆるくなるので、行程表に部屋の様子が書かれているなら、そこを見てから測ってください。
裾の一周|歩幅の2倍あるか
階段のある宿では、裾の幅がそのまま歩ける距離になります。
測り方は簡単で、裾の一周をメジャーでぐるりと測り、自分のいつもの歩幅と比べます。一周が歩幅の2倍以上あれば、階段で歩幅が縮まりません。 2倍を下回ると、段を一段ずつ足をそろえて降りることになります。
一周が足りない一組しか無いときは、裾を足首の上まで引き上げられるものにしてください。ゴムや紐で絞られているものは引き上げられますが、まっすぐ落ちるものは引き上げられません。
袖ぐり|腕を上げて、横から中が見えるか
荷物を棚に上げる、上の段の布団を取る、写真を撮る。宿では腕を上げる動きが何度も出てきます。
まっすぐ立って腕を真上に上げ、鏡を横に置いて脇のあたりを見てください。脇と布のあいだにできる隙間が指1本ぶんなら通ります。指3本ぶん開くなら、その一枚は人のいる場所では使いにくくなります。
袖ぐりは、洗うたびに広がる場所でもあります。何度も着ているものを持っていくなら、出発前にもう一度この判定をしてください。
前が開くか、かぶるか|脱ぎ着の回数で決まる
宿では、この一組を何度も着たり脱いだりします。到着後に着替え、入浴のために脱ぎ、上がってまた着る。
前が開くものにしてください。 かぶるタイプは、脱ぎ着のたびに髪や耳元の小物に引っかかります。回数が増えるほど、この差が効いてきます。
ただし、前が開くものは寝ているあいだに開くことがあります。寝るときだけかぶるタイプに替えるなら、上だけ1枚足せば足ります。下は同じもので通ります。
透け|宿の照明は、家より明るいことがある
家で判定すると通ったのに、宿で気になった、ということが起きます。家の照明が暖かい色で暗めなのに対して、宿の部屋や廊下は白く明るい照明であることが多いからです。
判定は、いちばん明るい照明の下で行ってください。生地を目の前にかざして、向こう側の輪郭が読めるかどうかだけを見ます。読めるなら、宿でも読めます。
色は関係ありません。濃い色でも目が粗ければ読めますし、薄い色でも目が詰まっていれば読めません。見るのは色ではなく、目の詰まり方です。
畳んだ厚み|何組持てるかは、ここから逆算できる
宿で着るものは、荷物の中でいちばん後回しにされる場所に入ります。だから先に厚みを決めておくと、他のものを減らさずに済みます。
| 畳んだ厚み | 荷物の中で取る場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 2cm未満 | 上に着るもの半枚ぶん | 2泊3日で2組持てる |
| 2〜3cm | 上に着るもの1枚ぶん | 2泊3日で1組 |
| 3cm以上 | 上に着るもの2枚ぶん | 他を1枚減らす必要がある |
畳み方は、上下を重ねてから3つ折りにして、いちばん高いところを測ります。丸めて測ると実際より薄く出るので、畳んだ状態で測ってください。
日数ごとの枚数の考え方そのものは修学旅行の服装にまとめてあります。ここでは、宿で着るものが荷物の中で何枚ぶんを取るか、という一点だけです。
素材|宿で結果が分かれるのは、乾く速さと音
家で着るぶんには気にならないのに、宿でだけ差が出る性質が2つあります。乾く速さと、動いたときの音です。
乾く速さは、洗う可能性のある行程で効きます。薄い綿は一晩で乾きますが、起毛のあるものや厚い編みのものは翌朝までに間に合いません。洗って干せる場所がある宿なら、薄い側を選んでおくと一組で足ります。
音は、大部屋で寝るときに効きます。表面につるりとした加工のあるものは、寝返りのたびに布どうしがこすれる音が出ます。判定は、生地を両手で持って軽くこすり合わせるだけです。静かな部屋で聞こえる音が出るなら、その一枚は大部屋には向きません。
この2つは、家で着ているあいだは一度も問題にならない性質です。 だから手持ちから選ぶときは、着心地ではなくこの2か所を先に見てください。
何組持つか|泊数ではなく、洗えるかどうかで決まる
宿で着るものは、泊数ぶん持つ必要がありません。日中の服と違って、汗をかく場面が少ないからです。
| 泊数 | 洗って干せる場所がある | 無い |
|---|---|---|
| 1泊 | 1組 | 1組 |
| 2泊3日 | 1組 | 1組(上だけ2枚) |
| 3泊4日 | 1組(上だけ2枚) | 2組 |
増やすなら、上下ひと組ではなく上だけを足してください。上は肌に直接触れる面積が広く、湯上がりの湿りもここに残ります。下は同じもので通ります。畳んだ厚みも、上だけなら半分で済みます。
湯上がりの湿りを、翌朝に残さない
入浴のあとに着たものは、内側に湿りが残ります。そのまま畳むと、朝までに抜けません。
就寝前に一度広げて、椅子の背やハンガーに掛けておくだけで違います。掛ける場所が無いなら、布団の足元に広げておくだけでも、畳むよりは抜けます。
もう一つ効くのは、湯上がりに着るものと寝るときに着るものを同じにしないことです。上だけ1枚別にすれば、湿った状態で一晩過ごすことがなくなります。
そして、翌日に着る服を宿で着る服と兼ねないでください。 朝の着替えが一手間減るように見えますが、寝ているあいだについた折れ目が一日そのまま残ります。
よくある行き違い
「館内で着るものが用意されるから、持っていかなくていい」。 用意されるものは丈も幅も一律なので、座ったときに膝が出たり、裾が長すぎて踏んだりします。薄く畳める一組を足しておくと、館内のものは大浴場までの短い往復にだけ使う、という分け方ができます。
「寝るときのものだから、見た目は考えなくていい」。 宿にいる4時間のうち、寝ているのは最後の一部だけです。残りの時間は人のいる場所で過ごすので、判定は起きている時間のほうに合わせてください。
「上下そろいなら大丈夫」。 そろっているかどうかは、丈にも裾の一周にも関係しません。判定はこの記事の4か所で行ってください。そろいであることは、厚みと枚数の話には効きます。
「厚いほうが寒くない」。 秋の宿で冷えるのは足元です。上下の厚みを上げるより、畳める履き物を一つ足すほうが効きます。床が冷たい宿では、この一つで一晩の感じ方が変わります。
装いに活かすなら
宿で着るものを選ぶときの問いは、一つに絞れます。この一組で、どこまで出るか。
部屋の中で止まるなら、条件はほとんどありません。廊下まで出るなら、丈と裾の一周の2か所だけ測ってください。測るのは出発前の5分で終わります。
家での一組を選ぶときの線の引き方はおしゃれなルームウェアと部屋着に、一枚で通すときの条件はルームウェアのワンピースに置いてあります。考え方は同じで、違うのは越える線の数だけです。
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よくある問い
- Q. 宿に館内で着るものが用意されていれば、部屋着は持たなくていいですか
- 用意されていても、一組は持っていくほうが結果が安定します。用意されるものは丈も幅も一律で、座ったときに膝が出る、裾を踏む、袖ぐりから中が見えるといったことが起きます。到着してから夕食までと、入浴のあとから就寝までは合計で4時間前後あり、その時間をずっと気にしながら過ごすことになります。持っていくなら薄く畳める一組で足ります。館内のものは、大浴場までの短い往復にだけ使う、という分け方にすると荷物も増えません。
- Q. 部屋着のまま廊下や他の部屋まで行ってもいいですか
- 宿と行程の決まりによるので、そこは先に確かめてください。そのうえで服の側の条件を言うと、廊下に出るなら座った状態で膝が隠れる丈と、裾の一周が歩幅の2倍以上あることの2つが要ります。丈が足りないと座る場所を選ぶことになり、裾が狭いと階段で歩幅が半分になります。この2つが通っていれば、部屋の中と廊下を行き来しても着替え直す必要がなくなります。
- Q. 大部屋で着替えるので、透けないものを選びたいです
- 生地を明るい照明にかざして、向こう側の輪郭が読めるかどうかで判定してください。読めるなら、宿の照明の下では同じように読めます。判定は色ではなく厚みの側で、薄い色でも目の詰まったものは通りません。もう1か所見るのは袖ぐりで、腕をまっすぐ上げたときに横から中が見えるなら、その一枚は座って荷物を広げる時間に向きません。腕を上げて脇に指1本ぶんの隙間しかできないものが、通る側です。
- Q. 入浴のあとに着たものが、翌朝まで湿っています
- 湯上がりに着たものは、そのまま畳まないでください。畳むと湿りが内側に閉じ込められ、朝まで抜けません。就寝前に一度広げて、椅子の背やハンガーに掛けておくだけで、翌朝の状態が変わります。もう一つ効くのは、湯上がりに着るものと寝るときに着るものを同じにしないことです。同じにすると、湿った状態で一晩過ごすことになります。上だけ別に1枚持てば、下はそのままで足ります。
— メグラシ編集部




