カバーオールコーデ|着丈が腰骨の何センチ下で止まるかで、下に合わせるものが決まる

肩から裾まで幅がほとんど変わらない、前が開く四角い羽織り。作業着から来たこの形は、手持ちのどれと合わせても、なんとなく決まらない日があります。
決まらない原因は、サイズでも色でもありません。この形は裾がすぼまらないので、止まった位置がそのまま体の横線になることのほうです。
裾がすぼまる羽織りなら、止まった位置は視線の上を素通りします。四角い一枚は、止まったところに水平の線が一本引かれます。その線がどこにあるかで、下に合わせるものが決まります。
なお、ここで扱うのは大人が羽織りとして着る一枚のほうです。
結論:腰骨の何センチ下で止まっているか
基準は腰骨です。腰の左右に手を当てて、いちばん出ている骨に指を置き、そこから裾までの距離を測ります。
0〜5センチで止まる一枚は、線が腰の高さに引かれます。腰から下が長く残るので、下を細く長くすると縦の線が靴まで続きます。
13センチ以上落ちる一枚は、線が太ももの上に来ます。腰から下が短く見えるぶん、下を細くすると上下の幅の差が大きく開きます。幅を残したまま、足首か甲で止めるほうが釣り合います。
6〜12センチはその中間で、下の選び方でどちらにも寄せられます。
三か所を測る|五分、メジャーだけ
- 腰骨に指を置き、そこから裾までの距離を測る
- 脇の下で布を横につまみ、片側で何センチ余るかを数える
- 腕を下ろしたまま、袖口が手首の骨からどれだけ落ちているかを見る
一つめで下に合わせるものが決まり、二つめで上半身に出る四角さの度合いが決まり、三つめで袖を折るかどうかが決まります。
指を横にして当てると数えやすくなります。指一本がおおよそ二センチです。
早見表|着丈三段階と、下に合わせるもの
| 腰骨からの下がり | 引かれる線の位置 | 下に合わせる幅 | 止める丈 |
|---|---|---|---|
| 0〜5cm | 腰の高さ | 細いほうへ | くるぶしまで長く |
| 6〜12cm | 腰と太ももの境目 | どちらでも成立する | 足首で止める |
| 13cm以上 | 太ももの上 | 幅を残す | 甲に少し掛ける |
この表は買い替えのための表ではありません。手持ちの一枚を、どのボトムスと組むかを決めるための表です。
13センチ以上落ちる一枚に細いボトムスを合わせたい日もあります。そのときは足元の面を厚くして、下の端に重さを足すと、上下の差が中和されます。
脇の余り|上半身の四角さを数える
脇の下でつまめる量は、肩の先から下へ落ちる布の量とほぼ同じです。ここが多いほど、上半身は四角く読まれます。
| 片側でつまめる量 | 上半身の見え方 | その日の手 |
|---|---|---|
| 4cm以下 | 肩の線がそのまま落ちる | そのままで成立する |
| 5〜8cm | 少し四角く見える | 袖をひじの下まで折る |
| 9cm以上 | 四角さが先に読まれる | 折る+前を開けて縦線を二本 |
余りは減らせませんが、横に出ている幅は、縦の線を足せば振り替えられます。 次の二つがその方法です。
前を開けるか、閉めるか
この形は前身頃が硬めに落ちるので、開け閉めの差が大きく出ます。
閉めると、肩から裾までが一枚の面になります。面が大きいぶん横幅がひと続きに読まれ、風はよく止まります。外を歩く時間が長い日に向きます。
開けると、前の縁が左右に二本の直線として落ちます。裾がすぼまらない形なので、この二本はほとんど揺れずにまっすぐ落ちます。あいだに中のトップスが縦に見えて、合計三本の縦が胴を通ります。
| その日いちばん長い時間 | 前 | 理由 |
|---|---|---|
| 外を歩く・自転車に乗る | 閉める | 風が入らない。面が風を受け止める |
| 室内にいる・人と向かい合う | 開ける | 直線が二本落ちて、縦が三本になる |
| 出入りを繰り返す | 上だけ留める | 胸から下が開いて、縦が残る |
袖を折る位置
袖口が手首の骨から三センチ以上落ちているなら、折り上げると手首が出ます。手首は体の中でいちばん細い場所の一つなので、そこが見えると腕の線に段差が生まれます。
折る位置は、ひじの下あたりまでが目安です。ひじより上まで上げると、二の腕の位置で布が溜まって、そこに新しい横線ができます。
折り返した幅は、四センチ前後で二回折ると崩れにくくなります。一回で大きく折ると、歩いているうちに下りてきます。
胸ポケットが、視線の高さを決める
この形は胸のあたりにポケットが付いていることが多く、ここは縫い目が二重になっているので、周りより少し濃く見えます。つまり視線が止まる場所です。
ポケットの上端が胸のいちばん高い位置より上にあるなら、視線は鎖骨のあたりに集まります。下にあるなら、視線は胴の中ほどに落ちます。
視線を上げたい日は、上端が高い位置にある一枚を選ぶか、首もとに一点足して視線の行き先を作ってください。 ポケットの位置は変えられませんが、そこより上に見るものを一つ置けば、視線の順番は入れ替わります。
素材で、別の一枚になる
同じ形でも、生地の表面で行き先が変わります。
目の粗い厚手の綾織りは、出自がそのまま出ます。普段着としてはいちばん収まりますが、きちんとした場に持っていくと浮きます。表面が平らで落ちのある生地なら、下を替えるだけで通ります。
判断は手でできます。生地を握って離し、しわが数秒残るなら普段着側、すぐ消えるなら両方に使えます。
秋の一枚として使う日
上に何も重ねない時期は、この一枚が一番外側になります。外側に来た日は、輪郭を決める役も同時に持ちます。
このとき効くのは、脇の余りと着丈の組み合わせです。余りが9センチ以上あって、なおかつ13センチ以上落ちる一枚は、四角い面が大きく出ます。この日は前を開けて、下の幅を残したまま足元で止めると釣り合います。
どちらとも取れるとき|着丈は短いのに、脇が大きく余る
三か所を測ると、判断が割れることがあります。いちばん多いのが、腰骨から0〜5センチで止まっているのに、脇では9センチ以上余るという組み合わせです。
着丈だけを見れば下を細くする側、脇の余りだけを見れば縦の線を足す側。矛盾しているようですが、両方やって構いません。下を細く長くすることと、前を開けて縦線を二本つくることは、どちらも縦を足す手です。
割れたときは、縦を足す側の手を全部重ねると考えてください。横に出ている量が多い日ほど、縦の本数を増やせば釣り合います。
年代で変わるのは、余りの許容量
着丈の測り方は、どの年代でも同じです。変わるのは、脇の余りをどこまで許すかのほうです。
三十代のうちは、余りが9センチ以上あっても、動きの多い一日のなかで四角さが目立ちにくくなります。歩く量が多いと布が揺れて、面が固定されないからです。
四十代から上では、余りを5〜8センチに収めた一枚のほうが収まります。座っている時間が増えると面が止まるので、止まったときの形がそのまま読まれます。
年代で形を変える必要はありません。 変えるのは、一日のうち動いている時間がどれだけあるかという見方のほうです。
よくある行き違い
「大きめに着るのが本来の形だから、サイズは上げたほうがいい」 ── 上げると着丈も脇の余りも同時に増えます。増えた着丈は下に合わせるものを変え、増えた余りは縦の線を足す必要を生みます。上げるなら、両方が動くことを承知のうえで選んでください。
「カジュアルすぎるから、下をきれいめにすれば直る」 ── 下だけ替えると、上下の落差がかえって目立つことがあります。効くのは足元の面と、生地のしわの戻り方です。先にその二つを見てください。
「前は開けて着るもの」 ── 開けるのは縦の線がほしい日の手です。外を歩く時間が長い日は、閉めて一枚の面にするほうが実用に合います。決まった正解ではなく、その日の時間配分で選ぶものです。
装いに活かすなら
手持ちの一枚があるなら、まず腰骨からの距離だけ測ってみてください。その数字が分かると、クローゼットのどのボトムスと組むかが、迷わずに決まります。
新しく選ぶときも順番は同じです。着丈、脇の余り、袖の落ち。この三つを見てから色や表面を見ると、売り場で試着する枚数がずいぶん減ります。
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よくある問い
- Q. カバーオールに合わせるボトムスは、細いものと太いもののどちらがいいですか
- 着丈で決まります。腰骨から0〜5センチで止まる短めの一枚なら、下は細く長くすると縦の線が靴まで続きます。13センチ以上落ちる長めの一枚は、下を細くすると上下の幅の差が大きく開いてしまうので、幅を残したまま足首か甲で止めるほうが落ち着きます。着丈を測らずに好みだけで合わせると、日によって同じ組み合わせが成立したりしなかったりします。
- Q. 前は開けたほうがいいですか、閉めたほうがいいですか
- その日どちらの線を出したいかで決めてください。閉めると肩から裾までが一枚の面になり、横幅がひと続きに読まれます。開けると前の縁が左右に二本の直線として落ち、あいだに中のトップスが縦に見えます。四角い形は閉めたときに面が大きく出るので、人と向かい合う時間が長い日は開けるほうが縦に伸びます。風を止めたい日は閉めてください。
- Q. 肩がごつく見える気がします
- 脇の余りを測ってみてください。脇の下で布を横につまんで、片側で何センチ余るかを数えます。八センチを超えて余るなら、肩の先から下へ落ちる布の量が多く、上半身が四角く読まれている状態です。この場合は袖をひじの下まで折り上げて手首から先を出すか、前を開けて縦の線を二本つくると、横に出ていた幅が縦に振り替わります。
- Q. きれいめの日にも使えますか
- 使えます。分かれ目は素材の表面と足元です。目の粗い厚手の綾織りは作業着としての出自がそのまま出るので、足元をつるりとした面のものに替えると釣り合います。逆に表面が平らで落ちのある生地なら、下に合わせるものを変えるだけで通ります。判断するときは、生地を手で握って離し、しわが残るかどうかを見てください。残る生地ほどカジュアル側へ寄ります。
— メグラシ編集部





