夏のマタニティワンピース|布が体から浮いているかで、一日もつかが決まる

暑い時期のワンピースは、朝はちょうどよかったのに、昼を過ぎるとどこか落ち着かなくなることがあります。サイズを上げてみても、同じところで同じように気になる。
このとき効いているのは、ゆとりが足りているかどうかではありません。布が体から離れているかどうかのほうです。
ゆとりの総量が同じでも、布が一点で触れて止まっている一枚と、その点から先へすとんと落ちている一枚では、一日の終わりがまったく違います。この記事は、その違いを店頭と家で測る話です。
結論:いちばん前に出た点で、布が浮いているか
着たときに体のいちばん前に出る点があります。そこは、布にとって最初にぶつかる場所です。
その点で布が止まってしまうと、そこから下は布が体に沿ったまま落ちます。触れている面が増えるので、汗をかいた時間だけ貼りつきが続きます。
逆にその点から布が離れて落ちていれば、下は空洞になります。触れているのは肩と、いちばん前の一点だけ。残りは布と体のあいだに空気が入っている状態です。
見るのは布の量ではなく、この一点での離れ方です。ここが決まると、風の抜け方も透け方も順番に決まります。
三か所を測る|平置きと鏡の前で五分
道具はいりません。着た状態で、順に見ていきます。
- 鏡の前に立ち、いちばん前に出ている点で布を指でつまんで、まっすぐ前へ引く
- 何センチ持ち上がるかを数える。指一本がおおよそ二センチ
- 裾の開きと、襟あき・袖ぐりの開きを見て、空気の入口と出口があるか確かめる
- 生地を両手で軽く左右へ引いた状態で、明るいほうへ向けて透け方を見る
一つめと二つめで貼りつくかどうかが決まり、三つめで風が抜けるかが決まり、四つめで外に出たときの見え方が決まります。
早見表|浮きしろと、その一枚が向く場面
| つまみ上げた高さ | そのときの状態 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 0〜2cm | その点で布が止まっている | 短時間の外出。屋内で座っている時間が中心の日 |
| 3〜5cm | 点から先が落ちている | 一日通しての外出。歩く時間が長い日 |
| 6cm以上 | 全体に空洞がある | 気温の高い日。屋外にいる時間が長い日 |
この表は、買い替えのための表ではありません。手持ちの一枚を、どの日に回すかを決めるための表です。
0〜2センチの一枚でも、着られなくなるわけではありません。その一枚は、動きの少ない日に回すと本来の使い方になります。
風の出入口|入口と出口が両方あるか
空気は、入るところと出るところがそろって初めて動きます。裾が大きく広がっていても、上が全部詰まっていれば、入った空気は行き場がなく中で温まります。
抜け道になるのは、襟あきと袖ぐりの二か所です。どちらか一方が開いていれば、裾から入った空気が上へ抜けます。
| 裾 | 襟あき・袖ぐり | 空気の動き |
|---|---|---|
| 開いている | どちらかが開いている | 歩くたびに入れ替わる |
| 開いている | どちらも詰まっている | 入って、そのまま留まる |
| すぼまっている | どちらかが開いている | 上からは抜けるが入りにくい |
袖ぐりが開いている形を選ぶときは、中に一枚挟めるかどうかも一緒に見ておくと、冷房の入った場所で困りません。
透けは、張ったときに確かめる
生地は、平らに置いたときと、体に沿って張ったときで目の開き方が変わります。売り場でハンガーに掛かった状態だけを見て決めると、外に出てから気づくことになります。
確かめ方は簡単です。生地の一部を両手で持って、軽く左右に引きます。引いた状態で窓や照明のほうへ向けて、向こうの光がどれだけ増えるかを見ます。
光の増え方が大きいほど、着たときに張る場所で同じことが起きます。 増え方が小さければ、張っても見え方は変わりません。
裏に一枚重なっているものは、この心配がほぼありません。ただし重なるぶん風は抜けにくくなるので、前の節の出入口と合わせて選びます。
座っている時間が長い日|膝の上の溜まり方
椅子に座ると、立っていたときに落ちていた布が膝の上に集まります。ここで布が何重にも溜まると、そのぶん熱がこもります。
見分け方は、実際に座ってみて、膝の上の布を手のひらで押さえることです。押さえて厚みが手のひらより高く出るなら、その一枚は座る時間の長い日には向きません。
丈を変えられない日は、座る前にいちど裾を前へ払っておくと、溜まりが左右へ逃げます。
冷房との往復|足す一枚の条件
暑い時期は、外と室内の差がいちばん大きくなる季節でもあります。ワンピース一枚で完結させず、足す一枚を決めておくほうが移動が楽です。
条件は三つあります。腕を通したまま歩いても暑くならないこと。畳んで持ち歩ける大きさに収まること。そして、前が留まらなくても形が保てること。
前を留めずに羽織る前提で選ぶと、体の前の面がひと続きのまま残るので、ワンピース側の落ち方を邪魔しません。
何枚あれば回るか
枚数は、着る回数ではなく乾くまでの時間で決めます。
薄くて乾きの早いものなら、二枚で毎日洗いながら回せます。乾きに時間のかかるものを選ぶなら、同じ用途で三枚あると朝に慌てません。
外出用と、家で過ごす用は、求める条件が違います。外出用は透けと風の抜けが要りますが、家で過ごす用は浮きしろだけ見れば足ります。数えるときは分けてください。
場面ごとに、優先する一つが変わる
三か所すべてを満たす一枚は多くありません。だから場面ごとに、どれを先に立てるかを決めておくと選びやすくなります。
| その日の中心 | 先に見る | 後回しでいい |
|---|---|---|
| 外を歩く時間が長い | 浮きしろと風の出入口 | 座ったときの溜まり |
| 人と向かい合って座る | 張ったときの透けと膝の溜まり | 裾の開き |
| 屋内と屋外を行き来する | 足す一枚が入る袖ぐり | 生地の薄さ |
| 家で過ごす | 浮きしろだけ | 透け・出入口 |
同じ一枚をどの場面にも当てはめようとすると、どこかで無理が出ます。手持ちを場面ごとに割り振るほうが、買い足す数は少なく済みます。
洗ったあと、形が戻るか
暑い時期は洗う回数が増えるので、洗ったあとにどう戻るかも選ぶ条件に入ります。
見るのは二か所です。肩の線が洗う前と同じ位置に落ちているか。そして、いちばん前に出る点のあたりで、布が伸びたまま残っていないか。
伸びたまま戻らない生地は、回を重ねるうちに浮きしろが減っていきます。買うときに判断するなら、生地を手で握って離し、しわが数秒で消えるかどうかを見てください。すぐ消える生地は、洗ったあとも形が戻りやすい傾向があります。
どちらとも取れるとき|三つのうち二つしか通らない
三か所のうち二つが通って、一つだけ引っかかる。よくあることです。
通らなかったのが浮きしろなら、その一枚は短時間の日に回してください。ここは着方では埋められません。
通らなかったのが出入口なら、足す一枚を袖の無い形にすると、袖ぐりから抜ける道ができます。透けなら、中に一枚挟むか、外での立ち位置を明るい窓の正面から少しずらすだけでも変わります。
埋められないのは浮きしろだけです。 あとの二つは、着方と組み合わせで後から動かせます。
よくある行き違い
「一つ大きいサイズにすれば涼しい」 ── 大きくしても、いちばん前に出た点で布が止まっていれば、貼りつく場所は変わりません。変わるのは、そこから下に落ちる布の量だけです。つまみ上げて確かめるほうが確実です。
「薄いほど涼しい」 ── 薄い生地は張ったときに目が開きやすく、風は抜けても見え方が変わることがあります。薄さと目の詰まり方は別の話なので、両方見てください。
「裾が広ければ風は通る」 ── 出口がなければ、入った空気は中に留まります。裾だけで判断せず、襟あきか袖ぐりのどちらかが開いているかを一緒に見ます。
装いに活かすなら
手持ちの一枚があるなら、まずつまみ上げてみてください。三センチ以上持ち上がるなら、その一枚は歩く日に回せます。二センチ以下なら、座っている時間が中心の日に回すと本来の使い方になります。
選び直すときも、順番は同じです。浮きしろ、出入口、張ったときの透け。この三つで絞ってから、色や形を見ると迷う時間が短くなります。
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よくある問い
- Q. 夏のマタニティワンピースは、大きめを選べばいいですか
- 大きさよりも、どこで布が体に触れているかを見てください。全体に大きくても、いちばん前に出た点で布が張っていれば、その一点だけが汗で貼りつきます。反対に全体はそれほど大きくなくても、その点から布が離れて落ちていれば一日通して楽です。平置きで幅を測るより、着てその点をつまみ上げてみるほうが早く分かります。
- Q. 裾が広がっている形なら涼しいですか
- 裾だけでは足りません。空気は入口と出口の両方があって初めて動きます。裾が広くても襟あきが詰まり袖ぐりが体に沿っていると、入った空気が上へ抜けずにそのまま留まります。裾の開きと、襟あきか袖ぐりのどちらかが開いていること。この組み合わせで初めて、歩くたびに空気が入れ替わります。
- Q. 家で試したときは透けなかったのに、外で気になりました
- 布が張ったかどうかの違いです。平らに置いた生地と、体に沿って張った生地では、織りの目の開き方が変わります。確かめるときは、生地を両手で軽く左右に引いた状態で明るいほうへ向けてください。目が開いて向こうの光が増えるなら、着たときも同じことが起きます。裏に一枚重ねる形か、目の詰まった織りに替えるかで戻ります。
- Q. 何枚あれば足りますか
- 着る回数ではなく、乾くまでの時間から数えてください。暑い時期は一日一枚では回らないことが多く、洗って翌朝までに乾くかどうかが枚数を決めます。薄くて乾きの早いものが二枚あれば、毎日洗っても間に合います。乾きに時間のかかる厚めのものを選ぶなら、同じ用途で三枚あると朝に困りません。外出用と家で過ごす用は、求める条件が違うので分けて数えます。
— メグラシ編集部





