顔タイプ別の秋冬素材の選び分け|起毛・ツヤ・ハリの3択で顔まわりの一枚を決める

秋が深まると、売り場の布が一斉に変わります。表面が毛羽立ったもの、光を返すもの、張りのあるもの。夏は薄いか厚いかだけで済んでいた選択が、急に細かくなります。
顔タイプで襟の形や柄の大きさは決められる。けれど素材の棚の前では決まらない。9月の後半から、このご相談が増えます。
結論:素材の名前は覚えない。光の返り方で3つに分ける
素材名は数が多く、同じ名前でも織り方で表情が変わります。覚えても売り場で使えません。
代わりに見るのは、布が顔に何を返すかです。返り方は3つしかありません。光を吸って散らす起毛、光を筋にして返すツヤ、光ではなく輪郭を立てるハリ。この3つに分けてしまえば、初めて見る素材でもその場で仕分けられます。
3択の見分け方|窓のほうへ向けて表面を見る
| 分類 | 光の返り方 | 手に持ったときの感じ | 顔に起きること |
|---|---|---|---|
| 起毛 | 面の上で散る。明るい筋が出ない | 表面が毛羽立ち、指が沈む | 輪郭がやわらかく、影が浅くなる |
| ツヤ | 細長い明るい筋が一本通る | なめらかで、指が滑る | 顔まわりが明るく、線がはっきり出る |
| ハリ | 筋は出ないが、折れ目が角で残る | 押し返してくる。落ちない | 顔の縦横の比率がそのまま出る |
ひとつの布が2つの性格を持つこともあります。毛羽立っているのに張りもある、という具合です。そのときは、窓に向けて強く出ているほうを採ってください。両方に数えると仕分けが止まります。
8タイプ別の第一候補
| 顔タイプ | 顔まわりの第一候補 | 控えめにする側 | 顔まわりでの扱い |
|---|---|---|---|
| キュート | 起毛 | ハリ | 面をやわらかく。厚みは薄い側から |
| アクティブキュート | ハリ | 起毛 | 輪郭を残す。厚みは中くらいまで |
| フレッシュ | ハリ | ツヤ | 平らな面を保つ。凹凸は控えめに |
| フェミニン | ツヤ | ハリ | 光の筋を一本だけ。面積は小さく |
| ソフトエレガント | 起毛 | 強いツヤ | 影を浅く。細かい毛足の側を |
| エレガント | ツヤ | 粗い起毛 | なめらかな面を大きめに取れる |
| クール | ハリ | 起毛 | 角を残す。面はすっきりと |
| クールカジュアル | ハリ | 強いツヤ | 厚みのある平らな面が向く |
第一候補は「これしか着られない」という意味ではありません。顔から30センチの内側に置くものを、まずここから選ぶという意味です。控えめにする側も、小物や下半身でなら自由に使えます。
自分のタイプがまだ決まっていない方は、8タイプの比較で先に方向だけ決めてから戻ってきてください。
判定の手順|30センチに置くのは1種類だけ
表を見て候補を決めたら、鏡の前で3分だけ確かめます。
- 候補の布を、顔から30センチほどの位置に持ち上げます
- 3秒だけ鏡を見ます。見るのは布ではなく、顔の輪郭のほうです
- 輪郭の見え方が穏やかになったか、逆に布のほうが先に目に入ったかを覚えます
- 別の分類の布に替えて、同じことを繰り返します
布が先に目に入る組み合わせは、顔から離して使う側です。だめな素材という意味ではありません。置く場所が下半身や小物だというだけです。
顔まわりに複数の分類を同時に置くと、判定ができなくなります。顔から30センチの内側は、1種類にそろえてください。 首もとに起毛、肩にツヤ、襟にハリ、と重なると、どれが効いているか分かりません。
秋の光で、ツヤが強く出る
同じ一枚が、夏と秋で違って働きます。秋は太陽の高さが下がるので、光が横から当たる時間が長くなります。横からの光は、なめらかな面の上に長い筋を作ります。
つまり、秋はツヤが夏より一段強く出ます。 夏に控えめに見えていた光沢が、秋には主役の側へ寄ってきます。フェミニンやエレガントの方は面積をそのまま取れますが、フレッシュやクールカジュアルの方は、夏と同じ感覚で選ぶと強く出すぎることがあります。
起毛は逆です。横からの光は毛足の影を作るので、秋の起毛は夏より深く見えます。厚みのあるものを顔まわりに大きく置くと、影が増えます。毛足の細かい側を選ぶと収まります。
ハリは、光の角度の影響をいちばん受けません。季節をまたいで結果が動きにくいので、迷った日の基準として使えます。
中間タイプのときの決め方
2つのタイプのあいだにいると言われた方は、第一候補が2つ出てきます。そのときは、面積で分けてください。
顔まわりに大きく置く一枚は、2つのうち穏やかに出るほうを採ります。穏やかに出るほうは、30センチに当てて3秒見たときに、布より顔の輪郭が先に見えるほうです。もう一方は、小物や羽織の裾のような小さい面で使います。
両方を顔まわりに同時に置かないのが唯一の約束です。2つの性格が同じ距離で並ぶと、どちらも中途半端に出ます。距離をずらせば、両方が全身のなかに残ります。
日によって結果が入れ替わることもあります。その場合は、光の条件が違っていないかを先に確かめてください。屋外で判定した日と、室内で判定した日では、ツヤの出方が一段ずれます。判定はできるだけ同じ場所、同じ時間帯で取ってください。
顔タイプ以外の要素とぶつかったとき
素材は、顔タイプだけでなく体の側の診断でも語られます。両方から別の指示が出て、止まってしまうことがあります。
そのときは、距離で分けてください。顔から30センチの内側は顔タイプ、外側は体の側。 首もとと襟の素材は顔タイプで決め、身頃や袖の落ち方は体の側で決めます。同じ一枚のなかで役割を分ければ、どちらも捨てずに済みます。
一枚で両方を満たそうとすると、候補が急に減ります。上下を分けて考えると、手持ちで組める組み合わせが増えます。秋冬は重ね着が増えるぶん、この分け方がいちばん効く季節です。
場面ごとの選び分け
通勤は、ハリを土台にすると手数が減ります。角が残るぶん、きちんとした印象が形のほうで出るので、色や柄で調整しなくて済みます。
休日の屋外は起毛です。屋外の光は強く、ツヤの筋が出すぎることがあります。起毛は光を散らすので、条件の変化に強くなります。
夜に人と会う日はツヤですが、面積を絞ってください。夜は照明が点で当たるため、筋が一本だけ通るくらいがちょうど収まります。顔まわりに一本、それ以上は増やさない配分です。
写真が残る日は、ハリと起毛の組み合わせが安定します。写真は光の筋を実物より強く写すので、ツヤは小物の側へ回すと落ち着きます。
よくある行き違い
**「顔タイプで決まるのは形だけで、素材は関係ない」**と言われることがあります。形ほど大きくは効きませんが、顔から30センチの内側では効きます。襟の形を合わせたのに落ち着かないときに、残っている変数がここです。
「厚い素材は顔まわりに向かない」。厚みそのものではなく、厚みが作る影の深さの問題です。同じ厚みでも、毛足が細かければ影は浅く済みます。
「第一候補以外は買わないほうがいい」。置く場所を変えれば全部使えます。顔まわりの条件は、顔から30センチの外には届きません。首もとが詰まった一枚で迷うときは、詰まった襟が合わないと感じるときの代わりの選び方のほうが近い話になります。
装いに活かすなら
手持ちを一度だけ、3つの箱に仕分けてください。起毛、ツヤ、ハリ。衣替えのついでにやると、15分ほどで終わります。
仕分けが済むと、朝は第一候補の箱から一枚取って顔まわりに置き、残りを下半身と小物で組むだけになります。選ぶ対象が減るので、迷う時間も減ります。
箱が偏っていても構いません。偏りは、これまでの買い方の記録です。足りない箱が分かれば、次の買い足しの優先順位もそこで決まります。
まとめ
秋冬の素材は、名前ではなく光の返り方で3つに分けます。光を散らす起毛、筋を返すツヤ、輪郭を立てるハリ。
顔タイプごとに第一候補があり、顔から30センチの内側はその1種類にそろえます。控えめにする側は、下半身と小物で自由に使えます。
秋はツヤが一段強く、起毛の影が一段深く出ます。季節の入り口で、同じ一枚の働きが変わったと感じたら、素材のほうを見直してください。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 顔タイプで素材まで決まるのですか。
- 素材そのものが決まるというより、顔まわりに置ける素材の範囲が決まります。顔タイプの診断で見ているのは、顔立ちの線が曲線寄りか直線寄りか、子ども寄りか大人寄りかという方向です。布の表面も、光を柔らかく散らすか、はっきり返すか、輪郭を立てるかで同じ方向を持っています。方向がそろうと顔まわりが落ち着き、ぶつかると布だけが先に目に入ります。
- Q. 起毛・ツヤ・ハリの3つは、どうやって見分けますか。
- 布を窓のほうへ向けて、表面の光り方を見ます。光が面の上で散って、はっきりした明るい筋が出ないものが起毛です。細長い明るい筋が一本通るものがツヤ。筋は出ないけれど、持ち上げたときに折れ目が角として残るものがハリです。ひとつの布が2つの性格を持つこともあるので、そのときは強いほうを採ってください。
- Q. 顔まわりに置ける素材が手持ちにありませんでした。
- 顔から30センチの外へ回せば、どの素材も使えます。下半身、羽織の裾、バッグ、靴。そこに置くぶんには、顔まわりの条件は届きません。そのうえで、首もとに一枚だけ自分の第一候補を足してください。インナーの襟を出す、薄手のものを一枚掛ける。面積は小さくて構いません。
- Q. 中間タイプなので、どちらの第一候補を採ればいいか分かりません。
- 面積の大きいほうで決めてください。顔まわりに大きく置く一枚は、2つのうち穏やかに出るほうを採ります。もう一方は小物の側で使うと、両方の性格が全身に入ります。どちらが穏やかに出るかは、顔から30センチに当てて3秒だけ鏡を見れば分かります。見るのは布ではなく顔の輪郭のほうです。
— メグラシ編集部





