ビーンブーツコーデ|甲の上を横切る境目が、床から何cmにあるか

秋の長雨が続いて、地面の乾かない日が何日も並んだ。足元が濡れるのがわずらわしくて、去年の秋に買ったビーンブーツを玄関に出した。雨の日は確かに頼りになるのに、鏡を見ると足元だけが妙に大きく、上とつながらない。パンツを何本か替えても、靴下を替えても、足先だけが別のところにある感じが消えない。ビーンブーツのコーデが決まらないとき、見るところは丈でも色でもなく、一足の中を横切っている境目がどこにあるかです。
結論:境目が床から何cmか。5〜8cmに来ると、足が二つに割れて見える
ビーンブーツは、甲から下がゴム、そこから上が革でできています。二つの素材が縫い合わされているので、その継ぎ目が横向きの線になって、甲の上を一周しています。
ほかのブーツには、この線がありません。表面はつま先から履き口まで一続きで、横の線が出るのは履き口の縁のところだけです。ビーンブーツは、履き口よりずっと下に、もう一本の線を最初から持っています。
この線は消せません。 作りそのものだからです。ひもをどう締めても、どんな裾を合わせても、線の高さは変わりません。
だから決めることは一つです。その一本が、足元をどこで区切っているか。区切りの位置によって、足はひとつの塊として読まれることも、上下二つに割れて読まれることもあります。
境目の高さを測る|床からメジャーを一回立てる
読む数字は一つで足ります。
ブーツを履いて立った状態で、床から境目のいちばん高いところまでの高さを測ってください。境目は甲の上でゆるやかな山の形に走っているので、足首寄りのいちばん高い点を見ます。素材も色も違うので、横から見れば境目はすぐ分かります。
| 境目の床からの高さ | 足元の読まれ方 | その日にすること |
|---|---|---|
| 4cm以下 | 底の延長として読まれ、足はひとつの塊になる | 何もしなくていい |
| 5〜8cm | 下の塊と上の革が同じくらいの厚みで並ぶ | 三つの手当てから一つ選ぶ |
| 9cm以上 | 下が主役になり、丈の低い長靴に近く読まれる | 雨の日の形として通す |
メジャーが無い日でも見当はつきます。横から見て、境目より下のつや消しの部分と、境目より上の革の部分を比べてください。どちらが厚いか一目で言えるなら4cm以下か9cm以上、同じくらいで迷うなら5〜8cmです。
5〜8cmがいちばん割れやすいのには理由があります。足首のいちばん細いところは、床から6〜9cmのあたりに来る方がほとんどです。人はこのくびれのところで足と脚の区切りを読んでいます。境目がそのすぐ下に入ると、近い高さに区切りが二つ並ぶことになります。並んだ二本は、それぞれ別の切れ目として読まれます。
境目が低ければ、くびれから離れているので区切りは一つに戻ります。高ければ、境目のほうが主になって、くびれの側が読まれなくなります。離れているか重なっているか、それだけの話です。 足首のくびれの高さそのものの測り方はチェルシーブーツコーデにまとめてあります。
割れて見える一足の手当て|覆う・上を伸ばす・下を沈める
境目が5〜8cmに来る一足は、朝に一つだけ決めれば収まります。三つあります。
一つめは、覆う。裾の下端を境目より下、つまり床から4cm以下まで下ろします。境目が布の下に入るので、足元に残る線は裾の縁ひとつだけになります。ただし裾が地面に近づくぶん、雨の降っている日には使えません。
二つめは、上を伸ばす。上の革と近い色の靴下を、履き口から少し覗かせます。革と靴下が縦につながって上の層が伸びるので、下の塊と厚みの差がつきます。同じくらいで並ばなくなれば、二つには割れません。
三つめは、下を沈める。濃い色のボトムスか濃いタイツで足元を暗くまとめると、下の塊が床の影と地続きになって、塊として読まれにくくなります。
| 手当て | やること | 使う日 |
|---|---|---|
| 覆う | 裾を床から4cm以下まで下ろす | 雨の降っていない日 |
| 上を伸ばす | 上の革と近い色の靴下を履き口から出す | 雨の日、歩く日 |
| 下を沈める | 濃いボトムスかタイツで足元を暗くする | 夕方から人に会う日 |
| 何もしない | 境目が4cm以下、または9cm以上のとき | ふだんの日 |
三つのうち二つを同時にやる必要はありません。一つで足ります。
つま先|丸くて厚いぶん、裾幅が足りないと足だけ残る
ビーンブーツは、底に厚みがあってつま先が丸く張り出しています。前後の長さも横幅も、革だけのブーツより一回り大きくなります。
ここで見るのは、裾幅とつま先の幅です。ブーツを床に置いて上から見て、つま先のいちばん広いところの、左右の端から端までを測ります。パンツは片側の裾口を平らに置いて、端から端までの幅を測ります。
| 裾幅とつま先幅 | 足先の見え方 |
|---|---|
| 裾幅がつま先幅と同じか広い | つま先が裾の線の内側に収まり、脚から足まで続く |
| 裾幅が0〜2cm狭い | つま先が少しだけ出る。標準の出方 |
| 裾幅が3cm以上狭い | 裾の線の外へ張り出し、足先だけが独立して残る |
細い裾でこの一足を履きたい日は、覆おうとしないでください。裾を足首より上でしっかり終わらせて、脚と足のあいだに空きを作るほうが収まります。空きがあると、裾の幅とつま先の幅が直接比べられなくなるからです。
なお、同じ引き算でもエンジニアブーツのコーデで測っているのは裾幅と筒まわりの差で、見ている場所が違います。あちらは足首から上、ここは床の上です。厚みのある一足でどちらから先に見るか迷ったら、つま先が丸く張り出しているほうを先に測ってください。
秋の長雨|足元だけが、別の天気の話をしないように
秋は、数日続いて上がって、また戻ってくる雨の時期があります。この一足を出すのは、たいていその最初の日です。
ビーンブーツは、濡れてもいい前提の顔をしています。下半分がゴムで、底が厚く、つま先が丸い。見ただけで水に強いと分かる形です。ところが上に着るものが乾いた日の服のままだと、足元だけが天気に備えていて、それより上は備えていない、という食い違いが出ます。
手当ては簡単です。腰から上に一か所だけ、水に強い面を置いてください。撥水の羽織り、目のつまった織りのかばん、つるりとした小物。一つ置けば、足元の機能が単独でなくなります。 二つ以上置くと、今度は全身が雨支度のほうへ寄るので、数は一つで止めます。撥水の一枚をどこに置くかは撥水レインコートの選び方にまとめてあります。
逆に、雨が上がった日や晴れた日にこの一足を履くときは、上に機能の面を置かないでください。足元だけを一点残すと、それが意図として読まれます。二つ以上あると「雨の日の恰好」として全体が読まれます。同じ一足でも、天気によって上の数え方が逆になるということです。
秋の進み方も、ほかのブーツとは少し違います。靴下を厚くすると足首まわりは太くなりますが、境目の高さは靴の作りで決まっているので動きません。9月に測った数字は、そのまま冬の入り口まで使えます。動くのは履き口の縁のほうなので、中厚の靴下に替えた日は、ひもの上二段だけゆるめて立ち方をそろえてください。ブーツを出す時期そのものの判断は10月のブーツはいつからにあります。
場面別|手当てを朝に一つ決める
雨の降っている日の通勤は、覆う手が使えません。裾を下ろすと地面に近づいて濡れるからです。この日は上を伸ばす手にしてください。裾は地面からのはねが届かない高さで終わらせます。はねの届く高さの目安は長靴のコーデは、はねが届く地上40cmで決まるにあります。
夕方から人に会う日は、下を沈める手が早いです。濃いボトムスで足元を暗くまとめると、境目の位置にかかわらず、足先から下が一つの影として収まります。
一日歩く休日は、割れたままで構いません。足元に塊が二つあるぶん、上をすっきり細くしたときの釣り合いが取れます。この日は上半身の量をゼロに近づけて、見どころを足元に集める組み立てにします。
座る時間が長い日は、覆う手を選んだときだけ注意してください。膝を曲げると裾が2〜3cm上がるので、立った状態で床から4cmに下ろしていると、座ったときに境目のすぐ上まで戻ってきます。境目そのものは靴の一部なので座っても動きません。動くのは裾だけです。座っている時間のほうが長い日は、立った状態で床から2cmまで下ろしておくとずれません。
よくある行き違い
雨の日用の靴だから晴れた日には向かない、と言われることがあります。向き不向きを決めているのは用途ではなく、境目の高さと、上に置いた機能の面の数です。境目が4cm以下の一足なら、晴れた日でも足はひとつの塊として読まれます。上に水に強い面を置かなければ、足元は一点の島として残るだけです。
二つの素材が混ざっているから合わせにくい、という話も見かけます。混ざっていること自体は問題になりません。上下が同じくらいの厚みで並んだときにだけ割れて見えるので、厚みに差がついていれば、素材が二つでも面は一つに読まれます。一足の中で素材が切り替わる形はほかにもあって、側面だけが織り布に変わるものの扱いはチェルシーブーツコーデに分けてあります。
ゴムの部分は目立つから細い裾で隠すとよい、という言い方は、この形では逆に働きます。細い裾はつま先の幅に届かないので、裾の線の外へ足先が出ます。出たぶんだけ下の塊が見えることになり、隠すつもりが強調になります。隠すなら細くするのではなく、幅のある裾で下まで覆ってください。
足元が重い日は靴を替えるしかない、という話もありますが、この一足に関しては替える前に測るほうが早いです。ほかのブーツで足元が重くなるのは足首の量や輪郭のことが多く、その見方はペコスブーツコーデや黒ブーツコーデに分けてあります。ビーンブーツで重く感じるときは、たいてい境目の一本が原因です。
装いに活かすなら
境目の高さを一度測っておけば、以後は服のほうを選ぶだけで済みます。4cm以下なら何もしなくていい。5〜8cmなら、朝にその日の天気を見て、覆う・上を伸ばす・下を沈めるから一つ選ぶ。9cm以上なら、雨の日の形として通してしまう。判断はそれだけです。
秋の長雨は数日で上がって、また戻ってきます。その往復のあいだに、足元だけ機能が立つ日と立たない日が交互に来ます。一足の中に境目が一本あることと、上に置く機能の面は一つでいいことを覚えておけば、そのつど直す場所は一か所で済みます。玄関で靴を履いたら、床から境目までの高さと、足首のくびれの位置を横から見比べてみてください。離れているか重なっているか、それだけでその日の手当てが決まります。
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よくある問い
- Q. ビーンブーツの下のゴムの部分が目立ちます。細い裾で隠せますか
- 細くすると逆に強調されることがあります。この形は底に厚みがあってつま先が丸いので、裾幅がつま先のいちばん広いところより3cm以上狭いと、裾の線より外へつま先が張り出します。裾の内側に収まらなかったぶんだけ、足先が独立して読まれます。隠したい日は、細くするのではなく幅のある裾を選んで、下端を境目より下まで下ろしてください。線が裾の縁ひとつに戻ります。
- Q. ビーンブーツに合わせるパンツの丈はどのくらいがいいですか
- 先に、ゴムと革の境目が床から何cmかを測ってください。多くは4〜8cmのあいだに来ます。裾はその高さより下まで下ろして境目ごと覆うか、逆に足首より上でしっかり終わらせて空きを作るかの二択です。境目のすぐ上で裾が終わると、靴の境目と裾の縁で横線が二本並び、足首から下だけが詰まって見えます。雨の降っている日は覆う側が使えないので、上で終わらせるほうに寄せてください。
- Q. 雨の日に履くと足元だけ浮いて見えます。どうすればいいですか
- 足元だけが天気に備えていて、上が備えていない状態です。腰から上に一か所だけ、水に強い面を置いてください。撥水の羽織り、目のつまった織りのかばん、つるりとした小物。どれか一つで足ります。足元の機能が単独でなくなると、全身が同じ日の恰好として読まれます。数は一つで十分で、二つ以上置くと今度は全身が雨支度に寄ります。
- Q. ビーンブーツは秋のいつごろから履けますか
- 気温より先に、雨のほうが合図になります。秋の長雨に入って地面が乾かない日が続くころが、いちばん無理のない履き出しです。9月の後半は薄い靴下で足首に余裕を残し、10月に入って中厚に替えたら、ひもの上二段だけゆるめて履き口の立ち方をそろえてください。境目の高さは靴の作りで決まっているので、靴下を厚くしても動きません。一度測った数字はそのまま冬の入り口まで使えます。
— メグラシ編集部




