長靴のコーデは、はねが届く地上40cmで決まる|その高さに布を残さない

雨の日の長靴が野暮ったく見えるのは、靴の形ではありません。裾が、はねの届く高さで終わっているだけです。 地面から40cmより上で裾を終わらせる。それだけで、足元が雨の日の形になります。
見るのは、はねが届く高さと、裾の終わり
雨の日の足元には、他の日にはない条件が一つ加わります。濡れる高さが決まっているという条件です。この高さを知っていれば、布の置き場所は自動的に決まります。
判定の軸は2つです。
裾の終わる高さ:筒の上端より上・筒に重なる・筒より下 筒の上端の位置:膝下すぐ・ふくらはぎの中ほど・足首の少し上
前者が濡れるかどうかを決め、後者が足元の区切りの位置を決めます。どちらも、立ったまま横から見れば確かめられます。
はねは、地面から30〜40cmまで上がる
歩くたびに、靴が水面を蹴ります。蹴った水は前へ跳ね、その多くが地面から30〜40cmの高さまで上がります。 走ればもっと上がり、車が通れば横からも来ます。
この高さは、多くの方のふくらはぎの中ほどにあたります。つまり、そこに布があれば濡れる、無ければ濡れない。判断はそれだけです。
長靴の筒は、たいていこの高さを覆うように作られています。筒が守っているのは、はねが届く範囲そのものだと考えると、丈の意味が分かりやすくなります。
高さの目安は、自分の体で覚えておくと使えます。立った状態で、手を下ろしたときの指先より少し下。 そのあたりが40cmの見当です。毎回測る必要はなく、一度確かめておけば、雨の予報を見た朝に頭の中で判断できます。
道の状態によっても変わります。舗装が平らで水がたまらない道なら、はねは低い位置で収まります。水たまりを避けられない道や、人通りが多くて足元が乱れる道では、上のほうまで届きます。同じ40cmでも、通る道で余裕の取り方を変えてください。
裾と筒の関係3段階
| 裾の終わり | 濡れ方 | 見え方 |
|---|---|---|
| 筒の上端より上 | 布は濡れない | 筒の口で線が一本。基準 |
| 筒に重なる | 重なった布の内側が濡れて乾かない | 線が二重になり、輪郭がぼやける |
| 筒より下 | はねの範囲に布が残る | 濡れた面が足元に残る |
避けたいのは真ん中の一段です。 重なった部分は外から水を受けたあと、内側にたまって乾きません。上げるか、入れるか。どちらかへ寄せてください。
筒の高さを測る
長靴を履いて、立ったまま横から見てください。筒の上端が、膝の下からどのくらい下にあるかを見ます。
膝下すぐまである一足は、はねの範囲を完全に覆います。ふくらはぎの中ほどで終わる一足は、範囲のちょうど上端あたりです。足首の少し上で終わる短い一足は、範囲の下半分しか覆いません。
短い一足を履く日は、裾の丈をより短くする必要があります。 筒が守ってくれない区間は、布を置かないか、濡れても乾く素材にするかのどちらかです。
裾を上げる三つの方法
いちばん簡単なのは、折ることです。折り幅は3〜5cm。二回折れば10cm近く上がります。 雨の日だけの一時的な形なので、折り目が残ることは気にしなくて構いません。
二つ目は、はじめから短い丈のものを選ぶことです。足首が見える丈のボトムスなら、どの長靴でも筒の上端より上で終わります。雨の日用として一本決めておくと、朝に迷いません。
三つ目は、丈の長いものを選ぶことです。膝下より下まである丈なら、はねの範囲に入りますが、はじく素材のものなら濡れても表面で水が落ちます。丈を中間で止めるのがいちばん扱いにくいので、短くするか長くするかで考えてください。
筒に入れるか、外に出すか
裾を筒に入れると、布は完全に守られます。入れるかどうかは、裾幅ではなく、その日の雨の強さで決めてください。
雨が強い日、水たまりの多い道を歩く日は、入れる形が確実です。小雨で、屋根のある道が続く日は、出したままでも布は濡れません。
入れたときに気をつけたいのは、筒の口に引かれる線です。この線が中途半端な高さにあると、そこで区切りが宙に浮きます。 膝の下に近づけるか、下のほうで終わらせるか。どちらかに寄せてください。
入れるときは、布を筒の内側でひとまとめにしないでください。筒の中で布がねじれると、そこに厚みができて、外から見たときに筒の形が変わります。 一度平らに整えてから入れると、筒の輪郭がそのまま残ります。手間は数秒です。
出す形を選ぶ日は、裾が靴の上に乗る位置を確かめてください。乗せる場合、布は筒の上を通るので、はねの範囲からは外れています。乗せた布の裾が筒の下端まで届いてしまう丈だと、範囲に戻ってしまいます。乗せるのは、筒の上半分までにとどめてください。
靴下は、筒の中で折り返す
筒に入れる形でも、上げる形でも、筒の中には靴下が入ります。筒の上端より高い丈の靴下を選ぶと、口のところで一度折り返せます。
折り返すと、筒の口に二本目の線ができます。線が二本並ぶと、そこが意図してつくられた区切りとして読まれます。一本だけのときの、宙に浮いた感じが消えます。
色は、靴と同じ濃さか、はっきり明るいかの二択です。同じ濃さなら足元が縦に伸び、明るければ筒の口に区切りができます。 どちらも成立するので、その日の全身で決めてください。
はねの範囲には、乾く素材だけを置く
短い長靴を履く日や、丈を上げきれない日は、はねの範囲に布が残ります。その場合は、濡れても表面で水が落ちる素材、あるいはすぐ乾く素材を選んでください。
目の詰まった生地は、水を吸っても表面にとどまります。目の粗い生地や起毛した生地は、水を吸って重くなり、乾くまで色が濃く残ります。同じ一日でも、素材によって夕方の見え方がまったく違います。
裾の内側も見ておいてください。折り返した内側に別の生地が付いていると、そこが水を含みます。折る形を選ぶ日は、内側の生地も確かめてください。
色の濃さでも、濡れたあとの見え方が変わります。濃い色は濡れてもほとんど変化しませんが、明るい色は濡れた部分だけがはっきり濃く残ります。 はねの範囲に布を置かざるを得ない日は、濃い色のボトムスを選んでおくと、夕方まで見え方が変わりません。
同じ理由で、雨の日は足元に近いほど濃い色を置く形が扱いやすくなります。上を明るく、下を濃く。これは見え方の話であると同時に、一日の終わりまで形が保たれるかどうかの話でもあります。
長靴は一枚の大きな面|濃さをどこかに返す
長靴の表面は平らで、光を返します。布より光を返すので、同じ色でも足元だけが目に入りやすくなります。 面としても大きいので、足元にひとつの塊ができます。
対処は、上に同じくらいの濃さの面をひとつ置くことです。かばん、巻きもの、羽織りのいずれか。濃さが近ければ、色が違っても呼応します。
もうひとつの方法は、靴下や裾の色を靴に近づけることです。足元のかたまりが縦に伸びるので、ひとつの塊としてまとまります。どちらか一つで足ります。
表面の光り方も見ておいてください。つるりとした表面の一足は、曇りの日でも空の明るさを映します。 表面につや消しの加工がされている一足や、細かい目のある一足は、光を散らすので静かに収まります。手持ちがつるりとした一足なら、上に返す面は、同じように光を返すものを選ぶと呼応します。かばんの表面、傘の面、羽織りの生地。どれか一つで足ります。
秋の雨の日は、覆いを減らさない
秋の雨は、気温が下がった状態で降ります。裾を上げると、そのぶん覆いが減ります。 上げた区間を厚手の靴下で埋めると、布を濡らさずに覆いを残せます。
靴下は筒の中に入るので、外からは見えません。厚手のものを選んでも、足元の見え方は変わりません。見た目の判断と、覆いの判断は別々にできるというのが、長靴の利点のひとつです。
上半身も同じ考え方です。雨の日は羽織りを一枚足すことが多くなりますが、その一枚が足元に返す濃さの面を兼ねられます。別々に用意する必要はありません。
どちらとも取れるとき|移動中は雨、着いたら人に会う
行き帰りは雨、着いた先では人と会う。この日は、着いてから形を戻せるようにしておきます。裾を筒に入れて移動し、着いたら出す。 これだけで、雨の日の形から普段の形へ戻ります。
出したときの丈が短めなら、そのままで整います。長い丈なら、折っておいた裾を下ろせば元に戻ります。移動中の形と、着いてからの形を分けて考えると、どちらも無理がありません。
どちらとも取れるとき|裾を上げると足首が冷える
裾を上げた区間が素肌のままだと、秋の雨では冷たく感じます。靴下の丈を、筒の上端より高いものに替えてください。 覆いが戻り、なおかつ布は濡れません。
もう一つの方法は、裾を筒に入れる形に切り替えることです。入れれば布がそのまま覆いになるので、上げる必要がなくなります。
どちらとも取れるとき|筒の短い一足しかない
はねの範囲の下半分しか覆えない一足があります。この場合は、裾の丈を筒の上端より上で終わらせたうえで、その上の区間を靴下で埋めてください。 靴下は濡れますが、布のボトムスより乾きが早く、帰ってから替えられます。
丈の長いボトムスしか無い日は、はじく素材のものを選んでください。範囲に布が入っても、表面で水が落ちれば、内側までは濡れません。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 裾が筒に重なる | 重なった内側が濡れ、乾かない | 上げるか、筒に入れる |
| 筒の口の線が中途半端な高さ | 区切りが宙に浮いて見える | 膝の下か、下のほうへ寄せる |
| 短い丈の靴下で筒に入れる | 筒の中で靴下が下がり、口に線が一本だけ残る | 筒より高い丈で折り返す |
| 起毛した裾ではねを受ける | 水を吸って重くなり、夕方まで色が残る | 目の詰まった生地に替える |
| 足元だけが濃く光る | 塊として独立して見える | 上に同じ濃さの面を一つ置く |
まとめ|40cmより上で終わらせる
- 雨の日に濡れるのは、地面から30〜40cmの範囲
- 裾は筒の上端より上で終わらせるか、筒に入れるかの二択
- 重ねる形だけは避ける。内側に水がたまって乾かない
- 筒の口には靴下を折り返して、線を二本にする
- 足元の大きな面には、上に同じ濃さの面を一つ返す
雨の日の足元は、我慢するものだと思われがちです。 けれど決めることは、濡れる高さに布を置くかどうかという一点だけでした。高さは変わらないので、一度決めた形は毎回そのまま使えます。
この考え方は、雨の日の靴すべてに使えます。丈の短いものでも、はじく素材の短靴でも、地面から40cmに何が置かれているかを見る。 手順は同じです。
次に雨の予報を見た日は、しゃがんで自分の足元を横から見てください。筒の上端より上で裾が終わっていれば、その日の足元はもう決まっています。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 長靴に合わせる裾は、どのくらいの丈がいいですか
- 筒の上端より上で終わる丈が基準です。地面からのはねは30〜40cmまで上がるので、その高さに布があると、歩いているあいだに濡れていきます。多くの長靴は筒の上端がその範囲を覆う高さにあるので、裾を筒より上で終わらせれば、布は濡れません。丈が足りない場合は、裾を筒の中に入れてください。上げるか入れるかの二択で、重ねる形だけは避けます。
- Q. 裾を筒に入れると、野暮ったく見えませんか
- 入れたあとに、筒の上端で線が一本引かれます。この線が中途半端な高さにあると野暮ったく感じます。線の位置を膝の下に近づけるか、逆にふくらはぎの下のほうで終わらせるか、どちらかに寄せてください。あわせて、靴下を筒の口で一度折り返すと、線が二本になって意図として読まれます。入れること自体が問題ではなく、線の位置が決まっていないことが問題です。
- Q. 雨が上がったあとに人と会う日は、どうすればいいですか
- 足元の面を一枚として扱い、上に同じくらいの濃さの面を一つ置いてください。長靴はつるりとした一枚の大きな面になるので、そこだけが独立しやすくなります。かばん、巻きもの、羽織りのいずれかを同じくらいの濃さにすると、足元と上で呼応します。加えて、筒に入れていた裾を出して線を消すと、雨の日の形から普段の形へ戻ります。
- Q. 秋の雨の日は寒く感じます。裾を上げても大丈夫ですか
- 上げた区間を靴下で埋めてください。裾を上げると、筒の上端までのあいだに空きができます。そこを厚手の靴下で覆えば、布を濡らさずに覆いを残せます。靴下は筒の中に入るので、外からは見えません。丈は筒の上端より少し高いものを選ぶと、筒の口で折り返して見せることもできます。
- Q. 長靴は色が浮きやすい気がします
- 面が大きく、表面が平らだからです。同じ色でも、布より光を返すので、足元だけが目に入りやすくなります。対処は二つあります。ひとつは、上に同じくらいの濃さの面をひとつ置いて呼応させること。もうひとつは、靴下や裾の色を靴に近づけて、足元のかたまりを縦に伸ばすことです。どちらか一つで足ります。
— メグラシ編集部





