発表会ヘアアレンジ|客席との高低差と照明の向きで高さを決める

発表会ヘアアレンジは、鏡の前ではなく、客席の側から決めます。
先に調べるのは、あなたが立つ(座る)場所と、客席の床の高さの差です。
舞台が客席より30cm以上高いなら、束は耳の上端より高い位置に置きます。客席が階段状で、あなたを見下ろす配置なら、束は耳の高さに置きます。差がほとんどない会場なら、束の高さより横幅に気を配ります。この1つの数字で、束の位置はほぼ決まります。
髪型の見本を見比べて「かわいいもの」を選ぶと、本番の客席からはその形が見えていないことがよくあります。見本の写真は、カメラが顔と同じ高さにある前提で撮られています。客席は、たいていあなたより低いか高いところにあり、5m以上離れています。そこから見える形で選べば、迷う候補はずっと少なくなります。
早見表|高低差と照明で決まる束の位置
比べる軸は2つ、客席との高低差と、照明が来る向きです。
| 会場の条件 | 束を置く位置 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 舞台が客席より30cm以上高い | 耳の上端より上 | うなじの束は輪郭の陰に隠れる |
| 客席が階段状で見下ろされる | 耳の高さ | 高い束は頭頂に重なり、輪郭が縦に伸びる |
| 差が30cm未満 | どこでもよい | 横幅が肩幅の半分を超えないように |
| 照明が真上から | 位置は上の3つのとおり | 表面のうねりが影の筋になる |
表で決まるのは束の位置と、気をつける場所までです。留め方、前髪、楽器ごとの違いは、このあとの節で順に決めていきます。
先に決めるのは、立つ場所と客席の高さの差
なぜ高低差で決まるのかを、先に説明しておきます。
客席から舞台を見るとき、目の高さと舞台の床の高さには差があります。舞台が高いと、客席の人はあなたを下から見上げることになります。見上げる角度では、顎の下から耳の後ろにかけての線が、顔の輪郭として見えます。後頭部の低い位置にある束は、この輪郭のさらに後ろにあるので、正面からは隠れてしまいます。
客席が階段状に高くなっている会場では、反対のことが起きます。後ろの席の人はあなたを上から見下ろすので、頭頂部が見えます。頭の高い位置にある束は頭頂に重なり、輪郭が縦に長く見えます。
つまり同じ髪型でも、会場によって見えている部分が違うのです。だから先に会場の条件を調べ、それに合わせて束の位置を決めます。
高低差の測り方|舞台の段数で数える
高低差を正確に測る必要はありません。舞台に上がる段の数を数えれば足ります。
- 1段はおよそ15〜20cm
- 2段以上あれば、30cmを超えていると考えてよい
- 段がなく、客席と同じ床の上で演奏するなら、差はほぼ0
リハーサルで会場に入れるなら、客席のいちばん前の列に座って、舞台の上を一度見てください。目の高さが舞台の床より下にあるなら、見上げる配置です。
リハーサルがない場合は、会場の案内図や、前回の発表会の写真を見ます。写真が客席から撮られていれば、舞台の床が写真のどの高さにあるかで、だいたいの差が分かります。
客席が平らな多目的ホールか、映画館のように後ろが高くなる階段状のホールかも、同時に確かめておきます。
1つの会場の中に、見上げる席と見下ろす席が両方あることもあります。前の方の席は舞台より低く、後ろの方の席は階段状に高くなっている、という作りのホールです。この場合は、客席のどのあたりがいちばん埋まるかで決めます。発表会では、出演者の家族が前の方の席から座っていくことが多いので、前の方の席、つまり見上げる配置に合わせておけば、いちばん多くの人に届きます。
会場の情報がまったく手に入らないときは、耳の上端の高さに束を置く形にしておきます。見上げられても見下ろされても、大きく外れない高さだからです。当日、会場に着いて舞台を見てから、束の位置を指1本分上げるか下げるかだけを決めます。作り直すのではなく、留め具の位置を少しずらす程度で済む形にしておくと、当日の調整が短くなります。
見上げられる配置(30cm以上高い)
舞台が客席より30cm以上高い会場では、客席の多くの人があなたを見上げます。
この配置で束を見せたいなら、耳の上端より高い位置にまとめます。耳の上端より上にあれば、見上げる角度でも頭の輪郭の上に束が出てきます。
低い位置でまとめた形がだめというわけではありません。見上げる角度では束が隠れるので、正面から見ると、すっきりした頭の輪郭だけが残ります。束を見せることより、すっきり見せることを優先するなら、低い位置のまとめ髪も成り立ちます。
見上げる配置で気をつけたいのは、顎の下から耳の後ろにかけての線です。この線上に、まとめきれなかった後れ毛が垂れていると、見上げる角度でよく目立ちます。耳の後ろの毛は、ピンで1本ずつ留めておきます。
見下ろされる配置(客席が階段状)
客席が後ろに向かって高くなっている会場では、後ろの席の人はあなたを見下ろします。
この配置では、頭の高い位置にある束は頭頂部に重なって見えます。束が大きいと、頭の輪郭が縦に伸びて、全体の釣り合いが変わります。束は耳の高さ、つまり後頭部の真ん中あたりに置くと、上から見ても頭の輪郭の中に収まります。
見下ろされる配置でもう1つ見えるのが、分け目です。上から見ると、分け目の線がはっきり見えます。分け目がジグザグになっていたり、根元が割れていたりすると、照明の下でよく目立ちます。前日に分け目をくしで1本に通し、根元を押さえて乾かしておきます。
差が30cm未満の会場
客席とほぼ同じ高さで演奏する会場、たとえば教室の一角や、平らな多目的室では、見上げる角度も見下ろす角度もほとんどありません。
この場合、束の高さはどこでも構いません。気をつけたいのは横幅です。正面から見て、髪の横幅が肩幅の半分を超えると、頭が大きく見えます。サイドの毛をふくらませすぎない、耳の横に大きな飾りを付けすぎない、という2点だけ守れば十分です。
客席との距離が近い会場では、髪の細部も見えます。後れ毛の量や、ピンが見えているかどうかも、5m以上離れた会場より気になりやすくなります。ピンは髪の色に近いものを選び、束の内側に差し込みます。
どちらとも取れる会場のとき
段が1段だけ、つまり15〜20cmほど高い舞台は、見上げる配置とも、差がない配置とも取れます。客席の前の方の人には見上げられ、後ろの方の人にはほぼ同じ高さに見えます。
どちらとも取れるときは、耳の上端の高さに束を置きます。 見上げる角度でも隠れず、同じ高さから見ても不自然に高くない位置です。
もう1つの考え方は、誰に見せたいかです。家族が前の方の席に座るなら、見上げる配置に合わせます。客席全体に向けて演奏する発表会なら、中ほどの席から見た角度に合わせます。中ほどの席は、たいてい舞台の床と目の高さがほぼそろうので、耳の上端の高さがちょうどよく見えます。
照明が真上から来る日
舞台の照明が真上から来る会場では、髪の表面の小さなうねりが、影の線になって見えます。手元の鏡では気づかない凹凸が、上から光が当たると縦の筋として拾われるのです。
客席からは、この筋が「髪がぼさぼさに見える」と受け取られます。実際にはまとまっていても、光の当たり方で表面が乱れて見えるのです。
防ぐ方法は、表面の毛の向きをそろえておくことです。
- 前日の夜、乾かすときに、根元から毛先へ向けて風を当てる
- 当日、まとめたあとに、手のひらに少量の整髪料を伸ばして表面をなでる
- 頭頂部の短い毛が立っているなら、目の細かいくしで1回だけ寝かせる
真上からの光は、頭頂部にいちばん強く当たります。頭頂部の表面をなめらかにしておくことが、いちばん効きます。
照明が正面から来る日
照明が正面から来る会場では、顔に光が当たり、髪の表面の筋はあまり目立ちません。代わりに目立つのが、顔のまわりの毛の影です。
前髪や顔まわりの後れ毛が額や頬にかかっていると、正面からの光でその毛の影が顔に落ちます。客席からは、顔に黒い線が入っているように見えます。
正面からの照明の日は、顔まわりの毛を額や頬にかからない位置に留めます。前髪を残すなら、目の上に影を落とさない長さか、横に流して留めておきます。
照明の向きは、リハーサルで舞台に立ったときに、床に落ちる自分の影を見れば分かります。影が足元に小さく落ちるなら真上から、後ろに長く伸びるなら正面からです。
客席までの距離が5mを超えると、残るのは輪郭だけ
客席までの距離が5mを超えると、髪の質感や、毛束の細かい流れはほとんど届きません。残るのは、頭の輪郭の線だけです。
- 頭の上端がどこにあるか
- 横幅がどこまであるか
- 束がどの位置に、どれくらいの大きさであるか
鏡の前で細かく編み込んだり、毛束を少しずつ引き出したりしても、5m離れると、その細部は輪郭の中に溶けてしまいます。時間をかけるなら、細部ではなく輪郭の方に使った方が、客席には届きます。
視点の距離と髪の見え方の関係は、見る距離で変わるヘアアレンジにまとめています。
手を入れられない時間を数える
発表会の髪で、もう1つ先に数えておきたいのが、手を入れられない時間です。
舞台に上がってから下りるまで、髪には触れません。ピアノの独奏なら1曲で数分、合奏や合唱で何曲も続けて舞台にいるなら、20分以上になることもあります。出番の前後に控室で待つ時間も、直す場所がなければ同じように数えます。
この連続した分数が10分を超えるかどうかで、留め方が変わります。
- 10分以内なら、留め具1か所でまとめた形でも持ちます
- 10分を超えるなら、留め具を左右2か所に分けて置きます
留め具を左右2か所に分ける
10分を超えて手を入れられないときは、留め具を1か所にまとめず、3cm以上離れた左右2か所に1つずつ置きます。
1か所で留めた束は、その留め具がゆるむと全体が崩れます。2か所に分けておけば、片方がゆるんでも、もう片方が束を支えます。舞台の上で形が崩れきることがありません。
ピンの差し方にも向きがあります。ピンは、束の重さがかかる方向に対して、交差するように差します。同じ方向に2本差すより、角度を変えて交差させた方が、動いたときに抜けにくくなります。
留め具の向きと交差の角度は、ヘアピンの使い方|向きと交差の角度が詳しい続きになります。
礼の深さと前髪
発表会では、演奏や発表の前後に礼をします。この礼で前髪が落ちてくることがあります。
前髪を留めるかどうかは、礼の深さで決めます。
- 上体を30度ほど倒す会釈なら、前髪が額の半分より上で止まっていれば落ちません
- 上体を45度以上倒す礼をするなら、前髪は横に流してピンで留めます
礼のあとに前髪が目にかかると、演奏を始める前に手で直したくなります。舞台の上で髪に触れると、客席からはそれが目立ちます。礼の深さは、発表会の進め方で決まっていることが多いので、先生や主催者に確かめておきます。
楽器と動きで変わること
発表する内容によっても、客席から見える角度が変わります。
ピアノは、横顔が客席に向きます。 多くの会場で、客席から見えるのは演奏者の右側の横顔です。ハーフアップやサイドに寄せた束なら、客席側に束が見えるように右側に寄せると、輪郭に変化が出ます。反対に、客席側の耳まわりに後れ毛が多いと、横顔の線がぼやけます。
ピアノの発表会でもう1つ見ておきたいのが、うつむく角度です。鍵盤を見るとき、頭は前に傾きます。頭が前に傾くと、後頭部の束は上に向き、客席からは頭の上端の輪郭が後ろに伸びて見えます。束が大きいと、うつむくたびに頭の形が変わって見えます。ピアノの日は、束を大きく作らず、頭の丸みに沿わせる形にすると、うつむいても輪郭が変わりません。
ペダルを踏むときに体が少し前後に動くので、下ろした毛先は肩の上で揺れます。肩より長い髪は、少なくとも客席側の毛をまとめておくと、横顔の線が演奏のあいだ一定に保たれます。
弦楽器は、楽器を顎や肩に当てるため、首まわりに髪が触れます。肩より長い髪は、楽器に当たる側だけでもまとめておきます。
歌や合唱は、正面を向いて立ち、口を大きく動かします。顔まわりの毛が頬に触れていると、声を出すたびに揺れて気になります。
ダンスは、回転や上下の動きで髪が大きく揺れます。束の数と留め具の数を増やし、揺れても形が残るようにします。視点の数と髪型の決め方は、ダンスの髪型は見られる視点の数で決めるが詳しい続きです。
冬の発表会は、静電気で表面が浮く
発表会は、年末から冬にかけて開かれることが多い行事です。この時期の会場は暖房で空気が乾いていて、髪の表面に静電気が起きやすくなります。
静電気で浮いた毛は、照明の下で細い光の線になって見えます。特に真上からの照明では、頭頂部のまわりに毛が立っているのがよく分かります。
防ぐ方法は3つです。
- 前日の夜、髪を乾かしたあとに、毛先まで保湿してから寝る
- 当日、まとめたあとに、手のひらに少量の整髪料を伸ばして表面をなでる
- 出番の直前、控室で手のひらを軽く湿らせて、浮いた毛を押さえる
整髪料はつけすぎると、照明の下で表面がてかって見えます。手のひらに薄く伸ばして、表面をなでる程度にとどめます。
羽織りを脱ぐ順番と髪
冬の発表会では、会場までコートを着て行き、控室ではカーディガンやボレロを羽織って待つことがよくあります。この羽織りの脱ぎ着で、まとめた髪が崩れます。
崩れを防ぐ順番は、次のとおりです。
- 羽織りを脱ぐ前に、下ろした部分の髪を片側の肩から前に流す
- 羽織りを脱ぐ。襟が束に触れないように、前から肩を抜く
- 髪を後ろに戻し、表面を手のひらでなでる
首まわりの詰まった羽織りは、頭からかぶって脱ぐと束が必ず崩れます。発表会の日は、前開きの羽織りを選んでおくと安心です。
衣装の襟元と束の位置
発表会の衣装は、襟の形で首まわりの見え方が変わります。
- 首まわりが大きく開いた衣装は、首の線がよく見えるので、束は高めでも低めでも収まります
- 襟が首に沿って高い衣装は、低い位置の束が襟に当たり、束が押し上げられます。束は耳の上端より上に置きます
- 大きな襟やリボンが付いた衣装は、首まわりに視線が集まるので、髪の飾りは小さめにします
衣装を着た状態で、横から鏡を見て、束の下端と襟の上端のあいだに指1本分の空きがあるかを確かめてください。空きがないと、演奏中に首を動かすたびに束が襟に当たります。
子どもの髪を整える側の手順
発表会ヘアアレンジを調べている人の中には、子どもの髪を整える側の人も多いはずです。整える側でも、決め方は同じです。会場の高低差と、手を入れられない時間を先に調べます。
子どもの髪で違うのは、本人が髪に触りやすいことです。待ち時間が長いと、気になって触ってしまい、束がゆるみます。
- 留め具は、子どもが自分では外せない位置、つまり後頭部の高い位置に置く
- 前髪は、目にかからない位置に留める。目にかかると手で払うので、崩れのきっかけになる
- 待ち時間が長い日は、整えるのを出番の30分前くらいまで遅らせる
髪の量が少ない子どもや、髪が細い子どもは、ピンが滑りやすいので、ゴムでまとめてからピンを足すと安定します。バレッタを使うなら、ねじった束と組み合わせると留まりやすくなります。組み合わせ方はバレッタのアレンジ|ねじりとの組み合わせが参考になります。
前日と当日の段取り
前日にやることは3つです。
- 衣装と靴を出して、着た状態で束の位置を決める
- 決まった形を1回だけ通しで作り、かかった分数を記録する
- 寝る前に、根元から毛先へ向けて風を当てて乾かし、表面の向きをそろえる
当日は、前日に記録した分数に15分を足した時間を確保します。発表会の朝は、楽器の準備や移動もあるので、髪に使える時間が思ったより短くなります。
作る順番は、衣装を着てからが基本です。ただし、首まわりの詰まった衣装は、髪を作ったあとに着ると崩れます。この場合は、会場の控室で衣装に着替えてから最後の仕上げをする段取りにしておきます。
控室で仕上げる日は、家でやることと会場でやることを分けておきます。家では、束を作って留めるところまで。会場では、表面をなでる、浮いた毛を押さえる、前髪の位置を決める、の3つだけです。会場の控室は鏡の前が混み合うことが多く、束を作り直す時間はほとんど取れません。
冬の朝は、家を出てから会場に着くまでの外気で、髪の表面が冷えて硬くなります。暖かい控室に入ると、表面がゆるんで浮いた毛が出てきます。会場に着いたら、すぐに直そうとせず、10分ほど部屋の空気になじませてから表面を整えると、整えたあとに浮いてくる毛が減ります。
持っていく道具は、予備のピン2本、手のひらに伸ばす整髪料を少量、目の細かいくし1本で足ります。道具を増やすほど、控室でどれを使うか迷います。
舞台袖で最後に見る3点
出番の直前、舞台袖で鏡を見られるなら、確かめるのは3点だけです。
- 束の位置がずれていないか
- 頭頂部の表面に、浮いた毛がないか
- 前髪が目にかかっていないか
この3点だけ見れば、客席から見える輪郭は守れます。ほかの細かいところは、5m離れた客席には届きません。
舞台袖は照明が落とされていて暗く、鏡があっても細部はよく見えません。暗いところで細かく直そうとすると、かえって表面を乱します。舞台袖で見るのは形だけ、と決めておいてください。表面のつやや後れ毛の量は、控室の明るい鏡の前で済ませておき、舞台袖では触りません。
前の出演者の演奏中に袖で待つ時間は、緊張で手が髪に向かいやすい時間でもあります。手を組む、楽譜を持つなど、手の置き場所を先に決めておくと、無意識に髪に触れることが減ります。
鏡がない場合は、手で触って確かめます。束を手のひらで包んで、朝と同じ位置にあるか、留め具がゆるんでいないかを確かめます。
ボブなど短い髪の発表会ヘアアレンジ
肩につかない長さの髪は、まとめる量が少ないので、束を作る形には向きません。短い髪の発表会ヘアアレンジで決めるのは、束の位置ではなく、輪郭の横幅と、顔まわりの毛の行き先です。
客席から見て効くのは、次の2つです。
- 耳の横の毛を、耳にかけるか、ピンで後ろに留めるか
- 毛先を内側にそろえるか、外にはねさせるか
照明が正面から来る会場では、耳の横の毛が頬に影を落とします。耳にかけるか、耳の後ろでピンを1本ずつ留めて、頬に毛がかからないようにします。見上げられる配置の会場なら、耳の後ろの線が輪郭として見えるので、留めたピンが見えないように、毛の内側に差し込みます。
毛先は、内側にそろえると輪郭が1本の線になり、5m離れた客席からもすっきり見えます。外にはねさせると、輪郭がぎざぎざになり、照明の下で毛先の影が首に落ちます。どちらとも取れる長さなら、内側にそろえる方を選んでください。
ピアノの発表会で短い髪なら、客席側、つまり右側の耳の横の毛だけを後ろに留める方法もあります。横顔の線がはっきりして、鍵盤に向かう姿勢がよく見えます。留めるのは片側1か所だけなので、出番の直前でも数分で整えられます。
眼鏡をかけて演奏する日
楽譜を見るために眼鏡をかける日は、眼鏡のつるが耳の上を通ります。このつるの位置と、髪の分け目や留め具の位置が重なると、つるを押さえるたびに髪が乱れます。
眼鏡をかける日に気をつけたいのは、次の2点です。
- 耳の上端に留め具を置かない。つるが当たって、留め具がずれます
- 耳にかけた毛の上に、つるを乗せない。つるが毛を押さえて、耳の上の毛がふくらみます
髪を先に整えてから眼鏡をかけるのではなく、眼鏡をかけた状態で髪を整えます。つるの位置が先に決まっていれば、そこを避けて留め具を置けます。
見上げられる配置の会場では、眼鏡のつると髪の重なりが横顔の輪郭として見えます。つるの上に毛が乗らないよう、耳の上の毛は後ろに流しておきます。
髪飾りの大きさは、客席までの距離で決める
発表会で髪飾りを付けるなら、大きさは客席までの距離で決めます。
客席までの距離が5mを超える会場では、小さな髪飾りは輪郭の中に溶けて見えません。付けるなら、手のひらの半分くらいの大きさが目安です。それより小さいと、遠くからは何が付いているのか分かりません。
客席との距離が近い教室のような会場では、大きな髪飾りは頭の輪郭より目立ちます。指先くらいの小さな飾りを1つか2つにとどめます。
付ける位置は、束の位置と同じ考え方で決めます。見上げられる配置なら、耳の上端より上。見下ろされる配置なら、耳の高さ。ピアノなら、客席側の右側に付けると見えます。
照明が真上から来る会場では、光を反射する髪飾りが、頭頂部の近くで強く光ります。客席からは、髪飾りだけが白く光って見えることがあります。光る素材の髪飾りは、頭頂部から離れた耳の横あたりに付けます。
写真と動画に残る角度
発表会は、家族が客席から写真や動画を撮ることが多い行事です。撮る位置は、たいてい客席の前の方か、通路の端です。
客席の前の方から撮ると、舞台を見上げる角度になります。写真に残るのは、見上げる角度から見た輪郭です。うなじの束は写りません。顎の下から耳の後ろにかけての線と、頭の上端の線が写ります。
通路の端から撮ると、斜めの角度になります。ピアノなら横顔、立って演奏するなら斜め前からの姿です。斜めの角度では、束の大きさと、後れ毛の量がよく写ります。
家族に撮ってもらう位置が決まっているなら、前日に通しで作るときに、その角度からも1枚撮っておきます。撮った写真で、束が見えるか、後れ毛が輪郭の線をぼかしていないかを確かめます。
控室での待ち時間に崩さないために
冬の発表会は、控室の暖房が強く、空気が乾いています。出番まで1時間以上待つこともあります。この待ち時間に、髪は少しずつ崩れていきます。
崩す原因は、たいてい自分の手です。待っているあいだ、気になって髪に触ると、そのたびに表面の向きがずれ、留め具がゆるみます。
待ち時間のあいだは、次のことを守ります。
- 椅子の背もたれに頭を預けない。束が押されて形が変わります
- 羽織りは前開きのものを肩にかけておき、頭からかぶらない
- 鏡を見るのは、出番の直前に1回だけにする
楽譜を読み返すときに、うつむいた姿勢が長く続くと、前髪や顔まわりの毛が前に落ちてきます。待ち時間のあいだだけ、前髪を小さなピンで横に留めておき、出番の直前に外す方法もあります。
どちらとも取れるときに戻る順番
ここまでで決められなかったときは、次の順番で戻ってください。
- 舞台の段数を数え、見上げる配置か見下ろす配置かを決める
- 照明の向きを、床に落ちる影で確かめる
- 手を入れられない時間を数え、10分を超えるなら留め具を2か所にする
- 境目に乗ったら、束は耳の上端の高さに置く
この4つを順に通せば、束の位置と留め方は1つに決まります。
それでも迷う場合は、直しやすい形を選んでください。舞台の上では髪に触れられませんが、出番の前なら控室で直せます。留め具2か所で、耳の上端の高さにまとめた形は、ずれても留め具を1つ差し直すだけで戻せます。
まとめ|客席から見える輪郭で決める
発表会ヘアアレンジで迷うのは、鏡に映る自分の顔で選ぼうとするからです。本番で見ているのは客席で、客席はたいていあなたより低いか高いところに、5m以上離れて座っています。そこから見えるのは、頭の輪郭の線だけです。
舞台の段数を数え、照明の向きを確かめ、手を入れられない時間を数える。冬の発表会なら、静電気と羽織りの脱ぎ着の段取りを1つ足す。この順番で決めれば、本番の客席から見ても崩れない形になります。
よくある問い
- Q. 発表会の髪は、高い位置と低い位置のどちらがいいですか?
- 好みではなく、立つ場所と客席の床の高低差で決まります。差が30cm以上あると客席からは見上げる角度になり、後頭部の低い位置にある束は顔の輪郭の陰に隠れて見えません。束を見せたいなら、耳の上端より高い位置に置きます。客席が階段状で見下ろされる会場なら、逆に耳の高さに置きます。
- Q. 会場の高低差は、どうやって調べればいいですか?
- 舞台に上がる段の数を数えます。1段はおよそ15〜20cmなので、2段以上あれば30cmを超えていると考えて構いません。リハーサルがない場合は、会場の案内図や過去の写真で、客席から見て舞台の床がどの高さにあるかを確かめます。
- Q. 上からの照明で、髪がぼさぼさに見えると言われました。
- 真上からの光は、髪の表面の小さなうねりをそのまま影の線に変えます。手元の鏡では気づかない凹凸が、上から光が当たると縦の筋として拾われます。前日の夜に、根元から毛先へ向けて風を当てて表面の向きをそろえておくと、当日の筋が減ります。
- Q. 出番のあいだ、髪を直せません。どう留めておけばいいですか?
- 手を入れられない連続分数を先に数えてください。10分を超えるなら、留め具を1か所にまとめず、3cm以上離れた左右2か所に1つずつ置きます。片方がゆるんでも、もう片方が束を支えるので、舞台の上で形が崩れきることがありません。
- Q. 冬の発表会で、静電気で髪が広がります。
- 羽織りを脱いだ直後と、乾いた控室にいるあいだに起きやすくなります。出番の前に、手のひらに少量の整髪料を伸ばして表面をなでておくと、浮いた毛が落ち着きます。羽織りは、髪を片側の肩から前に流してから脱ぐと、こすれる量が減ります。
— メグラシ編集部





