ダンスの髪型は支える点の数で決まる|3点で留めれば跳んでも1曲のあいだ動かない

踊っているあいだに髪が落ちるのは、結び方が甘いからではありません。
束を支えている点が、いくつあるかで決まります。
ゴムだけの1点は、上下に跳ねる動きで抜けます。ピンを1本足した2点は、横に振る動きで回ります。3点で囲むと、どの向きの力にも必ず1つが逆らうので動きません。
置く場所は、束の上に1つ、左下に1つ、右下に1つ。この形だけ覚えれば足ります。
📋 早見表|支点の数と、耐えられる動き
この表は答えではありません。今日の動きに、今の点の数で足りるかを決めるための道具です。
| 支点の数 | 上下に跳ねる | 左右に振る | 回る | 1曲もつか |
|---|---|---|---|---|
| 1点(ゴムのみ) | 抜ける | 回る | 回る | もたない |
| 2点(同じ側) | 抜ける | 回る | 回る | もたない |
| 2点(上下) | 止まる | 回る | 回る | 半分 |
| 3点(囲み) | 止まる | 止まる | 止まる | もつ |
点を足す前に、いま何点あるかを数えてください。ゴム1本は1点、ピン1本も1点です。太いピンでも1点は1点で、数は変わりません。
確かめるのは2つ。所要4分
用意するのは鏡と、3分の曲です。
- いま束を支えている点がいくつあるかを数える
- 3点になるように足す
- 1曲ぶん、およそ3分の連続した動きで確かめる
- 結び目が何センチ動いたかを見る
10回の前後屈では足りません。ダンスの動きは上下・左右・回転が混ざるうえ、3分のあいだ止まらないので、1方向だけの動きでは再現できません。
①支点を数える|ゴムもピンも1点
支点とは、束の動きを止めている場所のことです。束を締めているだけの場所は支点ではありません。
ゴムは束を横から締めますが、位置を止める力もいくらか持っているので1点と数えます。ピンは位置を止める道具なので1点です。太いピンでも細いピンでも、1本は1点です。
数えるのは本数ではなく、位置の違う場所の数です。 同じ場所に2本差しても1点のままで、耐えられる向きは増えません。
数え終わったら、その点が束のどちら側にあるかを見てください。全部が同じ側にあるなら、実質1点と同じです。囲みができていない状態は、点を増やしても向きが増えません。
②3点の置き方|12時・4時・8時
束の根元を時計の文字盤に見立てます。12時、4時、8時の位置に1つずつ置きます。
12時のピンが、束が下へ落ちる動きを止めます。4時と8時が、束が横へ回る動きを止めます。3つが三角に並ぶので、どの向きの力に対しても、必ず1つが逆らう位置にいます。
差す場所は、結び目そのものではありません。結び目の1センチ外側の地肌をすくいます。 結び目に差すと、ピンが束と一緒に動くので支点になりません。
- 12時 … 結び目の1cm上、下から上へ差す
- 4時 … 結び目の1cm右下、斜め上へ差す
- 8時 … 結び目の1cm左下、斜め上へ差す
3点の間隔はそろえてください。1つだけ遠いと、その向きの力に対して反応が遅れます。遅れた側から順に緩みます。
ピンは波打っている側を地肌に向けて差します。波の山が毛をつかむので、逆に差すと表面をなでるだけになります。差した直後にピンの頭を軽く引いて、髪が一緒に持ち上がれば入っています。
③1曲ぶんで確かめる|3分の連続した動き
本番と同じ長さで確かめます。3分のあいだ、上下・左右・回転を混ぜて動き続けてください。
止まってから、結び目が何センチ動いたかを測ります。動いた量の測り方は、始める前に結び目の位置に指を当てて、その高さを覚えておくことです。
- 1cm以内 … 本番でも持ちます
- 1〜2cm … 曲数が2曲以上なら足す
- 2cm以上 … 点を1つ足すか、結ぶ位置を下げる
3分もたない形は、本番では1分ももちません。練習では持ったのに本番で落ちる、というのは、練習のときに止まる時間があったためです。
3分のテストのあいだに、どこが先に動いたかも見ておいてください。12時が浮いたなら下への力が強い形、4時か8時のどちらかが浮いたなら回る力が強い形です。次に足す点は、浮いたほうの隣に置きます。均等に足すより、弱い側だけを厚くするほうが本数が少なくて済みます。
テストは本番の服装でやるのが理想です。首もとが詰まった衣装だと、襟が束を押し上げて結び目が回ります。髪だけで確かめて、当日に衣装を着てから初めて回る、という順番になると、直す時間がありません。
髪を洗った日は、同じ形でも持ちが変わる
同じ3点でも、その日の髪の表面の状態で結果が変わります。洗った直後の髪は表面がなめらかで、ピンがつかむ引っかかりが少なくなります。
本番の朝に洗うなら、乾かしたあと1時間置いてから組んでください。1時間置くと表面の状態が落ち着いて、朝いちばんより持ちます。それも難しいなら、束をねじる回数を1回入れて、束の中の摩擦で補います。
前日に洗って本番の朝は洗わない、という進め方がいちばん安定します。2日目の髪は表面に引っかかりがあるので、同じ点の数でも動く量が減ります。髪を洗う日を、本番から逆算して決めておくのが、いちばん手間のかからない対策です。
整える道具を使う場合も、束を作る前に全体へ広げるのではなく、点を置く場所だけに使ってください。全体に使うと束が固まって、ピンが中まで入らなくなります。入らないピンは表面をすくうだけなので、点として数えられません。
結ぶ位置|低いほど持つ
高い位置で結ぶと、束の重さが結び目を下へ引き続けます。跳ねるたびに、その力は瞬間的に何倍にもなります。
耳の穴の高さかそれより下で結べば、引かれる力はほとんど生まれません。束の重心が結び目の真下に来るためです。
ただし低い位置には別の問題があります。後ろに反る動きが多いと、束が背中や床に当たります。当たると、そこから跳ね返って結び目が回ります。
反る動きが多いなら、耳の穴の高さに置いて、3点で囲んでください。高さと点の数は、片方で足りないぶんをもう片方が補う関係です。
短い毛が落ちてくるとき|生え際から3cm内側
落ちてくるのは、束に入りきらなかった短い毛です。この毛は結んでも入らないので、別に押さえます。
押さえる場所は、生え際から3センチ内側のあたりです。ここを1本のピンで留めると、その外側の短い毛はピンの下に入って落ちません。
生え際そのものに留めると、地肌が近すぎて痛みが出るうえ、動いたときにピンが浮きます。3センチという距離は、痛みが出ない範囲で、かつ短い毛が届く範囲です。
顔まわりの短い毛は、左右で同じ場所に留めてください。片側だけ留めると、動いたときに片側だけが落ちて、正面から見たときに左右が変わります。
短い毛が特に多いのは、こめかみのあたりと、うなじの生え際です。この2か所は、束に届く長さの毛と届かない毛が混ざっているので、束ねるときにどうしても残ります。残る前提で、最初から別に押さえる計画にしておくと、あとから足す手間がなくなります。
こめかみは、生え際から3センチ内側に1本。うなじは、束の根元のすぐ下に1本。この2本は、3点の囲みとは別に数えます。囲みは束の位置を止めるためのもので、こちらは短い毛が落ちるのを止めるためのものだからです。役割が違う点は、同じ数に混ぜないでください。
髪の長さ別|3点の組み方が変わる
長さによって、3点をどう作るかが変わります。点の数は3つのままです。
肩より下 … ゴム1点+ピン2点。ゴムで束ねてから、束をねじって根元に巻きつけ、4時と8時にピンを入れます。12時はゴムが兼ねます。
あごから肩まで … ゴム1点+ピン2点。束が短くて巻きつけられないので、ゴムのすぐ上と、左右の下に1本ずつ入れます。
あごより上 … ゴムが使えないので、ピン3点。後頭部の頂点あたりで、12時・4時・8時に相当する位置へ差します。束にせず、面を押さえる形になります。
どの長さでも、点の数は3つです。長さが変えるのは、点を作る道具の組み合わせだけです。
どちらとも取れるとき①|3分で1.5cm動いた
境目の動き方です。この場合は、本番の曲数で決めてください。
1曲だけなら、そのままで足ります。2曲以上続けるなら、動いた量がそのまま足し算されるので、点を1つ足してください。足す場所は12時の上、さらに1センチ上です。
4点にすると囲みが四角になり、動く余地がさらに減ります。ただし5点以上は入りません。先に入っている点が押し出されます。
曲と曲のあいだに時間があるなら、そこで一度だけ確かめてください。結び目に指を当てて、朝の高さから何センチ下がったかを見ます。1センチなら次の曲も持ちます。2センチを超えていたら、その場で12時の点を1本足してください。囲みを崩さずに足せるのは12時の上だけです。
どちらとも取れるとき②|前半は持つのに後半で落ちる
汗で表面が滑るようになっています。乾いているときの摩擦を前提に組んでいると、後半で足りなくなります。
対処は、点を増やすのではなく、ねじりを1回入れることです。束を1回ねじってから留めると、束の中で毛が互いを押さえるので、表面が滑っても中はずれません。
ねじる回数は1回です。2回以上ねじると束が細くなって、ゴムとの摩擦が減ります。
どちらとも取れるとき③|痛くて3点入れられない
痛みが出るのは、ピンがすくう毛の量が少なすぎるか、地肌に対して立てすぎているかのどちらかです。
すくう量は5ミリまでですが、1ミリ未満だと少なすぎます。少ない毛に力が集中するので痛みます。5ミリまで増やすと、同じ力が広がって痛みが減ります。
立てすぎている場合は、差し込む角度を寝かせてください。地肌に対して15度くらいまで寝かせると、先端が地肌を押さずに、毛の根元だけをすくいます。
痛みが出る場所が結び目そのものなら、原因は点ではなく結ぶ強さです。結ぶときにゴムを引ききると、束が根元から引かれ続けます。ゴムは、指1本が入る余裕を残して止めてください。余裕があっても、3点で囲んでいれば動きません。締める強さで持たせようとするから痛くなります。
3分のテストで痛みが出たら、本番では必ず出ます。痛みを我慢して踊ると、動きのほうが小さくなるので、髪だけの問題では済まなくなります。テストの目的は、動くかどうかと、痛くないかどうかの2つです。
まとめ
踊っているあいだに髪が動くかどうかは、束を支えている点の数で決まります。
1点は上下で抜け、2点は横で回ります。12時・4時・8時の3点で囲むと、どの向きの力にも1つが逆らうので動きません。
確かめるのは1曲ぶん、およそ3分の連続した動きです。結び目が1センチ以内なら本番でも持ちます。2センチ以上動いたら、点を足すか、結ぶ位置を耳の穴の高さまで下げてください。
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よくある問い
- Q. ダンスのとき、髪が落ちないようにするには何をすればいいですか
- 束を支えている点を3つにしてください。ゴムで結んだだけの状態は1点で、上下に跳ねる動きで抜けます。ピンを1本足しても2点で、これは横に振る動きで回ります。3点にすると、束のまわりを囲む形になるので、どの向きの力にも必ず1つが逆らいます。置く場所は、束の上に1つ、左下に1つ、右下に1つです。同じ側に3つ並べても囲みにはなりません。
- Q. 3点はどこに置けばいいですか
- 束の根元を時計の文字盤に見立てて、12時・4時・8時の位置です。12時のピンが下への動きを止め、4時と8時が横への回りを止めます。それぞれ、結び目の1センチ外側の地肌をすくって差してください。結び目そのものに差すと、束と一緒に動くので支点になりません。3点の間隔がそろっていれば、囲みとして働きます。
- Q. 持つかどうかは、どうやって前もって確かめますか
- 1曲ぶん、およそ3分の連続した動きで確かめてください。前後に10回曲げるだけのテストでは足りません。ダンスの動きは上下・左右・回転が混ざるうえ、3分のあいだ止まらないので、1方向だけの動きでは再現できません。3分動いて結び目が1センチ以内なら本番でも持ちます。2センチ以上動いたら、点を1つ足すか、結ぶ位置を下げてください。
- Q. 髪が短くて結べない部分が落ちてきます
- 落ちてくるのは、束に入りきらなかった短い毛です。この毛は結んでも入らないので、別に押さえます。押さえる場所は、生え際から3センチ内側のあたりです。ここを1本のピンで留めると、その外側の短い毛はピンの下に入って落ちません。生え際そのものに留めると、地肌が近すぎて痛みが出るうえ、動いたときにピンが浮きます。
- Q. 結ぶ位置は高いほうがいいですか、低いほうがいいですか
- 低いほうが持ちます。高い位置で結ぶと、束の重さが結び目を下へ引き続け、跳ねるたびにその力が増えます。耳の穴の高さかそれより下で結べば、引かれる力はほとんど生まれません。ただし低い位置は、後ろに反る動きで背中や床に当たります。反る動きが多いなら、耳の穴の高さに置いて、3点で囲んでください。
— メグラシ編集部





