気温どおりの服装で寒い・暑い|予報と自分のずれを3日で測って直す

**今日、予報の気温に合わせて着た服で、寒いと感じた時間と暑いと感じた時間はありましたか。**あったなら、それは服の選び方の失敗ではありません。予報の数字と、あなたの一日のあいだに「ずれ」があるだけです。
9月の末から10月は、このずれがいちばん大きく出る時期です。朝と昼の気温差が開き、日なたと日陰の差も大きくなり、建物の中の冷房や暖房も切り替わっていきます。予報の1つの数字だけでは、一日を通して合う服は選べません。
この記事では、自分のずれを3日間の記録で数字にして、翌日からの服選びに使う方法をまとめます。気温ごとの基本の目安は10月の気温と服装に、朝と昼の差の読み方は明日の気温と服装|最高と最低の差にまとめてあります。
結論:予報に、自分のずれを足し引きして着る
予報の気温どおりに着て外れるのは、予報の数字が「あなたのいる場所の温度」ではないからです。外れ方には、人それぞれの癖があります。
- 朝の駅までが寒い人
- 昼に日なたを歩くと暑い人
- 職場の中が寒い人
- 夕方の帰り道が寒い人
この癖を、「予報より何度寒く感じるか・暑く感じるか」という数字で持っておく。これを、この記事では「ずれ」と呼びます。ずれが分かれば、翌日からは予報の数字にずれを足し引きして、その数字に合う服を選ぶだけです。
ずれは、3日間の記録で出せます。難しい道具は要りません。
ずれを知らないまま服を選ぶと、外れた日の記憶だけが残ります。「この前寒かったから」と厚く着て、今度は暑くて困る。そのくり返しが、気温に合わせて着るのが苦手だという思い込みにつながります。数字で持っておけば、外れた日があっても、どれくらい外れたのかを冷静に振り返れます。
予報の気温は、どこで測った何度か
予報で見る気温には、決まった測り方があります。まずそれを知っておくと、なぜ外れるのかが分かります。
| 項目 | 予報の気温 | あなたの一日 |
|---|---|---|
| 場所 | 風通しのよい芝生の上 | 道路・駅・建物の中 |
| 日当たり | 日陰(直射日光を避ける) | 日なたと日陰を行き来する |
| 高さ | 地面から1.5m | 同じくらい |
| 風 | 風通しはよいが体感は含まない | 風に当たると冷える |
| 最高気温の時刻 | 多くは午後1〜3時ごろ | その時刻に外にいるとは限らない |
| 最低気温の時刻 | 多くは明け方 | 家を出る時刻はもう少し後 |
| 地点 | 地域の代表の1地点 | 住まいや職場は別の場所 |
| 屋内 | 含まない | 冷房・暖房の中にいる時間が長い |
予報の最高気温は、日陰で測った、一日のうちいちばん高い時刻の値です。日なたを歩けばそれより暖かく感じ、朝の7時に家を出るならそれよりずっと寒い。予報どおりに着るということは、午後2時に日陰で立っている人に合わせて着るということです。
体感を動かすもの
予報の数字から、実際の体感を動かす条件を並べました。数字はおおよその目安です。
| 条件 | 体感の動き | 起きやすい時間 |
|---|---|---|
| 日なたにいる | 2〜4度暖かく | 晴れた日の昼 |
| 日陰・ビルの影 | 1〜2度寒く | 秋の午後、日が傾いてから |
| 風が秒速1m | 約1度寒く | 通年 |
| 風が秒速5m | 約5度寒く | 季節の変わり目の晴れた日 |
| 川沿い・海沿い | 風で2〜3度寒く | 朝と夕方 |
| ビルの間の道 | 風が強まって寒く | 高い建物の多い街 |
| 小雨で服が湿る | 2〜3度寒く | 秋の長雨 |
| 早足で10分歩く | 1〜2度暖かく | 通勤の朝 |
| 自転車に乗る | 風で2〜4度寒く | 通勤・送り迎え |
| 電車の中 | 混み具合で暖かく | 朝の通勤 |
| 冷房の効いた屋内 | 外より寒く | 9月末まで |
| 暖房の入る前の建物 | 外より寒い日もある | 10月 |
この表のうち、自分の一日に何が入っているかを数えてください。風・自転車・冷房の3つが毎日あるなら、予報より寒い側にずれやすい一日です。日なたを長く歩く・早足・混んだ電車が毎日あるなら、暑い側にずれやすい一日です。
3日で測る|記録のつけ方
ずれを数字にするには、3日間の記録をつけます。書くのは、一日3回です。
| 記録する時刻 | 書くこと |
|---|---|
| 家を出たとき | 予報の最低気温、着ていた服、感じ方 |
| 昼ごろ | 予報の最高気温、日なたか日陰か、感じ方 |
| 帰り道 | 風があったか、着ていた服、感じ方 |
| 3回とも | 歩いたか・座っていたか・乗り物か |
| 屋内が長い日 | 屋内で寒かったか暑かったか |
| 余裕があれば | 風の強さ(予報の風速) |
| 雨の日 | 服が湿ったかどうか |
| 3日目の夜 | 3日分を並べて見比べる |
書く場所は、電話のメモで十分です。1回につき1行、20秒もかかりません。「7時 最低14度 長袖シャツ1枚 やや寒い 駅まで歩き 風あり」くらいの短さで構いません。
3日にしているのは、1日だと特別な条件が混ざりやすく、1週間だと続かないからです。晴れの日と曇りの日が混ざるように、続けて3日でなくても、1週間のうちの3日で構いません。
記録する日は、できるだけふだんどおりに過ごす日を選んでください。旅行の日や、特別な予定で長く外にいる日は、その日だけの条件が強く出ます。平日の通勤の日と、休日の買い物の日のように、よくある一日を2種類入れておくと、どちらの日にも使えるずれになります。
感じ方は5段で書く
感じ方は、細かく分けすぎると比べにくくなります。次の5段で書いてください。
| 段 | 感じ方 | 数字に直すと |
|---|---|---|
| 寒い | 腕を組みたくなる、首をすくめる | −2 |
| やや寒い | もう1枚あればよかった | −1 |
| ちょうど | 何も気にならない | 0 |
| やや暑い | 袖をまくりたい、前を開けたい | +1 |
| 暑い | 1枚脱ぎたい、汗ばむ | +2 |
数字の列は、あとでずれを出すときに使います。感じたとおりに書くことが大事で、周りの人と比べる必要はありません。
ずれの出し方
3日分の記録がそろったら、時刻ごとに感じ方の数字を並べます。
たとえば、朝の感じ方が3日とも「やや寒い(−1)」「寒い(−2)」「やや寒い(−1)」だったとします。合計は−4、3日で割るとおよそ−1.3です。このとき着ていた服が、予報の最低気温に合わせた服だったなら、あなたの朝は、予報より1段寒い側にずれているということです。
1段は、おおよそ2〜3度にあたります。朝のずれが−1段なら、翌日からは予報の最低気温から2〜3度引いた気温に合わせて、家を出るときの服を選びます。
昼と帰り道も、同じように出してください。朝・昼・帰りでずれ方が違うのが普通です。朝は寒い側、昼は暑い側、という人も多くいます。その場合は、朝に合わせた1枚を、昼には脱げる形にしておきます。
記録の例|3日分を並べるとこうなる
実際に3日分を並べると、どんな形になるかを例で示します。駅まで歩いて電車で通勤し、職場では座っている時間が長い人の記録です。
| 日 | 時刻 | 予報 | 着ていた服 | 感じ方 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 朝7時半 | 最低15度 | 長袖シャツ1枚 | −1 | 駅まで風あり |
| 1日目 | 昼12時 | 最高22度 | 長袖シャツ1枚 | +1 | 日なたを歩いた |
| 1日目 | 帰り18時 | ― | 長袖シャツ1枚 | −1 | 日が落ちていた |
| 2日目 | 朝7時半 | 最低14度 | 長袖シャツ+薄いカーディガン | 0 | 風なし |
| 2日目 | 昼12時 | 最高21度 | シャツ(カーディガンは脱いだ) | 0 | 屋内で昼食 |
| 2日目 | 帰り18時 | ― | シャツ+カーディガン | 0 | ― |
| 3日目 | 朝7時半 | 最低16度 | 長袖シャツ1枚 | −1 | 曇り |
| 3日目 | 昼12時 | 最高20度 | 長袖シャツ1枚 | 0 | 曇り |
| 3日目 | 午後3時 | ― | 長袖シャツ1枚 | −1 | 会議室が寒い |
この人の場合、シャツ1枚の朝は3日のうち2日が−1で、カーディガンを足した日だけ0でした。朝のずれはおよそ−1段、つまり予報の最低気温から2〜3度引いて服を選べば合う、ということが分かります。昼は日なたを歩いた日だけ+1で、屋内や曇りの日は0でした。昼は予報どおりで、日なたを歩く日だけ1枚脱げればいい、という結論になります。
3日目の午後に会議室で−1が出ているので、屋内が寒い型も少し混ざっています。長い会議のある日は、職場に1枚置いておくと安心です。
ずれの大きさで、足す1枚・引く1枚が決まる
ずれが分かったら、その大きさごとに服を動かします。
| ずれ(段) | 予報への足し引き | 服の動かし方 |
|---|---|---|
| −2 | 予報より5〜6度寒い前提 | 羽織りを1枚足し、首も覆う |
| −1.5 | 予報より4度前後寒い前提 | 羽織りを1枚足す |
| −1 | 予報より2〜3度寒い前提 | 首元の詰まった服か、薄い羽織り |
| −0.5 | 予報より1〜2度寒い前提 | 袖を下ろせる長さの服 |
| 0 | 予報どおり | 目安どおりに着る |
| +0.5 | 予報より1〜2度暑い前提 | 袖をまくれる服 |
| +1 | 予報より2〜3度暑い前提 | 前を開けられる羽織りにする |
| +1.5 | 予報より4度前後暑い前提 | 1枚少なくして、持ち歩く |
| +2 | 予報より5〜6度暑い前提 | 夏寄りの1枚+薄い羽織りを持つ |
| 時刻で逆向き | 朝は寒く、昼は暑い | 朝の1枚を脱げるものにする |
ずれが−1なら、予報が18度の朝は15〜16度の服を着る、ということです。数字を足し引きしてから、いつもの目安表を引けば、目安表がそのまま自分用になります。
ずれ方の型を知る
記録を並べると、ずれ方にはいくつかの型が見えてきます。自分がどれに近いかを見てください。
| 型 | 記録に出る形 | 服の決め方 |
|---|---|---|
| 朝だけ寒い型 | 朝−1〜−2、昼0 | 朝の1枚を脱いで鞄に入れられる薄さに |
| 昼だけ暑い型 | 朝0、昼+1〜+2 | 下の1枚を半袖か薄手に |
| 帰りが寒い型 | 朝0、帰り−1〜−2 | 帰りに足す1枚を持つ |
| 屋内が寒い型 | 外0、屋内−1以下 | 職場に置いておく1枚を決める |
| 風で寒い型 | 風の日だけ−2 | 風の予報で羽織りを選ぶ |
| 一日中寒い型 | どの時刻も−1 | 予報から一律に2〜3度引く |
| 一日中暑い型 | どの時刻も+1 | 予報に一律で2〜3度足す |
| 動くと暑い型 | 歩いた時間だけ+1 | 脱ぎ着しやすい前開きの服 |
いちばん多いのは、朝だけ寒い型と、屋内が寒い型です。どちらも、予報の最高気温だけを見て服を決めているときに起きます。
型は1つとは限りません。朝だけ寒い型と屋内が寒い型を両方持っている人もいます。その場合は、朝の1枚を脱いだあと、職場でもう一度羽織れる形にしておくと、一枚で二つの型に対応できます。
移動の仕方で、ずれは変わる
同じ気温の日でも、どうやって移動するかで、ずれの向きと大きさが変わります。記録をつける前に、自分の移動がどれに当たるかを見ておくと、結果を読みやすくなります。
| 移動の仕方 | ずれやすい向き | 理由 |
|---|---|---|
| 徒歩(15分以上) | 暑い側 | 歩くと体が温まる |
| 徒歩(5分以内) | 寒い側 | 温まる前に着く |
| 自転車 | 寒い側 | 走ると風を受け続ける |
| 電車 | 暑い側 | 混むと車内が暖かい |
| バス | 暑い側 | 暖房が早めに入る |
| 車 | どちらでもない | 車内の温度を自分で決められる |
| 待ち時間の長い移動 | 寒い側 | 立ち止まって風に当たる |
| 在宅中心 | 屋内の温度しだい | 外のずれは小さい |
自転車で通う人は、予報より寒い側に大きくずれやすく、電車で通う人は、車内だけ暑い側にずれやすい。同じ人でも、自転車の日と電車の日ではずれが違います。移動の仕方が日によって変わる人は、移動ごとに記録を分けてください。
寒かった日の、出先での直し方
記録をつける前でも、出先で寒くなったときの直し方は知っておくと役に立ちます。
| 直し方 | 動く体感の目安 | かかる時間 |
|---|---|---|
| シャツの一番上のボタンを留める | 約0.5〜1度 | 5秒 |
| 袖を下ろして手首を覆う | 約0.5度 | 5秒 |
| パンツの裾を下ろして足首を隠す | 約0.5度 | 10秒 |
| ストールやハンカチを首に巻く | 約1〜2度 | 20秒 |
| 羽織りの前を閉じる | 約1〜2度 | 10秒 |
| シャツの裾をパンツに入れる | 約0.5度 | 20秒 |
| 風の当たらない側の道を歩く | 約1〜3度 | その場で |
| 日なたを選んで歩く | 約2〜3度 | その場で |
| 建物の中を通って移動する | 条件による | 移動の計画しだい |
| 温かい飲み物を手に持つ | 手元が温まる | 買える場所しだい |
効くのは、首・手首・足首の3か所です。この3か所は皮膚が薄く、肌が出ている面積を減らすだけで体感が変わります。**寒いと感じたら、まずこの3か所で肌が出ていないかを見てください。**上着がなくても、この3つで2度ぶんくらいは動かせます。
暑かった日の、出先での直し方
反対に、昼に暑くなったときの直し方です。
| 直し方 | 動く体感の目安 | 注意すること |
|---|---|---|
| 袖を肘までまくる | 約0.5〜1度 | 袖口が詰まっている服はできない |
| シャツのボタンを1つ開ける | 約0.5度 | 下に着ているものが見えないか |
| 羽織りの前を開ける | 約1度 | 開けたときの見え方 |
| 羽織りを脱いで手に持つ | 約1〜2度 | 荷物になる |
| 羽織りを鞄にしまう | 約1〜2度 | 鞄に入る薄さか |
| 羽織りを腰に巻く | 約1〜2度 | きちんとした場では避ける |
| ストールを外す | 約1度 | 置き場所を決めておく |
| 日陰を選んで歩く | 約2〜3度 | その場で |
| 裾をパンツから出す | 約0.5度 | 裾の長さによる |
| 屋内で休んでから動く | 汗が引く | 時間に余裕がある日 |
暑かった日の失敗は、脱いだ1枚の置き場所に困ることが多いです。次の項目で扱います。
脱いだ1枚を、どうするか
朝に合わせて羽織りを着て出ると、昼には脱ぎたくなります。脱いだあと、手に持ち続けると片手がふさがり、腕にかけると皺になり、腰に巻くと形が崩れます。
いちばん困らないのは、鞄に入る薄さの羽織りを選ぶことです。家を出る前に、羽織りを畳んで鞄に入れてみてください。入るなら、その羽織りは脱いでも困りません。入らないなら、脱がずに済むように下の1枚を薄くするか、前を開けて温度を調整できる形の羽織りにします。
羽織りの選び方は最高気温19度のアウターで、中の1枚と足した厚みで選ぶ方法を詳しく書いています。
脱ぐ時間が決まっている人は、脱いだあとの姿で服を選ぶと失敗が減ります。昼休みに外へ出るとき、午後の打ち合わせのときなど、羽織りを脱いで人に会う時間が長いなら、中の1枚が主役になるように選んでください。朝の寒さに合わせることばかり考えると、脱いだあとの姿がちぐはぐになりがちです。
素材で、同じ1枚でも体感が変わる
記録をつけるときに、着ていた服の素材も書いておくと、ずれの原因が服の側にあったのかどうかが分かります。同じ長袖1枚でも、素材によって体感は1〜2度変わります。
| 素材 | 体感の傾向 | 向く日 |
|---|---|---|
| 薄い綿 | 風を通しやすく、やや寒い | 暖かい日の昼 |
| 厚手の綿 | 風を止め、やや暖かい | 朝の冷える日 |
| 麻・麻混 | 涼しく、秋には寒い | 25度を超える日だけ |
| 化繊(なめらか) | 風を止めるが、蒸れやすい | 風の強い日 |
| ウール(薄手) | 暖かく、蒸れにくい | 朝晩の差が大きい日 |
| 起毛した素材 | 暖かい | 最高20度を下回る日 |
| 編み目の粗いニット | 風を通し、見た目より寒い | 風のない日 |
| 編み目の詰んだニット | 風を止めて暖かい | 風の強い日 |
記録の中で、同じ気温なのに感じ方が違った日があれば、素材の違いを見てください。編み目の粗いニットの日だけ寒かったなら、ずれではなく服の選び方の問題です。ずれを出すときは、その日を除いて計算します。
家の中で決めない|外の空気を30秒確かめる
朝の服は、暖かい家の中で決めると、寒い側を見落としやすくなります。窓を開けるか、玄関の外に30秒出て、外の空気を確かめてから決めてください。
30秒で分かるのは、風の有無と、日が当たっているかどうかです。予報の数字が同じでも、風のある朝は、ない朝より寒く感じます。外に出て首元がすっと冷えるなら、その日はずれを1段寒い側に見積もって、首元を覆う服にします。
記録にも、このときの感じ方を書いておくと、朝のずれの原因が風なのかどうかが見えてきます。
9月末から10月に、とくに外しやすい理由
この時期に外しやすいのには、3つの理由があります。
1つめは、朝と昼の差が大きくなることです。晴れた日は、明け方に冷えて昼に上がるので、差が10度を超える日もあります。1枚で一日を通すのが難しくなる時期です。夏のあいだは朝も昼も暑かったので、朝の寒さを見積もる習慣が、まだ戻っていない人も多いはずです。
日の入りが早くなることも、この時期の特徴です。9月の初めには明るかった帰り道が、10月には暗くなっています。日が落ちると気温は一気に下がるので、帰りの時刻が同じでも、先月より寒く感じます。
2つめは、体がまだ夏の暑さに慣れていることです。同じ18度でも、夏のあとに迎える秋の18度は、冬のあとに迎える春の18度より寒く感じやすいと言われます。予報の数字が同じでも、季節によって感じ方が変わります。
3つめは、屋内の温度が落ち着かないことです。冷房が止まり、暖房はまだ入らない。建物によっては、外より中のほうが寒い日があります。屋内に長くいる人ほど、予報だけでは服を決められません。
雨・風・曇りの日のずれ
天気によっても、ずれは大きく変わります。記録をつけるときに、天気も1語書いておくと、天気ごとのずれが分かります。
曇りの日は、日なたがなくなるぶん、晴れの日より2〜3度寒く感じることが多くなります。雨の日は、服が湿ると冷えが進み、蒸し暑さも同時に来ます。風の強い日は、先の表のとおり、秒速1mで約1度ずつ体感が下がります。
記録の中で天気ごとのずれが分かれてきたら、「晴れの日のずれ」と「曇りや雨の日のずれ」を別に持ってください。曇りの日だけ1段寒い側に振れる人は、曇りの予報の日に首元を詰めるだけで、ずいぶん外れにくくなります。
天気ごとの補正の目安は曇り・雨の日の服装に、風を止める上着の選び方はウインドブレーカーは何度からにまとめてあります。
職場や屋内が寒いとき
屋内が寒い型の人は、外の服とは別に、屋内用の1枚を決めておきます。
職場に置いておけるなら、薄手のカーディガンかひざ掛けを1枚置いてください。毎日持ち歩くより、置いておくほうが忘れません。置いておけない職場なら、鞄に入る薄さのカーディガンか、首に巻けるストールを持ち歩きます。
屋内でとくに冷えやすいのは、空調の吹き出し口の近く、窓際、床に近い足元です。席を選べない職場では、自分の席がどれに当たるかを一度見ておくと、1枚の選び方が決まります。吹き出し口の下なら肩と首、窓際なら背中、足元が冷えるなら膝から下を覆う1枚です。
屋内のずれは、座っている時間が長いほど大きくなります。記録に「座っていた時間」も書いておくと、何時間座ると寒くなるかが分かります。2時間を超えると寒いと分かれば、長い会議のある日だけ1枚足す、という決め方ができます。
どちらとも取れるとき①|記録が毎回ばらつく
3日間記録しても、同じ時刻の感じ方がばらばらで、ずれが出せない。そういうときは、気温以外の条件が日によって違っています。
記録に「風」「日なた」「歩いた・座った」の3つを足してください。そのうえで、条件の同じ日だけを並べます。風のなかった日だけを並べるとずれが揃う、という人は、風の日とそうでない日でずれが違う人です。
条件ごとにずれを分けて持つのは面倒に思えますが、実際に使うのは2つか3つです。「ふだんのずれ」と「風の日のずれ」、この2つがあれば、ほとんどの日の服は決められます。
どちらとも取れるとき②|家族や同僚と感じ方が違う
同じ場所にいても、家族や同僚と感じ方が違うことはよくあります。自分だけ寒い、自分だけ暑い、と感じると、自分の感じ方が間違っているような気がしてきます。
感じ方は、人によって違って当たり前です。着ている服の素材や重ね方、その日の動き方、前の晩の過ごし方でも変わります。他の人に合わせる必要はありません。自分の記録から出したずれだけを使ってください。
子どもの服を選ぶときも、自分のずれをそのまま当てはめないようにします。子どもは大人より動く量が多いことが多く、同じ場所でも暑い側に振れやすいからです。
家族で同じ部屋にいて、温度の感じ方が合わないときは、部屋の温度ではなく服の側で合わせるほうが揉めません。寒い側の人が1枚足し、暑い側の人が袖をまくる。自分のずれが数字で分かっていれば、「自分はこの部屋だと1段寒い側」と説明もしやすくなります。
どちらとも取れるとき③|予報そのものが外れた日
記録をつけていると、予報そのものが外れた日にも当たります。予報では最高20度だったのに、実際は16度までしか上がらなかった、という日です。
その日の記録は、ずれの計算から外してください。予報が外れた日を含めると、ずれが実際より大きく出てしまいます。記録の欄に「予報外れ」と書いておけば、あとで見比べるときに除けます。
予報が外れたかどうかは、夕方のニュースや天気の記録で、実際の最高気温を見れば分かります。予報との差が2度以上あった日は、外れた日として扱ってください。1度程度の差なら、ずれの計算に含めて構いません。
予報が外れやすい日には、傾向があります。前線が近くにある日、台風が離れた場所を通る日、晴れの予報でも朝に霧が出ている日などです。こういう日は、ずれを足し引きしたうえで、さらに脱ぎ着できる1枚を持っておくと安心です。
足元と手元は、ずれが別に出る
上半身はちょうどいいのに、足先だけが冷たい。手元だけがかじかむ。こういう感じ方は、上半身の記録とは分けて書いてください。足元と手元は、上半身とは別の条件で温度が決まるからです。
足元のずれを大きくするのは、靴の素材と底の厚みです。布の靴や、甲の開いた靴は、地面の冷えと風を受けやすく、予報より寒く感じます。底の薄い靴で長く立っていると、冷たいアスファルトの温度が伝わりやすくなります。10月の朝に足先が冷たいと感じたら、甲の覆われた靴にするか、靴下を1段厚いものにします。
手元は、自転車に乗る人や、屋外で待つ時間の長い人ほど冷えやすくなります。袖口がリブで締まった服にすると、手首から風が入りにくく、手元の冷たさが和らぎます。上半身の服を変えずに、足元と手元だけを動かして解決する日も多いはずです。
ずれは季節で動く|11月にもう一度測る
一度出したずれは、ずっと同じではありません。夏のあとの秋と、冬の手前では、同じ気温でも感じ方が変わるからです。10月に出したずれをそのまま11月に使うと、今度は暑い側に外れることがあります。
目安として、季節が1段進んだら、もう一度3日間の記録をつけてください。10月の初めに1回、11月の半ばに1回、冬の服に切り替えたあとにもう1回。年に3〜4回、各3日ずつ記録すれば、季節ごとの自分のずれがそろいます。
2年目からは、前の年の記録がそのまま使えます。去年の10月の朝は−1段だった、と分かっていれば、記録をつけなくても最初の1週間は迷いません。
前の晩にやること
ずれが分かってからは、前の晩に次の手順で服を決めます。
- 予報の最低気温と最高気温を見る
- 朝のずれと昼のずれを、それぞれ足し引きする
- 足し引きした2つの数字に合う服を、目安表から選ぶ
- 2つの服の差を、脱げる1枚で埋める
- 風の予報が強ければ、風を止める1枚にする
慣れれば1分で終わります。予報の数字をそのまま使っていたときより、外れる日がはっきり減るはずです。
それでも外れた日は、その日の記録を1行だけ足してください。外れた日の記録が数回たまると、ずれの数字をどちらに動かせばいいかが見えてきます。ずれは一度決めて終わりではなく、外れた日ごとに少しずつ直していくものです。
10月の気温帯と、基準の服
ずれを足し引きしたあとに引く、10月の基準の服を置いておきます。左の列には、予報の数字ではなく、ずれを足し引きしたあとの気温を当ててください。
| 足し引きしたあとの気温 | 基準の服 | 足すなら |
|---|---|---|
| 26度以上 | 半袖1枚 | なし |
| 24〜25度 | 半袖か薄手の長袖 | 薄い羽織りを持つ |
| 22〜23度 | 薄手の長袖1枚 | 袖をまくれる形に |
| 20〜21度 | 長袖1枚 | 薄いカーディガンを持つ |
| 18〜19度 | 長袖1枚+薄い羽織り | 首元を詰める |
| 16〜17度 | 長袖+羽織り | 裏地のない上着 |
| 14〜15度 | 薄手のニット+上着 | ストール |
| 12〜13度 | ニット+裏地のある上着 | 手首を覆う |
| 10〜11度 | ニット+厚めの上着 | 首と足首を覆う |
| 8〜9度 | 厚手のニット+コート | 手袋 |
| 6〜7度 | 重ね着+コート | マフラー |
| 5度以下 | 冬の装い | 耳まで覆う小物 |
表はあくまで基準です。記録を続けていると、自分に合わない行が見つかります。そのときは、表のほうを自分の記録に合わせて書き換えてください。書き換えた表が、あなたの一日に合った、いちばん外れにくい目安になります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 天気予報の気温どおりに着たのに寒いのは、なぜですか
- 予報の気温は、風通しのよい日陰で、地面から1.5mの高さで測った値です。実際の一日は、日なたを歩き、風の通る道を渡り、冷房や暖房の入った建物に入ります。そのたびに体が感じる温度は予報から数度動きます。とくに風は、秒速1mごとに体感を1度ほど下げると言われています。予報どおりに着て寒いのは、あなたの一日が予報の測り方と違う場所で過ぎているからです。
- Q. 自分が暑がりか寒がりか、どうやって判断すればいいですか
- 感覚ではなく記録で決めてください。3日間、朝・昼・夕方の3回、そのとき着ていた服と「寒い・やや寒い・ちょうど・やや暑い・暑い」の5段のどれだったかを書きます。同じ服で同じくらいの気温の日に、周りの人より寒い側に振れることが多ければ寒がりの側、暑い側に振れることが多ければ暑がりの側です。どちらの側かより、何度ぶん振れているかを数字で持つほうが、翌日の服を決めるときに役立ちます。
- Q. 出先で寒くなったとき、買い足さずにできることはありますか
- 首・手首・足首の3か所で、肌が出ている面積を減らしてください。シャツの一番上のボタンを留める、袖を下ろして手首を覆う、パンツの裾を下ろして足首を隠す。この3つで、体感はおよそ1〜2度動きます。持っているストールやハンカチを首に巻くのも効きます。上着を持っていない日は、屋内にいる時間を長めにとって、風の当たる場所を避けて移動するのも一つの方法です。
- Q. 記録をつけても、毎回結果がばらつきます
- ばらつくのは、気温以外の条件が日によって違うからです。記録に「風があったか」「日なたにいたか」「歩いたか座っていたか」を1語ずつ足してください。同じ条件の日だけを並べると、ずれが揃ってきます。風のある日だけ寒い側に大きく振れるなら、それはあなたが風に弱いということで、翌日からは風の予報を見て1枚を選ぶ、という決め方に変えられます。
— メグラシ編集部





