冬のおしゃれコーデ|着込む日は首・手首・足首の1か所だけ空ける

今日の服で、首・手首・足首のうち、布で覆われていない場所はいくつありますか。
0か所なら、あなたの冬のコーデが「暖かそうなだけ」に見える理由はそこにあります。1か所なら、そのままで構いません。2か所以上なら、寒い日はどれか1つを埋めてください。
冬のおしゃれは、色や流行の形より先に、体の細い場所が1つ見えているかどうかで決まります。首・手首・足首は、体の中で骨がいちばん表面に近い、細い場所です。ここが1か所見えていると、見る人は無意識に「この人の本当の細さはこのくらい」と受け取ります。3か所とも埋まると、その手がかりが消えて、全身がコートと同じ太さの筒に見えます。
だからといって、真冬に肌を出す必要はありません。この記事で言う「空ける」は、肌を見せることではなく、服と服の間に線を1本見せることです。寒がりの人でもできる空け方、どこを空けるかの決め方、そしてどちらとも取れるときの判断を書いていきます。
結論:冬のおしゃれは、3つの首のうち1か所だけ空ける
先に、判断の軸を表にしておきます。どの場所を空けるかは、表の下で決めます。
| 場所 | 肌で空けるとき | 肌を出さずに空けるとき | 空けない方がいい日 |
|---|---|---|---|
| 首 | 鎖骨のくぼみが指2本分見える | タートルとコートの色を変える | 風が強い日・首から冷える人 |
| 手首 | 袖口から手首の骨が見える | 手袋と袖口の色を変える | 自転車に乗る日・手先が冷える人 |
| 足首 | 裾と靴の間に3〜5cm | タイツとブーツの色を変える | 雪や雨の日・足から冷える人 |
空けるのは1か所だけです。2か所以上空けると、見る人の目がどこに止まればいいか迷い、細さの印象が散ります。冬に空けた場所はそのまま冷える場所でもあるので、体感の面でも1か所が上限です。
冬に「暖かそうなだけ」に見えるのは、3つの首が全部埋まっているから
冬の装いで、おしゃれに見える人とそうでない人を並べると、服の値段や数に大きな差はありません。差が出ているのは、首・手首・足首のどこかに切れ目があるかどうかです。
たとえば、タートルネックの上にコートを着て、袖は手の甲まで伸ばし、パンツの裾はブーツの中に入れている。暖かさとしては満点です。ただ、写真で見ると、首から足先まで切れ目が1本もありません。体の輪郭がコートと同じ太さで上から下まで続き、どこが細いのかわからなくなります。これが「着ぶくれ」と呼ばれている状態の正体です。
着ぶくれを枚数のせいだと思って、薄い服に替えても、3か所が埋まったままなら印象はあまり変わりません。逆に、枚数を1枚も減らさなくても、1か所空ければ着ぶくれの印象は大きく減ります。冬のおしゃれは、引き算ではなく、切れ目を1つ入れることです。
「空ける」は肌を出すことではない|線が1本見えればいい
ここがいちばん誤解されやすいところなので、丁寧に書きます。
目が細さを感じ取るのは、肌の色そのものではなく、**色や素材が切り替わる「境目の線」**です。首元に肌が見えると細く感じるのは、肌とタートルの間に線が入るからで、肌だから細く見えるわけではありません。
そのため、肌を出さなくても、同じ場所に線を入れれば同じ効果が出ます。黒いタイツに黒いブーツを合わせると、足首は脚から靴まで1色でつながって埋まります。ブーツを焦げ茶に替えると、タイツとブーツの間に線が1本入り、足首の位置がわかるようになります。これで足首を「空けた」のと同じです。
肌で空けるのと色で空けるのとでは、強さが違います。肌のほうが強く、色の切り替えのほうが穏やかです。寒い日や、空けることに慣れていない日は、色の切り替えから始めてください。
線の太さにも気を配ると、効き方が変わります。肌が指1本分しか見えない細い線は、控えめで上品に見えます。指3〜4本分の太い帯は、はっきりと目を引きます。冬のコーデは上着の面が大きいので、細い線でも十分に効きます。いきなり太い帯から始めると寒さも見た目も目立ちすぎるので、まずは細い線を1本入れて、物足りなければ少しずつ太くしていく順番が安全です。
線を入れる場所の高さも大事です。首・手首・足首は、ちょうど体の上・中・下に1つずつあります。上着が長い日は下の足首、上着が短い日は上の首、と高さで選ぶと、体全体の釣り合いが取りやすくなります。どの高さに線を入れるかで、見る人の目が最初に止まる位置が決まり、その位置が体の重心のように感じられます。
どこを空けるか① 冷えやすい場所を先に外す
3か所のうち、どこを空けるかは2段階で決めます。1段階目は、自分が冷えやすい場所を候補から外すことです。
冷えやすい場所は人によって違います。外に出たとき、最初に「寒い」と感じるのはどこか、思い出してください。首すじがすうっとする人、手の指先がかじかむ人、足首からふくらはぎが冷える人。その場所は、どんなにおしゃれのためでも空けないでください。冷える場所を空けると、寒さで体が縮こまり、肩が上がって首が短く見えます。そうなると、せっかく空けた場所の効果も消えます。
冷えやすい場所が2か所ある人は、残りの1か所が空ける場所に決まります。冷えやすい場所が3か所ともある人は、肌を出さずに色の切り替えで空けてください。これは後の「どちらとも取れるとき①」で詳しく書きます。
どこを空けるか② その日の上着の丈と靴で決まる
冷えやすい場所を外したあと、候補が2か所残る人は、その日の上着と靴で、見える側を選びます。
ひざ下まであるロングコートを着る日は、足首がコートの裾の下で目立つ位置に来ます。コートの長い縦の面のいちばん下に、線が1本入るからです。この日は足首を選ぶと、コート全体が軽く見えます。
腰丈のショートコートやダウンを着る日は、上半身に量が集まります。この日は首か手首を選んで、上半身の量の中に切れ目を入れてください。腰丈の上着は袖口が目に入りやすいので、手首がとくに効きます。
靴も手がかりになります。ショートブーツやスニーカーの日は足首を空けやすく、ロングブーツの日は足首が埋まります。ロングブーツの日の扱いは「どちらとも取れるとき③」で書きます。
首を空ける日|鎖骨のくぼみが指2本分
首を空けると決めた日の基準は、鎖骨のくぼみに指を2本当てて、その指が隠れない程度に開いていることです。
クルーネックのニットなら、首の付け根から指2本分下まで開いていれば足ります。Vネックはそれより深く開きますが、冬に深く開けすぎると首から冷えるので、Vの先が鎖骨の下で止まる浅めのものが扱いやすいです。
タートルネックを着たい日でも、首は空けられます。顎の下に指を1本入れて、タートルの縁と顎の間にすき間ができるくらい、ゆとりのある首回りを選んでください。首にぴったり沿うタートルは首を全部埋めますが、ゆとりがあって縁が少し落ちるものは、顎との間に影の線が入ります。肌はほとんど出ていなくても、首の長さが見えます。
首を空けた日は、コートの襟も開いておきます。襟を立てて前を全部閉じると、空けた首がコートの中に隠れます。前のボタンを上から1つだけ外すか、襟を寝かせて、首元の線が外から見えるようにしてください。
首元に何かを足したくなったら、細い鎖の首飾りを1本だけにとどめてください。首元に大ぶりの飾りや、太いスカーフを重ねると、空けた首がまた埋まります。首を空ける日の首元は、何も足さないか、細い線を1本だけ足すか。その程度の控えめさで、首の長さがいちばんきれいに見えます。
首を空けるのに向いているのは、顔まわりを明るく見せたい日です。首元の線は顔のすぐ下にあるので、そこに切れ目があると、顔と服の間に余白ができ、顔色が服の色に引っ張られにくくなります。人と向かい合って話す予定がある日は、首を選んでおくと効果がわかりやすいです。
手首を空ける日|袖口から手首の骨が見えるところまで
手首を空ける日の基準は、手首の小指側にある骨の出っ張りが、袖口から見えることです。
コートの袖は、手の甲の半分くらいまで来る長さに作られているものが多いので、そのままだと手首は完全に埋まります。袖口を2〜3cm折り返すか、腕を少し上げたときに手首の骨が出る長さに留めてください。中に着ているニットの袖をコートの袖口から1〜2cm出すと、色の違う層が手首のところで重なり、それだけで線が入ります。
手首は、肌で空けても冷えにくい場所です。首や足首に比べて、外気にさらされる面積が小さく、ポケットに手を入れればすぐに温まります。冷えやすい場所がわからない人や、冬に空けることに慣れていない人は、手首から始めるのがいちばん失敗が少ないです。
手袋をする日は、手袋の口と袖口の間で線を見せます。手袋とコートの袖を同じ色にすると、腕から指先までが1本につながって埋まります。手袋の色を袖と変えるか、手袋の口を袖の中に入れずに外に出しておくと、手首の位置に線が入ります。
手首に細い腕時計や細い腕輪をつけると、空けた手首に目が止まりやすくなります。ただ、太い金属の腕輪や、何本も重ねたものは、手首の細さより飾りのほうが目立ちます。手首を空ける日は、手首の骨の出っ張りが飾りで隠れない細さのものを1つだけにしてください。
手首を空けるとき、袖を折り返すか、まくり上げるかで印象が少し違います。きちんと折り返すと整った印象に、くしゃっとまくり上げると気楽な印象になります。仕事の日は折り返し、休日はまくり上げる、というように、その日の場面で使い分けると、同じ手首の空け方でも雰囲気を変えられます。
足首を空ける日|裾と靴の間に3〜5cm
足首を空ける日は、パンツの裾と靴の上端の間に、3〜5cmのすき間を作ります。
3cmより狭いと、歩いたときに裾が靴にかぶって線が消えます。5cmより広いと、冬は足首が冷えるうえに、すき間が目立ちすぎて、足首だけが寒そうに見えます。3〜5cmが、歩いても線が残り、寒さの印象も出にくい幅です。
すき間に肌を見せるか、靴下やタイツを見せるかは、その日の寒さで決めてください。冬の足首は、肌よりも靴下で空けるほうが現実的です。靴下の色を、パンツとも靴とも違う色にすると、すき間に1本の色の帯が入って、足首の位置がはっきりします。靴下の見せ方の幅や厚みはワークブーツと靴下やブーツと靴下の見え方にも書いてあります。
スカートの日は、タイツとブーツの色の差で足首を空けます。黒いタイツなら、ブーツを茶色か灰色にする。濃い色のタイツにブーツの色を揃えると、膝から下が1本の黒い筒になって、足首の位置が消えます。
冷えやすさに差がない人は、いちばん細い場所を測る
どこも同じくらい寒さに強い、あるいは同じくらい弱い。上着や靴でも決めきれない。そういう人は、3か所のうち、自分の体でいちばん細い場所を空けてください。細い場所ほど、線が1本入ったときの効き目が大きいからです。
測り方は、メジャーを使って3か所の周りを測るだけです。首は、首の付け根より少し上、いちばん細いところ。手首は、小指側の骨のすぐ手前。足首は、くるぶしのすぐ上のいちばん細いところ。それぞれの数字を、次のように比べます。
- 首周りを手首周りで割った数が、2.3より大きい人は、手首が相対的に細い。手首を空ける
- 足首周りを手首周りで割った数が、1.4より小さい人は、足首が相対的に細い。足首を空ける
- どちらにも当てはまらない人は、首を空ける。首は誰にとっても、顔のすぐ下で目に入る場所なので、細さの差が小さくても効く
この数字は厳密な線引きではなく、迷ったときに片方へ寄せるための目安です。測るのが面倒なら、鏡の前に立って、全身を見たときに「ここは細い」と思う場所を1つ選ぶだけでも構いません。自分で細いと思える場所を空けると、その日1日、見られることへの気後れが減ります。空ける場所は、自分が見せてもいいと思える場所であることがいちばん大事です。
逆に、自分では気にしている場所を、数字だけで選んで空ける必要はありません。手首が細くても、手の甲の血管が目立つのが気になる人は、手首ではなく首を選んでください。数字は、気持ちが決まらないときの手がかりで、気持ちより優先するものではありません。
どちらとも取れるとき① 寒がりで、3か所とも埋めたい
3か所とも冷えやすい、どこも空けたくないという人は、肌を出さずに、色の切り替えだけで1か所を空けてください。
いちばん簡単なのは首です。タートルネックとコートの色を変えるだけで、首元に線が入ります。黒いコートに黒いタートルを合わせると、首がコートの中に沈みます。タートルを白や生成り、灰色に替えると、顎の下に明るい面が1つできて、首の長さが見えます。肌は1cmも出ていません。
足首なら、タイツとブーツの色を変えます。手首なら、手袋の色を袖と変えます。どれも暖かさは1つも減りません。
色の切り替えは、肌で空けるより穏やかなので、3か所のうち2か所で色を切り替えても、ばらけた印象になりにくいという利点があります。寒がりの人は、肌の1か所の代わりに、色の2か所で組み立てても構いません。ただし、2か所の色をどちらも強くすると目が迷うので、片方は強い差、片方は控えめな差にしてください。
色の差の強さは、白黒写真にしたときの明るさの差で考えるとわかりやすいです。黒と白は強い差、黒と焦げ茶は控えめな差、紺と灰色はその中間です。携帯のカメラで白黒の設定にして、自分の首元や足元を撮ってみると、どこに線が入っているかがはっきり見えます。白黒にしても線が見えないなら、その色の切り替えは、人の目にもほとんど届いていません。
寒がりの人がもう1つ使えるのは、素材の切り替えです。ニットの首元に、つるりとしたシャツの襟を重ねる。ざっくりしたウールの手袋を、表面のなめらかなコートの袖に合わせる。色が近くても、光の返し方が違う素材が隣り合うと、そこに線が生まれます。色の切り替えより穏やかですが、肌を1cmも出さずに済むので、真冬の朝にはいちばん頼りになる空け方です。
どちらとも取れるとき② マフラーを巻くと首が全部埋まる
マフラーやストールを巻く日は、首が全部埋まります。この日は、首を空ける候補から外してください。
マフラーは首を埋める代わりに、上半身に大きな面をつくります。顔のすぐ下に、ほかのどの服よりも量のある布が集まる。その量があると、ほかの場所に1本の線を入れたときに、細さとの差がはっきり出ます。マフラーを巻く日は、手首か足首の1か所がいつもより効きます。
マフラーの巻き方で、首の一部を残す方法もあります。首に1周だけ巻いて、両端を前に垂らすと、首の前側に縦の線が入り、首の付け根がわずかに見えます。ぐるぐると2周以上巻いて首を全部覆うより、首まわりの量が減って、顔まわりがすっきりします。大判のストールを何回たたむと首まわりの量がちょうどよくなるかは、大判ストールのたたみ方で詳しく書いています。
どちらとも取れるとき③ ロングブーツで足首が見えない
ロングブーツは、ふくらはぎから足首までを1本の筒で覆うので、足首は空けられません。この日は、足首の代わりにブーツの口で線を作ることを考えてください。
ロングブーツの口と、スカートの裾の間に肌かタイツが見えれば、そこに線が1本入ります。この線は足首ではなく膝下の位置ですが、脚の途中に切れ目ができるので、足首を空けたのと似た効果があります。スカートの裾がブーツの口にかぶって、すき間がまったくないと、脚が1本の筒に見えます。
パンツをブーツの中に入れる日は、膝下にも線が出ません。この日は、首か手首のどちらかで必ず1か所空けてください。下半身がすべて埋まる日は、上半身の切れ目がいつも以上に大事になります。
ロングブーツの日にもう1つ使えるのは、ブーツとパンツやタイツの色を変えることです。黒いパンツを黒いロングブーツに入れると、腰から足先まで1色の長い筒になります。ブーツを焦げ茶か灰色にすると、ひざ下で色が切り替わり、脚の途中に線が入ります。足首を空けたのとは違いますが、脚が長い1本の筒に見えるのを防げます。ロングブーツが黒しかない人は、パンツかタイツの色を、紺や灰色など黒と少し違う色にしてみてください。ロングブーツの丈と合わせ方の基準はロングブーツの選び方にまとめてあります。
どちらとも取れるとき④ 2か所空けたくなったとき
暖かい日や、上着の中に着ているものを見せたい日は、2か所空けたくなることがあります。
そのときは、片方を肌、もう片方を色の切り替えにして、強さに差をつけてください。たとえば、首は肌で空け、足首は靴下の色で空ける。こうすると、見る人の目はまず首に止まり、次に足首に移ります。目の動く順番が決まっているので、ばらけた印象になりません。
2か所とも肌で空けると、2つの場所が同じ強さで目を引くので、どちらを見ればいいか迷います。冬のコーデは上着の面積が大きいぶん、切れ目が1つでも十分に効きます。2つ目は、あくまで1つ目を支える控えめな線にとどめてください。
3か所とも空けるのは、冬の装いではおすすめしません。暖房の効いた室内だけで過ごす日でも、3か所を空けると、冬の服のはずなのに季節が合わない印象になります。
屋内に入ったら、空ける場所を入れ替える
外ではコートを着ていても、屋内に入ってコートを脱ぐと、首・手首・足首の見え方が変わります。
コートを脱ぐと、上半身の量が一気に減ります。外ではコートの面に対して効いていた手首の線が、ニット1枚の上ではあまり目立たなくなる。逆に、外ではコートの襟に隠れていた首元が、屋内ではいちばん目立つ場所になります。
屋内で長く過ごす日は、外では手首か足首、屋内では首という入れ替えを前提に組むと、1日を通して切れ目が1つ残ります。外ではコートの前を閉じて首を埋め、屋内に入ったらコートを脱いで、中のニットの首元を見せる。これだけで、空ける場所を1日の中で自然に動かせます。
職場や学校など、屋内で過ごす時間が1日の大半を占めるなら、首を空けられる服を中に着ておくことを優先してください。外での見え方よりも、いちばん長く人に見られる場所に合わせるほうが効果があります。
屋内では、座っている時間も考えに入れてください。机に向かって座ると、人から見えるのは主に上半身です。足首は机の下に隠れ、手首は机の上に置いた腕の先として、意外とよく見えます。会議や打ち合わせが多い日は、首と手首のどちらかを空けておくと、座っている間も切れ目が残ります。
逆に、立ち仕事や、店の中を歩き回る仕事の日は、全身が見えるので、足首も候補に戻ってきます。ただし、屋内でも床に近い足元は冷えやすいので、足首は肌ではなく靴下の色で空けるほうが安心です。暖房は上の方にたまりやすく、首元は暖かいのに足元だけ冷たい、ということはよくあります。屋内で空けるなら、暖かい側にある首か手首を優先してください。
1週間の着回しで、空ける場所を回す
毎日同じ場所を空けていると、着る服が違っても、全体の印象が似てきます。冬は上着が毎日同じになりやすいので、なおさらです。
1週間のうちで、空ける場所を曜日ごとに回すと、同じコートでも違う日に見えます。月曜は首、火曜は手首、水曜は足首、木曜はまた首。上着を替えなくても、切れ目の位置が変わると、見る人には別のコーデとして映ります。
回すときも、冷えやすい場所は外したままにしてください。首が冷えやすい人は手首と足首の2か所で回し、手首が冷えやすい人は首と足首で回す。2か所で回すだけでも、1週間の印象には十分な変化が出ます。
上着が1着しかない人ほど、この回し方が効きます。コートを毎日着ていても「いつも同じ服」と思われにくくなります。
回す順番は、天気予報から逆に決めると無理がありません。週のはじめに1週間の予報を見て、いちばん寒い日と、雨や雪の日に印をつけます。その日は、肌で空けずに色の切り替えで済む場所、たとえば首のタートルの色で空ける日にします。比較的暖かい日には、肌で空ける足首や手首を当てる。寒い日に無理をしない並べ方にしておくと、1週間を通して空ける習慣が途切れません。
中に着るものも、空ける場所に合わせて前の晩に選んでおくと、朝の迷いが減ります。首を空ける日はゆとりのある首回りのニット、手首を空ける日は袖口に色のある重ね着、足首を空ける日は丈の合ったパンツと色のある靴下。空ける場所を先に決めて、それに合う1枚を選ぶ順番にすると、手持ちの服の組み合わせも自然に広がります。
冬の立ち上がりと真冬で、空け方を変える
冬の入り口、朝晩だけ冷え込む時期は、まだ肌で空けても体感への影響が小さいので、肌で1か所空けるのが自然です。手首を出す、首元を開ける、足首を見せる。どれも無理なくできます。
本格的に寒くなってからは、肌で空ける場所を手首だけにして、首と足首は色の切り替えに移すのが現実的です。手首はポケットに入れればすぐ温まり、首と足首は色で線を入れれば暖かさを保てます。
真冬に肌で空けるのを手首だけにする理由は、もう1つあります。首と足首は、一度冷えると温め直すのに時間がかかる場所です。首すじが冷えると肩がこわばり、足首が冷えると足先までしびれるように冷たくなります。手首は手袋をはめるかポケットに入れればすぐに戻りますが、首と足首はマフラーや厚手の靴下を足しても、温まるまでに時間がかかります。冷えたあとに戻しやすい場所を、肌で空ける場所にすると覚えておくと、季節が進んでも迷いません。
雪や雨の日も、肌で空けるのは手首だけにしてください。足首は濡れると一気に冷え、裾と靴の間のすき間から水が入ります。こういう日は、足首はブーツで覆って、ブーツとパンツの色を変えることで線を入れます。首も、濡れた襟元が肌に触れると冷たいので、タートルとコートの色の切り替えで空けるのが向いています。
冬の終わり、日差しが強くなってくる時期は、また肌で空ける場所を増やしてもかまいません。ただ、その時期でも空けるのは1か所が基本です。季節の変わり目に空け方を少しずつ変えていけば、冬の間ずっと、同じ考え方でおしゃれに見せられます。
冬のおしゃれは、寒さを我慢することではありません。冷えやすい場所は埋めたまま、残りのどこか1か所に線を1本入れる。それだけで、同じコートのまま、暖かそうなだけの日から抜け出せます。
よくある問い
- Q. 冬にコートを着るとどうしても着ぶくれします。どうすればいいですか
- 着ている枚数を減らす前に、首・手首・足首の3か所がすべて布で覆われていないかを見てください。3か所とも埋まると、体の細い場所が1つも見えず、全身が同じ太さの筒に見えます。どこか1か所だけ空けると、そこが体の本来の細さを見せるので、枚数が同じでも着ぶくれの印象は大きく減ります。
- Q. 寒がりなので肌は出したくありません。それでも空けられますか
- 空けられます。空けるのは肌ではなく、服と服の間の線です。黒いタイツに黒いブーツなら足首は埋まりますが、ブーツを茶色にすれば、タイツとの境に線が1本入ります。タートルネックとコートの色を変える、手袋と袖の色を変える、といった色の切り替えでも、肌を出したのと同じ役目を果たします。
- Q. 2か所以上空けてもいいですか
- 暖かい日なら構いませんが、冬の基本は1か所です。2か所空けると、見る人の目がどちらに止まればいいか迷い、細さの印象が分散します。また、冬は空けた場所から冷えるので、2か所空けると体感がはっきり下がります。どうしても2か所空けたいときは、片方を肌、もう片方を色の切り替えにして、強さに差をつけてください。
- Q. マフラーを巻くと首が全部埋まってしまいます
- マフラーを巻く日は、首を空ける候補から外して、手首か足首で空けてください。マフラーは首を埋める代わりに、上半身に大きな面をつくります。その面があると、ほかの場所で線を見せたときに、細さとの差がはっきり出ます。マフラーを巻く日のほうが、手首や足首の1か所が効きやすくなります。
— メグラシ編集部





