60代 秋の旅行パンツ|座る時間と段差の数で、幅と腰まわりを決める

座っている時間が長い旅なら、腰まわりと股上にゆとりのあるパンツを選んでください。 新幹線やバスで1区間60分を超える移動がある旅は、膝より先にお腹と腰が苦しくなります。前が平らで後ろにゴムの入ったウエスト、股上は深め、生地は座りじわが残りにくいもの。幅は、裾が18〜22cmくらいのまっすぐ寄りが扱いやすい形です。
石段や坂、乗り降りの段差が多い旅なら、膝まわりのゆとりと裾の長さを先に決めてください。 寺社の石段、城跡の坂、ローカル線やバスのステップを1日に何度も上り下りする旅は、腰より膝で困ります。座ったときに膝の上の生地が指2本つまめること、裾は靴の甲に軽くかかる長さ。くるぶしが出る丈は、秋の夕方の冷えと、段差で裾が上がったときの見え方の両方で不利です。
両方が多い旅は、腰を優先して、膝は生地の伸びで補います。この記事では、その「座る時間」と「段差の数」を自分の行程から数える方法と、どちらとも決めにくいときの選び方を、順に書いていきます。
まず自分の旅を2つの数で測る
パンツ選びの前に、行程表か旅の予定を見ながら、次の2つを数えてください。
ひとつめは、1回あたりいちばん長く座っている時間です。 新幹線、特急、観光バス、自家用車の助手席。途中で立ち上がれない区間の長さを見ます。合計ではなく1回の長さで見るのは、苦しくなるのが「続けて座っているあいだ」だからです。目安は60分。これを超える区間が1日に1回でもあれば、座る旅として扱います。
ふたつめは、1日に上り下りする段差のまとまりの数です。 石段、坂道、歩道橋、駅の階段(エスカレーターの無い所)、バスのステップ。1段ずつではなく、「ここで段差が続く」という場所を1か所と数えます。1日に3か所以上あれば、段差の旅として扱います。
この2つの数で、旅は4つに分かれます。
| 座る時間(1回) | 段差のまとまり(1日) | 優先する場所 |
|---|---|---|
| 60分を超える | 2か所以下 | 腰まわり・股上 |
| 60分以下 | 3か所以上 | 膝まわり・裾 |
| 60分を超える | 3か所以上 | 腰を先に、膝は生地で補う |
| 60分以下 | 2か所以下 | 形の好みで選んでよい |
最後の行の旅は、どのパンツでも大きくは困りません。ふだんいちばん気に入っている1本で出かけてください。ここから先は、上の3つの行について書きます。
座る時間が長い旅は、腰まわりと股上を見る
長く座ったときに苦しくなるのは、ウエストの前側と、太ももの付け根です。座ると、お腹の前側がわずかに前へ出て、ウエストの帯が食い込みます。股上が浅いパンツは、座ったときに後ろが下がって腰が出やすく、前は付け根に生地が溜まって押されます。
見るところは3つです。
- ウエストの作り。 前が平らで、後ろの半分くらいにゴムが入っているもの。全部がゴムのものより正面がすっきりし、全部が固い帯のものより座ったときに逃げ場があります
- 股上の深さ。 立ったときにおへその少し下か、おへそにかかるくらい。座ったときに後ろの帯が背中から離れないかを見ます
- 生地の座りじわ。 手のひらで生地をぎゅっと握って10秒、離したときに跡がすぐ戻るか。旅先では、座っていた跡を消す手段がありません
幅は、腰と太ももにゆとりがあって、膝から下がまっすぐか少しだけ細くなるもの。裾幅18〜22cmくらいが、座った姿と立った姿の差が出にくい範囲です。裾が広すぎるものは、狭い座席で足もとに生地がたまり、立ったときにしわが残ります。
段差が多い旅は、膝まわりと裾を見る
石段を上るとき、膝は立っているときより大きく曲がります。膝のまわりにゆとりのないパンツは、そのたびに生地が引っぱられ、一段ごとに足を持ち上げる力が少しずつ余計にかかります。1日に何十段と続くと、夕方の疲れ方が変わります。
座った姿勢で、膝のすぐ上の生地を指でつまんでみてください。 指2本ぶんつまめれば、石段でつっぱることはまずありません。1本ぶんしかつまめないなら、伸びる生地であることが条件になります。
裾の長さは、靴を履いて立ったとき、靴の甲に軽く触れるくらい。段差を上ると裾は上がり、下りるときは前に出ます。くるぶしが見える丈は、上るときにすねまで出てしまい、秋の夕方は足首から冷えます。反対に、かかとを覆うほど長いと、下りの段差で裾を踏みます。
幅は、膝から下がまっすぐか、少し広がるもの。足首に向かって細くなりすぎる形は、しゃがんだときにふくらはぎで止まり、膝の裏に生地が食い込みます。
どちらも多い旅は、腰を先に決めて、膝は生地で補う
新幹線で長く座り、着いた先で石段の多い寺社を回る。秋の旅で最も多いのがこの形です。腰と膝の両方にゆとりを持たせると、全体にゆったりしすぎて、写真に写ったときに体がどこにあるかわからなくなります。そこで、順番を決めます。
先に腰を合わせます。 座る時間の苦しさは、立ち上がれない限り逃げられません。段差の苦しさは、一段ずつ休めば和らげられます。逃げられないほうを先に解決するのが筋です。前が平らで後ろにゴム、股上は深め。ここは譲りません。
次に、膝は生地の伸びで補います。 腰にゆとりを持たせた分、膝から下は細めにして全体の量を抑えます。そのかわり、横に引っぱったときに手で感じられるくらい伸びる生地を選びます。綿に少しだけ伸びる糸が入ったもの、目の詰んだ編み地のもの。膝の上を指1本つまめれば十分です。
それでも膝のつっぱりが気になる人は、裾幅を1〜2cm広げます。膝のゆとりは裾幅に引きずられて変わるので、裾から決めるほうが選びやすくなります。
どこまで譲れるかは、旅の時間割で決めます。 座る区間が朝と夕方の2回で、日中はずっと歩くなら、膝を少し優先してもかまいません。座っている時間は合計2時間でも、膝を使っている時間は5〜6時間になるからです。逆に、日中も観光バスで移動して、降りては段差を上る形なら、腰を優先したまま変えないでください。
どちらとも決められないとき、家で試す3つの動作
行程がまだ決まっていない、ツアーの細かい中身がわからない。そういうときは、手持ちのパンツを履いて、家で次の3つを試します。所要時間は合わせて40分ほどです。
- 椅子に30分座る。 食卓の椅子で、テレビを見たり手紙を書いたりして過ごします。立ち上がったとき、ウエストの前に跡がついていないか、股のあたりに横じわが残っていないかを見ます
- しゃがんで5秒止まる。 床の物を拾う姿勢で、膝を深く曲げます。膝の上と、ふくらはぎで生地が止まらないか、腰の後ろが出ないかを見ます
- 階段を10段上って下りる。 家に階段がなければ、玄関の上がりかまちを5回往復します。上るときに膝が引っぱられないか、下りるときに裾を踏まないかを見ます
1で困ったら腰まわりを、2と3で困ったら膝と裾を優先して選び直します。どれも困らなかったパンツは、そのまま旅に連れていって大丈夫です。全部で困ったら、そのパンツは旅向きではありません。ふだん使いに戻して、旅には別の1本を選びます。
一番手軽な見分け方は、1の30分です。 ほかの2つは数分で終わりますが、座りっぱなしの苦しさは時間がたたないと出てきません。お店で試着するときも、試着室の中で1〜2分は腰を下ろしてみてください。
秋の気温差で、生地の厚みを決める
秋の旅は、朝夕と昼の差が大きくなります。山あいや海沿いでは、昼に20℃を超えても朝は10℃を切ることがあります。パンツは上着のように脱ぎ着できないので、その日いちばん寒い時刻に合わせて生地を決めます。
- 最低気温が15℃以上。 薄手でかまいません。綿や、さらっとした化学繊維の混ざったもの
- 最低気温が10〜15℃。 中くらいの厚み。手で握ったときに、指の形が向こうに透けない程度
- 最低気温が10℃を下回る。 厚手か、裏が少し起毛したもの。または、中くらいの厚みのパンツの下に、薄い肌着のレギンスを重ねます
寒い時刻に外にいないなら、ひとつ薄い側に寄せてかまいません。朝は宿の中で、出かけるのは9時過ぎ、夕方は暗くなる前に戻る。そういう旅では、日中の気温で決めても冷えで困ることは少なくなります。
座敷の席がある日は、伸びと裾の広さを見る
旅館の食事処や、和室の個室で食事をする日があるなら、もう一つ見る所が増えます。畳に座ると、椅子より膝を深く曲げ、時間も長くなります。
正座をするなら、膝の伸びが一番効きます。指2本つまめても、伸びない生地は正座で膝に食い込みます。横座りやあぐらに近い座り方をするなら、裾と太ももの広さが効きます。細いパンツは、横に崩した脚の太ももに張りついて、立つときにしわが残ります。
座敷の日だけ別の1本に履き替える方法もあります。宿で夕食の前に着替えるなら、伸びる生地で幅のあるものを1本足しておくと、昼の観光用と夜の食事用を分けられます。
色は、汚れの目立ち方と写真で決める
旅先のパンツは、昼の観光と夜の食事を同じ1本で過ごすことが多くなります。色は、汚れの目立ち方と、写真での見え方の2つで決めます。
濃い紺や濃い茶、黒に近い灰色は、座席や段差でついた細かな汚れが目立ちにくい色です。一方で、白っぽい砂ぼこりや、乾いた泥のはねはかえって目立ちます。未舗装の道や砂利の境内を歩く旅なら、明るめのベージュやグレージュのほうが汚れが溶けこみます。
写真では、上に着るものとパンツの明るさに差があるほうが、体の形が写ります。上が明るい色ならパンツは濃く、上が濃いならパンツは中くらいの明るさに。上下が同じ濃さだと、紅葉や木立の前で全身が一つの影のように写りがちです。
上に合わせるものは、裾の止まる位置で決める
パンツの選び方が決まったら、上に着るものの丈を合わせます。境目は、ヒップのいちばん高いところです。
腰まわりにゆとりのあるパンツは、上着の裾がウエストで止まると、パンツの上の量が目立ちます。上着かカーディガンの裾がヒップの一番高いところを越えて、ヒップの半分くらいまでかかる長さだと、後ろのゴムもゆとりも隠れます。
膝から下が細めのパンツは、上に長めの羽織を重ねても重くなりません。腰から下がまっすぐで幅のあるパンツは、上は短めか、前を開けて着て縦の線を作ります。長い上着を前で閉じると、上から下まで同じ幅に見えるからです。
靴との関係で、裾の止まる位置を確かめる
裾の長さは、靴を決めてから最後に確かめます。旅の靴は歩きやすさで選ぶので、ふだんより底が厚く、甲が高いことが多いからです。
厚い底の靴を履くと、同じパンツでも裾が1〜2cm上がって見えます。家で履いたときに甲にかかっていた裾が、旅の靴では甲の上で止まる。そうなったら丈は足りています。かかとを覆っていた裾がちょうど甲にかかる長さになったなら、そのままで大丈夫です。
足首まで覆う短めのブーツを履くなら、裾がブーツの口にかぶるか、ブーツの中に入れるかを決めておきます。かぶせるなら、裾幅がブーツの口より2〜3cm広いもの。中に入れるなら、膝から下の細いものにします。段差の多い旅では、かぶせるほうが裾がもたつきません。
何本持っていくか
2泊までの旅なら、はいて出る1本で足りることがほとんどです。宿で着替えるのは寝間着と下着だけ、と割り切ると荷物が軽くなります。
3泊以上の旅か、次のどれかが当てはまる旅なら、2本目を入れます。
- 雨の予報がある日がある
- 座敷で食事をする日がある
- 座る旅の日と、段差の旅の日が分かれている
2本目は、1本目と性格を変えます。1本目が座る旅向き(腰にゆとり・まっすぐ寄り)なら、2本目は伸びる生地で膝にゆとりのあるもの。1本目と同じ形で色だけ違うものを入れると、困る場所が同じなので、履き替えても助けになりません。
出かける前日に、家でやっておくこと
旅に連れていく1本が決まったら、前日に一度だけ、旅の靴と上着を合わせて全部着てみます。
- 旅の靴を履いて、裾の止まる位置を見る
- 上着を着て、後ろのウエストが隠れるかを見る
- 鞄を肩にかけて、鞄の底がパンツのどこに当たるかを見る
最後の鞄は見落としやすい所です。肩から斜めにかける鞄は、底がちょうど腰の横に当たり、歩くたびにこすれます。こすれる位置にポケットのふくらみや、ゴムの縫い目が重なると、夕方には跡が残ります。鞄の長さを1〜2cm上げるか、反対側にかけるだけで解決することが多いので、前日に確かめておいてください。
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よくある問い
- Q. 60代の秋の旅行には、パンツとスカートのどちらがいいですか
- 石段や坂、バスの乗り降りが多い旅ならパンツのほうが気をつかう場面が減ります。裾を押さえる必要がなく、しゃがんだときに膝の裏まで覆われるからです。座っている時間が長く、歩くのは駅から宿までくらいの旅なら、ゆとりのあるスカートでも困りません。どちらか迷う人は、行程の中で段差を上り下りする場所がいくつあるかを数えてみてください。3か所以上あるならパンツに寄せるのが無難です。
- Q. ウエストがゴムのパンツは、旅行先でだらしなく見えませんか
- 全部がゴムで前にギャザーが寄るものは、上着の丈が短いと目立ちます。前が平らで後ろだけゴムが入った作りなら、正面からはふつうのパンツと見分けがつきません。上に着るものの裾がヒップの一番高いところにかかる長さなら、後ろのゴムも隠れます。長く座る旅では、ウエストの楽さが一日の疲れ方に直結するので、見た目より先にこちらを優先してかまいません。
- Q. 旅行に持っていくパンツは何本がいいですか
- 2泊までなら、はいて出る1本で足りることが多いです。3泊以上か、雨の予報がある日、座敷で食事をする日がある旅なら、性格の違う2本目を入れます。2本目は1本目と同じ形にせず、座る旅なら少し細めでもう少しきちんと見えるもの、歩く旅なら伸びる素材のものにすると、行程に合わせて履き替えられます。
— メグラシ編集部





