セットアップ 着こなし|張りのある生地と落ちる生地で崩し方が逆

**セットアップの着こなしは、まず生地の張りを確かめてから決めてください。**張りのある生地なら柔らかく崩す、落ちる生地なら固く締める。直す方向が、生地によって逆になります。
上下を同じ生地でそろえると、生地の性格がそのまま全身に出ます。張りのある生地は全身が固くなり、仕事着や式の服に見えます。落ちる生地は全身が柔らかくなり、部屋着に見えます。色や形をいくら替えても、この印象は残ります。
確かめ方は1つです。上着の肩の内側を指2本に掛けて、持ち上げてください。肩の角が立ったまま止まれば張りのある生地、肩が指に沿って垂れれば落ちる生地です。ここで分かれた側の章だけを読めば、手持ちの1着で着方が決まります。
上下を別々に着る日の考え方はセットアップ 着こなし|秋冬は上下を分けて着る日で元を取るに、首元の選び方はセットアップの中に着るものに書いてあります。この記事は、上下で着る日の話です。
結論:生地の張りで、足す物の固さを逆にする
| 生地 | そのまま着ると | 直す場所 | 足す物の固さ |
|---|---|---|---|
| 張りのある生地 | 仕事着・式の服に見える | 中の1枚と靴 | 柔らかい物 |
| 落ちる生地 | 部屋着に見える | 靴と鞄 | 固い物 |
表は軸を見せるためのものです。直す場所が2か所なのは、全部を替えると今度は反対側に振れすぎるからです。**上下はそのまま、2か所だけ替える。**これが基本の形です。
生地の張りを見分ける3つの方法
指2本に掛ける方法のほかに、2つの確かめ方があります。3つのうち2つが同じ側に出れば、その側として扱ってください。
1つ目は、先に書いた肩の角です。指2本に上着を掛けて、肩の端が水平に近いまま止まるか、下に垂れるかを見ます。
2つ目は、パンツの折り目です。センターの折り目がアイロンをかけなくても線として残っていれば、張りのある側です。折り目が無いか、着ているうちに消えるなら、落ちる側です。
3つ目は、手で握ったあとの戻りです。袖を5秒握って離し、すぐ形が戻って跡が残らない生地は張りのある側、ゆっくり戻って柔らかいしわが残る生地は落ちる側です。
ウールが多い織りの生地、ポリエステルの硬めの織り、厚手の綿は張りのある側に出やすくなります。細かく編まれた伸びる生地、レーヨンが混ざった生地、起毛した柔らかい生地は落ちる側に出やすくなります。ただ、同じ素材名でも織り方で変わるので、最後は手で確かめてください。
張りのある生地が固く見える理由
張りのある生地は、体から少し離れて立ちます。肩の線も、パンツの折り目も、体の形ではなく服の形で見えます。これが「きちんとして見える」理由であり、同時に「仕事の服に見える」理由でもあります。
上下が同じ生地なら、この服の形が頭から足まで続きます。そこに襟のあるブラウスと、かかとのある革靴を合わせると、固い物が3つ重なり、就職活動や式の日の服に近づきます。
休日や、仕事でも柔らかい職場で着たいなら、固さを2か所ぬいてください。
張りのある生地|中の1枚を柔らかくする
最初に替えるのは、上着の中に着る1枚です。襟のあるブラウスを、薄手のニットかカットソーに替えます。
選ぶときの目安は、首元の形です。丸首か、少し深めのV字が柔らかく見えます。首の詰まったタートルネックは、秋冬に暖かい反面、張りのある上着の中では固さが残ります。タートルネックを着たい日は、編み目が太くて表面に凹凸のある物にすると、固さが和らぎます。
色は、上下より明るい色にすると、中から柔らかさが出ます。上下が紺なら、生成りや明るい灰。上下が黒なら、白に近い灰か淡い茶。上下と同じ濃さにすると、また固く戻ります。
張りのある生地|靴を平たくする
次に替えるのは靴です。かかとのある革のパンプスを、平たいバレエ型の靴か、白か生成りのスニーカーに替えます。
パンツの裾と靴の関係も見てください。張りのある生地のパンツは、裾が靴の甲にかかると、布が折れて固い線が出ます。平たい靴に替えると裾が床に近づくので、くるぶしが少し見える長さまで上げると、足首の抜けが柔らかさになります。裾の長さの決め方は、パンツスーツの裾の長さが参考になります。
**ここで鞄まで柔らかくしないでください。**中と靴と鞄の3か所を柔らかくすると、張りのある上下だけが浮いて、借りてきた服のように見えます。鞄は、上下に合わせた固さのまま残します。
落ちる生地が部屋着に見える理由
落ちる生地は、体に沿って垂れます。肩の線は体の肩の線になり、パンツは脚の形をなぞります。これが「楽そうに見える」理由です。
上下が同じ生地なら、この柔らかさが全身に続きます。そこにスニーカーと布の鞄を合わせると、柔らかい物が重なり、家で過ごす服に近づきます。
人に会う日や、仕事で着たい日は、固さを2か所足してください。
落ちる生地|靴を固くする
最初に替えるのは靴です。つま先が細めの革靴、かかとが3cm以上あるパンプス、甲を覆うローファーのどれかにします。足もとが固くなると、上の柔らかさが「選んだ柔らかさ」に見えるようになります。
秋冬はブーツも使えます。落ちる生地のパンツの中にブーツを入れると、裾がブーツの上でたまって柔らかさが強く出るので、パンツはブーツの上にかぶせてください。ブーツは、筒が足首に沿う細めの形を選ぶと、裾がもたつきません。
落ちる生地|鞄を固くする
次に替えるのは鞄です。布の手提げや、くたっと柔らかい肩掛けを、床に置いても自立する形の鞄に替えます。革でなくても構いません。角があって、中身が少なくても形が崩れない物を選んでください。
鞄の大きさは、上着の裾より上で止まる物がまとまります。肩に掛けたときに鞄の底が上着の裾より下に来ると、柔らかい上下に重さが加わって、全体が下に垂れて見えます。
**ここで中の1枚まで固くしないでください。**落ちる生地の上着の中に、張りのある襟付きブラウスを入れると、襟だけが浮き上がって上着とぶつかります。中は、上下と同じくらい柔らかい物のままで構いません。
どちらとも取れる生地をどう決めるか
3つの確かめ方で、結果が割れる生地があります。肩の角は立つのにパンツの折り目は消える、握った跡は戻るのに肩は垂れる。こういう生地は、その日の行き先で決めてください。
人に会う日、つまり仕事や改まった食事の日は、落ちる生地として扱い、靴と鞄を固くします。どちらとも取れる生地は、固い物を足すと張りのある側に寄り、きちんと見えます。
家の近所に出る日、休日に友人と会う日は、張りのある生地として扱い、中と靴を柔らかくします。固さが半分しかない生地なので、柔らかい物を足すと、楽な日の服に寄ります。
**どちらとも取れる生地は、1着で2通りに着られる生地です。**買うときに迷う生地ほど、着る日を選べる、と考えてください。
体の形で、張りの効き方が変わる
同じ張りの生地でも、着る人の体で効き方が少し変わります。
肩が薄い人や、体の線が細い人が張りのある生地を着ると、生地が体から離れて立つので、固さがより強く出ます。この場合は、中の1枚を柔らかくするとき、首元を少し深めに開けると、肩まわりの固さが和らぎます。
肩や胸に厚みのある人が落ちる生地を着ると、生地が体の厚みに沿って垂れるので、柔らかさがより強く出ます。この場合は、靴を固くするだけでなく、上着の前を閉じて着ると、縦の線が出て締まります。
秋冬にコートを重ねるとき
セットアップの上にコートを着る日は、コートを「足す物」の1つとして数えてください。
張りのある生地の上に、張りのあるコートを重ねると、固い物がさらに増えます。この場合は、コートを少し柔らかい、肩が落ちる形の物にすると、外側から崩れます。
落ちる生地の上には、張りのあるコートを重ねます。外側で締まるので、建物の外では靴と鞄を替えなくても部屋着には見えません。建物の中でコートを脱いだときに、靴と鞄が固ければ、そのまま締まった見え方が続きます。
どちらの場合も、コートの丈は上着の裾より10cm以上長くしてください。上着の裾がコートの下から見えると、重なった布が厚く見えます。
1着をどう回すか
セットアップを1着持っているなら、張りの側を決めたうえで、足す物を2組そろえると回しやすくなります。
張りのある生地なら、仕事の日用にブラウスと革のパンプスを1組、休日用に薄手のニットと平たい靴を1組。落ちる生地なら、仕事の日用に革靴と自立する鞄を1組、休日用にスニーカーと柔らかい鞄を1組。2組を入れ替えるだけで、同じ上下が週に2回出ても、別の服に見えます。
よくある質問
Q. セットアップを着ると就活生や会社員に見えてしまいます 張りのある生地のセットアップを、張りのある物で固めているのが原因です。中の1枚を薄手のニットやカットソーに、靴を平たい物かスニーカーに替えてください。上下はそのままで、2か所を柔らかくするだけで、仕事の服から外れます。
Q. セットアップがパジャマのように見えると言われました 落ちる生地のセットアップを、柔らかい物で合わせているのが原因です。靴をかかとのある革靴かつま先の細い物に、鞄を自立する形の物に替えてください。足もとと手もとが固くなると、上下の柔らかさが服の性格として見えるようになります。
Q. 張りがあるのか落ちるのか、どちらとも言えない生地です その日の行き先で決めてください。人に会う日は落ちる生地として扱い、靴と鞄を固くします。家の近所や休日は張りのある生地として扱い、中と靴を柔らかくします。
Q. 秋冬にセットアップの上にコートを着ると、もたつきます 張りのある生地なら、コートは少し柔らかい物にして外側から崩します。落ちる生地なら、コートは張りのある物にして外側で締めます。どちらの場合も、コートの丈は上着の裾より10cm以上長くすると、裾が重なって見えません。
まとめ
セットアップの着こなしは、生地の張りで直す方向が逆になります。
- 指2本に上着を掛けて、肩の角が立つか垂れるかで生地の側を決める
- 張りのある生地は、中の1枚と靴を柔らかくする。鞄は残す
- 落ちる生地は、靴と鞄を固くする。中の1枚は残す
- どちらとも取れる生地は、その日の行き先で側を決める
上下を替えずに、2か所だけ替える。それで手持ちの1着が、仕事の日にも休日にも着られるようになります。
— メグラシ編集部





