いかり肩と骨格ストレートの違い|肩の角度と体の厚みは別に測る。片方だけで決めると打ち手が逆になる

骨格診断でストレートと出た。同じ日に別の場所で、いかり肩ですねとも言われた。その二つを持ち帰って服を選ぼうとすると、途中で手が止まります。片方の説明が勧めているものを、もう片方の説明が避けるように書いていることがあるからです。
どちらかが間違っているわけではありません。二つは、体の別の場所を測っています。
いかり肩が見ているのは、首の付け根から肩先へ向かう線の角度です。骨格ストレートが見ているのは、体を横から見たときに厚みがどこに出るかです。前者は一箇所、後者は胴全体。重なる部分がないので、片方の結果からもう片方を推測することはできません。
結論:別々に測って、肩のほうから先に決める
順番があります。
- 肩の線の角度を測る
- 体の厚みの出方を測る
- 肩に合う袖付けで候補を絞る
- その中から厚みに合うものを選ぶ
三と四を逆にすると、厚みに合う一枚を見つけたあとで肩が入らない、という行き止まりに入ります。肩の角度は服では変えられないので、先に効かせるのはこちらです。
測る①|肩の線の角度
壁に背中を当てて立ちます。首の付け根のくぼみに指を置き、そこから肩先まで、肩の線を指でなぞります。
このとき、なぞった線が水平からどのくらい下がっているかを見ます。目安は、首の付け根の高さと肩先の高さの差です。差が指一本ぶん(およそ二センチ)より小さければ、角度が急な側。指三本ぶん(およそ六センチ)より大きければ、なだらかな側。そのあいだは中間です。
自分では見にくいので、正面から撮った写真を使っても構いません。肩の線の上に指を横に当てて、何本入るかを数えるだけです。
| 差 | 呼ばれ方 | 肩まわりで起きること |
|---|---|---|
| 指一本ぶん未満 | いかり肩と呼ばれる側 | 肩先で布が止まり、そこから下にたるみが出やすい |
| 指一本から三本 | 中間 | 服の設計そのままに近く出る |
| 指三本ぶんを超える | なで肩と呼ばれる側 | 肩線が肩先より外へ落ちやすい |
測る②|体の厚みの出方
次は別の場所です。横を向いて鏡に映り、鎖骨の下とみぞおちに片手ずつ当てます。
手のひらの下にある厚みを比べて、鎖骨の下のほうが厚ければ、上半身の前側に厚みが集まっている体型です。みぞおちのほうが厚い、あるいはどちらも薄くて腰から下に重さがあると感じるなら、別の出方になります。
骨格ストレートと呼ばれる体型は、前者、つまり胸郭の上部から前側に厚みが出る側を指しています。ここでも見ているのは肩の角度ではありません。肩の線がどんな角度でも、この厚みの出方は別に決まります。
4つの組み合わせ|どこから手を付けるか
二つを測ると、組み合わせは四つに分かれます。
角度が急で、前側に厚みがある。 いちばん相談の多い組み合わせです。肩先で布が止まりやすく、さらに胸の前で布が持ち上がるので、上半身に布の溜まりが二箇所できます。打ち手は、袖の付け位置を肩先より内側に入れないことと、首元から縦に抜けを作ることの二つを同時に使います。
角度が急で、厚みは前側に出ない。 肩だけが目立ちやすい形です。ここは袖の付け方だけで整います。厚みに向けた打ち手を足すと、かえって上半身が寂しくなります。
角度がなだらかで、前側に厚みがある。 肩線が外へ落ちるので、厚みのある胸の上で布が横に広がります。この場合は、肩線を肩先に戻す服を選ぶほうが先です。縦の線は、肩が決まってから足します。
角度がなだらかで、厚みも前側に出ない。 二つとも中間寄りなので、服の設計がそのまま出ます。選択肢はいちばん広い組み合わせです。
打ち手がぶつかるとき
四つのうち、一つめの組み合わせでは打ち手が正面からぶつかります。
肩の角度が急な側に効くのは、肩先から布がなだらかに落ちる形です。袖と身頃の境目をはっきり作らず、肩の線をそのまま延長するような作りが合います。
一方、前側に厚みがある体型に効くのは、肩の位置を明確に決めて、そこから下に直線を通す形です。境目をはっきり作ることで、厚みの上に縦の線が乗ります。
片方は境目をぼかせと言い、片方は境目を作れと言っている。この状態で立ち止まる方がとても多いのですが、先に採るのは肩のほうです。
理由は、動かせる幅が違うからです。肩の角度は服では変わりません。合わない袖付けの服は、着てみると肩先に布が引っかかって、そこから先の話になりません。一方、厚みの見え方は、肩が決まったあとでも縦の線を通すことで調整できます。前を開ける、縦に長い面を作る、首元から下へ抜けを作る。どれも肩の設計を変えずにできます。
肩が決まったあとで、厚みを整える三つの場所
肩に合う一枚が決まったら、厚みのほうは次の順で見ます。
一つめは首元です。首の付け根から下に向かって、肌や中に着たものが縦に見えている距離を測ります。ここが五センチほどあると、厚みのある上半身の真ん中に縦の抜けができます。詰まった襟ぐりが苦手に感じるのは、この距離がゼロになるためです。
二つめは前を留めるかどうかです。羽織りの前を開けると、左右の縁が縦の線として二本加わります。厚みは同じでも、面が三つに割れるので読まれ方が変わります。
三つめは裾の位置です。上半身の厚みがいちばん出ている高さで裾が止まると、そこに横の線が一本入ります。厚みの出ている高さより五センチ以上下、あるいは十センチ以上上で止まる丈を選ぶと、線と厚みが重なりません。
よくある行き違い
「骨格ストレートはいかり肩」という説明を見かけますが、測る場所が違うので同時には決まりません。 実際、同じ厚みの出方でも肩の角度は人によってかなり違います。片方の結果が出たときに、もう片方を推測で埋めないでください。
「いかり肩だから肩を目立たせない服を」という言い方もよく届きますが、肩の線がはっきり出ることは、それ自体が装いの土台になります。きちんとした場面で肩の線が通っていると、服の形がそのまま出ます。やわらげたい日と、生かしたい日を分けて選ぶほうが、持っている服が増えます。
「肩パッドは肩を広く見せる部品」という思い込みもよく聞きます。肩パッドの役割は、肩先の位置を決めて布の落ち方を安定させることです。角度が急な側の方が使うと、肩先から下に出ていたたるみが減って、かえって線が静かになることがあります。
秋冬は、肩のほうが先に出る
季節によって、二つのうちどちらが表に出るかが変わります。
薄い一枚で過ごす季節は、厚みのほうがそのまま見えています。布が体に近いので、胴のどこに厚みがあるかが読まれやすい。このときは、厚み側の打ち手を先に考えても大きく外れません。
秋から冬は逆になります。重ねる枚数が増えると、胴の厚みは布の中に入って読まれにくくなり、代わりに**外側の一枚の肩先がどこに落ちているかが、全身の輪郭を決めます。**外側が厚いほど、肩先の位置のずれは目立ちます。
だから、羽織りやコートを選ぶ季節ほど、肩の測定を先に使ってください。中に何を着るかは、そのあとで足せます。
一つ実際によく起きるのは、中に一枚足したときに外側の肩が動くことです。中の厚みに押されて、外側の肩線が肩先より外へ出ます。試着のときは、冬に中へ着るものを想定した厚みで合わせてください。店内で薄着のまま合わせた一枚は、真冬に肩が変わります。
どちらとも取れるとき
測った差が指一本ぶんちょうどだった場合。 境目です。この場合は、腕を下ろしたときと、軽く前に出したときの二回測ってください。腕の位置で肩の線は動きます。よくする姿勢のほうを採ります。
厚みの比較で、鎖骨の下とみぞおちがほぼ同じだった場合。どちらの打ち手も強く効かない代わりに、どちらも大きく外れません。この場合は肩の結果だけで決めて構いません。
診断で出たタイプと、測った結果が合わない場合。疑うのは測り方ではなく、測った日の姿勢です。肩を上げたまま立つと角度は急に出ますし、力を抜きすぎるとなだらかに出ます。壁に背を当てて、息を吐いてから測り直してください。
装いに活かすなら
二つを別々に測っておくと、売り場で見る場所がはっきりします。まず袖の付け位置を見て、肩先と合うかどうか。合っていれば手に取り、合っていなければ置く。ここまでは十秒で終わります。
そのあとで、首元の抜けの距離と裾の高さを見ます。この順番にすると、試着室に入る前に候補が二、三枚まで減ります。
顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定する形のサービスでも、肩の角度と厚みの出方を別々に伝えるほうが、届く一枚は近くなります。片方だけを伝えると、もう片方に合わせた提案が混ざります。
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よくある問い
- Q. いかり肩と骨格ストレートは、同じことを指していますか
- 別のことを指しています。いかり肩は、首の付け根から肩先へ向かう線がどのくらいの角度で下がっているかという話で、見ているのは肩の一箇所だけです。骨格ストレートは、体を横から見たときに厚みがどこに出るかという話で、見ているのは胴全体です。だから、いかり肩で骨格ストレートの方も、いかり肩で骨格ウェーブの方も、どちらもいます。片方の結果からもう片方を推測することはできません。
- Q. 両方に当てはまる場合、どちらの服選びを優先すればいいですか
- 肩のほうを先に扱ってください。理由は動かせる幅の違いです。肩の角度は服では変えられず、袖がどこに付いているかで合う合わないが決まります。一方で体の厚みの見え方は、縦の線を通すことで後から調整できます。先に肩に合う袖付けの服を絞り込み、その中から厚みに合うものを選ぶ順番にすると、候補が一度で決まります。逆の順番だと、厚みに合う一枚を選んだあとで肩が入らないことになりがちです。
- Q. 骨格診断でストレートと出たのに、肩まわりの提案が合いません
- 肩の角度のほうが効いている可能性があります。骨格タイプの提案は胴の厚みを前提に組まれているので、肩の角度が標準から離れている方には、袖まわりだけが合わないという形で出ます。確かめ方は、鏡の前で肩の線の角度を測ることです。角度が急な側に出ているなら、提案のうち袖と肩線に関する部分だけを別の基準に差し替えてください。ほかの部分はそのまま使えます。
- Q. いかり肩は直したほうがいいものですか
- 直す対象ではありません。肩の線の角度は骨の付き方で決まっているもので、良し悪しのあるものではありません。肩の線がきれいに出ることを生かした服の着方もありますし、角度をやわらげて見せたい日の方法もあります。どちらに寄せたいかはその日の気分や場面で選べるもので、片方だけが正解ということはありません。この記事も、どう見せたいかを選ぶための材料として読んでください。
— メグラシ編集部





