2016年流行ファッション|残った服は肩線と丈で今着るか決める

**クローゼットの奥に、10年近く前に買った服が何枚残っているか数えてみてください。**ロングカーディガン、ガウチョパンツ、肩の大きく落ちたニット、丈の短いブルゾン。どれも当時は売り場の真ん中にあった形です。
結論から言うと、2016年ごろの服を今着るかどうかは、肩線・着丈・裾幅の3か所だけで決められます。今の売り場にある同じ種類の服と並べて、差が出た場所の数を数えてください。差が1か所なら組み方で今に寄せられ、2か所ならお直しを考え、3か所すべてずれていれば手放す目安です。
流行の名前で「もう古い」「まだいける」と判定しようとすると、同じ名前の服でも着られる1枚と着られない1枚の区別がつきません。名前ではなく寸法で見るのが、この記事のやり方です。少し前の年代との比べ方は2010年流行ファッション|ウエスト位置の高さを比べると、今との違いが分かるでも扱っているので、あわせて読むと差の出方がつかみやすくなります。
結論:2016年の服は、肩線・着丈・裾幅の3か所で今着るか決める
服が古く見えるとき、目が引っかかっているのは色や柄より先に「線の位置」です。肩の縫い目がどこにあるか、上の服がどこで終わるか、下の服の裾がどれだけ広がっているか。この3本の線が今の服とそろっていれば、10年前の服でも浮きません。
逆に、3本の線のうち2本以上がずれていると、どんなに状態がよくても「少し前の服」に見えます。新品同様にきれいなのに着ると落ち着かない服は、たいていこのパターンです。
判定の順番は次のとおりです。
- 手持ちの服を1枚選び、肩線・着丈・裾幅を測る
- 今の売り場で同じ種類の服を2〜3枚手に取り、同じ3か所を見る
- 差が出た場所を数え、1か所・2か所・3か所で扱いを分ける
売り場の服を測るといっても、メジャーを持ち込む必要はありません。肩線なら自分の肩に当てて落ちる位置、着丈なら体に当てて止まる位置を覚えておけば十分です。試着室で1回着てみれば、3か所の位置はすぐにわかります。
2016年に流行った形を、手持ちの服で思い出す
2016年前後に売り場でよく見かけた形を、名前だけ並べておきます。ここで答えを出すのではなく、自分のクローゼットにどれが残っているかを思い出すための手がかりです。
- 膝下からふくらはぎまで届く、長い丈のカーディガンや前開きのベスト
- ふくらはぎの途中で裾が止まる、幅の広いガウチョパンツやスカンツ
- 腰骨の位置で止まる、丈の短い中綿入りのブルゾン
- 肩の縫い目が腕の途中まで落ちた、大きめのニット
- 起毛した表面のスカートや、首にぴったり沿う細い首飾り
- 裾が広がったフレアのパンツや、ハイウエストのワイドパンツの始まり
このうち、上半身の服は肩線と着丈、下半身の服は着丈と裾幅が判定の中心になります。羽織りものは肩線・着丈の両方を見ます。名前ではなく「どの線を見る服か」で分けておくと、このあとの測り方がそのまま使えます。
一度に全部を判定しようとすると疲れてしまうので、まずは「今年の秋に着たいと思っている1枚」から始めてください。1枚判定すると、残りの服の見方も自然に身につきます。
思い出すときは、写真を探すのがいちばん確かです。スマートフォンの写真を年ごとにさかのぼり、外出した日の全身が写っているものを何枚か見てください。当時の自分が何を組み合わせていたかがわかると、手持ちの服のどれが「その年の服」なのかがはっきりします。写真の中で何度も登場する服は、今でも出番を作りたいと思っている服であることが多く、判定する価値があります。
反対に、写真に一度も写っていない服は、当時からあまり着ていなかった可能性があります。そうした服は流行のずれより先に、自分に合っていなかったことが理由かもしれません。判定の前に「当時は何回着たか」を思い出しておくと、残すかどうかを決めるときの迷いが減ります。
測る① 肩線|肩の骨から何センチ落ちているか
肩線は、袖と身頃をつなぐ縫い目の位置です。腕を下ろした状態で、肩の一番外側にある骨の出っ張りを指で探し、そこから縫い目まで何センチ離れているかを見てください。
2016年ごろの大きめのニットやスウェットは、縫い目が骨から8〜12センチほど落ちたものが多く、腕の付け根より下で袖がつながっていました。今の売り場の大きめの服と比べると、落ちる量そのものより「落ちたあとの袖の太さ」が違うことに気づくはずです。
見るのは次の2つです。
- 縫い目が骨から何センチ落ちているか
- 縫い目から肘までの袖が、腕に沿っているか、筒のように太いままか
今の売り場の服と比べて、落ちる量の差が3センチ以内で、袖の太さもおおむね近ければ、肩線は「差なし」と数えます。落ちる量が5センチ以上違うか、袖の太さがはっきり違うなら「差あり」です。
肩線は、お直しでいちばん動かしにくい場所です。縫い目を移すと袖ぐりの形が変わり、全体の落ち方まで崩れるからです。肩線に差が出た服は、ほかの2か所で差が出ないかどうかが、残すかどうかの分かれ目になります。
自分ひとりで測りにくいときは、服を平らな場所に置いて、首の付け根の中心から肩の縫い目までの長さを測る方法もあります。自分の肩幅の半分と比べて、縫い目までの長さのほうが何センチ長いかを見れば、着たときに落ちる量のおおよそがわかります。今の売り場の服は、値札の近くに肩幅の寸法が書かれていることが多いので、その数字と手持ちの服の数字を比べると、試着をしなくても差の大きさがつかめます。
肩線の判定で迷いやすいのは、もともと肩の落ちる形として作られた服と、大きいサイズを選んだために肩が落ちている服の違いです。後者は袖丈も長すぎることが多く、手の甲まで袖がかかります。袖が手の甲の半分以上を覆うなら、肩線より先にサイズそのものが合っていないと考えてください。
測る② 着丈|腰骨とお尻のどこで止まるか
着丈は、上に着る服の裾がどこで止まるかです。鏡の前でまっすぐ立ち、裾の位置を体のどこに当たるかで覚えてください。目安になる場所は、ウエストのくびれ、腰骨、お尻の一番高いところ、お尻の下端、太ももの中ほど、膝です。
2016年ごろは、上の服が極端に短いか、極端に長いかのどちらかに寄っていました。腰骨で止まる丈の短いブルゾンと、膝下まで届くロングカーディガンが同じ年に並んでいたのです。
今の売り場の同じ種類の服と比べたとき、止まる場所が目安の1段以内なら「差なし」、2段以上ずれていれば「差あり」と数えます。たとえば手持ちのカーディガンが膝下で止まり、今の売り場の長いカーディガンが太ももの中ほどで止まるなら、膝下と太ももの中ほどの間に膝を挟むので2段のずれ、つまり差ありです。
着丈は、お直しで短くすることはできても、長くすることはできません。長すぎる服は直せる可能性があり、短すぎる服は組み方で補うしかない、と覚えておくと判断が早くなります。
着丈は、前と後ろで長さが違う服もあります。2016年ごろには、前が短く後ろが長い裾の服や、脇に切れ込みの入った服も多く見られました。こうした服は、横から見たときに一番長い位置と一番短い位置の両方を確かめ、短いほうの位置で判定してください。人の目は短い側の裾に引っ張られやすく、そこが全身の比率を決めるからです。
また、ボトムスの股上が深いか浅いかによっても、同じ着丈の見え方は変わります。ウエストの高いボトムスに合わせると、上の服の裾が腰骨の上で止まって見え、短く感じます。股上の浅いボトムスに合わせると、同じ服でも長く見えます。判定は、今いちばんよく穿いているボトムスと合わせた状態で行うのが確実です。
測る③ 裾幅|ボトムスの裾が何センチあるか
ボトムスは、平らな場所に置いて裾の端から端までを測ります。片側の幅を測って2倍にすれば、裾まわりの長さになります。パンツなら片足ぶん、スカートなら裾全体の広がりを見てください。
2016年ごろのガウチョパンツは、片足の裾幅が30センチ前後とかなり広く、丈はふくらはぎの途中で止まるものが中心でした。同じ「幅の広いパンツ」でも、今の売り場では丈がくるぶしまで届くものが増えていて、裾幅が同じでも見え方が大きく変わります。
裾幅を見るときは、丈とセットで考えてください。
- 裾幅の差が3センチ以内で、丈の止まる位置も同じなら差なし
- 裾幅は近いが、丈が5センチ以上違うなら差あり
- 裾幅が5センチ以上違うなら、丈に関係なく差あり
裾幅は、お直しで細くすることはできますが、広げることはできません。丈も、出す縫い代が残っていない限り長くはできません。広すぎる・長すぎるほうに差が出ているなら直せる見込みがあり、細すぎる・短すぎるほうに差が出ているなら、組み方で補う前提で考えます。
スカートの場合は、裾幅の代わりに「広がり方」を見ます。腰から裾にかけてまっすぐ落ちるのか、途中から大きく広がるのか、ひだが多くて揺れるのか。2016年ごろには、ひざ下で揺れる長めのプリーツや、腰まわりからふんわり広がる形のスカートも多く見られました。広がりの大きいスカートは、上の服の着丈と身幅によって見え方が大きく変わるので、裾幅だけでなく、上に合わせる服とセットで判定してください。
パンツの場合は、裾幅と一緒に股下の長さも確かめておくと、靴を合わせるときに迷いません。ヒールのある靴と平らな靴では、同じ股下でも裾が止まる位置が2〜3センチ変わります。秋冬によく履く靴を履いた状態で丈を見るのが、いちばん失敗の少ない方法です。
3か所の差を並べて、残す・直す・手放すを決める
3か所を測ったら、差が出た場所の数で扱いを分けます。表は判定の軸を見るためのもので、最終的な答えは次の章以降の「どちらとも取れるとき」で自分の服に当てはめてください。
| 差が出た場所の数 | 扱い | 最初にすること |
|---|---|---|
| 0か所 | そのまま着る | 合わせる服を今の手持ちから選ぶ |
| 1か所 | 組み方で今に寄せる | 差が出た線を、ほかの服で隠すか目立たせない |
| 2か所 | お直しを検討する | 直せる線(丈・裾幅)が含まれているか確かめる |
| 3か所 | 手放す目安 | 1回だけ試し着をしてから決める |
差が1か所の服は、ほとんどの場合そのまま残せます。たとえば肩線だけがずれているニットは、上から肩線のそろったジャケットを羽織れば、ずれた線が隠れます。着丈だけがずれているカーディガンは、ボタンを留めずに前を開けて縦の線を作れば、長さより線の向きに目が行きます。
差が2か所の服は、そのうち1か所がお直しで動かせるかどうかで分かれます。丈か裾幅を直せば差が1か所に減るなら、直してから組み方で寄せます。肩線と着丈の2か所のように、両方とも直しにくい場所なら、手放す側に近づきます。
差が3か所の服でも、すぐに処分を決める必要はありません。ただ、3か所すべてを組み方で補おうとすると、合わせる服の選択肢がほとんどなくなり、結局は着ない服になりがちです。3か所の服は「この秋に1回着てみて、着たいと思えなければ手放す」と期限をつけておくと、クローゼットに残り続けることを防げます。
判定した結果は、服のタグの近くに小さなメモを付けておくか、スマートフォンに一覧で残しておくと便利です。来年の衣替えのときに、どの服をどう判定したかを覚えていれば、同じ迷いを繰り返さずに済みます。
ガウチョパンツ:秋冬に穿くなら、丈と靴の間を埋める
ガウチョパンツは、2016年の服のなかでもいちばん手元に残っている人が多い1本です。秋冬に穿くときの境目は、裾とくるぶしの間がどれだけ空いているかです。
まっすぐ立って、裾からくるぶしの骨までを測ってください。
- 5センチ未満なら、靴とタイツの色をそろえれば秋冬でもそのまま穿ける
- 5〜10センチなら、筒の短いブーツか厚手の靴下で隙間の色をつなぐ
- 10センチを超えるなら、筒の長いブーツで裾の内側まで埋めるか、春まで休ませる
隙間が空いたまま薄手の靴を合わせると、足首が冷えて見えるうえ、当時の着方そのままに見えます。逆に、隙間をボトムスと同じか近い色で埋めると、脚の線が途切れずにつながり、ガウチョの幅の広さが「今の幅の広いパンツ」に近づきます。
生地の厚みも見てください。風で裾が大きく揺れるほど薄い生地は、秋冬の厚手の上着と重さが釣り合いません。手のひらを裏から当てて、指の形が透けるほどの薄さなら、春まで休ませる判断が無難です。秋冬の合わせ方はガウチョパンツの秋冬コーデ|冬まで穿く素材・靴・羽織りの切り替えにも詳しくまとめています。
丈の短いブルゾン:腰骨で止まる丈をどう扱うか
2016年に広く着られた中綿入りの短いブルゾンは、着丈が腰骨で止まり、裾と袖口に伸縮する編み地がついているものが中心でした。今の売り場の同じ種類の上着と比べると、着丈はほぼ変わらず、肩線と身幅に差が出ていることが多いです。
判定のポイントは、裾の編み地がどこで止まるかです。編み地が腰骨の上でぴったり体に沿うなら、ボトムスはウエストの位置が高いものを選び、上着の裾との間に1〜2センチだけ中の服をのぞかせると、短い丈が今の比率に近づきます。編み地がお尻の上まで届くゆるい作りなら、そのままでも今の売り場の形に近いので、差なしと数えてかまいません。
中に着る服の襟の形でも印象が変わります。首の詰まった薄手のニットを合わせると、上着の襟元がすっきりして、当時より大人びた見え方になります。合わせるボトムスの選び方はMA-1コーデ レディース|合わせるボトムスは股上と裾幅で決めるも参考になります。
袖口の編み地も確かめてください。袖口の編み地がゆるんで伸びていると、手首まわりがたるみ、全体が着古した印象になります。編み地が手首にしっかり沿っているなら、袖を少したぐって手首を見せると、短い丈とのつり合いがよくなります。編み地が伸びきっている場合は、袖をたぐらずに手袋で手首を覆うなど、ゆるみが目立たない着方を選ぶとよいでしょう。
ロングカーディガン・長いベスト:膝の位置との関係
膝下まで届く長いカーディガンや前開きのベストは、着丈の判定がいちばん分かれる服です。今の売り場の長い羽織りは、膝より上で止まるものと、ふくらはぎまで届くものの両方があり、どちらが正解というより「下に合わせるものとの差」で見え方が決まります。
境目は、羽織りの裾とボトムスの裾の差です。
- 羽織りの裾がボトムスの裾より10センチ以上上で止まるなら、ボトムスの線が見えて縦長に見える
- 差が5センチ以内だと、2本の裾が近すぎて段差が重たく見える
- 羽織りの裾がボトムスの裾より下に出るなら、下の服が隠れて羽織りが主役になる
2016年の長いカーディガンをそのまま着て古く見えるのは、たいてい2つめの「裾が近すぎる」状態です。合わせるボトムスの丈を変えて、差を10センチ以上に広げるか、思い切って羽織りのほうを長く出すかのどちらかに振ってください。
前を閉じるか開けるかでも、長さの見え方は変わります。ボタンを全部留めると羽織りの面が一枚の板のように見え、長さがそのまま強調されます。前を開けて内側の服の色をのぞかせると、縦に2本の線ができて、長さより細さに目が行きます。
長い羽織りは、身長によっても見え方が変わります。同じ長さのカーディガンでも、背の低い人が着ると裾がふくらはぎまで届き、背の高い人が着ると膝の少し下で止まります。手持ちの羽織りを判定するときは、服の寸法そのものではなく、自分の体のどこで裾が止まるかで見てください。売り場の服を試着するときも同じで、表示の着丈より、鏡の中で裾が膝のどちら側にあるかを確かめることが大切です。
ベルトを使う方法もあります。長いカーディガンの上からウエストの位置で細いベルトを締めると、長さが上下に分かれ、膝下までの長さが気になりにくくなります。ただし厚手の編み地では、ベルトの位置で布がもたついて見えることがあるので、薄手から中くらいの厚さの羽織りに向く方法です。
起毛のスカート・細い首飾り・ニット帽などの小物
起毛した表面のスカートや、首にぴったり沿う細い首飾り、浅くかぶるニット帽は、形そのものより「何と一緒に着るか」で古さが出ます。当時はこれらを同時に身につける組み合わせが多かったため、2つ以上を一度に使うと、その年の写真を見ているような印象になります。
小物を使うときの目安は、当時の服や小物を全身で1点だけにすることです。起毛のスカートを穿くなら、上は今の手持ちの無地のニットにして、首元には何もつけない。細い首飾りをつけるなら、服は全部今の手持ちでそろえる。1点だけなら懐かしさより季節感が前に出ます。
スカートの丈も確かめてください。膝が半分隠れる程度の丈は今も売り場に多く、そのまま穿けます。膝上で止まる丈は、厚手のタイツと筒の長いブーツで脚の面積を減らすと、秋冬の大人の装いになじみます。
どちらとも取れるとき① 肩線だけが今とずれている
測ってみたら、着丈と裾幅は今とほぼ同じなのに、肩線だけが大きく落ちていた。この場合、差は1か所なので残す側ですが、肩線は直しにくいので、組み方で隠すのが基本です。
方法は2つあります。1つは、肩線のそろった羽織りを上から着て、ずれた縫い目を隠すこと。ジャケットやカーディガンを羽織れば、内側のニットの肩線は外から見えません。室内で羽織りを脱ぐ場面が多い日には向きませんが、外を歩く日や、羽織ったまま過ごせる日には十分です。
もう1つは、袖をまくって肘から先を出し、縫い目から手首までの袖の長さを短く見せることです。落ちた肩線が目立つのは、縫い目から手首までの袖が長くたるんでいるときなので、袖を肘の少し下までたぐると、肩の落ち方がゆったりした今の形に近づきます。
どちらを選ぶかは、その服を着て室内で過ごす時間で決めてください。屋内にいる時間が半日を超えるなら袖をまくる方法、外を歩く時間が長い日なら羽織る方法が合います。
どちらとも取れるとき② 寸法は合うが、生地の厚みが今と違う
3か所を測ったら差はゼロなのに、着てみるとなぜか落ち着かない。こういうときは、生地の厚みと張りが今の売り場の服と違っていることが多いです。
同じ形でも、薄くて体に沿う生地と、厚くて形を保つ生地では、見え方がまったく変わります。2016年ごろの服は、とろみのある薄い生地で大きな形を作ったものが多く、今の売り場の同じ形の服は、もう少し厚みのある生地で形を保っているものが目立ちます。
確かめ方は簡単です。服を片手で持って、腕を水平に伸ばしてください。生地がすとんと真下に落ちるなら薄くて柔らかい生地、少し横に張り出したまま止まるなら張りのある生地です。売り場の同じ種類の服でも同じことをして、落ち方を比べます。
厚みが足りない服は、上に張りのある羽織りを重ねると釣り合いが取れます。内側の薄い生地が揺れて見える面積が減れば、形の大きさだけが残り、今の服に近い見え方になります。
どちらとも取れるとき③ 形は今に近いのに、なぜか古く見える
寸法も生地も問題ないのに、鏡を見ると少し前の服に見える。このとき原因になっているのは、色の組み合わせであることがほとんどです。
当時は、くすんだ赤みの茶色や深いカーキ、灰色がかった桃色などを、同じくすんだ色どうしで重ねる組み合わせが多く見られました。同じ服を着ても、当時と同じ色の組み合わせで上下をそろえると、その年の空気がそのまま戻ってきます。
試してほしいのは、当時の服以外の色を、手持ちの白・黒・紺・灰色のどれか1色に替えることです。たとえば灰色がかった桃色のニットに、当時はカーキのパンツを合わせていたなら、それを紺のパンツに替える。色の組み合わせが変わるだけで、同じニットが今年の服に見えます。
それでも古く見えるなら、靴とバッグを確かめてください。手持ちのバッグが古く見えるときの直し方は手持ちのバッグが古く見える|トレンドとずれた1か所を買い替えずに直すで扱っています。服より小物のほうが年代を語ることも少なくありません。
髪型や化粧も、服と同じくらい年代を表します。当時と同じ髪の長さや分け目で、当時の服を着ると、全身が写真のように当時へ戻ってしまいます。服を替えずに印象を変えたいなら、髪をまとめる位置を少し変えるだけでも効果があります。服の判定をするときは、今の髪型で鏡の前に立つことを忘れないでください。
直して着る:お直しで変えられる場所・変えられない場所
差が2か所出た服は、お直しで1か所に減らせるかを考えます。お直しで比較的きれいに変えられるのは、次の3つです。
- ボトムスの丈を短くする
- パンツの裾幅を細くする
- 上の服やスカートの丈を短くする
反対に、肩線を移す、身幅を広げる、丈を長くする、といった直しは、形が崩れやすく費用も上がります。直したあとに思ったほど着なかった、ということにもなりやすいので、こうした直しが必要な服は手放す側に置いたほうが気持ちが楽です。
お直しに出す前に、安全ピンで仮に留めて1日過ごしてみてください。丈を短くしたいなら裾を内側に折ってピンで留め、裾幅を細くしたいなら脇を内側につまんで留めます。1日着て、座ったり歩いたりしても違和感がなければ、そのまま直しに出して大丈夫です。途中で外したくなったら、直しても着ない可能性が高いと考えてください。
お直しにかかる費用と、同じ種類の服を新しく買う費用を比べることも大切です。直しにかかる金額が、今の売り場の同じ種類の服の半分を超えるなら、直すより新しく選んだほうが満足できる場合があります。ただし、生地の質や着心地が気に入っている服は、直してでも残す価値があります。金額だけでなく、その服を着たときの気持ちも判断に入れてください。
手放す前に1回だけ試す組み方
3か所とも差が出た服でも、すぐに手放す必要はありません。思い入れのある服なら、1回だけ試してほしい組み方があります。それは、その服以外をすべて今の手持ちの無地でそろえ、靴とバッグも今年使っているものにすることです。
この組み方で鏡の前に立ち、その服だけが浮いて見えるなら、手放す時期です。服そのものより、全身の中でその1点がなじむかどうかを見てください。思ったよりなじむなら、家の近くへの外出や、部屋着に近い使い方で1シーズン着てから決めても遅くありません。
手放すと決めたら、同じ種類の服を次に買うときの目安にしてください。肩線・着丈・裾幅のどこが今とずれていたかを覚えておけば、次に選ぶ1着は今の比率に合ったものを最初から選べます。衣替えで出した服が似合わないと感じたときの測り方は衣替えで出した服が似合わない|去年の秋服は丈・肩・色の3か所で測るでも詳しく扱っています。
家族や友人に見てもらうのも一つの方法です。自分では当時の記憶が重なって古く見えても、ほかの人の目には今の服として映ることがあります。「どちらが今年らしく見えるか」と、当時の服を入れた組み合わせと、今の服だけの組み合わせを並べて聞いてみると、思いがけない答えが返ってくることもあります。
秋冬に、2016年の服を1枚だけ入れる組み方
最後に、判定で残すと決めた服を秋冬の装いに入れるときの順番をまとめます。
- 当時の服は全身で1枚だけにする
- その服の差が出た線(肩線・着丈・裾幅のどれか)を、ほかの服で隠すか目立たせない
- 色は、当時の服以外を白・黒・紺・灰色・濃い茶のどれかでそろえる
- 靴とバッグは、今年使っているものにする
たとえば着丈の長いカーディガンを残したなら、下は裾との差が10センチ以上離れる丈のボトムスを選び、中には首の詰まった無地のニットを着て、靴は筒の短いブーツにします。カーディガンの長さは当時のままでも、ほかの3か所が今の比率なので、全体は今年の秋の服に見えます。
ガウチョパンツを残したなら、上は腰骨からお尻の一番高いところで止まる短めのニット、足元は裾との隙間を埋める筒の長いブーツにします。幅の広い裾と、短い上の服の対比が、今の売り場にある幅の広いパンツの着方に近づきます。
10年前の服は、全部を今の服に置き換えなくても大丈夫です。3か所の線を測って、ずれた場所だけをほかの服で補えば、思い出のある1枚を今年も着ることができます。
寒くなってから上着を重ねる時期には、上着の丈と当時の服の丈の関係も見てください。上着の裾から当時の服の裾が数センチだけのぞくと、段差が中途半端に見えます。のぞかせるなら10センチ以上、隠すなら完全に隠す、のどちらかにすると、重ね着の線がすっきりします。
職場に着ていくか、休日に着るかでも、当時の服の使い方は変わります。毎日同じ人と顔を合わせる職場では、当時の服を1点入れても周りはそれほど気にしません。むしろ気にしているのは自分のほうで、着ていて落ち着かない気持ちが表情や姿勢に出ることのほうが目立ちます。3か所の判定で残すと決めた服なら、自信を持って着てください。
よくある問い
- Q. 2016年に買った服は、もう古くて着られませんか
- 年数だけでは決まりません。肩線が肩の骨から何センチ落ちているか、着丈がお尻のどこで止まるか、ボトムスの裾幅が何センチあるかの3か所を、今の売り場の同じ種類の服と比べてください。差が1か所だけなら、組み合わせを替えれば今の服として着られることが多いです。
- Q. ガウチョパンツを秋冬に穿いても大丈夫ですか
- 丈と靴の間にどれだけ肌や靴下が見えるかで決めてください。裾とくるぶしの間が5センチ以上空くなら、タイツや厚手の靴下で色をつなぐか、筒の長いブーツで隙間を埋めると秋冬の装いになります。生地が薄く揺れすぎる場合は、春まで休ませる判断もありです。
- Q. お直しに出すか、手放すか迷います
- 直せるのは丈と裾幅、ある程度のウエストまでです。肩線と身幅は直すと形が崩れやすく、費用も上がります。肩線がずれていて、さらに丈か裾幅もずれているなら、直すより手放したほうが気持ちよく次の1着を選べます。
- Q. 流行っていた服を着ると、年齢より若作りに見えないか心配です
- 若く見えすぎるのは、形よりも色と小物の組み合わせが当時のままのときです。当時の服を1点だけにして、ほかを今の手持ちの無地で固めると、懐かしさより落ち着きが前に出ます。
— メグラシ編集部





