パーカーの干し方|布が何枚重なっているかを数えてから掛ける

パーカーが乾かないのは、フードのせいだけではありません。
決めているのは、布が2枚以上重なっている場所がいくつあるかです。平らな面はどう干しても乾きます。乾き終わりの時刻を決めているのは、いちばん遅い場所です。
数えるのは4か所。フード、肩とフードの付け根、ポケットの底、裾と袖のリブ。 ここが2枚以上重なっているかを見て、3か所以上が該当するなら、ハンガー1本で吊るす干し方では最後まで乾きません。
春先や秋口は一日の中で気温が動くので、生乾きのまま羽織ることになりがちです。掛け方を変えるだけで、同じ部屋でも乾く時間が半分近くまで縮みます。
数える1|フード|2枚か、3枚か
フードの縁を、親指と人差し指で挟みます。
- 2枚:表地と裏地だけ。立てれば乾きます
- 3枚以上:間に別の布や芯が入っています。立てたうえで、内側にも風を通す必要があります
フードの厚みは、外から見ただけでは分かりません。縁ではなく、頭の後ろに当たる中央あたりを挟んでください。 縁は縫い代のぶん厚くなっていて、実際より多く感じます。
垂らしたまま干すと、フードの内側が背中と貼り付きます。そこは風がまったく通らない空間になり、他の場所が乾いてから何時間も遅れます。
数える2|肩とフードの付け根
首の後ろ、フードが身頃に縫い付けられているところです。
ここは、身頃・フードの表・フードの裏・縫い代が集まって、ほぼ確実に3枚以上になります。パーカーの中でいちばん厚い場所です。
手のひらで挟んで、指で押してみてください。硬く感じるなら、間に補強のテープが入っています。この場合は4枚以上です。
乾いたかどうかの最終確認は、ここでします。 他がすべて乾いていても、付け根が湿っていれば、たたんだ引き出しの中でにおいが戻ります。
数える3|ポケットの底
前に付いている大きなポケットは、身頃の上に袋状の布が重なっています。
- 底の縫い目のあたり:2枚
- 左右の入り口の補強:3枚になっていることがあります
ポケットの中に空気が入らないと、袋の内側が最後まで湿ったままになります。乾いたはずのパーカーを着て、手を入れたら冷たいという経験は、ここが原因です。
数える4|裾と袖のリブ
伸び縮みする編み地の部分です。
- 折り返して縫われているもの:2枚
- 中にゴムが通っているもの:2枚+ゴム
リブは目が詰まっているので、同じ厚みでも水が抜けにくい場所です。さらに、濡れると重くなり、垂れ下がったまま乾いて伸びます。
4か所を合わせて、掛け方を決める
| 該当した場所の数 | 掛け方 | 乾く時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜2か所 | ハンガー1本+フードを立てる | 4〜5時間 |
| 3か所 | ハンガー2本で肩を分ける | 4〜5時間 |
| 4か所 | 逆さ吊り、または竿またぎ | 5〜6時間 |
| 4か所+内側が起毛 | 竿またぎ+裏返し | 5〜6時間 |
該当した場所の数が多いほど、荷重を分散する必要が上がります。 重なりが多いということは、それだけ水を抱えているということでもあるからです。
掛け方A|ハンガー2本|フードを立てる
いちばん扱いやすい方法です。
ハンガーを2本使い、左右の肩をそれぞれ別のハンガーで支えます。 2本のハンガーの首を交差させて竿に掛けると安定します。
そのうえで、フードを立てます。 立て方は、フードの縁を身頃の襟から引き離して、開いた状態で竿の後ろ側へ倒す。フードの内側が上を向く形です。
- フードの中に、丸めたタオルを軽く入れておくと形が保てます
- 入れたタオルは、1時間後に一度取り替えてください。そのままだと逆に湿気の元になります
肩が2点で支えられるので、1本で吊るしたときのような出っぱりが出ません。
掛け方B|逆さ吊り|裾を上にする
重なりが4か所すべてに該当する、厚いパーカー向けです。
裾のリブをピンチで左右2か所以上留めて、上下をさかさまに吊るします。 こうすると、いちばん厚いフードと肩の付け根が下に来て、内側にたまった湿気が下から抜けます。
- 留めるのは2か所ではなく、4か所に分散させる。1か所に重さが集まるとリブが伸びます
- 袖は下に垂らしたまま。袖口が身頃に触れないよう、少し外へ広げます
- フードは、下向きのまま内側を開いておきます
⚠️ リブが細いもの、すでに伸びているものには使わないでください。 濡れた全体の重さがリブにかかります。
掛け方C|竿またぎ|重さを分散する
いちばん形が残る方法です。乾く時間は少し長くなります。
竿が2本あるなら、身頃を1本、袖をもう1本に掛けて、重さを面で分けます。 1本しかない場合は、身頃を竿にまたがせて、前身頃と後ろ身頃が竿の両側に垂れる形にします。
この方法だと、肩に荷重が集中しません。濡れた重さで肩や襟が伸びるのを、いちばん確実に防げます。
フードは竿の上に広げて置いてください。またがせた身頃の上にフードを平らに開くと、内側にも風が入ります。
どの掛け方でも共通する、干す前の3手
掛ける前の30秒で、乾く時間が1時間変わります。
- ポケットを裏返す、または外へ引き出す。 袋の内側に空気が入る状態にします
- 裾と袖のリブを、指で軽く開く。 折り返しが貼り付いたままだと、そこだけ乾きません
- フードの内側を、手のひらで一度なでて広げる。 洗濯機から出した直後は、内側が丸まって密着しています
そのうえで、肩を持って上下に2回振ってください。 水の重さで縦のシワが落ちます。
裏返すか、そのままか
内側の作りで決まります。
内側が起毛しているものは、裏返したほうが速くなります。起毛した面は水を多く抱えるので、外側に出して風を直接当てると1時間ほど早まります。
内側が平らな織り地のものは、裏返しても差はあまり出ません。その場合は、表のまま干して、色あせを避けるほうを取ってください。
⚠️ 色の濃いものを裏返して日に当てないでください。 外側になった内面が先に色あせて、着たときに前立ての裏との差が見えます。裏返すのは日陰か室内のときです。
乾いたのに、フードの中だけ湿っているとき
いちばん多い状態です。確かめ方があります。
フードの内側の布を指で挟んで、頬に当ててください。 ひんやりするなら、まだ水が残っています。頬は手のひらより温度の差に敏感です。
残っていた場合の手当ては2つです。
- フードだけを立て直して、あと1時間。全体を干し直す必要はありません
- フードの内側に、乾いたタオルを軽く挟んで20分置く。水が移ります
⚠️ この状態でたたんで引き出しに入れないでください。 引き出しの中は風が通らないので、濡れた時間の合計がそこから積み上がります。次に出したときのにおいの多くは、ここから始まっています。
肩の出っぱりを出さない
ハンガー1本で吊るしたときに、肩先が角のように出る現象です。
原因は、濡れた重さが肩の一点に集まったまま乾いたことです。乾く途中で形が固定されるので、着ただけでは戻りません。
防ぐ方法は2つ。肩幅より広く、厚みのあるハンガーを使って荷重を面で受ける。 または、ハンガーを2本使って左右を別々に支える。 細いハンガーは、点で支えることになるので避けてください。
すでに出てしまったものは、その部分だけを霧吹きで湿らせ、平らな面に置いて手のひらで押さえてから乾かすと戻ります。乾いた状態で押しても、形は動きません。
紐とフードの型崩れ
紐は、通し穴のまわりで布と密着しています。そこだけ最後まで乾きません。
外せるなら外してください。 外した紐は別に干して、乾いてから通し直します。
外さない場合は、両端の長さを揃えて、フードの外側へ出しておく。 片側だけ垂れると、その重さでフードの縁が引かれて、左右が非対称に乾きます。
乾いたあとに紐が短くなっていたら、綿の紐が水を吸って縮んだ状態です。両端を持って軽く引き伸ばすと戻ります。
どちらとも取れるとき
該当する場所が3か所で、掛け方AとBのどちらにするか迷うことがあります。
まず、次に着る日を見ます。 明日着るなら、乾く速さを優先して逆さ吊り。週末まで着ないなら、形が残る掛け方でいい。
次に、リブの状態を見ます。 裾のリブを指で広げて、離したときに1秒で戻らないなら、そのリブは伸びかけています。逆さ吊りは選ばないでください。
最後に、迷ったら竿またぎへ倒します。 乾く時間は1時間ほど延びますが、荷重が分散されるので、どの部分も伸びません。時間は取り戻せますが、伸びた肩やリブは戻りません。
まとめ|数えてから、掛ける
- 乾き終わりを決めているのは、布が2枚以上重なっている場所の数
- 数えるのは、フード・肩の付け根・ポケットの底・裾と袖のリブの4か所
- フードは立てる。垂らしたままだと背中と貼り付いて風が通らない
- 3か所以上が該当したら、ハンガー1本では足りない
- 干す前の3手は、ポケットを裏返す・リブを開く・フードの内側を広げる
- 内側が起毛しているものだけ、裏返す価値がある
- 乾いたかどうかの確認は、フードの内側と肩の付け根を頬に当てる
フードを立てるだけでは足りません。残りの3か所を開いて初めて、時間が縮みます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. パーカーはフードのせいで乾かないのですか
- フードだけが理由ではありません。乾き終わりを決めているのは、布が2枚以上重なっている場所がいくつあるかです。パーカーの場合、フードで2〜3枚、肩の付け根で2枚、ポケットの底で2枚、裾のリブで2枚。合計すると4か所になり、どれも平らな面より2時間ほど遅れます。フードを立てただけで解決しないのは、残りの3か所が手つかずだからです。数えてから、遅い場所を順に開いてください。
- Q. ハンガー1本で干すと肩が出っぱります。防げますか
- 濡れた重さが肩の一点に集まっているのが原因です。防ぐ方法は二つ。一つは、肩幅より広く厚みのあるハンガーを使って、荷重を面で受けること。もう一つは、ハンガーを2本使って、左右の肩を別々に支えることです。すでに出てしまった出っぱりは、その部分だけを霧吹きで湿らせ、平らな面に置いて手のひらで押さえてから乾かすと戻ります。乾いた状態で押しても形は動きません。
- Q. 裏返して干したほうが速いですか
- 内側が起毛しているものは速くなります。起毛した面は水を多く抱えるので、外側に出すと風が直接当たって乾きが1時間ほど早まります。ただし、色の濃いものを裏返して日に当てると、外側になった内面が先に色あせて、着たときに前立ての裏との差が見えることがあります。裏返すのは日陰か室内のときにしてください。外側が平らな織り地のものは、裏返しても差はあまり出ません。
- Q. 紐は外したほうがいいですか
- 外せるなら外したほうが結果はよくなります。紐は通し穴のまわりで布と密着していて、そこだけ最後まで乾きません。また、濡れた紐が片側に垂れると、その重さでフードの縁が引かれて左右が非対称に乾きます。外さない場合は、両端の長さを揃えて、フードの内側ではなく外側へ出しておいてください。乾いたあとに紐が縮んで通し穴に引き込まれるのを防げます。
- Q. 部屋干しで、パーカーは何時間くらいかかりますか
- 掛け方で倍近く変わります。ハンガー1本でフードを垂らしたまま干すと、フードの内側が乾き終わるまでに8時間を超えることがあります。フードを立て、ポケットを裏返し、裾のリブを開いた状態にすると、同じ部屋で4〜5時間まで縮みます。判断の基準は、完全に乾いたと思った時点でフードの内側と肩の付け根を頬に当てること。ひんやりするなら、まだ水が残っています。
— メグラシ編集部





