ブルベ冬の水色|手持ちの1枚が浮くか沈むかの境目

クローゼットに水色が1枚あるはずです。シャツでも、薄手のニットでも、ストールでも構いません。それを取り出して、鏡の前で、あごの下に当てるところから始めます。
ブルベ冬と水色の関係は、似合う/似合わないでは割り切れません。水色という呼び名が指す範囲が広すぎるからです。氷のように白へ寄ったものも、灰みを含んだやわらかいものも、絵の具のようにはっきり青いものも、日本語ではぜんぶ水色と呼ばれます。この三つは、同じ顔の下でまったく違うことを起こします。
だから色の一覧は作りません。手持ちのその1枚が、あなたの顔の下でどちら側に転ぶか。測る手順と、転んだあとの戻し方を置きます。
手持ちの1枚を、まず顔の下に当てる
条件を先に揃えます。毎回同じにするのが目的なので、細かく感じても最初の一度だけ揃えてください。
- 髪を後ろでまとめます。顔の横に髪がかかっていると、そこが影になって判定が濁ります
- インナーの襟が見えているときは、タオルなどで隠します。顔の下に別の色が入っていると二重の判定になります
- 布は四つ折りにして、あごの下から鎖骨のあたりまでを覆います。全身に広げないでください
- 昼の窓辺に立ちます。直射日光ではなく、明るい日陰くらいの光が向いています
- 鏡から50cmほど離れて、3秒見て、いったん目を離す。これを2周します
見続けると目が色に慣れて、差が消えます。1枚につき3秒、というのはここだけの都合ではなく、色を比べるときの基本です。2周してもまだ迷うなら、それは後半で扱う「境目の1枚」です。
もう一点。この判定は、その日の肌の状態で少し動きます。一度で決めきらず、日を変えてもう一度見るほうが確かです。1回目と2回目で違う結果が出るなら、それも情報のひとつになります。
見るのは水色ではなく、あごの下と目のふち
布を当てたとき、つい布そのものを見てしまいます。ですが判定に使えるのは布ではなく、顔の側に起きた変化です。見る場所を四つに絞ります。
| 見る場所 | 噛み合っているときの見え方 | 外れているときの見え方 |
|---|---|---|
| あごの下 | 影が浅くなり、あごの線がすっきり出る | 影が一段濃くなり、首との境目がぼやける |
| 目のふち | まつげの生え際が濃く残り、目の形がはっきりする | 生え際がぼけて、目の輪郭が布に溶ける |
| 口角の外側 | 線が増えず、口元が上がって見える | 線が1本増えて、口角が下に引かれて見える |
| 頬 | 何もつけていないのに赤みが戻る | 頬の下に影が落ち、顔の面が平らに見える |
四つのうち三つ以上が「噛み合っている」側に振れたら、その1枚はそのまま顔の下で使えます。二つだけなら境目です。一つ以下でも手放す必要はなく、顔から離した場所で使えば十分に働きます。
順番は、あごの下から見てください。ここがいちばん早く動きます。目のふちは二番目、口角と頬はその確認です。
「浮く」と「沈む」は別のこと
うまくいかないときの言い方として、浮くと沈むが混ざって使われています。ですがこの二つは、起きていることも直し方も違います。分けておくと、次の一手が決まります。
| どちらか | 何が見えているか | 何が起きているか |
|---|---|---|
| 浮く | 水色だけが先に目に入り、顔が一段うしろに引く。目のふちと眉がぼやける | 布の明るさに対して、顔の側の濃淡が足りていない |
| 沈む | あごの下と頬の下に影が増え、顔の面が平らに見える | 布に灰みが返っていて、明るさが中間で止まっている |
見分けの1点は、どちらが先に目に入るかです。水色が先に目に入って、そのあと顔を探しにいくなら浮いている側。顔を見ているのに、あごの下の影ばかり気になるなら沈んでいる側です。
この区別が要るのは、片方は足して直せて、もう片方は足して直せないからです。次の節でその理由に入ります。
分かれ目は3つ|澄み・明るさ・緑み
同じ水色でも、三つの軸のどこにいるかで顔の下での挙動が変わります。色名を覚える必要はありません。見て分かる形にします。
| 軸 | ブルベ冬の顔の下で収まりやすい側 | 影が出やすい側 |
|---|---|---|
| 澄み | 濁りが少なく、青いと分かる | 灰が混ざって、青か白か決めにくい |
| 明るさ | 白のすぐ隣か、いっそ濃い青 | 中間で止まっている |
| 緑み | 青のまま | 緑が混ざってターコイズ寄り |
ブルベ冬の顔まわりは、明るさの差がはっきりしている状態と噛み合いやすいとされます。中間で止まっている色は、その差を作れません。灰みのある中明度の水色が沈みやすいのは、この一点に尽きます。
緑みについても一言だけ。青に緑が混ざると、そこに黄みが入ります。ターコイズやミントに寄った水色は、澄んでいても別の軸で外れることがあるので、まず「青のままか」を見てください。
白い紙を1枚足すと、濁りが測れる
澄んでいるか濁っているかは、単独で見ても分かりません。基準が要ります。いちばん手近な基準は、家にある白いコピー用紙です。
やり方は簡単です。布の上に紙を半分だけ重ねて、境目を見ます。
- 境目がくっきり出て、水色の側が「青い」と分かる → 澄んだ側です
- 境目がぼやけて、水色が「灰色っぽい白」に見える → 濁った側です
紙を離したり近づけたりせず、置いたまま3秒見てください。ここでも見続けないことが大事です。
この方法の良いところは、色の名前を知らなくても結論が出ることです。売り場のタグに何と書いてあっても、あなたの目の前で境目がぼやけるなら、その1枚は濁った側にいます。タグの色名より、境目のほうが正確です。
紙がないときは、白いシャツや白い封筒でも代わりになります。ただし生成りやアイボリーは黄みがあるので基準になりません。真っ白なものを使ってください。
窓際と蛍光灯で、同じ1枚が変わる
「店では良かったのに、家だと違う」。この現象は色が変わったのではなく、光が変わっただけです。水色は特にこれが起きやすい色です。
| 光の種類 | 水色の見え方 | 判定に向くか |
|---|---|---|
| 昼の窓辺(直射でない明るさ) | 灰みがそのまま出る。青みの澄み度も分かる | 向いています |
| 白っぽい天井照明 | 灰みが隠れ、実際より澄んで明るく見える | 良く見えすぎます |
| 暖色の照明 | 黄みがかぶり、緑寄りに沈んで見える | 悪く見えすぎます |
売り場の照明は白っぽく明るいことが多く、そこでは灰みの水色も澄んで見えます。判定は必ず昼の窓辺でやり直してください。試着室を出て、外の光が入る場所まで数歩歩くだけでも結果は変わります。
夕方以降しか時間が取れない日は、判定を翌日に回すほうが早いです。暖色の照明の下では、本来なら収まる1枚まで沈んで見えるので、手放す判断をここでしないでください。
面積で決まる部分|あごの下から何センチか
顔映りを決めているのは、服の全体ではありません。あごの下から鎖骨のあたりまで、おおよそ10〜15cmの帯です。ここに何色があるかで、顔の側の見え方はほぼ決まります。
だから判定は四つ折りの布でやります。全身に広げると、シルエットや丈の印象が混ざって、色だけの話ではなくなるからです。
この帯の考え方は、そのまま対処にも使えます。水色が境目の1枚だったとき、帯の中に占める割合を減らせば収まります。具体的には、次のような手が取れます。
- 前を開けて着て、帯の中央に別の色を通す
- 細いスカーフを首に沿わせ、帯の上半分を別の色にする
- ネックラインの深いものを選び、帯の下半分を肌にする
面積を減らすとき、中途半端に減らすと逆に散らかります。帯の中で、水色が半分以下になるところまで動かしてください。
迷ったときは、明るい側に倒す
2枚の水色で迷ったとき、ブルベ冬の場合は白に近い澄んだほうを取ってください。理由は好みではなく、直せるかどうかにあります。
明るすぎて浮いたときは、顔の下に濃い色を1本挟めば戻ります。濃紺、黒、チャコール。ブルベ冬にとって扱いやすいとされる色がそのまま材料になるので、手元にある可能性が高いのです。
一方、灰みで沈んだ場合は足し算では抜けません。灰は、上から何を重ねても灰のままです。できるのは顔から離すことだけで、その1枚を顔の下で使う選択肢は残りません。
つまり、片方は戻せて、片方は戻せない。迷ったときは戻せる側に倒しておくほうが、あとの損が小さくなります。判断に自信が持てないときほど、この原則が効きます。
浮いたとき・沈んだときの戻し方
判定の結果ごとに、今日できることを並べます。買い足しは前提にしていません。
| 起きたこと | 直前に何が起きているか | 今日やること |
|---|---|---|
| 水色だけが先に目に入る | 顔の下の濃淡が足りない | 濃紺か黒を1本、顔の下に通す |
| 目のふちがぼけた | 布の明るさが目のふちの濃さを上回った | 目のふちを一段濃くする。前髪を薄く下ろすのも効きます |
| あごの下の影が濃くなった | 灰みが返っている | 顔の下から外す。ボトムスかバッグに回す |
| 顔の面が平らに見える | 明るさが中間で止まっている | 白を1枚挟むか、面積を帯の半分以下まで狭める |
上二つが浮いたとき、下二つが沈んだときです。浮いた側は当日中に直せます。沈んだ側は、その日の顔の下では直せないと割り切って、置き場所を変えるほうが早く片づきます。
濃い色を1本通すとき、幅は思っているより細くて構いません。襟が見えるだけ、スカーフの端が見えるだけでも、あごの下の反射面は変わります。
同じ水色でも、素材で結果が変わる
色見本が同じでも、布の表面が違えば返ってくる光が変わります。判定のときはここも見てください。
平織りのシャツ地は、色をそのまま返します。判定にいちばん向いている素材なので、手持ちに水色のシャツがあるなら、それを基準の1枚にしてください。
起毛したニットや、毛足のある素材は、光を散らします。散った光は白っぽく見えるので、同じ色でも灰みが増えたように見え、沈む側へ寄ります。水色のニットで判定して駄目だったからといって、水色そのものが駄目とは限りません。
光沢のあるサテンやシルクは反対に、澄んで見えます。浮く側へ寄るということなので、顔の下に濃い色を通す前提で考えると収まりやすくなります。
デニムやシャンブレーの水色は、色落ちの度合いがそのまま灰みの量になります。全体が均一に褪せたものは中間の明るさに落ちやすく、濃い部分と明るい部分の差が残っているもののほうが顔の下では扱いやすい傾向です。
顔から離せば条件はゆるむ
顔の下で難しかった1枚でも、離せば使えます。ボトムス、バッグ、靴。この三つに回した水色は、顔映りにほとんど関与しません。
ただし一点だけ気をつけることがあります。上を明るくして下も明るくすると、顔の下に濃い色がない状態になります。この状態はブルベ冬にとって、全身がぼんやりまとまりやすい配置です。靴かバッグのどこかに濃い色を一点残してください。
小物なら安全、というわけでもありません。首に近いストールやピアスの石は、顔の下の帯に入ります。判定の手順を布と同じように通してください。反対に、耳から離れたイヤリングや、髪をまとめたときのヘアアクセサリーは、帯の外にあります。
メイクの側で受けるとき
服の色を変えられない日もあります。制服、指定のユニフォーム、誰かに借りた1枚。そういうときは顔の側で受けます。
いちばん効くのはリップです。青みのローズやワインのように、はっきりした色みを置くと、顔の側の濃淡が戻ります。リップは面積が小さいのに、顔の中で最も濃い点になれるので、費用対効果が高い場所です。
次が目のふちです。まつげの生え際を一段濃くすると、布に溶けていた目の輪郭が戻ってきます。全体を濃くする必要はなく、生え際の線だけで足ります。
チークは面積を狭くしてください。広く入れると、あごの下の影と頬の色が競合して、顔の面が散らかります。詳しい選び分けはブルベ冬のリップにまとめてあります。
ブルベ夏の水色と、同じ言葉で別の色を指している
「ブルーベースに水色」と書かれた情報を読んでうまくいかなかった経験があるなら、原因はここにあることが多いです。
灰みを帯びたやわらかい水色は、ブルベ夏の得意な帯です。やわらかい濁りが噛み合う側なので、そこでは正解になります。ところが同じ1枚をブルベ冬の顔の下に置くと、あごの下に影が出ます。得意な濁りの量が、夏と冬では反転しているからです。
ブルベ冬側で収まりやすいのは、白のすぐ隣にある澄んだ淡さか、青いとはっきり分かる強さのほうです。同じ「水色」という呼び名で、指しているものが違います。
どちらのシーズンなのか自分でも決めきれていない場合は、ブルベ夏とイエベ秋の見分け方やパーソナルカラーのセルフチェックを先に通ってから、この記事の判定に戻ると噛み合います。
判定してもすっきりしないとき
手順どおりにやっても白黒がつかない、という声がいちばん多く届きます。出方ごとに処理を分けます。
四か所のうち二つだけ良いなら、それは境目の1枚です。手放す段階ではありません。面積を帯の半分以下まで狭めて、顔の下に濃い色を1本通してから、もう一度見てください。
どれを当てても同じに見えるときは、目が慣れています。3秒で目を離して2周する手順に戻ってください。それでも変わらないなら、いったん判定をやめて、翌日の同じ時間帯にやり直すほうが早いです。
日によって結果が違うのは、おかしなことではありません。肌の状態でも、その日のメイクの濃さでも見え方は動きます。2日以上ずれた日に見て、両方で同じ側に振れたものを結論にしてください。
どれにも当てはまらないときは、決めきらないまま使って構いません。色は面積と置き場所で調整が効くので、可否を決めなくても運用できます。似合わない側に振れた色との付き合い方はブルベ冬に似合わない色で扱っています。
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よくある問い
- Q. ブルベ冬に水色は似合いますか?
- 水色の種類によって分かれます。白に近い澄んだ淡い水色と、はっきり青いと分かる水色は、ブルベ冬の顔まわりで扱いやすい側です。反対に、灰みを含んで明るさが中間で止まっている水色は、あごの下に影が出やすくなります。同じ「水色」という呼び名でこの三つが混ざっているので、色名だけでは決まりません。手持ちの1枚を顔の下に当てて確かめるのが早道です。
- Q. 手持ちの水色が合うかどうか、どこを見れば分かりますか?
- 布ではなく顔を見ます。見るのは、あごの下の影、目のふちの濃さ、口角の外側の線、頬の血色の四か所です。あごの下の影が濃くなったら沈む側、目のふちが先にぼけたら浮く側です。四か所のうち三つ以上が良いほうへ振れたら、その1枚はそのまま使えます。二つだけなら境目なので、面積を狭めて使うと収まります。
- Q. 店で良く見えたのに、家で着ると違って見えます。
- 色ではなく光が変わっています。白っぽい天井照明の下では水色の灰みが隠れて、実際より澄んで明るく見えます。反対に暖色の照明の下では黄みがかぶり、緑寄りに沈んで見えます。判定は昼の窓辺、直射日光の当たらない明るさの中で行ってください。同じ1枚が別の色に見えるのは、あなたの目のせいではありません。
- Q. 「浮く」と「沈む」はどう違いますか?
- 浮くのは布のほうが前に出て、顔が一段うしろに引く状態です。水色だけが先に目に入り、目のふちや眉の輪郭がぼやけます。沈むのは顔の側が引っぱられる状態で、頬の下とあごの下に影が増え、顔の面が平らに見えます。原因も対処も別なので、まずどちらなのかを分けてください。
- Q. 迷ったとき、どちらの水色を選べばいいですか?
- 白に近い澄んだほうに倒してください。明るすぎて浮いたときは、顔の下に濃い色を一本挟めば戻せます。ブルベ冬にとって濃紺や黒は扱いやすい色なので、直すための材料が手元にあることが多いのです。反対に、灰みで沈んだ場合は足し算では抜けません。戻せる側に倒しておくほうが、失敗が軽くなります。
- Q. 水色のデニムやシャンブレーはどう考えればいいですか?
- 色落ちの度合いがそのまま灰みの量になります。全体が均一に白っぽく褪せたものは中間の明るさに落ちやすく、あごの下に影が出やすい側です。濃い部分が残っていて、明るいところと暗いところの差がはっきりしているものを選ぶと、顔の下でも収まります。判定の手順は布の水色と同じで構いません。
- Q. 顔まわりが難しいとき、水色はあきらめるしかないですか?
- あきらめる必要はありません。ボトムス、バッグ、靴に回せば条件はかなりゆるみます。ただし上も下も明るくすると顔の下に濃い色がない状態になるので、靴かバッグのどこかに一点だけ濃い色を残してください。顔から遠い場所で使う分には、色の幅はぐっと広がります。
- Q. ブルベ夏に似合う水色と同じものではないのですか?
- 別のものを指していることが多いです。灰みを帯びたやわらかい水色はブルベ夏の得意な帯で、ブルベ冬があごの下に影を作りやすいのはまさにここです。ブルベ冬側で扱いやすいのは、白に近い澄んだ淡さか、はっきり青いと分かる強さのほうです。「ブルーベース向け」とまとめて紹介される水色は、夏を前提にしている場合があります。
— メグラシ編集部





