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浴衣の紐の結び方|腰紐は蝶結びにせず、紐の滑りで絡げる回数を決める

メグラシ編集部//読了 12分
藍色の浴衣の腰の前で、白い綿の腰紐を2回絡げ、残った端を体に巻いた紐の下へ挟み込もうとしている両手の近接

**いま手元にある腰紐を1本、手に取ってみてください。**指でつまんで軽く引いたとき、するっと滑りますか。それとも、ざらりと指に引っかかりますか。

浴衣の紐の結び方は、蝶結びにせず、前で絡げて、端を巻いた紐に挟むのが基本です。結び目が平たくなり、上に伊達締めと帯を重ねてもごろつかず、引っ張られてもほどけにくくなります。そのうえで、絡げる回数を紐の滑りで決めます。交差させて指を離し、3秒で緩むなら2回、緩まないなら1回。前で絡げるときに端が片側30cm残らないなら、絡げずに片わな結びにしてください。

伊達締めは、結びません。後ろで交差して折り返し、前で絡げて、端を挟み込みます。

この記事では、腰紐の結び方から始めて、紐の素材と長さで変えるところ、伊達締めの結び方、秋に着物へ回すときに増える紐の扱い、どちらとも取れるときの直し方の順に書いていきます。腰紐をどの高さで締めるかは自分で着るときに決まる腰紐の高さに、帯の結び方は旅館の浴衣の帯の結び方と半幅帯の結び方に分けてあります。

結論:腰紐は「絡げて挟む」、伊達締めは「交差して挟む」

紐の種類と素材によって、結び方と絡げる回数が変わります。手元の紐に近い行を見てください。

紐の種類と素材結び方前で絡げる回数
腰紐・ウールの平織り絡げて挟む1回
腰紐・綿絡げて挟む2回
腰紐・化学繊維や絹の、表面がなめらかなもの絡げて挟む2回。挟む前にもう1回ねじる
端が片側30cm残らない腰紐片わな結び絡げない
伊達締め後ろで交差して折り返し、前で絡げて挟む2回

表の素材は、あくまで目安です。同じ綿でも、織り方や使い込み方で滑り方が変わります。最後に決めるのは、手元の紐を自分で試した結果です。試し方は、このあとの境目①で書きます。

蝶結びにしない理由|結び目の厚みと、ほどけやすさ

腰紐を蝶結びにする人は少なくありません。靴ひもと同じ結び方なので、手が慣れているからです。結べないわけではありませんが、浴衣の下では、2つの困りごとが出てきます。

1つめは、結び目の厚みです。蝶結びは、結び目に輪が2つでき、紐が何重にも重なります。腰紐の上には、伊達締めを巻き、その上に帯を巻きます。結び目の厚みは帯を通しても残り、お腹に当たって苦しく感じたり、帯の表に小さな凹凸が出たりします。

2つめは、ほどけやすさです。蝶結びは、輪の端を引けばほどける結び方です。歩いたり座ったりするうちに、体の動きで紐が引っ張られ、少しずつ緩んでいきます。腰紐が緩むと、おはしょりが下がり、裾の長さが変わってきます。

絡げて挟む結び方は、紐同士をねじり合わせて、その摩擦で止めます。結び目は平たく、輪がないので、引っ張られてもほどけにくくなります。結び目を作るのではなく、ねじりと挟み込みで止める、と考えると分かりやすいかもしれません。

片わな結びも、輪が1つある分だけ、絡げて挟む方法よりは結び目が厚くなります。それでも、輪が2つできる蝶結びに比べれば、帯の下での厚みはずっと小さくなります。端が足りない日だけ片わな結びにして、ふだんは絡げて挟む、という使い分けで十分です。

手順|腰紐を絡げて挟む

腰紐を絡げて挟む手順を、順番に書きます。慣れれば30秒ほどで終わります。

  1. 腰紐の真ん中を、体の前、締めたい高さに当てる
  2. 両端を後ろへ回し、後ろで交差させる。交差したら、紐を少し下向きに引きながら締める
  3. 両端を前へ持ってくる。前の中心から、こぶし半分ほど左か右へずらした位置で、片方の紐をもう片方に巻きつけるようにして絡げる
  4. 紐の滑りに合わせて、1回か2回絡げる
  5. 絡げた端を、左右それぞれ、体に巻いた紐の内側に上から挟み込む。残った長さは、巻いた紐に沿わせて横へ入れ込む

いちばん締めるのは、2の後ろで交差したときです。前で絡げるときに強く締めようとすると、結び目のあたりだけが食い込み、苦しく感じやすくなります。後ろで締めて、前ではその締まりを止めるだけ、という分担にしてください。

3で結び目を中心からずらすのは、帯の結び目や伊達締めの重なりと、結び目が同じ場所に集まらないようにするためです。前の中心は、あとから伊達締めや帯の重なりが来る場所です。左右どちらにずらしても構いませんが、毎回同じ側にしておくと、手が覚えやすくなります。

境目①|紐の滑りは、指を離して3秒で測る

絡げる回数は、手元の紐の滑りで決まります。家で一度、試してください。

腰紐を体に回して、前で1回だけ絡げます。端は挟まずに、両手を離します。そのまま3秒数えてください。**3秒で絡げたところが緩んで、紐がゆるむなら、2回絡げる必要があります。**緩まずにそのまま止まっているなら、1回で足ります。

ウールの平織りの紐は、表面の細かな毛羽が互いに引っかかるので、1回で止まることが多くなります。綿の紐は、新しいうちは止まりやすく、何度も洗って表面がなめらかになると、滑りやすくなっていきます。化学繊維や絹の、表面に光沢のある紐は、2回絡げてもまだ緩むことがあります。その場合は、挟み込む前に、端をもう1回ねじってから挟んでください。

同じ紐でも、浴衣の生地の上で締めるのか、肌着の上で締めるのかで、滑り方は変わります。試すときは、当日と同じように、肌着と浴衣を着た上で試してください。

境目②|端が片側30cm残るか

絡げて挟むには、前に持ってきたときに、端がある程度残っている必要があります。目安は、片側30cmです。

腰紐を後ろで交差させて前へ持ってきたら、左右の端の長さを見てください。片側30cm以上残っていれば、2回絡げて挟むまで、余裕をもってできます。30cm残らない場合は、絡げているうちに端が足りなくなり、挟み込む分が残りません。

この場合は、絡げずに片わな結びにしてください。片わな結びは、片方だけを輪にして結ぶ方法です。輪が1つなので、蝶結びよりは結び目が小さくなります。輪の端を引けばほどけるので、輪の先を、体に巻いた紐の内側に入れ込んでおくと、歩いているうちにほどける心配が減ります。

端が足りなくなるのは、紐の長さに対して、胴回りが大きい場合だけではありません。補整のためにタオルを巻いた日も、そのぶん紐が回る距離が長くなります。ふだんは足りていた紐が、補整を入れた日に急に短く感じるのは、このためです。長めの腰紐を1本持っておくと、どちらの日にも使えます。

境目③|締める強さは、後ろで交差したときに決める

締める強さは、人によって好みが分かれます。ただ、苦しさの多くは、紐の強さそのものより、締める場所と締め方から来ています。

締めるのは、後ろで交差したときです。両端を持って、少し下向きに引きながら締めると、紐が腰骨の上に沿って、上へずり上がりにくくなります。前で絡げるときには、もう強く引かないでください。前で締めた力は、結び目のあたりに集中して食い込みます。

締め終わったら、紐と体の間に、指を1本差し込んでみてください。指が1本すっと入り、2本目が入らないくらいが、苦しくなく、緩みにくい目安です。指が入らないほど締まっていると、食事をしたり座ったりしたときに苦しくなります。2本以上楽に入るなら、歩いているうちに緩んできます。

締める前に、大きく息を吸い込んだり、お腹を引っ込めたりしないでください。力を入れた状態で締めると、ふだんの呼吸に戻ったときに紐がきつく感じます。ふつうに立って、肩の力を抜き、自然に息をしている状態で締めるのが、長く着ていても苦しくなりにくい締め方です。締めたあとに一度、軽く前かがみになって、紐が食い込まないかも確かめておいてください。

伊達締めの結び方|結ばずに、交差して挟む

伊達締めは、腰紐より幅の広い帯状のものです。おはしょりや衿合わせを押さえ、その上に巻く帯の土台になります。伊達締めは、結ばずに留めます。

  1. 伊達締めの真ん中を、体の前、胸の下に当てる
  2. 両端を後ろへ回し、後ろで交差させる。上になったほうを下へ折り返して、左右に引いて締める
  3. 両端を前へ持ってきて、2回ほど絡げる
  4. 残った端を、体に巻いた伊達締めの内側に、左右それぞれ挟み込む

2で折り返すのは、後ろの重なりを平らにするためです。そのまま交差しただけだと、後ろで伊達締めが斜めに重なり、帯を巻いたときにそこだけ厚くなります。折り返すと、幅がそろって平らに収まります。

伊達締めにも、素材で滑りやすさの違いがあります。表面に張りのある織りのものは止まりやすく、なめらかなものは緩みやすくなります。腰紐と同じように、前で絡げたあと指を離して3秒待ち、緩むなら絡げる回数を増やしてください。

伊達締めを締める強さは、腰紐より少しゆるめで構いません。伊達締めの役目は、腰紐のように布を止めることより、おはしょりや衿合わせを平らに押さえて、帯を巻く土台を整えることです。幅が広い分、強く締めると胸の下全体が押さえつけられ、食事のときに苦しくなります。締め終わったら、伊達締めの上から手のひらを当てて、しわが寄っていないか、上の端が胸に食い込んでいないかを確かめてください。

胸紐|浴衣で使うなら、衿を押さえる1本

浴衣は、腰紐と伊達締めだけで着ることもできますが、衿合わせが崩れやすい人は、伊達締めの前に、胸の下にもう1本紐を締めます。これを胸紐と呼びます。

胸紐の結び方は、腰紐と同じで構いません。後ろで交差して締め、前で絡げて挟みます。胸のすぐ下は、呼吸や食事で大きさが変わる場所なので、腰紐より少しゆるめに締めてください。指が2本入るくらいでも、上から伊達締めで押さえるので、崩れることはあまりありません。

胸紐を締める日は、その上に伊達締めが重なるので、2本の結び目がぴったり重ならないよう、胸紐の結び目を腰紐とは反対側にずらしておくと、表に出る凹凸が減ります。

胸紐を締める高さは、胸のふくらみのすぐ下、みぞおちより少し上が目安です。高すぎると胸を押さえつけて苦しく、低すぎると衿を押さえる役目を果たしません。胸の下に紐が来ているかは、締めたあとに、紐の上に手のひらを当てて、胸のふくらみに当たっていないかで確かめられます。

素材ごとの違い|伸びる紐と、伸びない紐

腰紐には、大きく分けて、伸びない紐と、伸びる紐があります。

伸びない紐は、ウール、綿、化学繊維、絹などの平らな紐です。締めた強さがそのまま保たれるので、おはしょりや裾の長さが崩れにくく、長く着る日に向いています。そのかわり、締めすぎると苦しさも保たれたままになります。

伸びる紐は、ゴムが入っていたり、伸縮する編み地でできていたりする紐です。体の動きに合わせて伸び縮みするので、苦しくなりにくいのが良いところです。ただし、引っ張られると伸びてしまうので、伸びない紐より、おはしょりが下がりやすくなります。結び方は、伸びない紐と同じく、絡げて挟む方法で構いません。

どちらを選ぶかは、着ている時間と、苦しさへの感じ方で決めてください。このあと「どちらとも取れるとき③」で、決め方を書きます。

秋に着物へ回すとき|紐の数が増える

浴衣だけを着るなら、腰紐1〜2本と伊達締め1本で足ります。秋に、浴衣に衿を付けて着物風に着る日や、袷の着物を着る日は、下に着るものが増えるので、紐の数も増えます。

長襦袢を下に着る場合、長襦袢に紐を1本と伊達締めを1本、その上の着物に腰紐と胸紐を1本ずつ、伊達締めを1本、というのが一つの目安です。合わせると、紐が3本と伊達締めが2本になります。

紐が増えたときに気をつけるのは、結び目を同じ場所に重ねないことです。長襦袢の紐と、着物の腰紐、胸紐の結び目が、すべて体の同じ側の同じ高さに来ると、その場所だけが厚くなり、帯の上からでも凹凸が出ます。1本ごとに、結び目をこぶし半分ほどずつ左右にずらしてください。たとえば長襦袢の紐は右寄り、着物の腰紐は左寄り、胸紐は右寄り、と交互にすると、重なりが分散されます。

紐が増えると、1本ずつの締め具合が、合わせて体にかかります。浴衣のときと同じ強さで3本締めると、苦しく感じることがあります。下に着るものの紐は、指が2本入るくらいの、少しゆるめの締め具合にしてください。秋の浴衣の着方全体は、秋も浴衣を着るなら、生地の透けを見て衿と足袋を足す着付けにまとめています。

どちらとも取れるとき①|苦しいのか、緩いのか分からない

着たばかりのときは、苦しいのか、ちょうどいいのか、分からないことがあります。この場合は、30分待ってから判断してください。

着たあと、30分ほどふつうに過ごしてから、もう一度、紐と体の間に指を差し込んでみます。指が2本以上入るようになっていたら、紐が緩んできています。次に着るときは、後ろで交差したときの締めを少し強くするか、絡げる回数を1回増やしてください。逆に、30分たっても苦しさが消えないなら、締めが強すぎます。前で絡げる力を弱めるか、後ろで締める強さを少しゆるめてください。

外出中に苦しくなったら、無理をしないでください。お手洗いなどで、帯の下に手を入れて、腰紐の結び目のあたりを少しだけゆるめると、楽になることがあります。

どちらとも取れるとき②|紐が短い、または補整を入れた

補整のタオルを巻いた日や、手持ちの紐がやや短い場合は、絡げて挟むか、片わな結びにするかで迷います。この場合は、境目②の30cmで分けてください。

片側30cm以上残るなら、絡げて挟みます。30cm残らないなら、片わな結びにして、輪の先を体に巻いた紐の内側に入れ込みます。無理に絡げようとして、端を引っ張りながら挟むと、挟んだところがすぐに抜けてきます。

紐の長さが足りない日が多いなら、長めの腰紐を1本用意しておくのがいちばん確実です。

どちらとも取れるとき③|伸びる紐か、伸びない紐か

伸びる紐と伸びない紐のどちらにするか迷ったら、着ている時間で分けてください。

3時間を超えて着る日、歩く時間が長い日は、伸びない紐のほうが、おはしょりや裾の長さが崩れにくくなります。食事の席など、座っている時間が長く、苦しさが気になる日は、伸びる紐のほうが楽に過ごせます。

両方を組み合わせる方法もあります。いちばん下の腰紐は伸びない紐で、おはしょりの長さを決める。胸紐は伸びる紐にして、呼吸や食事で楽にしておく。腰の位置は崩れにくく、胸まわりは苦しくなりにくい、という分担になります。

どちらとも取れるとき④|人に結んでもらう、子どもに結ぶ

人に着付けてもらう日は、結んでもらう前に、苦しくなりやすいかどうかを伝えておくと、締め具合を合わせてもらえます。後ろで交差したときに「このくらい」と声をかけると、強さの目安が伝わります。

子どもに浴衣を着せるときは、大人よりも、紐の強さに気をつけてください。子どもは苦しさをうまく伝えられないことがあり、遊んでいるうちに紐の位置もずれます。指が2本入るくらいのゆるめに締めて、伸びる紐を使うか、結び目をしっかり挟み込んで、緩んでも外れにくくしておくと安心です。

着崩れたときの直し方|外出先でできること

外出先で、おはしょりが下がってきた、裾が長くなってきたと感じたら、腰紐が緩んでいるサインです。

お手洗いなどで、おはしょりの下から手を入れて、腰紐を探します。腰紐の上の布を、少しずつ上に引き上げて、裾の長さを戻してください。腰紐そのものをほどいて結び直す必要はありません。布を引き上げたあと、腰紐が体に沿っているかを確かめれば十分です。

衿合わせが崩れてきたら、伊達締めの下から手を入れて、衿の下の布を少し下へ引きます。こちらも、伊達締めをほどく必要はありません。

何度直しても同じところが崩れてくるなら、次に着るときに、その場所の紐の絡げる回数を1回増やすか、締め具合を少し強くしてください。

直したあとは、帯の上から軽く押さえて、紐と布がなじむまで少しそのままにしておきます。急いで歩き出すと、引き上げた布がまた下がってきます。直す場所が見つからないときは、無理に人前で直そうとせず、帯の位置が大きくずれていないかだけ見ておいてください。腰紐がしっかり止まっていれば、多少おはしょりが乱れても、裾の長さまで大きく崩れることはあまりありません。

外出が長くなる日は、細い予備の紐を1本、かばんに入れておくと安心です。どうしても腰紐が緩んで直らないときに、帯の下から足して締め直せます。

結ぶ前にそろえておくこと|紐の中心と置き場所

結び方そのものより先に、結ぶ前の準備で、仕上がりはかなり変わります。

1つめは、紐の中心に印をつけておくことです。腰紐の両端をそろえて半分に折り、折り目のところを指でつまんで確かめておきます。体の前に当てるとき、中心がずれていると、後ろで交差したあと、左右の端の長さが違ってきます。片側だけ短くなると、境目②の30cmが足りなくなります。気になるなら、中心に糸で小さな目印を縫いつけておくと、毎回迷いません。

2つめは、紐を置く場所です。着付けの途中で、片手で布を押さえたまま、もう片方の手で紐を取ることがよくあります。紐は、使う順番に、肩にかけておくか、手の届く台の上に並べておいてください。床に置くと、かがむたびに押さえていた布がずれます。

3つめは、紐のしわです。くしゃくしゃに丸めてしまっておいた紐は、しわのところで締まり方が変わり、そこから緩んできます。使う前に、手でしごいてしわを伸ばしておくと、体に平らに沿います。

練習の仕方|鏡の前で3回、見ずに1回

絡げて挟む結び方は、手が覚えてしまえば、見なくてもできるようになります。浴衣を着る前に、紐だけで練習しておくと、当日あわてずに済みます。

まず、肌着の上から、鏡の前で3回続けて結んでみてください。1回ごとに、指を離して3秒待ち、緩まないかを確かめます。3回とも緩まずにできたら、次は鏡を見ずに、手の感覚だけで1回結びます。浴衣の上で結ぶときは、おはしょりや衿を片手で押さえながら結ぶことになるので、見ないで結べるようにしておくと、ずっと楽になります。

伊達締めも、同じように練習します。後ろで交差して折り返すところは、鏡では見えにくい場所です。手で触って、後ろの重なりが平らになっているかを確かめる癖をつけてください。

浴衣を着る日の朝に、いきなり結ぶのは避けてください。着る前の日の夜に、一度だけ、肌着と浴衣の上から紐を通して結んでみると、紐が短くないか、滑らないかが前もって分かります。当日になって端が足りないと気づくと、紐を探し直すところから始めることになります。前の晩に一度通しておけば、当日は手順をなぞるだけで済みます。

紐の手入れと替えどき|滑るようになったら

腰紐は、使っているうちに少しずつ性質が変わります。新しいうちは1回絡げれば止まっていた紐が、何度も洗ううちに表面がなめらかになって、2回絡げないと止まらなくなることがあります。

季節の初めに一度、境目①の3秒の試し方をやり直してください。前の年と同じ紐でも、止まり方が変わっていることがあります。1回で止まらなくなっていたら、絡げる回数を増やすか、表面に張りのある紐に替えどきです。

紐の端がほつれてきたら、そこから細くなり、挟み込んだときに抜けやすくなります。端のほつれは、早めに糸で留めておいてください。紐が全体に細く、薄くなってきたら、締めたときに体に食い込みやすくなります。苦しく感じることが増えたら、新しい紐に替えると楽になることがあります。

洗ったあとは、よく伸ばしてから干してください。ねじれたまま乾くと、しわが残り、締めたときにそこから緩みます。

1回の着付けで使う紐の組み立て例

着るものによって、使う紐の本数と、結び目を置く場所が変わります。3つの例で書いておきます。

浴衣だけを着る日。腰紐を1本、腰骨の上で、結び目を右寄りに。伊達締めを1本、胸の下で、結び目を左寄りに。衿合わせが崩れやすい人は、伊達締めの前に胸紐を1本足し、結び目は右寄りにします。3本とも、絡げる回数は境目①で決めた回数です。

浴衣に衿付きの半襦袢を合わせる日。半襦袢は、紐を使わずに着られるものも多いので、紐の数は浴衣だけの日と同じで足りることがあります。半襦袢を押さえる紐を1本足す場合は、その結び目を、浴衣の腰紐とは反対の左寄りにしてください。

秋に長襦袢を下に着る日。長襦袢に紐を1本、結び目は右寄り。長襦袢の上から伊達締めを1本、結び目は左寄り。着物の腰紐は左寄り、胸紐は右寄り、いちばん上の伊達締めは中心から少し左。このように、左右を交互にしておくと、5本ぶんの結び目が1か所に集まりません。下に着るものの紐は、指が2本入るくらいのゆるめにしておきます。

よくある行き違い

1つめは、蝶結びで結ぶことです。結べないわけではありませんが、結び目が厚くなり、ほどけやすくなります。絡げて挟む方法に変えると、帯の下が平らになります。

2つめは、前で強く締めることです。結び目のあたりだけが食い込み、苦しくなります。締めるのは後ろで交差したときにしてください。

3つめは、紐の素材を気にせず、いつも同じ回数で絡げることです。滑る紐は、1回では緩みます。指を離して3秒、の試し方で回数を決めてください。

4つめは、秋に紐が増えたとき、結び目を同じ場所に重ねることです。1本ずつ左右にずらしてください。

装いに活かすなら

手元の紐を、肌着と浴衣の上で1回絡げて、指を離して3秒待つ。緩むなら2回、緩まないなら1回。前に持ってきたときに、端が片側30cm残るかを見て、残らなければ片わな結びにする。締めるのは後ろで交差したときで、締め終わったら指が1本入るかを確かめる。伊達締めは結ばずに、交差して折り返し、絡げて挟む。秋に紐が増えたら、結び目を1本ずつずらす。この順番で決めていけば、浴衣でも着物でも、帯の下が平らに、長い時間崩れずに過ごせます。

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よくある問い

Q. 浴衣の腰紐は、蝶結びではいけないのですか
いけないわけではありませんが、蝶結びは結び目に輪が2つでき、厚みが出ます。その上に伊達締めと帯を重ねると、結び目がお腹に当たって苦しく感じたり、帯の表に凹凸が出たりします。輪を引くとほどけやすい点も、長く着ている間は気になります。前で絡げて、端を巻いた紐に挟む結び方なら、結び目が平たく、引っ張られてもほどけにくくなります。
Q. 腰紐が短くて、絡げると端が足りません
前で絡げるときに、片側の端が30cmほど残らない場合は、絡げずに片わな結びにしてください。片方だけ輪にして結ぶので、短い紐でも結べます。補整のタオルを巻いた日や、胴回りに対して紐が短い場合に起こりやすいので、長めの腰紐を1本用意しておくと、どちらの日にも使えます。
Q. 伊達締めはどう結べばいいですか
伊達締めは結びません。前に当てて後ろへ回し、後ろで交差させたら、上になったほうを下へ折り返して締めます。前に戻したら2回ほど絡げて、端を体に巻いた伊達締めの下に挟み込みます。結ばない分だけ平たく収まり、帯の下でごろつきません。
Q. 秋に浴衣を着物風に着るとき、紐は何本いりますか
浴衣だけなら腰紐1〜2本と伊達締め1本で足りますが、衿を付けた半襦袢や長襦袢を下に着ると、その分の紐が増えます。長襦袢に1本と伊達締め1本、上に着るものに腰紐と胸紐を1本ずつと伊達締め1本、というのが一つの目安です。紐が増えるほど結び目が重なりやすくなるので、1本ごとに結び目の位置を少しずつ左右にずらしてください。

— メグラシ編集部

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