秋冬に腕時計が袖に引っかかるのは、袖口の内周と時計の周りの差が2cm未満だから

秋冬になると急に、腕時計が袖に引っかかるようになります。 夏と同じ時計、同じ着け方なのに、袖を通すたびに位置がずれ、袖口の裏だけが早く傷みます。
原因は時計の大きさではありません。袖口の内周と、手首まわりに時計の厚みを足した寸法の差です。
見るのは、袖口の内周と手首まわりの差
袖を通すという動作は、輪の中に別の輪を通す動作です。
通る側(手首+時計)の周りが、通す側(袖口)の内周より小さければ、引っかかりません。 夏の薄い袖では内周が大きいので差が余りますが、秋冬の袖は内周が一気に小さくなります。
判定の軸は1つです。袖口の内周 −(手首まわり+時計の厚み×2)。
袖口の内周の測り方
袖口を机の上に平らに広げ、しわを伸ばして端から端までの幅を測ります。その数字を2倍にすると内周になります。
リブやゴムの入った袖口は、伸ばさない状態で測ってください。伸ばした数字を使うと、実際より4〜8cm大きく出ます。通ることは通っても、通る瞬間に時計へ力がかかる状態は避けたいので、判定は伸ばさない側で行います。
秋冬の袖口の内周は、上着で26〜34cm、厚手のニットで22〜28cmに入るものが多くなります。裏地の付いた上着は、表地と裏地の両方を含めた内側の幅で読んでください。
袖口にボタンが並ぶ形は、留めた状態で測ります。外して着るなら外した状態でもう一度測り、2つの数字を持っておくと日によって使い分けられます。
測った数字は、上着ごとに書き出しておくと毎朝の判断がいりません。上着の名前と内周を並べたメモが1枚あれば、通る側の寸法と引き算するだけで済みます。買うときにも、その場で袖口を平らにして測れば、家に帰ってから合わないと気づくことがなくなります。
手首まわり+時計の厚みの出し方
巻き尺を手首に一周させ、時計を着ける位置で読みます。骨の出っぱりより1〜2cmひじ側です。
次に時計の厚みを測ります。机に置いて、机の面から文字盤のガラスのいちばん高いところまでです。ベルトは含めません。
手首まわりに、厚みの2倍を足します。時計は手首の片側に乗りますが、輪として通るときには反対側にもベルトの厚みが加わるためです。厚み10mmなら、手首まわりに2cm足します。
手首16cm・厚み10mmなら、通る側は18cmです。
差3段階
| 差 | 起きること | その日の手 |
|---|---|---|
| 2cm未満 | 袖を通すたびに引っかかり、位置がずれる | 袖をめくるか薄いほうへ |
| 2〜6cm | 抵抗なく通り、位置も保たれる | そのままでよい |
| 6cm超 | 袖口が腕の上で動き、時計を押す | 留める位置を整え直す |
差は「袖口の内周 − 通る側の寸法」です。袖口26cm・通る側18cmなら差は8cmで、上の帯に入ります。
2cm未満のとき、何が起きるか
袖を通す瞬間、時計の縁が袖口の内側に当たります。
当たったまま押し込むと、時計は手首の上を滑ってひじ側へ動きます。着替え終わったときには、骨から3cm以上離れた位置に来ていることが多くなります。そこは前腕が太くなり始める場所なので、今度は倒れやすくなります。
もう1つ起きるのが、袖口の内側の擦れです。 金属の縁が同じ場所を毎日こするので、裏地や編み目のその部分だけが早く薄くなります。袖口の裏を見て、片側だけ毛羽立っているなら差が足りていない合図です。
2〜6cmのとき、何が起きるか
袖は抵抗なく通り、通ったあとも時計は同じ位置に留まります。
袖口は時計の上にかぶさりますが、押す力は働きません。腕を下ろせば袖が時計を覆い、腕を前に出せば時計が出てくる、という動きになります。
この帯なら、袖をめくる必要もありません。上着を着たまま時刻を見るときも、袖口を持ち上げるだけで済みます。
差が3〜4cmのあたりがいちばん扱いやすい範囲です。袖口が時計の上に軽く乗り、腕を前に出したときだけ文字盤が出てきます。時計を見せたい日も、見せずに済ませたい日も、同じ1本で両方できます。
6cmを超えると、別のことが起きる
差が大きすぎると、袖口が腕の上で自由に動きます。
腕を下ろすたびに袖口が下がり、時計をひじ側へ押します。腕を上げれば戻ります。1日のうちに何度も往復するので、位置が定まりません。
この場合、袖を細くすることはできないので、時計の側を整えます。骨から1〜2cmひじ側という位置に留め直し、ベルトを指1本ぶんの余裕で締めると、押されても戻る力が働きます。
秋冬の素材別|内周が縮む順
同じ「長袖」でも、袖口の内周は素材で大きく変わります。
編み目の詰まったニットは、袖口にリブが入ることが多く、内周がいちばん小さくなります。次が裏地付きの上着で、表地と裏地の2枚ぶん内側が狭まります。中わたの入った上着は表からは太く見えますが、内側の筒はニットと同程度まで細いことがあります。
表から見た太さと、内側の筒の太さは別です。 太く見える袖ほど通ると思っていると、差の計算がずれます。
差が足りない日の手①|袖を1回めくる
いちばん早い手です。袖口を1回外へ折り返すと、袖口の位置が手首の骨より3〜5cmひじ側へ移ります。
折り返す幅は3cm以上取ってください。2cm以下だと、腕を動かすうちに戻ります。折り返した部分は内周が2枚ぶんになるので、その位置でもう一度差を計算する必要はありません。時計の上を通らなくなるからです。
ニットは折り返すと編み目が広がるので、外して伸ばせば戻ります。上着の袖は折り目が残ることがあるので、その日のうちに戻して掛けてください。
差が足りない日の手②|厚みの薄いほうへ替える
厚みは差に2倍で効きます。12mmから8mmへ替えると、通る側の寸法が8mm縮みます。
差が1cm台で足りていないなら、この差し替えだけで2cm以上に届くことがあります。文字盤の直径を変えなくても、厚みだけで解けるのが利点です。
薄いものを1本、秋冬用として決めておくと、毎朝の判断がなくなります。
ベルトの側でも数mm稼げます。金属のつなぎ目が厚いベルトは、手首の反対側で4〜5mmの厚みを作ります。同じ本体でも、薄い革のベルトに替えると通る側の寸法が1cm近く縮むことがあります。本体を替えられないなら、まずベルトを見てください。
どちらとも取れるとき|差がちょうど2cm
2cm前後は、袖口の素材で決めます。
伸びない生地の袖口なら、そのままで通ります。リブやゴムで伸びる袖口は、通るときに時計へ力がかかるので、めくる側に倒してください。判定は、袖をゆっくり通してみて、時計の縁が引っかかる瞬間があるかどうかで確かめられます。
どちらとも取れるとき|上着とニットで条件が違う
上着の袖口は通るのに、下のニットの袖口が通らないことがあります。
この場合、判定はニットのほうで行います。着る順番として先に通るのが下の1枚だからです。ニットの袖口が細いなら、時計は上着を着る直前に着けるか、ニットの袖を先にめくってから通してください。
どちらとも取れるとき|片方の手首だけ通らない
利き手側は手首が3〜5mm太いことがあります。周りにすると1〜1.5cmの差になり、片方だけ引っかかる状態が起きます。
差が足りないほうの手首には着けない、と決めるのがいちばん簡単です。文字盤の向きが変わるだけで、位置の目印(骨から1〜2cm)は左右で同じです。
手を使う場面が多い日は、動かす側から外すという決め方もできます。差が2cm前後で日によって通ったり通らなかったりするなら、その日の予定で着ける側を決めてしまうほうが、毎回押し込むより早く済みます。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 袖口を伸ばした状態で測る | 内周が4〜8cm大きく出る | 伸ばさない状態で読む |
| 厚みを1倍で計算する | 差が実際より1cm大きく出る | 厚みは2倍で足す |
| 表から見た袖の太さで判断する | 内側の筒はもっと細い | 平らに広げて幅を測る |
| 折り返しを2cm以下にする | 動くうちに戻って引っかかる | 3cm以上折る |
| 上着の袖口だけで判定する | 下のニットで引っかかる | いちばん細い袖口で測る |
まとめ|差2cmを、袖口の内周から出す
- 袖口を平らに広げて幅を測り、2倍にして内周を出す
- 手首まわりに時計の厚みの2倍を足したものが、通る側の寸法
- 差が2cm以上6cm以下なら、引っかからず位置も保たれる
- 2cm未満の日は、袖を3cm以上折り返すか、厚みの薄いほうへ替える
- 判定はいちばん細い袖口、伸ばさない状態で行う
秋冬に時計が合わなくなるのは、時計が変わったからではありません。 通す側の輪が小さくなっただけです。
袖口を平らに置いて幅を1回測れば、その上着が今年どう振る舞うかが先に分かります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 秋冬だけ腕時計が袖に引っかかります。何を測ればいいですか
- 袖口の内周と、手首まわりに時計の厚みを足した寸法の2つです。袖口を平らに広げて幅を測り、2倍にすると内周が出ます。手首まわりは巻き尺で一周、そこに時計の厚みの2倍を足します。前者から後者を引いて2cm以上あれば、袖を通すときに引っかかりません。
- Q. 時計の厚みはどこを測りますか
- 机に置いた状態で、机の面から文字盤のガラスのいちばん高いところまでです。ベルトは含めません。8〜12mmに収まるものが多く、ガラスが盛り上がっている形は14mmを超えることがあります。厚みは差の計算に2倍で効くので、2mmの違いが4mmの差になります。
- Q. 差が足りないとき、どうすればいいですか
- 袖の側を動かすのが早いです。袖を1回めくって折り返すと、袖口が手首の骨より3cm以上ひじ側へ逃げ、時計の上を通らなくなります。めくれない形なら、時計を反対の手首に移すか、その日は厚みの薄いほうへ替えてください。袖口の広い上着を選んでおくのがいちばん確実です。
- Q. 袖口にリブやゴムが入っていると、どう測りますか
- 伸ばさない状態と、無理なく伸ばした状態の2回測ってください。判定に使うのは伸ばさない状態の内周です。伸びる袖口は通ることは通りますが、通るときに時計の縁へ力がかかり、袖口の裏地が擦れます。伸ばした状態でようやく足りる袖口は、差が足りていないと考えてください。
- Q. 差が十分あるのに位置がずれるのはなぜですか
- 差が大きすぎる場合も、袖口が時計の上に乗ります。差が6cmを超えると袖口が腕の上で自由に動き、腕を下ろすたびに時計をひじ側へ押します。この場合は袖の側ではなく、時計を留める位置を骨から1〜2cmに整え直すほうが効きます。
— メグラシ編集部





