時計がセンスよく見えなくなるのは、1cm以上の傷が3本を超えたとき|白い紙に映して数える

何年も使っている時計が急にくたびれて見えるのは、形が古くなったからではありません。 表面に入った線が、同時に見える本数に達しただけです。
数え方は決まっています。白い紙の上で、照明を1本映して数えます。
見るのは、1cm以上の傷の本数
時計のガラスや金属は、光を面として返します。面がきれいなら、光は1つの帯として映ります。
そこに線が入ると、帯が途切れます。線が1本や2本なら、角度を変えたときに一瞬見えるだけです。 3本を超えると、どの角度でも同時に見えるようになります。ここで、丸い面ではなく細かい線の集まりとして読まれます。
判定の軸は1つです。1cm以上の線が何本あるか。
数え方|白い紙の上で、照明を1本映す
白い紙を机に置きます。コピー用紙で足ります。その上に時計を置いてください。
天井の照明が文字盤のガラスに帯として映る角度まで、時計を少し傾けます。帯がはっきり出る角度が見つかったら、そこで止めます。
目を20cmまで近づけ、映った帯の中だけを見ます。帯を横切っている線を数えてください。数えるのは長さ1cm以上の線だけです。 1cm未満の細かいものは、1m離れると消えるので数に入れません。
傾ける角度を変えて、もう2回数えます。3回のうち2回で同じ数になるほうを採用してください。
白い紙を敷くのは、下からの反射で線の底が明るくなり、影として見えるようになるためです。机の色が濃いと、線が沈んで数え落とします。
本数3段階
| 1cm以上の線 | 読まれ方 | 手当て |
|---|---|---|
| 0本 | 面が1つ。光が1本の帯で通る | そのままでよい |
| 1〜2本 | 角度によって一瞬見える | 拭くだけで足りる |
| 3本以上 | 面ではなく線の集まりとして読まれる | 3つの手から選ぶ |
3本という区切りは、線が同時に見えるかどうかの境目です。2本までは視線が帯を追えますが、3本を超えると帯が分断されて追えなくなります。
0本のとき、何が起きるか
光が1本の帯として通る状態です。文字盤の丸い形がそのまま読まれます。
この状態を保ちたいなら、置き場所を決めるのが確実です。外したあと、他の金属と同じ皿へ置くと、そこで線が入ります。時計だけの置き場所を1か所作り、布を1枚敷いてください。
1〜2本のとき、何が起きるか
角度を変えたときだけ線が見える状態です。1m離れた相手には届いていません。
この段でやることは、拭くことだけです。柔らかい布で表面を一方向に拭きます。往復させると、拭くことで新しい線が入ります。
拭いたあとにもう一度数えると、本数が減ることがあります。 汚れが線に見えていた場合です。1〜2本と数えたもののうち、半分は汚れというのは珍しくありません。
3本以上のとき、何が起きるか
どの角度でも複数の線が同時に見える状態です。ここで読まれ方が変わります。
丸い面の中に細かい線が並ぶので、目は面ではなく模様として読みます。模様として読まれると、手首に他の輪を足す余地がなくなります。線がすでに情報として何本もあるためです。
もう1つ起きるのが、色の数が増えて見えることです。線の底には光が回らないので、そこだけ暗く沈みます。面が1色だったところに、2色目ができます。 手元で数えられる色を2色以内に収めていたつもりでも、線の多い時計は3色として読まれることがあります。
傷が集まりやすい3か所
線はどこにでも入るわけではなく、決まった場所に集まります。
1つ目は、文字盤のガラスの外周です。机や壁に当たるとき、最初に触れるのは縁だからです。中央より外周を先に数えてください。
2つ目は、枠の6時側です。手首を机に置くと、この面が机と接します。書きものをする時間が長いほど、ここに横向きの線が並びます。
3つ目は、留め具の外側です。かばんの持ち手や、上着のポケットの縁と当たります。ここは自分では見えない場所なので、数えるときに一度外して裏返してください。
ベルトの側は、角の丸まりで見る
ベルトは線ではなく、形の変化で見ます。
革のベルトなら、留める穴の縁と、折り返しの角です。新しいときは角が立っていますが、使うほど丸くなります。爪の先を角に当てて、引っかかるかを確かめてください。引っかからないほど丸くなっているなら、表面ではなく形が変わっています。
金属のベルトは、コマとコマの隙間で見ます。手で伸ばした状態で隙間を見て、1mm以上開いているコマがあれば、そこは動きが大きくなっています。隙間が開くと、光が通って線のように見えるので、本体の傷と同じ働きをします。
布のベルトは、縁のほつれの本数です。1cm以上飛び出している糸が3本を超えたら、本体の傷3本と同じ扱いになります。
金具の内側のくすみは、白い紙で見分ける
金属の枠や留め具は、傷がなくても曇ります。曇りは線ではないので、数え方が違います。
白い紙を金具のすぐ横に立てて、紙と金具を並べて見てください。紙の白さに対して、金具の映り込みがはっきり出るなら曇っていません。映り込みの輪郭がぼやけているなら、表面に細かい汚れが乗っています。
曇りは拭けば戻ることが多いので、傷として数える前に一度拭いてください。拭いても戻らないなら、それは細かい線が面全体に入っている状態です。この場合は、本数ではなく面として3本以上の段に入ります。
直す手|磨く・替える・場面を分ける
3本を超えたときの手は3つです。上から順に試します。
1つ目は拭くこと。 柔らかい布で一方向に拭きます。これで数が減れば、そこで終わりです。
2つ目はベルトを替えること。 本体の線は残りますが、手元で面積のいちばん大きいのはベルトです。ベルトが新しくなると、全体の読まれ方が変わります。革なら同じ幅で色をそろえる、金属なら布か革へ替える。幅は文字盤の直径の5〜6割の範囲で選びます。
3つ目は使う場面を分けること。 屋外に出る日や荷物を持つ日は線の多い1本、人と向かい合う日は線の少ない1本。分けると、線の増える速さも変わります。
本体の表面を自分で削るのは、面の平らさが崩れて映り込みが歪むので勧めません。どうしても直したいときは、時計を扱う店の窓口で相談してください。
何本持っているかと、使う場面の数
買い足すかどうかは、持っている本数ではなく、使う場面の数で決めます。
紙に、この1か月で時計を着けた場面を書き出してください。仕事、送り迎え、外食、屋外の用事、人と向かい合う予定。書き出した場面が3つ以下なら、1本で足ります。4つ以上あって、そのうち屋外や荷物を持つ場面が2つ以上あるなら、線の増える速さが違う場面が混ざっています。
このとき2本目を足すなら、条件は1つです。線が増えても構わない1本を作ること。 屋外と荷物の場面はそちらへ寄せて、線の少ない1本を人と向かい合う場面に残します。
秋冬|袖の生地が傷を増やす向き
秋冬は線の増え方が変わります。袖の生地が文字盤の上を往復するためです。
腕を上げ下げするたび、袖口の縫い目が同じ向きに滑ります。秋冬に増える線は向きがそろうので、白い紙に映すと平行に並びます。数えたときに線の向きがそろっていたら、原因は袖です。
増やしたくない1本は、袖口の内周と手首まわりの差が2cm以上ある服の日に限って使ってください。差が足りない服では、袖を通すたびに縫い目が本体をこすります。
厚手の袖の日は、袖の上へ時計を出す使い方もあります。この場合は本体が外に出るので、机や壁に当たる線のほうが増えます。どちらが増えるかを選ぶ話になります。
どちらとも取れるとき|傷がちょうど3本
3本ちょうどのときは、線の長さで決めます。
3本のうち2本以上が2cmを超えているなら、3本以上の段として扱ってください。長い線は帯を大きく分断するので、短い3本より目立ちます。3本とも1cmすれすれなら、1〜2本の段として扱って構いません。
線の場所でも変わります。3本が外周に寄っているなら、中央の面は残っているので1〜2本の段に近くなります。中央を横切っているなら、1本でも3本ぶんの働きをします。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 濃い色の机の上で数える | 線が沈んで数え落とす | 白い紙を敷いて数える |
| 拭く前に数える | 汚れを傷として数えてしまう | 一方向に拭いてから数え直す |
| 布を往復させて拭く | 拭くこと自体で線が増える | 一方向にだけ動かす |
| 留め具の外側を見ない | いちばん線の多い面を見落とす | 外して裏返して数える |
| 他の金属と同じ皿に置く | 置くたびに線が入る | 布を敷いた置き場所を作る |
まとめ|白い紙に映して、3本を境に分ける
- 白い紙の上に置き、照明の帯を映して横切る線を数える
- 数えるのは1cm以上の線だけ。3回数えて多数のほうを取る
- 0本・1〜2本・3本以上の3段階。3本を超えると線の集まりとして読まれる
- 直す手は、拭く/ベルトを替える/使う場面を分けるの順で試す
- 秋冬は袖の縫い目で線がそろうので、袖口の差が2cm以上の服に限る
古びて見えるかどうかは、使った年数では決まりません。 線が何本あるかです。
白い紙を1枚敷いて数えるだけなので、判定は2分で終わります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 傷は、どうやって数えるのですか
- 白い紙を机に置き、その上に時計を伏せずに置きます。天井の照明が文字盤のガラスに帯として映る角度に傾け、その光の帯を横切る線を数えてください。数えるのは長さ1cm以上の線だけです。1cm未満の細かいものは1m離れると消えるので数えません。目を20cmまで近づけて、映った帯の中だけを見ます。
- Q. 何本までなら気にしなくていいですか
- 2本までです。1〜2本なら、光の帯が動いたときに一瞬見えるだけで、面としての読まれ方は変わりません。3本を超えると、光が当たるたびに線が同時に見えるので、丸い面ではなく細かい線の集まりとして読まれます。ここで急にくたびれた印象が出ます。本数が段になっているのは、線が同時に見えるかどうかの境目だからです。
- Q. ベルトはどこを見ればいいですか
- 角の丸まりです。革のベルトなら、留める穴の縁と、折り返しの角。新しいときは角が立っていますが、使うほど丸くなります。爪の先を角に当てて、引っかかるかを見てください。引っかからないほど丸くなっているなら、そのベルトは表面ではなく形が変わっています。金属のベルトは、コマとコマの隙間が1mm以上開いているかで見ます。
- Q. 傷が3本を超えたら、買い替えるしかないのですか
- 3つの手があります。まず柔らかい布で拭くこと。汚れが線に見えていた場合は、これで数が減ります。次にベルトを替えること。本体の傷は残っても、面積の大きいベルトが新しくなると全体の読まれ方が変わります。3つ目は使う場面を分けることで、屋外や荷物を持つ日は傷のある1本、人と向かい合う日は傷の少ない1本、という分け方です。
- Q. 秋冬に傷が増えるのはなぜですか
- 袖の生地が文字盤の上を往復するためです。腕を上げ下げするたび、袖口の縫い目が同じ向きに滑ります。秋冬に増える傷は向きがそろっているので、白い紙に映すと平行な線として並びます。増やしたくない1本は、袖口の内周と手首まわりの差が2cm以上ある服の日に限って使ってください。
— メグラシ編集部





