スカーフのネクタイ巻き|ジャケットとコートで先端を止める位置

スカーフのネクタイ巻きは、手順を覚えれば誰でも形にできます。それでも、決まって見える日と決まらない日があります。差が出ているのは手順ではなく、垂らした先端がどこで止まっているかです。
先に答えを書きます。ネクタイ巻きの先端は、みぞおち・へそ・腰骨の3か所のどれかで止めます。 秋冬にジャケットやコートを重ねる日は、そこにもう1つ条件が加わります。先端を、上に重ねたものの襟の開きの下端と同じ高さにしないことです。
この2つが守られていれば、布の柄や色が何であっても、首元から下りる1本の線として読まれます。ここから先は、自分の布とその日の上着でどの位置に止めればいいか、迷ったときの決め方まで順に書いていきます。
先に結論|ネクタイ巻きは、先端の位置で決まる
鏡の前で、次の3つを確かめてください。
- 先端の位置:みぞおち・へそ・腰骨のどれかで止まっているか
- 襟の開きとの関係:上に重ねたものの襟の開きの下端と、先端が同じ高さになっていないか
- 結び目の高さ:結び目の下端が、鎖骨から指2本ぶん下にあるか
3つとも合っていれば、そのネクタイ巻きは成立しています。1つ目が外れているなら畳み幅か結び方で長さを変えます。2つ目が外れているなら、先端を指3本ぶん上げるか下げます。3つ目が外れているなら、結ぶ位置を上下に動かします。
早見表|先端の位置と、そのときの見え方
| 先端の位置 | 縦の線の長さ | 視線が集まる場所 | 合わせやすい上着 |
|---|---|---|---|
| みぞおち | 短い | 顔まわり | 前を留めるコート、短い丈の上着 |
| へそ | 中くらい | 上半身の真ん中 | 前を開けたジャケット、カーディガン |
| 腰骨 | 長い | 全身の縦の流れ | 前を開けたロングコート |
表は、自分の布がどこまで届くか、その日の上着に何を合わせるかを決めるためのものです。迷ったらへそを選んでください。いちばん多くの上着と組み合わせられる長さです。
主役は結び目ではなく、下に伸びる1本の線
ネクタイ巻きは、首元に結び目を作り、そこから布を胸の前に垂らす巻き方です。見る人の目に入るのは、結び目よりも、下に伸びる1本の線のほうです。
結び目を主役にする巻き方では、結び目の大きさと置き場所が見え方を決めます。結び目の大きさと置き場所の決め方は、スカーフの結び方、おしゃれに見える境目で寸法にしています。ネクタイ巻きはそれとは逆で、結び目は線の始まりにすぎません。
線には始まりと終わりがあります。始まりは結び目、終わりは先端です。見る人は、線がどこで始まり、どこで終わったかで、その線の長さを読みます。始まりの位置はほぼ決まっているので、見え方を左右するのは終わりの位置、つまり先端です。
ネクタイ巻きに向く布の形と大きさ
ネクタイ巻きに向くのは、細長く畳んだときに、首に一周回してから胸の前に垂らせる長さがある布です。長方形の細長い布はそのまま使えます。正方形の布は、対角線で三角に折ってから細く畳むと、長さを稼げます。
正方形で使う場合、一辺が70cm前後あれば、三角に折って畳んだときに、へその高さまで届くことが多くなります。一辺が50cm前後の小さな布は、みぞおちまでが目安です。体の大きさや結び方で届く位置は変わるので、一度鏡の前で垂らして、自分の場合にどこまで届くかを確かめておいてください。
秋冬に使う厚手の布は、同じ大きさでも畳んだときに長さが短くなります。厚みのぶん、首に回すときに布が多く使われるからです。夏に使っていた布と同じ大きさでも、秋冬の厚い布は先端が5cmほど上がると考えておくと、届く位置の見当がつきます。
畳んだあとの幅は、5cmから8cm
ネクタイ巻きの線の太さは、畳んだあとの幅で決まります。目安は5cmから8cmです。
8cmを超えると、結び目が大きくなり、線ではなく面として読まれやすくなります。5cmを下回ると、線が細すぎて、上に重ねたものの柄や縫い目に埋もれます。
秋冬の厚い布は、同じ幅でも結び目が大きくなります。厚手の布は幅を5cmから6cmに寄せ、薄手の布は6cmから8cmまで使ってください。畳む回数を増やすと厚みが増えて結び目が膨らむので、幅を狭くするときは、最初の畳み方を細くするほうが確実です。
結び目の下端は、鎖骨から指2本ぶん下
結び目の高さは、結び目の下端が鎖骨から指2本ぶん下にあるかで見ます。鎖骨の真ん中のくぼみに指を当て、そこから指2本を縦に並べた位置です。
結び目がこれより高いと、首に詰まって見え、線の始まりが首の付け根に重なります。これより低いと、首元に空白ができ、線の始まりがどこか読みにくくなります。
ジャケットを重ねる日は、結び目がジャケットの襟の内側に隠れないことも確かめてください。襟が首に近い形のジャケットでは、指2本ぶん下だと結び目が襟に半分隠れることがあります。その場合は指1本ぶんまで上げます。
結び目の作り方は2種類|一重で結ぶか、交差で留めるか
ネクタイ巻きの結び目には、大きく分けて2つの作り方があります。布を1回結んで留める一重の形と、結ばずに交差させて輪に通す形です。
一重で結ぶ形は、結び目がしっかりして、動いても形が崩れにくくなります。そのぶん結び目に布が使われ、先端は上がります。交差させて輪に通す形は、結び目が平たく小さくなり、先端は下がります。ただし動くと少しずつゆるみます。
どちらを選ぶかは、先端を止めたい位置で決めてください。布が長く、先端が腰骨を越えそうなら一重で結んで長さを使います。布が短く、へそまで届かないなら交差で留めて長さを稼ぎます。手順の好みではなく、先端の位置から逆算して選ぶのがこの記事の考え方です。
みぞおちで止める場合
みぞおちは、胸の下、左右の肋骨が合わさるあたりのくぼみです。ここで先端を止めると、縦の線は短くなり、視線は顔まわりに集まります。
みぞおちで止めるのは、上半身にあまり線を足したくない日です。柄の大きなトップスや、胸元に飾りのある服の上では、長い線を垂らすと柄や飾りと重なります。みぞおちで止めれば、線は首元の近くで終わり、服の柄と競いません。
秋冬は、前を留めるコートの日にみぞおちが向いています。コートの襟元から結び目と短い線がのぞき、コートを脱いだあとも短い線として成立します。
へそで止める場合
へそで止めると、線は上半身の真ん中で終わります。いちばん扱いやすい長さで、多くの上着と組み合わせられます。
へその高さは、パンツやスカートのウエストに近い位置です。ウエストの位置に線の終わりが来ると、上半身と下半身の区切りと線の終わりがそろい、全体が整って見えます。
ボトムスのウエストがへそより低い位置にある日は、先端を少し上げて、ウエストのベルトや縫い目より指1本ぶん上で止めてください。先端とウエストの区切りが重なると、線がどこで終わったのか読みにくくなります。
腰骨まで届かせる場合
腰骨は、骨盤の左右の出っ張りのあたりです。ここまで先端を垂らすと、縦の線が長くなり、全身が縦に流れて読まれます。
腰骨まで垂らすのは、前を開けたロングコートの日に向いています。コートの前の開きが作る2本の縦の線の真ん中に、もう1本の線が入り、縦の流れが強くなります。
ただし、トップスの裾を外に出している日は、裾の高さと先端の位置を確かめてください。裾と先端が同じ高さだと、線の終わりと裾の終わりが重なって読めません。先端を裾より指3本以上上か、裾より下に出してください。
ジャケットに合わせるときの基準|襟の開きの下端
秋冬にネクタイ巻きをジャケットと合わせる日は、ジャケットの襟の開きの下端を基準にします。襟の開きの下端とは、左右の襟が合わさる位置、または一番上のボタンの位置です。
先端の止め方は2通りです。1つは、先端を襟の開きの下端より上で止めること。線は開きの中に収まり、開きの形と線が一緒に読まれます。もう1つは、先端を下端より指3本以上下まで垂らすこと。線が開きの外へ抜けて、ジャケットの前にもう1本の縦の線が加わります。
避けたいのは、先端と下端がほぼ同じ高さに来ることです。線の終わりと襟の開きの終わりが重なると、どちらで終わったのかが読めなくなります。
襟の開きが深いジャケット、浅いジャケット
ジャケットの襟の開きの深さは、形によって違います。開きが深いジャケットでは、下端がみぞおちより下、へそに近い位置まで来ることがあります。浅いジャケットでは、下端がみぞおちより上に来ます。
| 襟の開きの下端 | 先端を止める位置 | 見え方 |
|---|---|---|
| みぞおちより上 | みぞおち、またはへそ | 線が開きの外へ抜けて縦に伸びる |
| みぞおち付近 | 下端より上か、へそ | 下端と重ねず、どちらかに離す |
| へそ付近 | みぞおち | 線が開きの中に収まる |
開きが深いジャケットに、へそまで垂らした線を合わせると、先端と下端が重なりやすくなります。その場合はみぞおちで止めて、線を開きの中に収めるほうが整います。
襟のないジャケット、短い丈の上着
襟のないジャケットは、前の打ち合わせがまっすぐ下に伸びる形が多く、首元に開きの形ができません。この場合は、前を開けて着るなら、打ち合わせの2本の縦の線の真ん中に、ネクタイ巻きの線が入ります。
3本の線が並ぶ形になるので、先端はへそで止めて、両側の線と長さの差をつけすぎないようにします。腰骨まで垂らすと、真ん中の1本だけが長くなり、3本の並びがそろいません。
丈の短い上着の場合は、上着の裾の高さを確かめてください。裾がへそより上なら、先端は裾より下、腰骨寄りに出すと、線が裾から外へ抜けて見えます。裾とへそが同じ高さなら、先端はみぞおちで止めて、裾とは離します。
コートを重ねる日|前を開けるか、留めるか
コートを重ねる日は、まず前を開けるか留めるかを決めます。ネクタイ巻きの線は、前を留めると中に入って見えなくなるからです。
前を開ける日は、ジャケットと同じく襟の開きの下端を基準にします。ロングコートのように前の開きが長く続く形では、腰骨まで垂らしても線が隠れません。コートの縦の線とネクタイ巻きの線が並び、全身の縦の流れが強くなります。
前を留める日は、先端をみぞおちで止め、結び目をコートの襟元から見える高さに上げます。コートの襟が首に近い形なら、結び目の下端を鎖骨から指1本ぶん下まで上げてください。屋内でコートを脱いだときにも、みぞおちで止めた短い線として成立します。
カーディガンやニットの上に重ねる日
カーディガンの前を開けて着る日は、ジャケットと同じく、前の開きの2本の線の真ん中にネクタイ巻きの線が入ります。カーディガンは襟がないぶん、首元から裾まで開きがまっすぐ続くので、先端はへそで止めるのがいちばん整います。
ニットの上にネクタイ巻きを重ねる日は、ニットの編み目と布が擦れて、線がまっすぐ下りにくくなります。薄くなめらかな布だと、編み目に引っかかって線がよれることがあります。ニットの上では、少し張りのある布を選ぶか、畳み幅を広めにして線に重さを持たせてください。
秋冬の布の厚みと落ち方
ネクタイ巻きの線が、まっすぐ下りるかどうかは、布の厚みと落ち方で決まります。秋冬の布は、夏の布とこの点が大きく違います。
薄くなめらかな布は、重力でまっすぐ下ります。線がきれいに出る反面、動くと揺れて、先端の位置がずれやすくなります。厚手でウールを含む布は、張りがあるので揺れにくい一方、胸のふくらみに沿って曲がりやすくなります。
厚手の布で線が曲がるときは、畳み幅を狭くして、布の重さを線の中心に集めてください。幅が広いと、布の端が胸に沿って広がり、線が曲がって見えます。起毛した布は表面が他の服に引っかかりやすいので、上に重ねるものとの擦れも確かめておきます。
布が短くて届かないとき
布を垂らしてみたら、先端がみぞおちに届かない、あるいはへそまで届かない。この場合の手は2つです。
1つは、結び目を作らず、交差させて輪に通す形にすること。結び目に使う長さが減るので、先端が10cmから15cm下がります。もう1つは、畳む幅を狭くすることです。幅を8cmから5cmに狭めると、結び目が小さくなり、そのぶん先端が下がります。
どちらでも届かない布は、ネクタイ巻きには向きません。首に一周させて結び目を見せる形や、肩に掛けて面として使う形のほうが収まります。
もう1つ、首に回す長さを短くする方法もあります。首の後ろで布をゆるく回していると、そのぶん前に垂らせる長さが減ります。首の後ろの布を首に沿わせて回すと、先端が数cm下がることがあります。ただし、きつく回すと首元が詰まって見えるので、指1本が入るくらいのゆとりは残してください。
届く位置がみぞおちまでの布なら、無理にへそまで伸ばそうとせず、みぞおちで止める日に回すと決めておくのも一つの方法です。前を留めるコートの日や、柄の大きなトップスの日は、みぞおちで止める短い線がいちばん収まりやすいからです。布ごとに得意な位置があると考えれば、短い布にも出番があります。
布が長すぎて腰骨を越えるとき
腰骨を越えた線は、体の縦の長さを超えて伸びるので、どこで終わったのか読めなくなります。
直し方は2つ。畳む幅を広げて、結び目に使う長さを増やすこと。8cmまで広げると、先端が5cmから10cm上がります。もう1つは、先端を1回だけ内側に折り込んで、結び目の下に留めることです。折り込む長さは10cm以内にしてください。それより長いと、折った部分が厚みとして外から見えます。
秋冬の厚い布では、折り込んだ部分の厚みが目立ちやすくなります。厚手の布で長さが余るときは、折り込むより一重で結んで結び目に長さを使うほうが、線がすっきり出ます。
どちらとも取れる場合①|先端がみぞおちとへその間で止まる
先端が、みぞおちとへそのちょうど間あたりで止まってしまうことがあります。どちらに寄せればいいか迷う位置です。
この場合は、上に重ねるものの有無で決めます。何も重ねない日や、前を留めるコートの日は、みぞおちまで上げてください。結び目をひと回り大きくするか、一重で結んで長さを使います。前を開けたジャケットやカーディガンの日は、へそまで下げてください。交差で留める形にするか、畳み幅を狭くします。
迷ったままその日を過ごすより、どちらかに寄せるほうが、見る人には線の終わりがはっきり伝わります。
寄せる幅の目安は、みぞおちとへそのどちらかに対して、指1本ぶん以内まで近づけることです。指2本以上離れていると、まだ中途半端な位置に見えます。結び目の作り方を変えても寄せきれないときは、畳み幅を1cmずつ変えて、先端の位置を細かく合わせてください。畳み幅を1cm変えるだけでも、先端は数cm動きます。合わせた畳み幅は、その布とその上着の組み合わせとして覚えておくと、次の朝からは迷わずに済みます。
どちらとも取れる場合②|線が途中で曲がる
先端の位置は合っているのに、線が途中で左右どちらかに曲がる。この場合、見る人には線の終わりが斜めにずれて見えます。
曲がる原因は、たいてい布の裏表がねじれていることか、胸のふくらみに沿って布が流れていることです。ねじれは、首に回したあと、垂らした布の裏表がそろっているかを確かめれば直ります。
胸に沿って流れる場合は、線の中ほどを、トップスの前立てやボタンの列に合わせて置いてください。前立てに沿わせると、線がまっすぐ下りやすくなります。前立てのない服では、線の中ほどを軽く押さえて、体の真ん中に沿わせてから手を離します。
どちらとも取れる場合③|襟の開きの下端と先端が重なる
ジャケットやコートを羽織ったら、先端がちょうど襟の開きの下端の高さに来てしまった。線の終わりと襟の終わりが重なる、いちばん判断に迷う状態です。
この場合は、先端を指3本ぶん上げるか、指3本ぶん下げるかのどちらかにします。上げるか下げるかは、上着の丈で決めてください。上着の丈が腰より短いなら上げて、線を開きの中に収めます。上着の丈が腰より長いなら下げて、線を開きの外へ抜きます。
指3本という幅は、線の終わりと襟の終わりが別々のものとして読まれる最小の幅の目安です。1本や2本ぶんだと、まだ重なって見えることがあります。
前を留めたいけれど、線も見せたい日
寒い日は上着の前を留めたい。けれどネクタイ巻きの線も見せたい。この2つを両立させる方法は1つだけです。上着の一番上のボタンだけを開けて、そこから線をのぞかせます。
一番上のボタンを開けると、首元に小さな開きができます。先端はみぞおちで止めて、開きの中で線が終わるようにします。開きの下端より先端が下にあると、線が上着の中に消えて途中で切れたように見えるので、必ず開きの中で終わらせてください。
ボタンを開けられない形の上着の日は、ネクタイ巻きではなく、結び目を首元に見せる巻き方に切り替えます。
シャツの襟の内側に通す日
秋冬は、シャツの上にジャケットを重ねる日が増えます。このとき、ネクタイ巻きの布をシャツの襟の内側に通すか、襟の外側に回すかで見え方が変わります。
襟の内側に通すと、布の首に回っている部分が襟に隠れ、見えるのは結び目と垂らした線だけになります。線の始まりがはっきりするので、先端の位置を読み取りやすくなります。襟の外側に回すと、首まわりに布の輪ができ、線の始まりが輪の中に溶けます。こちらは結び目よりも首元の輪が目立つ形です。
ネクタイ巻きとして線を見せたいなら、襟の内側に通してください。そのうえで、シャツの一番上のボタンを開けておくと、結び目が襟の合わせ目に収まり、線が真ん中から始まります。ボタンを留めたまま結ぶと、結び目が襟の上に乗って高くなり、鎖骨から指2本ぶん下という基準から外れます。
シャツの襟が大きく、ジャケットの襟と重なる日は、シャツの襟をジャケットの襟の内側に入れるか、外に出すかも決めておきます。外に出すと首元に襟が4枚重なり、結び目がその中に埋もれやすくなります。線を主役にする日は、シャツの襟を内側に入れるほうが整います。
秋冬の色と柄で、線の太さの見え方が変わる
同じ畳み幅でも、布の色と柄によって線の太さの感じ方は変わります。秋冬は濃い色の上着が増えるので、上着の色と布の色の関係も見え方に影響します。
濃い色の上着に明るい色の布を合わせると、線の輪郭がはっきり出て、実際の幅より太く見えます。この場合は、畳み幅を狭いほうの5cmから6cmに寄せると、線として読まれやすくなります。反対に、上着と布の色が近いと、線の輪郭が上着に溶けて細く見えます。この場合は、幅を広いほうの7cmから8cmに寄せてください。
柄は、細かい柄ほど線の輪郭をぼかし、大きな柄ほど線の中で柄が途切れて見えます。大きな柄の布を細く畳むと、柄の一部しか表に出ず、何の柄か読めない状態になります。大きな柄の布は、柄のいちばん目立つ部分が線の中ほどに来るように畳むと、線と柄が一緒に読まれます。
ただし、先端の位置の判定は色と柄で変えません。色と柄で調整するのは幅だけです。先端はみぞおち・へそ・腰骨のどれかで止めるという基準は、どの布でも同じです。
どちらとも取れる場合④|バッグのストラップが線と交差する
肩に掛けるバッグを持つ日は、ストラップが胸の前を斜めに横切ることがあります。このとき、ストラップとネクタイ巻きの線が交差します。
交差する位置が線の中ほどなら、線はストラップで2つに分かれて見えます。上の部分と下の部分が別々の線として読まれ、先端の位置が全体の終わりとして伝わりにくくなります。
この場合は、ストラップを肩に掛ける側を変えて、線と交差しないようにするのが一番です。それができない日は、先端をみぞおちで止めて、線がストラップより上で終わるようにしてください。線がストラップの上で終われば、交差は起きません。
斜めに掛けるバッグを使う日は、ストラップの位置が一日中ほとんど変わらないので、出かける前に一度だけ確かめれば済みます。手に持つバッグや片方の肩に掛けるバッグの日は、ストラップが線と交差しないので、この判断は要りません。
鏡の前での確かめ方
朝、鏡の前で確かめる手順は次の3つです。
- 上着を羽織った状態で、全身が映る距離に立つ
- 先端がみぞおち・へそ・腰骨のどこにあるかを見る
- 先端と、上着の襟の開きの下端や裾の高さが重なっていないかを見る
上着を羽織らずに確かめると、羽織ったときに先端と襟の下端が重なることに気づけません。必ず、その日に外へ出る状態で確かめてください。
鏡の前では、正面だけでなく、体を少し斜めに向けた姿も見てください。正面では先端がへそで止まっていても、斜めから見ると、布が胸に沿って流れて先端が横にずれていることがあります。斜めから見ても線がまっすぐ下りていれば、歩いているときも先端の位置は保たれます。
鏡を見る距離も大切です。近くで見ると結び目ばかりが目に入り、先端の位置を見落とします。全身が映る距離まで下がって、首元から先端までの線を一本として眺めてください。線の始まりと終わりがはっきり分かれば、その日のネクタイ巻きは成立しています。
出かけたあとに先端の位置がずれてきたと感じたら、結び目をほどかずに、垂らした布を軽く下へ引いて整えてください。結び目がゆるんで先端が下がった場合は、結び目を指1本ぶん上へ押し上げると、先端も同じだけ上がります。どちらも、結び直すより早く元の位置に戻せます。
秋冬の一着ごとに、止める位置を決めておく
秋冬は、手持ちの上着が数着に限られることが多い季節です。毎朝その場で判断するより、上着ごとに先端を止める位置を一度決めておくと、迷う時間が減ります。
決め方は簡単です。上着を1着ずつ羽織り、襟の開きの下端と裾の高さを確かめます。そのうえで、みぞおち・へそ・腰骨のどれなら下端や裾と重ならないかを選び、上着ごとに覚えておきます。前を開けるジャケットはへそ、前を留めるコートはみぞおち、前を開けて着るロングコートは腰骨、というように、上着と位置を組にしておくのです。
布の側も同じように決めておけます。手持ちの布を1枚ずつ垂らして、畳み幅を5cmにしたときと8cmにしたときで、先端がどこまで届くかを確かめておきます。上着の止める位置と、布の届く位置が分かっていれば、朝は組み合わせを選ぶだけで済みます。
組み合わせが決まると、その日にネクタイ巻きを選ぶかどうかの判断も早くなります。止めたい位置に届く布がない日は、ネクタイ巻きをやめて、結び目を首元に見せる巻き方に切り替えればよいからです。
まとめ
ネクタイ巻きは、手順ではなく、先端の位置で決まります。
- 先端は、みぞおち・へそ・腰骨のどれかで止める
- ジャケットやコートを重ねる日は、先端を襟の開きの下端と同じ高さにしない。指3本ぶん上か下に離す
- 前を留めるコートの日は、先端をみぞおちで止め、結び目を襟元から見せる
- 畳んだあとの幅は5cmから8cm。秋冬の厚い布は狭いほうに寄せる
- 結び目の下端は、鎖骨から指2本ぶん下
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. スカーフのネクタイ巻きが、うまく決まりません
- 決まらない原因のほとんどは、垂らした先端がどこで止まっているかを見ていないことです。この巻き方は、首元の結び目ではなく、そこから下に伸びる1本の線が主役です。線は先端で終わるので、終わる位置が全体を決めます。鏡の前で先端の位置を確かめ、みぞおち・へそ・腰骨のどれかに合わせてください。みぞおちとへそのあいだのような中途半端な位置だと、線がどこで終わったのか読めません。
- Q. ジャケットに合わせるとき、先端はどこまで垂らしますか
- ジャケットの襟の開き、つまり左右の襟が合わさる位置の下端を基準にします。先端を下端より上で止めると、線は襟の開きの中に収まって見えます。下端より指3本以上下まで垂らすと、線が開きの外へ抜けて縦に長く見えます。いちばん避けたいのは、先端と下端がほぼ同じ高さに来ることです。線の終わりと襟の終わりが重なり、どちらで終わったのかが読めなくなります。
- Q. コートの前を留める日でもネクタイ巻きは使えますか
- 前を留めると、垂らした線がコートの中に入って外から見えません。線が見えないなら、ネクタイ巻きを選ぶ理由が薄くなります。留める日は、先端をみぞおちで止めて短くし、結び目がコートの襟元から見える高さに上げてください。屋内でコートを脱いだときにも、みぞおちで止まった短い線として成立します。
- Q. 布が短くて先端が届きません
- 手は2つあります。1つは結び目を作らず、交差させて重ねるだけにすること。結び目に使う長さが減るので、先端が10cmから15cm下がります。もう1つは畳む幅を狭くすることです。幅を8cmから5cmに狭めると結び目が小さくなり、そのぶん先端が下がります。どちらでも届かない布は、ネクタイ巻きには向きません。線ではなく面として使うほうが収まります。
- Q. 布が長すぎて腰骨を越えます
- 越えた線は、どこで終わったか読めなくなります。直し方は2つ。畳む幅を広げて、結び目に使う長さを増やすこと。8cmまで広げると先端が5cmから10cm上がります。もう1つは、先端を1回だけ内側に折り込んで結び目の下に留めることです。折り込む長さは10cm以内にしてください。それより長いと、折った部分が厚みとして外から見えます。
— メグラシ編集部




