帯締めの結び方 かわいい|余る長さと帯締めの太さで形を選ぶ

**帯締めをかわいく結びたいなら、まず基本の結び方をして、左右にどれだけ余るかを測ってください。**形は、その長さで選べるものが決まります。写真で見た形から先に選ぶと、結び始めてから長さが足りないと分かり、やり直すことになります。
余りが15cmに届かないなら、輪を作る形は難しいので、基本の結び方のまま房の向きで整えます。15cm以上あれば片側に小さな輪を作る形が、25cm以上あれば両側に輪を作る形が、35cm以上あれば輪を重ねる華やかな形が作れます。そのうえで、帯締めが平たいか丸いかで、向く形がもう一段絞れます。
秋は着物を着る機会が増える季節です。七五三の付き添い、成人式の前撮り、紅葉の時季の街歩き。場面によって、どこまで結び目を崩してよいかも変わります。この記事は、余りの長さ、帯締めの太さ、場面の3つから、自分に合う形を選ぶ手順を書いています。
結論:かわいい形は、余る長さで選べるものが決まる
あなたの帯締めの余りが、15cm未満なら基本の形のまま、15cm以上で片側の輪、25cm以上で両側の輪、35cm以上で輪を重ねる形です。
ここでいう余りとは、基本の結び方をしたあと、結び目から房の付け根までの長さのことです。房そのものの長さは含めません。房は形を作るときに使えないので、測るのは房の付け根までです。
なぜ余りから決めるのかというと、帯締めの長さは同じでも、余りは人によって大きく変わるからです。帯締めは、帯の上から胴をひと回りして、前で結びます。胴まわりが細い人と、帯を厚く締めている人とでは、ひと回りに使う長さが10cm以上違うことがあります。同じ帯締めでも、ある人には35cm余り、別の人には20cmしか余らない、ということが起きます。
形を作るには、輪を作るぶんの長さが要ります。輪を1つ作るには、輪の大きさの2倍の長さが必要です。5cmの輪を作るなら10cm、それに結び目に巻きつけるぶんと、房を整えるぶんを足すと、15cm前後が要ります。輪が2つなら、その倍近く。だから、余りの長さが、作れる形をそのまま決めます。
写真で見たかわいい形が、自分の帯締めと体で作れるかどうかは、余りを測れば結ぶ前に分かります。測る手間は1分もかかりません。
早見表|余りの長さと帯締めの太さで選べる形
| 余り(片側) | 平たい帯締め | 丸い帯締め | 幅の広い振袖向け |
|---|---|---|---|
| 15cm未満 | 基本の形+房を上向きに | 基本の形+房を上向きに | 交差させて面を見せる |
| 15〜25cm | 片側に輪 | 片側に輪 | 交差+片側に輪 |
| 25〜35cm | 両側に輪 | 両側に輪(立体的に) | 交差+両側に輪 |
| 35cm以上 | 輪を重ねる | 輪を重ねる(花のように) | 輪を重ねる |
表は、余りと太さの組み合わせでどの形が選べるかを示すためのものです。それぞれの形の作り方と、場面ごとにどこまで崩してよいかは、この先の章で書きます。
まず基本の結び方|すべての形の土台
かわいい形は、どれも基本の結び方を土台にしています。基本の結び方ができていないと、輪を作っても崩れやすくなります。まずは基本の結び方を確かめてください。
- 帯締めの真ん中を、帯の正面の中央に当てます
- 左右を体の後ろへ回し、お太鼓の中を通して、前に戻します
- 前で左右の長さをそろえ、左側を上にして交差させます
- 上になった左側を、下からくぐらせて上に引き出し、ひと結びにします
- 上に出た端で輪を作り、もう一方の端をその輪にくぐらせます
- 左右の帯締めを、体の脇に向かって水平に引き締めます
- 房の先を、左右の帯締めの脇に上向きに挟みます
**結び目が横一文字に平らになっていれば、基本の結び方ができています。**結び目が斜めにねじれていたら、5の手順でくぐらせる向きが逆になっています。一度ほどいて、くぐらせる向きを変えて結び直してください。
引き締めるときは、上や下ではなく、必ず水平に引いてください。上や下に引くと、結び目がねじれて、時間がたつとゆるみます。左右を同時に、体の脇へ向かって引くと、結び目が帯の中央でしっかり止まります。
房を上向きに挟むのは、お祝いの場での一般的な整え方です。房を下向きにするのは、お悔やみの場での整え方とされています。秋の七五三や成人式、街歩きでは、上向きにしておけばまず外れません。
この基本の結び方は、それだけで十分に整って見えます。かわいい形を作れない長さのときも、基本の結び方をきれいに結んで、房をそろえて挟むだけで、帯まわりは引き締まります。
余りの測り方|結んだ状態で、結び目から房の付け根まで
余りは、実際に着物と帯を着けた状態で測ります。帯締めだけを手に持って長さを測っても、胴まわりと帯の厚みで余りは変わるので、あてになりません。
測り方は次の通りです。帯を締めた状態で、基本の結び方を最後まで結びます。房を挟む前に、結び目から房の付け根までの長さを、左右それぞれ測ります。メジャーがなければ、手の幅で測ってもかまいません。指をそろえた手のひらの幅は、多くの人で7〜8cmほどです。手のひら2枚ぶんあれば、15cm前後と考えてください。
**左右で余りが違うときは、短いほうの長さで形を選びます。**左右の長さは、最初に真ん中を当てた位置がずれていると、違ってきます。左右の差が5cm以上あるなら、一度ほどいて、真ん中を当てる位置を直してください。
着物を着るたびに測る必要はありません。同じ帯締めと同じ帯で、同じように締めるなら、余りはほとんど変わりません。一度測ったら、その帯締めの余りをメモしておくと、次からは形を選ぶのが早くなります。
ただし、帯が変わると余りも変わります。袋帯は名古屋帯より厚みがあるので、同じ帯締めでも余りが数cm短くなります。振袖に合わせる帯は、華やかに結ぶぶん厚みが出ることが多く、余りはさらに短くなります。振袖向けに作られた帯締めが一般のものより長めに作られていることがあるのは、そのためです。
帯締めの長さそのものは、多くが150〜160cm前後です。購入するときに長さが書かれていれば、自分の余りが足りるかの目安になります。胴まわりと帯の厚みを足した長さが、ひと回りに使う長さです。そこから結び目に使う15cmほどを引いて、残りを2で割ると、片側の余りのおおよその長さになります。
帯締めを買うときに見ること
新しく帯締めを買うときは、長さと太さを見てください。長さが書かれていれば、自分の胴まわりと帯の厚みから、余りがどれくらいになるかを計算できます。かわいい形を作りたいなら、自分の余りが25cm以上になる長さを選ぶと、両側に輪を作る形まで楽しめます。
太さは、作りたい形で選びます。面を見せる形が好きなら平たいもの、結び目を立体的にしたいなら丸いもの、振袖に合わせるなら幅の広いものです。
迷ったら、平たくて幅が中くらいのものを1本選んでください。基本の形から片側の輪、両側の輪まで、どの形にも使えて、格のある着物から普段の着物まで合わせやすい太さです。
帯締めの太さで変わること|平たいもの・丸いもの・幅の広いもの
余りの長さで選べる形が決まったら、次は帯締めの太さで、向く形を絞ります。帯締めは、組み方によって、平たいもの、丸いもの、幅の広いものに分けられます。
平たい帯締め
平たい帯締めは、表と裏がはっきりしていて、面を見せる形に向きます。輪を作ると、輪の面が正面を向き、模様や色がよく見えます。片側に輪を作る形や、輪を重ねる形を作ると、平たい面が花びらのように重なって、すっきりとかわいく仕上がります。
平たい帯締めで輪を作るときは、輪の面がねじれないように気をつけてください。ねじれると、裏が見えて、面がそろいません。輪を作るたびに、指で面を整えながら進めます。
丸い帯締め
丸い帯締めは、断面が丸く、どの向きから見ても同じ見え方をします。輪を作ると、輪が立体的にふくらみ、結び目がころんとかわいく見えます。両側に輪を作る形や、輪を重ねて花のように見せる形に向きます。
丸い帯締めは、平たいものよりすべりやすく、結び目がゆるみやすい性質があります。引き締めるときに、平たいものより一段強めに引いてください。輪を作ったあとも、輪の根元をもう一度引き締めておくと、崩れにくくなります。
幅の広い振袖向けの帯締め
振袖に合わせる帯締めには、幅が広く、厚みのあるものがあります。こうした帯締めは、輪を作らなくても、結び目で左右を交差させるだけで面が重なり、華やかに見えます。余りが少なくても形が作りやすいのが特徴です。
幅の広い帯締めは、結び目が大きくなりやすいので、帯の幅に対して結び目が大きすぎないかを確かめてください。結び目の横幅が、帯の幅の半分を超えると、帯まわりが重たく見えます。
片側に輪を作る形|余り15cmから
余りが15cm以上あれば、片側に小さな輪を作る形ができます。基本の結び方に、輪を1つ足すだけなので、いちばん手軽にかわいさを足せる形です。
作り方は次の通りです。
- 基本の結び方の5の手順で、もう一方の端を輪にくぐらせるとき、端を最後まで引き抜かずに、途中で止めて輪を残します
- 残した輪の大きさを、指で5cm前後に整えます
- 左右の帯締めを水平に引き締め、結び目を止めます
- 輪の向きを、斜め上か真横に向けて整えます
- 房を、輪のないほうの帯締めの脇に上向きに挟みます
**輪の大きさは、5cm前後にとどめてください。**輪が大きくなると、帯まわりが重たく見え、時間がたつと輪が垂れてきます。5cmなら、帯の幅の中に収まり、すっきりと見えます。
輪を左右どちらに作るかは、自由です。ただ、写真を撮るときに体のどちら側をカメラに向けることが多いかを考えて、カメラに近いほうに輪を作ると、写真に輪が写ります。
片側に輪を作る形は、平たい帯締めでも丸い帯締めでも作れます。平たいものは輪の面がすっきり見え、丸いものは輪がころんとふくらみます。
輪の向きで変わる印象
片側に輪を作る形は、輪の向きで印象が変わります。輪を斜め上に向けると、帯まわりが軽やかに見え、かわいさがはっきり出ます。真横に向けると、落ち着いた印象になり、少し改まった場にも合わせやすくなります。
斜め下に向けるのは避けてください。輪が下を向くと、時間がたって輪が垂れたように見え、帯まわりがだらしなく見えます。
輪の向きは、結び目を引き締める前に決めます。引き締めたあとに向きを変えようとすると、結び目がねじれて、ゆるみの原因になります。
両側に輪を作る形|余り25cmから
余りが25cm以上あれば、両側に輪を作る形ができます。結び目の左右に輪が1つずつ並び、蝶のような形になります。かわいさがはっきり出る形です。
作り方は次の通りです。
- 基本の結び方の4の手順まで進め、ひと結びにします
- 上に出た端で、5cm前後の輪を作ります
- もう一方の端でも、同じ大きさの輪を作ります
- 2つの輪を交差させ、片方の輪をもう片方の輪の下からくぐらせて結びます
- 左右の輪を水平に引き、結び目を締めます
- 輪の大きさを左右でそろえ、房を整えます
**左右の輪の大きさがそろっているかを、鏡で正面から確かめてください。**輪の大きさが違うと、結び目が傾いて見えます。輪を引き締める前に、左右の輪の大きさをそろえてから、結び目を締めるのがこつです。
丸い帯締めで作ると、輪がふっくらとふくらみ、立体的なかわいさが出ます。平たい帯締めで作ると、輪の面が正面を向き、すっきりとした印象になります。
両側に輪を作ると、結び目全体の横幅が大きくなります。結び目の横幅が帯の幅の半分を超えないように、輪の大きさを調整してください。帯の幅が狭い名古屋帯なら、輪を4cm前後に小さくすると、帯まわりに収まります。
輪の大きさを左右でそろえるこつ
左右の輪の大きさをそろえるには、輪を作る前に、左右の余りの長さをそろえておくことが大事です。基本の結び方の最初に、帯締めの真ん中を帯の正面中央に当てる位置がずれていると、左右の余りが違ってきます。
輪を作るときは、指を輪の中に入れて、指の本数で大きさを測ってください。指2本ぶんの輪なら、およそ4cm、指3本ぶんなら5cm前後です。左右とも同じ本数の指で輪を作れば、大きさがそろいます。
輪を重ねる形|余り35cmから、振袖に向く
余りが35cm以上あれば、輪を2つ以上重ねる華やかな形ができます。花のような形や、輪が段になって重なる形は、振袖によく似合います。
作り方の考え方は、両側に輪を作る形に、さらに輪を足すというものです。
- 両側に輪を作る形を、輪を引き締めずに作ります
- 残った余りで、もう1つ輪を作ります
- 新しい輪を、先に作った輪の上か下に重ねます
- 輪の根元を結び目に巻きつけて、止めます
- それぞれの輪の大きさと向きを、指で整えます
輪を重ねる形は、輪の数が増えるほど、崩れやすくなります。**輪の根元を、結び目にしっかり巻きつけて止めることが大事です。**巻きつけがゆるいと、時間がたつと輪がほどけてきます。
輪を重ねる形は、自分で結ぶには練習が要ります。成人式の前撮りのように、着付けをお願いする場面なら、着付けの人に結んでもらうのが確実です。その場合でも、自分の帯締めの余りが35cm以上あるかを先に確かめておくと、当日、希望の形ができるかどうかがすぐ分かります。
幅の広い振袖向けの帯締めなら、輪を作らずに、結び目で左右を交差させるだけでも、輪を重ねたような華やかさが出ます。余りが足りないときは、この方法を試してみてください。
結び目の位置と、房の向き
形を作ったら、最後に結び目の位置と房の向きを整えます。どんなにかわいい形を作っても、結び目の位置がずれていると、全体が崩れて見えます。
**結び目の位置は、帯の幅の真ん中か、それより少し下です。**帯の正面中央、縦にも横にも真ん中に結び目が来るのが基本です。真ん中より上にあると、帯まわりが詰まって見え、下にありすぎると、帯がずり落ちているように見えます。
横の位置は、体の中心です。輪を作る形でも、結び目そのものは体の中心に置きます。輪が片側に寄るのはかまいませんが、結び目が中心からずれていると、帯全体が傾いて見えます。
房の向きは、上向きに挟みます。お祝いの場では房を上向きにするのが一般的です。房の先がそろっていると、結び目まわりが整って見えます。房がばらけているときは、出かける前に、湯気を当ててから指で整えると、まっすぐにそろいます。
輪を作る形では、房を挟む位置にも気をつけてください。輪のある側に房を挟むと、輪と房が重なって見えにくくなります。輪のない側か、輪の下に挟むと、輪と房の両方がきれいに見えます。
帯揚げとの釣り合い
帯締めの結び目をかわいくするときは、帯揚げとの釣り合いも見てください。帯揚げは、帯の上に少しのぞく布で、帯締めのすぐ上にあります。
帯締めに輪を作って華やかにするなら、帯揚げはすっきりと控えめに見せるとまとまります。帯揚げもふんわりと大きく見せると、帯の上下に華やかなものが重なり、帯まわりが重たく見えます。
反対に、帯揚げを華やかに見せる振袖では、帯締めの結び目を控えめにする組み合わせもあります。帯揚げと帯締めの、どちらで華やかさを出すかを先に決めて、もう一方は控えめにする。これだけで、帯まわりがすっきりまとまります。
房の手入れで、結び目まわりが変わる
帯締めの房は、使ううちに先がばらけたり、癖がついたりします。房がそろっていないと、どんなにきれいに結んでも、結び目まわりが乱れて見えます。
房がばらけたら、やかんの湯気やスチームアイロンの蒸気を少し当てて、目の粗いくしでとかしてください。そのあと、紙を巻いて形を整えたまま乾かすと、まっすぐにそろいます。しまうときも、房に紙を巻いておくと、次に使うときまで形が保てます。
七五三の付き添い|主役より一段控える
秋に着物を着る機会として多いのが、七五三の付き添いです。訪問着や色無地、付け下げで付き添う人が多いでしょう。
七五三の主役は子どもです。付き添いの装いは、主役より一段控えめにするのが一般的です。帯締めも、基本の結び方を土台にして、房を上向きに挟むのが無難です。
かわいさを足したいなら、結び方ではなく、色で足してください。帯締めの色を、着物の柄の中にある1色と合わせる。淡い色の帯締めを選ぶ。それだけで、結び目を崩さなくても、帯まわりの印象はやわらぎます。
片側に小さな輪を作る形なら、気にならない場も多くあります。ただし、写真館での撮影や、格を気にする家族がいる場では、基本の形にしておくと迷いません。写真には、主役の子どもと並んだ姿が残ります。付き添いの帯締めが目立ちすぎないほうが、写真全体がまとまります。
七五三の当日は、子どもを抱っこしたり、しゃがんだり、石段を上り下りしたりと、動く時間が長くなります。輪を作る形は、動いているうちに崩れることがあります。動く時間が長い日こそ、崩れにくい基本の形が向いています。七五三の日の動き方については、七五三の母親の服装(しゃがむ・抱っこ・石段の日)にもまとめています。子どもの帯の結び方は、こどもの帯の結び方(七五三の7歳)にあります。
子どもの帯まわりと色をそろえるか
七五三では、子どもも着物を着ることが多くあります。親子で帯まわりの色をそろえると、写真に並んだときに一体感が出ます。
そろえるなら、帯締めの色を、子どもの着物の柄の中の1色と合わせてください。子どもの着物は色数が多く、華やかなものが多いので、その中の1色を拾うだけで、親子で並んだときにつながりが見えます。
まったく同じ色にする必要はありません。子どもの着物に濃い赤があるなら、親の帯締めは淡い赤にする、というように、同じ色の濃さを変えると、主役の子どもを引き立てながら、親子のつながりも出せます。
成人式の前撮り|写真に写る形を選ぶ
秋は、成人式の前撮りが多い季節でもあります。振袖の帯締めは、輪を作る形や輪を重ねる形がよく似合います。
前撮りでは、正面だけでなく、斜めや横、後ろ姿も撮ります。**結び目が、斜めから見ても立体的に見える形を選んでください。**平たい帯締めで輪を重ねる形は、正面からは華やかに見えますが、横から見ると平たく見えることがあります。丸い帯締めで輪を作る形なら、どの角度から見ても輪がふくらんで見えます。
撮影の前に、一度自分で結んでみて、鏡で斜めから確かめてください。スマートフォンで斜めから写真を撮ってみると、実際の写真でどう見えるかが分かります。
着付けをお願いする場合は、結びたい形の写真を見せて、自分の帯締めで作れるかを先に相談しておくと、当日あわてません。余りが足りないと言われたら、幅の広い振袖向けの帯締めで交差させる形に変えるか、長めの帯締めを用意してください。
振袖の色と帯締めの色の合わせ方は、振袖の色の選び方の考え方が参考になります。顔に近い衿元の色と、帯まわりの色を別々に考えると、帯締めの色も決めやすくなります。
着付けをお願いするときに伝えること
前撮りで着付けをお願いするときは、事前に3つのことを伝えておくと、当日の仕上がりが思い通りになりやすくなります。
1つ目は、結びたい形です。写真を見せるのがいちばん確実です。2つ目は、持っていく帯締めの太さと長さです。平たいものか丸いものか、長さはどれくらいかを伝えておけば、その形が作れるかを先に判断してもらえます。3つ目は、帯揚げと帯締めのどちらで華やかさを出したいかです。
着付けの人は、体と帯の厚みを見て、その場で形を調整してくれます。けれど、帯締めの長さが足りないと、調整にも限りがあります。事前に伝えておけば、長さが足りない場合に、別の帯締めを用意する時間ができます。
秋のお出かけ着物|いちばん自由に崩せる
小紋や紬で街を歩く、紅葉を見に出かける、友人と食事をする。秋のお出かけ着物は、帯締めをいちばん自由に結べる場面です。
格の決まりがゆるやかなので、余りの長さが許す範囲で、好きな形を選んでかまいません。片側に輪を作る形は、普段の着物に手軽にかわいさを足せます。両側に輪を作る形は、着物の柄が控えめなときに、帯まわりに華やかさを足せます。
秋の着物なら、帯締めの色を季節に合わせるのも楽しみの一つです。紅葉を思わせる赤や橙、実りを思わせる黄や茶。着物と帯がおとなしい色なら、帯締めに秋の色を1本差すだけで、季節が伝わります。
街歩きでは、長く歩いたり、電車の座席に座ったりします。座ると帯が押されて、結び目が上にずれることがあります。出かける前に一度座ってみて、結び目がずれないかを確かめてください。ずれるなら、引き締めをもう一段強くするか、輪を小さくしてください。
浴衣の帯の結び方を秋に楽しみたいなら、浴衣の兵児帯の重ね結びにも、秋らしい張りのある結び方を書いています。
半幅帯に帯締めを足すとき
秋のお出かけ着物では、半幅帯を締めることもあります。半幅帯は、本来は帯締めがなくても締められる帯ですが、帯締めを足すと、帯まわりに飾りが加わって華やかになります。
半幅帯に帯締めを足すときは、お太鼓がないので、帯締めを帯の上からそのまま胴に巻いて結びます。帯の厚みが少ないぶん、余りは名古屋帯のときより長くなります。名古屋帯では片側の輪しか作れなかった帯締めでも、半幅帯なら両側の輪が作れることがあります。
半幅帯は幅が狭いので、結び目と輪を小さめにすると収まりがよくなります。輪は4cm前後を目安にしてください。
どちらとも取れるとき①|余りが境目ぴったり
ここからは、目安が重なって、どちらに寄せるか迷う場合を書きます。
1つ目は、余りが境目ぴったりのときです。たとえば余りが24cmで、片側の輪の目安には十分だけれど、両側の輪の目安の25cmにはわずかに足りない。こういうときは、作りたい形の輪を、1cm小さくしてください。
輪の大きさを5cmから4cmにすると、輪1つにつき2cm、両側で4cmほど、必要な長さが短くなります。24cmの余りでも、4cmの輪なら両側に作れます。輪が少し小さくなるぶん、形は控えめになりますが、帯の幅の狭い名古屋帯なら、かえって収まりがよくなります。
反対に、余りが26cmと、両側の輪の目安をわずかに超えているときは、輪を5cmで作れます。ただし、引き締めたあとの房の付け根が結び目に近くなり、房が短く見えることがあります。房を挟む位置を、少し脇に寄せると、房がすっきり見えます。
境目の長さのときは、結び始める前に、一度輪の大きさを決めて、指で輪を作ってみてください。結び目まで届くかどうかが、結ぶ前に分かります。
どちらとも取れるとき②|格のある着物で、かわいくもしたい
2つ目は、格のある着物を着るけれど、かわいさも出したいときです。七五三の付き添いで訪問着を着る、お祝いの食事会で色無地を着る、といった場面です。
この場合は、**結び目の形は基本のままにして、帯締めの色と房の整え方でかわいさを出してください。**格のある着物で輪を作る形にすると、場によっては、くだけた印象に見えることがあります。
色で出すなら、淡い色の帯締めを選びます。淡い桃色、薄い水色、白に近い色。こうした色は、格のある着物にも合わせやすく、やわらかさが出ます。2色以上の糸で組まれた帯締めなら、着物の柄の中の色を1つ拾うだけで、全体がまとまります。
房の整え方でも印象は変わります。房をきちんとそろえて上向きに挟むと、結び目まわりが整い、清潔感が出ます。房の先がそろっているだけで、基本の形でも十分に丁寧に見えます。
どうしても輪を作りたいなら、片側に4cm以下の小さな輪を1つだけ。それ以上は、格のある着物では控えたほうが迷いません。
どちらとも取れるとき③|結び目がゆるむ、ほどける
3つ目は、かわいく結べたのに、時間がたつとゆるんだり、ほどけたりするときです。
ゆるむ原因は、多くの場合、最初の引き締めが足りないか、結び目の向きがねじれているかのどちらかです。基本の結び方をしたら、左右の帯締めを、結び目から体の脇に向かって水平に引いてください。上や下に引くと、結び目がねじれて、時間がたつとゆるみます。
**結び目が横一文字に平らになっているかを、鏡で確かめてください。**斜めになっていたら、一度ほどいて結び直します。ねじれたまま輪を作っても、輪が傾いて、崩れやすくなります。
輪を作る形は、輪の根元をもう一度引き締めると、崩れにくくなります。輪を作り終えたら、輪の根元を指でつまんで、結び目に向かって軽く押し込んでください。
丸い帯締めは、平たいものよりすべりやすいので、引き締めを一段強めにしてください。それでもゆるむなら、平たい帯締めに替えるか、輪の数を減らすと、一日持ちやすくなります。
出かける前に、一度座ったり、腕を上げたりして、結び目が動かないかを確かめておくと安心です。
練習は、帯を締めなくてもできる
かわいい形を作るには、少し練習が要ります。けれど、練習のたびに着物を着て帯を締めるのは大変です。
練習は、帯を締めなくてもできます。ダイニングチェアの背もたれや、丸めたバスタオルに帯締めを巻き付けて、結んでみてください。胴まわりと同じくらいの太さのものに巻けば、余りの長さも実際に近くなります。
鏡の前で練習するときは、左右が逆に見えることに気をつけてください。動画を見ながら練習する場合も、画面の中の人と向かい合っているのか、同じ向きなのかで、左右が入れ替わります。最初は、手順の言葉を1つずつ声に出しながら結ぶと、左右を取り違えにくくなります。
一度形を覚えてしまえば、本番では数分で結べるようになります。秋の行事の前に、2〜3回練習しておくと安心です。
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よくある問い
- Q. 帯締めをかわいく結びたいのですが、長さが足りません
- 形を変える前に、余りの長さを測ってください。基本の結び方をしたあと、結び目から房の付け根までが左右それぞれ何cmあるかを見ます。15cmに届かないなら、輪を作る形は難しいので、基本の結び方のまま房の向きと位置を整えるだけにしてください。房を左右対称に上向きに挟むだけでも、結び目まわりは十分に整って見えます。どうしても輪を作りたいなら、結び目を体の中心から少し脇へずらす方法もありますが、礼装では避けたほうが落ち着きます。長さに余裕のある帯締めに替えるのがいちばん確実です。
- Q. 七五三の付き添いで、帯締めをかわいく結んでもいいですか
- 訪問着や色無地、付け下げで付き添うなら、基本の結び方を土台にして、房を上向きに挟むのが無難です。七五三の主役は子どもで、付き添いの装いは一段控えめにするのが一般的だからです。かわいさを足したいなら、結び方ではなく色で足してください。帯締めの色を着物の柄の中の1色と合わせる、あるいは淡い色にするだけで、結び目を崩さなくても印象はやわらぎます。片側に小さな輪を作る程度なら気にならない場も多いのですが、写真館での撮影や、格を気にする家族がいる場では、基本の形にしておくと迷いません。
- Q. 成人式の前撮りで、帯締めを飾り結びにしたいです
- 振袖なら、輪を作る形や輪を重ねる形がよく似合います。前撮りでは正面だけでなく、斜めや横からも撮るので、結び目が横から見ても立体的に見える形を選ぶと写真に残ります。余りが35cm以上あれば輪を重ねる形が作れます。幅の広い振袖向けの帯締めなら、交差させて面を重ねるだけでも華やかになります。撮影の前に一度結んでおき、輪の大きさを左右でそろえて、斜めから鏡で確かめてください。着付けをお願いする場合は、結びたい形の写真を見せて、余りが足りるかを先に相談しておくと当日あわてません。
- Q. 結んだ帯締めがゆるんだり、ほどけたりします
- ゆるむ原因は、最初に結ぶときの引き締めが足りないか、結び目の向きがねじれているかのどちらかが多くあります。基本の結び方をしたら、左右の帯締めを、結び目から体の脇に向かって水平に引いてください。上や下に引くと、結び目がねじれて、時間がたつとゆるみます。結び目が横一文字に平らになっているかを鏡で確かめ、斜めになっていたら一度ほどいて結び直します。輪を作る形は、輪の根元をもう一度引き締めると崩れにくくなります。丸い帯締めは平たいものよりすべりやすいので、引き締めを一段強めにしてください。
— メグラシ編集部





