こどもの帯の結び方|七五三の7歳は、残る帯の長さで結びの形を選ぶ

七五三の7歳の帯を家で結ぶなら、最初にやることは、結び方を選ぶことではありません。帯の長さを測ることです。
帯の全長から、手先に取る長さと、子どもの胴に2周巻く長さを引いて、残りの長さを出してください。その数字で、選べる結び方が決まります。
- 残りがおよそ100cm未満:文庫結び。短い帯でも羽根がしっかり作れる
- 残りが100〜150cm:文庫結びか立て矢結び。結ぶ人の慣れで選ぶ
- 残りが150cmを超える:ふくら雀も選べる。立て矢を大きく作ることもできる
数字は目安です。帯の厚みや硬さで少し前後しますが、まずこの3つのどこに入るかを確かめるだけで、「練習した結び方が、当日の帯では作れなかった」という失敗はほとんど防げます。
七五三の帯がほどける、下がるといった当日の困りごとの直し方は子どもの帯の結び方|七五三と旅館の浴衣で、ほどける・下がるを直すで書いています。この記事では、その前の段階、家にある帯でどの形を結ぶかを決めるところを扱います。
結論:結び方の名前より先に、残る長さを測る
七五三の7歳の帯結びは、次のように決めると迷いません。
| 残る長さの目安 | 向く結び方 | 結ぶ人の慣れ |
|---|---|---|
| 100cm未満 | 文庫 | 初めてでも結べる |
| 100〜150cm | 文庫・立て矢 | 立て矢は一度練習を |
| 150cm超 | ふくら雀・大きめの立て矢 | 二度以上の練習を |
表は、長さと結び方の関係を見るためのものです。長い帯でも文庫は結べますし、むしろ余った分で羽根を厚くできます。反対に、短い帯で大きな形を作ることはできません。長さは「選べる結び方の上限」を決めるもの、と考えてください。
ここでいう帯は、7歳の子どもが着物に合わせる、袋帯や丸帯のような幅の広い帯のことです。結ぶ必要のない作り帯の場合は、後半の「作り帯を選ぶ家」で書いています。
結ぶ前に測る2つ:帯の全長と、子どもの胴回り
残りの長さを出すために、測るものは2つだけです。
帯の全長
帯を畳の上にまっすぐ広げ、端から端までを布の巻き尺で測ります。帯は長いので、2人で端を持って測ると正確です。1人で測るなら、帯を半分に折って、折り山から端までを測り、2倍にします。
新しく用意した帯でも、お下がりの帯でも、レンタルで届いた帯でも、長さはまちまちです。「子ども用だからこのくらい」と思い込まずに、手元の1本を必ず測ってください。
子どもの胴回り
胴回りは、着物を着せて、補正をしてから測ります。素肌や肌着の上から測ると、本番より数cm短く出てしまい、残りの長さを多く見積もることになります。
測る位置は、帯を巻く高さです。7歳の帯は、大人より高め、胸の下からおなかの上にかけての位置に巻きます。その高さで、巻き尺をきつく締めすぎず、ゆるめすぎず、着物の上に沿わせて測ります。
7歳の子どもの胴回りは、着物と補正の上から測ると、多くの子で50cmから60cm台に入ります。ただ、同じ7歳でも体つきはそれぞれです。目安の数字ではなく、目の前の子どもを測った数字を使ってください。
本番の前に一度着せて測るのが難しいとき
着物を着せてみる時間がとれないなら、ふだんの服の上から胴回りを測り、そこに5〜8cmを足してください。着物、長襦袢、補正のタオルが重なる分です。
残りの長さの出し方
全長と胴回りがわかったら、次の式で残りの長さを出します。
残りの長さ = 帯の全長 − 手先の長さ − 胴回り×2
手先の長さ
手先は、帯を巻き始めるときに、肩に預けておく側の端のことです。結び目を作るときに、たれ側と結び合わせるために使います。子どもの帯では、子どもの肩幅くらいを手先に取ると、結び目がしっかり作れます。7歳なら、多くの子で30cm前後になります。
手先を短く取りすぎると、結び合わせたときにすぐほどけます。長く取りすぎると、たれ側が足りなくなります。迷ったら、子どもの肩に帯の端を当てて、肩の端から首の付け根までの長さに10cmほど足したくらいを目安にしてください。
胴に2周
帯は胴に2周巻きます。だから、胴回りの2倍を引きます。帯の厚みがある場合、2周目は1周目の上に重なるので、実際には胴回りの2倍より少し長く使います。厚い帯なら、2周分にさらに5cmほど足して引いておくと、計算と実際の差が小さくなります。
計算の例
帯の全長が330cm、手先を30cm、胴回りが56cmなら、
330 − 30 − 56×2 = 188cm
残りは188cmです。これなら、ふくら雀も、大きめの立て矢も選べます。
同じ帯でも、胴回りが64cmの子なら、
330 − 30 − 64×2 = 172cm
残りは172cmになります。まだ150cmを超えていますが、ふくら雀を大きく作るには少し余裕が減ります。
帯の全長が280cmで、胴回り58cmなら、
280 − 30 − 58×2 = 134cm
残りは134cmで、文庫か立て矢を選ぶ長さです。
このように、同じ「7歳の帯」でも、帯と子どもの組み合わせで、選べる結び方が変わります。
残りが100cm未満なら、文庫結び
残りが100cmに満たない帯は、文庫結びにします。短い帯でも羽根の形がはっきり出て、7歳らしいかわいらしさがあります。結ぶ手順も少なく、初めての人でも結べます。
文庫結びの手順
- 手先を肩に預け、たれ側を胴に2周巻いて、1周ごとに後ろで軽く締める
- 手先とたれ側を、背中の真ん中で1回結ぶ。結び目は横に寝かせる
- たれ側を、羽根にしたい幅で屏風だたみにする。左右の羽根の長さをそろえる
- 屏風だたみにした羽根の真ん中を、山ひだを作るようにつまんで、手先で上から巻いて包む
- 手先の余りを、帯の内側に入れて始末する
- 羽根を左右に広げ、形を整える
残りが短いときのコツ
残りが短いと、羽根を2回折りにするか、1回折りにするかで迷います。80cm前後なら、羽根を1回折りにして、左右に1枚ずつ広げるほうが、ひとつひとつの羽根が大きく見えます。無理に2回折りにすると、羽根が小さく固まって、後ろから見たときに帯の幅に埋もれてしまいます。
残りが100〜150cmなら、文庫か立て矢
この長さは、選べる結び方がいちばん多い帯です。文庫を厚めに作ることもでき、立て矢にすることもできます。
どちらにするかは、結ぶ人の慣れで決める
- 帯を結んだことがない、または練習が1回しかできない:文庫
- 前日までに2回以上練習できる、または自分の帯を結んだことがある:立て矢
立て矢は、羽根を斜めに立てて、肩の方向へ向かう形にする結び方です。背中が華やかに見えて、7歳の着物によく似合います。ただ、斜めの角度を左右でそろえるのに少し慣れが要ります。
立て矢結びの手順
- 文庫と同じように胴に2周巻き、手先とたれ側を背中で1回結ぶ
- たれ側を、肩幅より少し短い長さで、2〜3回の屏風だたみにする
- 屏風だたみの真ん中を手先で巻いて留め、羽根の束を作る
- 羽根の束を、右上から左下へ斜めに傾けて、背中に沿わせる
- 帯締めで、羽根の根元を帯に固定する
- 上を向いた羽根の先を少し広げ、肩の方向へ向かうように整える
斜めの角度は、背中の中心線から45度より少し立てたくらいが、7歳の背中には収まりよく見えます。寝かせすぎると、結び目が横に広がって、文庫のように見えます。
左右どちらに傾けるか
立て矢の羽根は、右上から左下に傾けるのが一般的です。ただ、しごきを左の脇に垂らすので、羽根の下の端が左に来ると、しごきと重なって見えることがあります。その場合は、羽根の傾きを少しだけ立てて、下の端がしごきの結び目より上で止まるように調整します。
どちらに傾けるか迷ったら、子どもを鏡の前に立たせて、後ろ姿を手鏡で一緒に見てみてください。子どもが「こっちがいい」と言った向きにするのも、七五三らしい決め方です。
長さに余裕がある文庫
同じ長さで文庫を選ぶなら、余った分を羽根の厚みに回せます。屏風だたみを2回にして、羽根を2枚重ねにすると、後ろから見たときに奥行きが出ます。立て矢を練習する時間がないけれど、華やかにしたい、というときは、この厚めの文庫がちょうどいい選択です。
残りが150cmを超えるなら、ふくら雀も選べる
ふくら雀は、雀が羽根をふくらませた姿に見立てた結び方で、七五三の7歳の帯結びとしてよく知られています。左右に大きく羽根を広げ、真ん中にふくらみを作るので、長さが要ります。
ふくら雀を選ぶ前に
ふくら雀は、写真で見ていちばん映える結び方ですが、結ぶのにいちばん時間がかかり、崩れたときに直すのも大変です。次のすべてに当てはまるときに選んでください。
- 残りの長さが150cmを超えている
- 結ぶ人が前日までに2回以上、同じ帯で練習できる
- 当日の朝、着付けに40分以上とれる
- 子どもが、結ぶあいだ20分ほど立っていられる
1つでも当てはまらなければ、立て矢か厚めの文庫を選んだほうが、当日落ち着いて過ごせます。
結び方の流れ
ふくら雀の手順は、たれ側で左右の大きな羽根を2つ作り、その間を手先で包んで、真ん中にふくらみを持たせる流れになります。羽根の大きさ、ふくらみの高さ、帯締めの位置の3つをそろえるのに慣れが要るので、手順そのものは、帯を広げながら、一度ゆっくり動画や図解で追いかけてください。この記事では、どの長さなら選べるか、そして選ぶ前に何を確かめるかまでを書いています。
作り帯を選ぶ家
ここまで、結ぶ帯の話をしてきましたが、七五三では、最初から形ができている作り帯を選ぶ家も多くあります。
作り帯が合う条件
- 結ぶ人が、帯を結んだことがなく、練習の時間もとれない
- 当日の朝、着付けから出発まで1時間もない
- 子どもが、長く立っているのを嫌がる
- 写真館で撮影し、そのあと参拝もする、という長い一日になる
作り帯は、胴に巻く部分と、結び目の部分が分かれていて、結び目を背中に差し込んで留める形です。結ぶ時間がほとんど要らず、崩れたときも差し込み直すだけで戻ります。
作り帯でも測っておくもの
作り帯は結ばないので、長さの計算は要らないと思われがちです。ただ、胴に巻く部分の長さだけは測っておいてください。胴回りに対して短いと、後ろで留める金具やひもが届かず、長すぎると、巻き終わりがだぶついて前にしわが寄ります。
もう1つは、結び目の部分の大きさです。作り帯の結び目は、大人の手で作られた形のまま届くので、子どもの肩幅を超えていることがあります。肩幅を超えていたら、羽根の根元を少し内側に寄せて、クリップで留め直すだけで、後ろ姿が子どもの体に合ってきます。
結ぶ帯と迷ったら
結ぶ帯と作り帯の見た目は、写真ではほとんど変わりません。迷ったら、結ぶ人の気持ちの余裕で決めてください。七五三の朝は、子どもの髪、親の支度、写真館の時間と、やることが重なります。帯結びに時間がかかって親が焦ると、子どもにもそれが伝わります。作り帯にして、その分を子どもと話す時間に回す、という選び方もあります。
羽根の大きさは、肩幅の内側に収める
どの結び方でも、羽根の左右の幅をどこまで広げるかで、後ろ姿の印象が変わります。目安は、子どもの肩幅の内側です。
肩幅の測り方
子どもを立たせて、左右の肩の端から端までを、背中側から巻き尺で測ります。7歳なら、多くの子で28cmから32cmくらいです。
羽根の左右の端が、この肩幅の内側に収まっていれば、後ろから見たときに、帯が子どもの体からはみ出しません。肩幅を超えて広げると、帯ばかりが目立ち、腕を動かすたびに羽根に当たって、形が崩れやすくなります。
羽根を大きく見せたいとき
肩幅の内側に収めたまま、羽根を大きく見せたいときは、羽根を横に広げるのではなく、縦に厚みを出します。屏風だたみの回数を増やして、羽根を重ねると、後ろから見たときのボリュームが増えます。横幅は変えずに、華やかさだけを足せます。
前から見たときの帯の幅
後ろの羽根だけでなく、前から見たときの帯の幅も、子どもの体に合わせます。子ども用の帯は、前の幅を半分に折って巻くことが多いのですが、そのときの前の幅は、子どものみぞおちからおへその上までの長さに収まるくらいがちょうどいい目安です。
幅が広すぎると、座ったときに帯の下の端がおなかに当たって苦しくなり、狭すぎると、着物のおなかまわりがだぶついて見えます。帯を巻く前に、子どもの胴に帯を当ててみて、みぞおちとおへその間に収まるかを確かめてから、折る幅を決めてください。
結び目の高さ:背中のどこに置くか
羽根の大きさと同じくらい大事なのが、結び目の高さです。
目安は、肩甲骨の下
7歳の帯は大人より高めに巻くので、結び目も高めに置きます。結び目の上端が、肩甲骨の下の端あたりに来るのが目安です。子どもの背中に手を当てて、肩甲骨の下の角を探し、そこに結び目の上の辺を合わせます。
低すぎると、高すぎると
結び目が低すぎると、子どもが座ったときに、椅子の背もたれや車のシートに当たって、羽根がつぶれます。写真館の椅子、移動の車、参拝のあとの食事の席と、七五三の一日は座る場面が多いので、低い結び目はすぐに崩れます。
反対に高すぎると、羽根が肩に近づきすぎて、首の後ろが詰まって見えます。子どもが首を動かすたびに羽根に触れ、気になって手で触ってしまうこともあります。
座らせて確かめる
結び終えたら、一度子どもを椅子に座らせてみてください。背もたれに羽根が当たらず、首を回しても羽根に触れなければ、高さはちょうどいい位置です。当たるなら、結び目を1〜2cm上げます。
子どもが一日動く前提で、固定する
大人の着付けと違うのは、子どもが一日じっとしていないことです。走る、しゃがむ、抱っこをせがむ、と、帯にはさまざまな力がかかります。
補正のタオルで、帯の土台を作る
子どもの胴は、大人と比べてくびれが少なく、おなかが前に出ている子も多くいます。そのまま帯を巻くと、帯の上の端が胸に食い込み、下の端が浮いて、帯が斜めになります。これを防ぐのが補正です。
薄いタオルを1枚、縦に3つ折りにして、おなかの上から腰にかけて巻き、腰紐で軽く留めます。帯を巻く位置が平らになれば十分で、厚くする必要はありません。補正をしてから胴回りを測ると、本番の帯の長さの計算がずれにくくなります。
帯板を入れる
帯の前側には、帯板を入れます。帯の2周目を巻くときに、1周目と2周目の間に差し込みます。帯板があると、前から見たときに帯にしわが寄らず、帯全体が下がりにくくなります。子ども用の短い帯板があれば、それを使います。大人用しかなければ、子どもの胴回りの半分くらいの長さのものを選んでください。
帯締めと帯揚げ
帯締めは、結び目の羽根の根元を通して、前で結びます。結び目全体を帯に固定する役割があるので、しっかり締めます。帯揚げは、帯の上の端から少しのぞかせる布で、見た目を整えるとともに、結び目が後ろに倒れるのを防ぎます。
しごき
7歳の七五三では、帯の下の左側に、しごきという布を結んで垂らします。しごきは飾りの意味合いが強いのですが、帯の下の端を押さえる役割もあります。帯を結び終えてから、左の脇で結び目を作り、残りを垂らします。
締めすぎに気をつける
固定しようとして締めすぎると、子どもが苦しくなって、一日がつらくなります。帯を巻き終えたら、帯と着物の間に、大人の指が2本入るかを確かめてください。入らなければ締めすぎです。子どもに「苦しくない?」と聞いて、深く息をしてもらうと、締め具合がよくわかります。
結び終えたら、出かける前に確かめる5か所
帯を結び終えたら、玄関を出る前に、次の5か所を順に確かめてください。1か所につき数秒で済みます。ここで見つけた小さなずれは、外に出てからでは直しにくくなります。
- 前の帯にしわがないか:帯板が斜めに入っていると、帯の前に横じわが出る。帯の上の端から指を入れて、帯板をまっすぐに戻す
- 帯揚げの見え方が左右でそろっているか:片側だけ多く出ていると、正面の写真で目立つ。少ない側に指で押し込むのではなく、多い側を内側にしまう
- 帯締めの結び目が真ん中にあるか:おへその真上からずれていないか。ずれていたら、帯締めを持って帯ごと少し回すのではなく、結び目だけを動かす
- 羽根の左右の長さがそろっているか:後ろに回って、左右の羽根の先が同じ高さにあるか。そろっていなければ、短い側の羽根の根元を少し引き出す
- しごきの結び目が左の脇にあるか:前に回りすぎていると、抱っこをしたときにつぶれる
5か所を見終えたら、子どもに一度その場で小さくジャンプしてもらってください。羽根が大きく揺れて傾くなら、帯締めがゆるんでいます。揺れても元の位置に戻るなら、一日もちます。
崩れたときに直す道具を持っていく
出かけるときのかばんには、洗濯ばさみのような小さなクリップを2つと、予備の腰紐を1本入れておきます。羽根が崩れたとき、クリップで仮に留めておけば、落ち着ける場所まで形を保てます。腰紐は、帯の下で着物がはだけてきたときに、上から締め直すのに使えます。どちらも小さく、かばんの隅に入れておけば邪魔になりません。
迷うとき①:残りの長さが、境目ちょうどだった
測ってみたら、残りが100cmぴったり、150cmぴったり、という帯もあります。どちらの結び方にするか、いちばん迷うところです。
短いほうの結び方を選ぶ
境目の長さのときは、短いほうの結び方を選んでください。100cmちょうどなら文庫、150cmちょうどなら文庫か立て矢です。
長さに余裕のない状態で大きな形を作ろうとすると、羽根が小さくなるか、たれ側を引っ張って締めることになり、締めが甘くなります。締めが甘い帯は、一日のうちに少しずつ下がってきます。短いほうの結び方で、余った分を羽根の厚みに回すほうが、写真で整って見え、崩れにくくもなります。
手先を短くして、たれ側を増やす
どうしても長いほうの結び方にしたいなら、手先を少し短く取って、たれ側に回す方法があります。手先を30cmから25cmにすれば、たれ側は5cm増えます。ただし、手先を短くするほど結び目がほどけやすくなるので、25cmより短くはしないでください。帯締めでしっかり固定することが前提になります。
胴回りを測り直す
境目のときは、もう一度胴回りを測り直してみてください。補正のタオルの厚み、測る高さで、数cm変わることがあります。2周分になると、その差が倍になり、境目を越えることもあります。本番と同じ補正をした状態で、帯を巻く高さで測った数字を使ってください。
迷うとき②:お下がりやレンタルの帯で、勝手がわからない
姉や親戚から譲られた帯、レンタルで届いた帯は、自分で選んだものではないぶん、長さも硬さもわかりません。
まず測る、次に硬さを見る
長さは、ここまでの方法で測ります。それに加えて、帯の硬さを確かめてください。帯を手に持って、軽く折ってみます。
- 折り目がすぐにつく、やわらかい帯:羽根がふんわりする。立て矢やふくら雀の形が出しやすいが、形が崩れやすい
- 折っても戻ろうとする、張りのある帯:羽根の形がはっきり出る。文庫が映える。ふくら雀のふくらみは出しにくい
同じ長さでも、硬さによって向く結び方が少し変わります。長さで選べる結び方を絞ったあと、硬さで最後の1つを決めると、帯の持ち味を生かせます。
レンタルの帯が作り帯だったとき
レンタルでは、作り帯がセットになっていることも多くあります。届いた箱を開けて、結び目がすでに形になっていれば作り帯です。この場合は、胴に巻く部分の長さが子どもの胴回りに合うか、だけを確かめてください。胴回りに対して長すぎるなら、巻き終わりを内側に折り込みます。
迷うとき③:写真館と参拝が、同じ日か別の日か
七五三では、写真館での撮影と神社への参拝を、同じ日にする家も、別の日にする家もあります。どちらにするかで、帯の結び方の選び方が少し変わります。
同じ日にするとき
写真館で撮影し、そのまま参拝に行き、食事をして帰る、という一日は、帯を結んでから外すまでが長くなります。朝から夕方まで、6時間以上になることもあります。この場合は、崩れにくさを優先します。残りの長さが十分でも、ふくら雀より、立て矢か厚めの文庫を選ぶほうが、夕方まで形が保てます。
別の日にするとき
撮影だけの日は、帯を結んでいる時間が2〜3時間で済みます。この日は、残りの長さが許す範囲で、いちばん華やかな形を選んでも構いません。参拝の日は、写真を撮る場面が少ないぶん、文庫など結ぶのが楽な形にする、という使い分けもできます。
食事の席で気をつけること
参拝のあとに食事をする家も多いでしょう。お座敷なら、子どもは正座か横座りになり、椅子の席なら背もたれに寄りかかりたくなります。どちらも、帯の結び目に負担がかかる姿勢です。
お座敷では、座る前に羽根を軽く持ち上げて、かかとに当たらないようにします。椅子の席なら、背もたれと背中の間に、たたんだタオルかクッションを1枚挟むと、羽根がつぶれません。食事の前に帯締めを少しだけゆるめると、子どもが楽に食べられます。食べ終えたら、帰る前に締め直してください。
写真館で着付けてもらえるとき
写真館で着付けをしてもらえる場合は、撮影のあと、参拝のために帯を結び直すことがあるかを確かめておきます。撮影で結んだ形のまま参拝に行くなら、崩れたときに直す方法だけを教えてもらっておくと、安心して出かけられます。
当日の段取り:いつ結び、どれだけ時間を見るか
帯結びにかかる時間は、結び方と結ぶ人の慣れで大きく変わります。当日の朝は、次の目安で時間を見ておいてください。
結ぶ時間の目安
- 作り帯:5〜10分
- 文庫(練習1回):15〜20分
- 立て矢(練習2回):20〜30分
- ふくら雀(練習2回以上):30〜40分
これに、着物を着せる時間、髪を整える時間、親の支度の時間が加わります。帯を結ぶ時間は、出発の時刻から逆算して、最後から2番目に置くのがおすすめです。最後は親の支度です。帯を結んだあとに子どもを長く待たせると、座ったり寝転んだりして形が崩れます。
練習は同じ帯で
前日の練習は、必ず当日と同じ帯で行ってください。練習用に別の帯を使うと、長さと硬さが違って、当日に形が変わります。練習のときに、羽根の長さを決める位置にクリップやしつけ糸で印をつけておくと、当日は印に合わせて折るだけで済みます。
前の晩に並べておくもの
当日の朝に探し物をしないために、前の晩に、使う順番で小物を並べておきます。補正のタオル、腰紐、帯板、帯、帯揚げ、帯締め、しごき、の順です。帯は、手先に取る長さのところに印をつけて、印が上に来るようにたたんでおきます。羽根の長さの印も、練習のときにつけたまま残しておいてください。
並べた小物の横に、巻き尺も1つ置いておくと、朝に胴回りが思ったより違ったときに、その場で測り直せます。着せる場所の近くに鏡を立てておくと、結びながら後ろ姿を確かめられ、何度も子どもの後ろに回り込む手間が減ります。
子どもへの声かけ
結ぶあいだ、子どもにはまっすぐ立っていてもらう必要があります。7歳は、10分なら我慢できても、30分となると難しい子も多いでしょう。結ぶ前に「羽根ができたら鏡で見せるね」と約束しておく、好きな音楽をかけておく、など、子どもが立っていられる工夫をしておくと、結ぶ側も落ち着いて手を動かせます。
7歳以外の年齢のとき
最後に、七五三の3歳と5歳の場合を簡単に書いておきます。
3歳
3歳の七五三では、着物の上に被布というベストのような上着を着せることが多く、この場合は大きな帯を結びません。着物は、付け紐や細い帯で留め、その上から被布を着せます。帯結びに悩む必要はほとんどなく、長く立っていられない3歳に合った装いです。
5歳
5歳の男の子は、着物に袴を合わせます。袴の下には角帯という細い帯を結び、袴のひもをその上から結びます。角帯の結び方は、7歳の女の子の帯とは別の考え方になりますが、ここでも、帯の長さを測ってから結び方を選ぶ、という順番は同じです。
帯の長さを測る習慣は、どの年齢でも役に立つ
3歳、5歳、7歳と、七五三は子どもの年齢ごとに装いが変わります。どの年齢でも、手元の帯の長さを測り、子どもの体を測ってから結び方を選ぶ、という順番を守ると、当日の朝に「思っていた形にならない」という焦りが減ります。
七五三の当日、親の足元をどう決めるかは七五三の母親の服装は足元から決める|ストッキングの色・ヒールの高さ・参道の砂利で変わる選び方で書いています。子どもの帯と親の足元が決まれば、当日の朝の支度はほぼ見通せます。
よくある問い
- Q. 7歳の七五三の帯は、作り帯と結ぶ帯のどちらがいいですか
- 結ぶ人が前日までに一度練習できるなら、結ぶ帯でも十分に間に合います。練習の時間がとれない、当日の朝に着付けから出発まで1時間もない、子どもが長く立っているのを嫌がる、のどれかに当てはまるなら、作り帯のほうが落ち着いて支度できます。仕上がりの見た目に大きな差はありません。
- Q. 帯の残りの長さが、ちょうど境目くらいでした。どちらの結び方にすればいいですか
- 短いほうの結び方を選んでください。長さに余裕のない状態で大きな形を作ると、羽根が小さくなるか、締めが甘くなって一日のうちに下がってきます。短いほうの結び方で、羽根をしっかり作ったほうが、写真でも整って見え、崩れにくくなります。
- Q. お下がりやレンタルの帯で、長さがわかりません
- 巻き尺で端から端まで測ってください。布の巻き尺がなければ、ひもを帯に沿わせて印をつけ、あとでものさしで測っても構いません。測った全長から、手先に取る長さと、着物を着せた上から測った子どもの胴回りの2周分を引けば、残りの長さが出ます。
- Q. 当日、帯が下がってきたらどうすればいいですか
- 結び目全体を下から両手で持ち上げ、帯の下に指を入れて、帯板が下がっていないかを確かめます。帯板が下がっているなら、帯の内側で元の高さに戻し、帯締めを一度ゆるめて結び直します。羽根の形が崩れている場合は、羽根の根元をつまんで整えるだけにして、全体をほどき直すのは控えたほうが早く済みます。
— メグラシ編集部





