帯締めの結び方アレンジ 簡単|本結びのまま、結び目と房の向きで変える

**いつもの本結びで帯締めを結んだら、余った端の片方を指でつまんで、結び目から何cm残っているか見てみてください。**その長さで、あなたの帯締めでできるアレンジが決まります。
帯締めのアレンジを簡単にしたいとき、新しい結び方を1つ覚えるより、本結びのまま3か所を動かすほうが早く、戻すのも簡単です。結び目を置く位置、房の向き、余った端の始末。10月に入って袷の着物を出す季節は、七五三の付き添いや成人式の前撮り、秋の食事会と、着物で出かける日が続きます。場によって寄せ方を変えられると、1本の帯締めで何通りにも使えます。
帯そのものを背中で整える手順は名古屋帯のお太鼓の結び方に、帯締めの色の選び方は着物と帯の色の合わせ方に分けてあります。この記事は、帯締めの結び目だけを扱います。
結論:本結びを土台に、動かすのは3か所だけ
帯締めのアレンジは、次の3か所の組み合わせです。
| 動かす場所 | 基本(改まった場) | アレンジ(ふだんの日) |
|---|---|---|
| 結び目の位置 | 体の中心 | 中心から指1〜2本ぶん横 |
| 房の向き | 上向きで脇に挟む | 下へ垂らす・前に見せる |
| 余った端の始末 | 脇の帯締めに挟む | 輪にして残す(片わな・蝶結び) |
**どれか1か所を動かすだけで、アレンジになります。**3か所を全部動かす必要はありません。改まった場では、3か所とも基本のままにしておきます。
先に測る|本結びのあと、片側に何cm余っているか
アレンジの幅は、帯締めの長さと、胴まわりに巻いた帯の太さで決まります。同じ帯締めでも、人によって余りの長さが違います。
本結びをしたら、房の付け根から結び目までの長さを、片側ずつ測ってください。指を横に並べて、指1本がおよそ2cmです。
- 15cm未満:形を変えるアレンジは難しい。位置と房の向きで変える
- 15〜20cm:房を垂らすアレンジまで
- 20〜30cm:片わな結びができる
- 30cm以上:蝶結びができる
**左右で長さが違うときは、短いほうで判断します。**結ぶ前に左右の長さをそろえておけば、短いほうが増えて、選べるアレンジが1段広がります。
本結びのやり方|すべてのアレンジの土台
アレンジはすべて、本結びの途中か最後から分かれます。手順を確かめておきます。
- 帯締めを帯の後ろから前へ回し、体の前で左右の長さをそろえる
- 左を上にして交差させ、上になったほうを下からくぐらせて、ひと結びする
- ここで一度、左右に引いてしっかり締める
- 下に出ているほうを上へ折り返して、輪を作る
- 上に出ているほうを輪にかぶせるように通し、左右に引いて結び目を締める
- 余った端を、左右の脇で帯締めに下から挟み、房を上向きにする
3で締めた強さが、その日の帯締めの締まり具合になります。**5で締め直そうとすると、結び目の形が崩れます。**締めるのは3、形を整えるのは5と分けて考えてください。
アレンジ①|結び目の位置を、指1〜2本ぶん横へ
いちばん簡単なアレンジは、結び目を体の中心から横へずらすことです。手順は本結びと同じで、1で左右の長さをわざとずらしておくだけです。
ずらす幅は、指1〜2本ぶんにしてください。それより大きくずらすと、帯の前の柄と結び目がぶつかって、どちらが主役か分からなくなります。帯の前の柄が片側に寄っている場合は、柄のない側へずらすと、柄と結び目が左右で釣り合います。
ずらす方向は、左右どちらでも構いません。迷ったら、帯揚げを多めに見せている側と反対にずらすと、胸元から帯にかけての重さが片側に偏りません。
アレンジ②|房を上に挟まず、下へ垂らす
本結びの6で、房を脇に挟まずに、結び目から下へ垂らします。帯締めの端がそのまま前に見えるので、房の色や形を見せたい日に向いています。
垂らすときは、房の先が帯の下端より下に出すぎない長さにそろえてください。帯の下端から指2本ぶん以上出ると、歩くたびに房が揺れて落ち着きません。長すぎるときは、結び目の裏で一度だけ帯締めに巻きつけてから垂らすと、長さが調整できます。
このアレンジは、ふだん着の着物や浴衣、振袖の日に向いています。改まった場では房を上向きに戻してください。
アレンジ③|片わな結び|片方を輪にして残す
余りが片側20cm以上あるなら、片わな結びができます。本結びの5で、上に出ているほうを最後まで引き抜かず、輪の形のまま途中で止める結び方です。
- 本結びの4までは同じ
- 5で、上に出ているほうを二つ折りにして、輪にしたまま通す
- 輪の大きさを、結び目の横幅と同じくらいにそろえる
- 輪と反対側の端は、脇の帯締めに挟むか、下へ垂らす
輪が結び目より大きいと、輪のほうが目立って、結び目の形が見えなくなります。輪は結び目と同じ幅まで。これだけ守れば、小さな飾りのように見えます。
アレンジ④|蝶結び|余りが30cm以上あるときだけ
余りが片側30cm以上あるなら、蝶結びにできます。本結びの2でひと結びしたあと、靴ひもを結ぶ要領で左右に輪を作ります。
蝶結びは、帯締めの種類で形の残り方が変わります。平たく組んだ帯締めは面が広いので、輪が平らに開いて、リボンのように見えます。丸く組んだ帯締めは、輪が細くまとまって、軽く見えます。
蝶結びは、ふだん着の着物や浴衣、振袖の日に限って選んでください。形そのものが変わるアレンジなので、改まった場では目立ちます。振袖の飾り結びとして使う日は、輪を左右対称にせず、片方を少し大きくすると、帯の前の華やかさに負けません。
着物の格で、動かしてよい幅が変わる
どこまで動かしていいかは、着物の格と、その日の場で決まります。
- 結婚式・式典(留袖・訪問着など):3か所とも基本のまま
- 食事会・お茶の席(訪問着・付け下げ・色無地):結び目の位置を指1本ぶんまで
- ふだんの外出(小紋・紬):房を垂らす、片わな結びまで
- 浴衣・振袖の飾り結び:蝶結びも含めて自由に
**迷ったら、1段かための側に寄せてください。**結び目の位置は、会場に着いてからでも数秒で戻せます。房の向きを変えるアレンジは、その場で直すのに少し手間がかかるので、改まった席の日は最初から上向きにしておきます。
秋に着物で出かける日|七五三の付き添いと、成人式の前撮り
10月から11月は、着物で出かける日が重なる時期です。
七五三の付き添いで着物を着る日は、主役は子どもです。神社で改まった場に立つので、結び目は体の中心、房は上向きの本結びのままにしてください。帯締めでは目立たせず、写真の中で子どもの晴れ着が引き立つようにします。
成人式の前撮りで振袖を着る日は、帯締めのアレンジがいちばん生きる場面です。帯の前が大きく写るので、片わな結びや蝶結びが写真の中で効きます。着付けを頼む日なら、どのアレンジにしたいかを先に伝えておくと、帯締めの長さに合わせて結んでもらえます。
どちらとも取れるとき①|余りが、選びたいアレンジに少し足りない
測った余りが、選びたいアレンジの目安に数cm足りないことがあります。
そのときは、結ぶ前に帯締めを帯のどこに通しているかを見直してください。帯の上下の真ん中をまっすぐ通していれば、斜めにずれて回っているときより、余りが数cm増えます。背中のお太鼓の中で帯締めがねじれていても、そのぶん短くなります。
それでも足りなければ、1段手前のアレンジに降ります。蝶結びに足りなければ片わな結び、片わな結びに足りなければ房を垂らすアレンジ。足りないまま結ぶと、輪が小さくつぶれて、結び損ねたように見えます。
どちらとも取れるとき②|場の改まり具合が読めない
食事会やお祝いの席で、どのくらい改まった場なのか読めない日もあります。
そのときは、本結びで家を出て、結び目の位置だけを会場で決めるのがいちばん楽です。着いてみて、周りの装いがくだけていれば、手洗いで結び目を指1本ぶん横へずらすだけで済みます。反対に、アレンジした形で家を出て、会場で改まった空気だったときに本結びへ戻すのは、鏡のない場所では手間がかかります。
帯締めは、あとから崩すほうが簡単です。迷う日はかための側から始めてください。
どちらとも取れるとき③|平たい帯締めか、丸い帯締めか
手持ちに平たいものと丸いものがあって、どちらでアレンジするか迷うことがあります。
平たい帯締めは、面が広いので**結び目の形がはっきり出ます。**本結びのまま位置をずらすアレンジや、蝶結びで面を見せたい日に向いています。
丸い帯締めは、細くまとまるので**輪を作るアレンジが軽く見えます。**片わな結びや、房を垂らすアレンジに向いています。そのかわり、平たいものより結び目が滑りやすいので、本結びの3で一度しっかり締めておいてください。
よくある行き違い
**「アレンジしたいから、新しい結び方を覚えようとした」。**多くのアレンジは、本結びの途中か最後から分かれます。まず本結びの3か所を動かすところから始めると、覚えることが少なく済みます。
**「房を下向きにするのがおしゃれだと思った」。**房を下向きにそろえるのは、弔事の装いとされています。垂らすアレンジは、ふだん着の着物や浴衣の日にとどめてください。
**「輪を大きく作った」。**輪が結び目より大きいと、結び目の形が見えなくなります。輪は結び目と同じ幅までです。
**「結び目を大きくずらした」。**指2本ぶんを超えると、帯の前の柄とぶつかります。ずらすのは指1〜2本ぶんまでにしてください。
装いに活かすなら
帯締めのアレンジは、本結びを土台に、結び目の位置・房の向き・余った端の始末のどれか1か所を動かすところから始めると、失敗がほとんどありません。結んだあとに余りを測れば、自分の帯締めでできるアレンジも分かります。
秋に着物を出したら、一度本結びをして、余った端を指で測ってみてください。その長さが、今年の帯締めで遊べる幅です。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 帯締めの簡単なアレンジには、どんなものがありますか
- いちばん簡単なのは、本結びはそのままで、結び目の位置を体の中心から少しずらすことです。次に、房を脇の帯締めに挟まず、下へ垂らすアレンジ。もう一歩進めるなら、本結びの最後に片方の端を輪にして残す片わな結びです。どれも本結びの手順から外れないので、新しく覚えることがほとんどありません。蝶結びは、余りが片側30cm以上あるときに選べます。
- Q. 帯締めの房は、上向きと下向きのどちらにしますか
- ふだんの着物やお祝いの席では、房を上向きにして脇の帯締めに挟むのが基本です。房を下向きにするのは、弔事の装いのときとされています。アレンジで房を下へ垂らすのは、ふだん着の着物や浴衣、振袖の飾り結びのように、決まりがゆるい場面にとどめてください。迷う場では上向きにしておけば、失礼にはなりません。
- Q. 訪問着でも帯締めをアレンジしていいですか
- 結婚式や式典のように改まった場では、結び目は体の中心、房は上向きの本結びのままにしてください。訪問着でも、友人との食事会やお茶の席のように少しくだけた場なら、結び目を指1本ぶん横にずらす程度は目立ちません。房を垂らす、蝶結びにする、といった形そのものを変えるアレンジは、小紋や紬、浴衣の日に回すと安心です。
- Q. 帯締めが短くて、アレンジができません
- 本結びのあと、片側の余りが15cm未満なら、形を変えるアレンジは難しくなります。そのときは、結び目の位置を動かすか、平たい帯締めなら結び目の上の面を少し斜めに整えるだけで印象が変わります。結ぶ前に、帯締めを帯のどこから回しているかも見直してください。帯の上下の真ん中を通していれば、斜めにずれて回っているときより数cm余りが増えます。
— メグラシ編集部





